01_M1カービン
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 M1カービンとは、1941年に米軍で制式採用されたカービン銃で後方部隊で使用することを前提に、取り回し易さ、適切な威力のカートリッジを採用した銃である。カートリッジは独自の30カービン弾を使用する。名称に「M」を付ける米軍の命名規則が採用されて最初のカービン銃であることからM1カービンと呼ばれる。

 

M1カービン(実銃)

 

 

性能

全長 904mm
重量 2,490g
口径 30口径
使用弾薬 30カービン弾
装弾数 15発
完成 1941年
総生産数 6,121,309挺挺
設計・開発 デビッド・マーシャル・ウィリアムズ / ウインチェスター社

 

背景から開発まで

 当時の米軍の主力小銃は第一線部隊にとっては十分な性能を持っていたが、後方部隊にとっては大型に過ぎ、長射程の性能を必要としない後方部隊にとっては威力もオーバースペックであった。しかしハンドガンや短機関銃では射程距離が短すぎるためその中間の兵器の開発が志向された。1938年、陸軍歩兵総監ジョージ・リンチ少将は後方部隊が装備するための新しいカービンの重要性に気付いたものの、その提案は陸軍長官により却下されていた。しかし第二次世界大戦が勃発すると一転、提案は承認されることになった。

 

開発

02_M2カービン
(画像はwikipediaより転載)

 

 ウインチェスター社は時期制式採用小銃の設計案をジョン・ブローニングの弟ジョナサン・ブローニングから購入、開発を開始するもジョナサン・ブローニングは数ヶ月後に死去、跡を継いだのは特異な経歴を持つ銃器デザイナーであるデビット・ウイリアムズによって改良が続けられた。因みにこのデビッド・マーシャル・ウィリアムズはコルトM1911の22LRモデルであるサービスエースの設計者でもある。しかし1940年に米軍のトライアルに出品するも最下位となってしまった。その後も様々な技術者によって改良が行われた結果、1941年にM1カービンとして米軍に制式採用された。名称のM1は1925年7月1日に決まった米軍の命名規則である「M」表記での最初のカービンであることを意味する。

 作動方式はショートストロークピストン式と呼ばれる方式で閉鎖機構はターンボルト方式である。弾薬の30カービン弾は1905年ウインチェスター社が発売したM1905用に設計された弾薬のリムレス版で設計自体は古いものの火薬は最新のものに変更されており元のカートリッジよりも27%高いエネルギーを持っている。1945年8月まで生産が続けられ、合計で6,121,309挺が生産された。

 

バリエーション

03_M3カービン
(画像はwikipediaより転載)

 

 バリエーションとしては空挺部隊用にピストルグリップ、折り畳み式ストックを装備したM1A1モデル、同じくストックに改良が加えられたA2、A3モデルがある他、フルオート機能を装備、30連マガジンを装備したM2、M2カービンに暗視装置を装備、夜間用のフラッシュハイダーを装備したM3がある。

 

M1カービン(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは、1969年に六研が鉄製モデルを発売、1972年にはCMCが金属モデル、1978年にはMGCが初の樹脂製長物として発売、1992年にはタナカワークスが発売している。エアガンでは1984年にマルシンが排莢式のエアガンを発売、1985年にはケースレス式エンフォーサーを発売している。1988年にはガスガンでライブカート式モデルを発売しており、その後8mm仕様で発売、2011年にはCO2仕様のケースレスガスガンを発売している他、海外メーカーではデニックス社がモデルガン、AGM社がコッキング式エアガン、キングアームズがCO2ガスガンを発売している。

 

タナカワークス M1カービン モデルガン

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性能

全長 900mm
重量 2,700g
装弾数 15発
初速  - m/s前後
定価 70,000円

 現在入手可能な貴重なモデルガンである。品質はモデルガンメーカーの老舗中の老舗であるタナカワークスの製品なので特上クラスである。長物であるがブローバック可能でカートリッジも改良されており発火性能も高い。ストックはウォールナット材を使用している。Ver.1とVer.2があるので注意が必要。価格が価格だけに発火するのには勇気が必要である。

 

マルシン M1カービン ガスガン

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性能

全長 910mm
重量 2,300g
装弾数 15発
初速 83m/s前後
定価 41,580円

 ストックは木製でレシーバー銃身は金属製という凝ったモデルである。CO2を使用しているため冷えには強く弾道も素直。ブローバック、ホールドオープンはするものの反動はそれほど強くはない。この手の銃はサバイバルゲームで使用するというよりも室内で作動を楽しむという遊び方が一番良いかもしれない。

 

まとめ

 

 M1カービンは第二次世界大戦以降も朝鮮戦争、ベトナム戦争においても使用された。歩兵の戦闘が変化し長射程である必要性が無くなるにつれてこのカービン銃の重要性は増していった。その後M1カービンをフルオート化したM2カービン、暗視装置を装備したM3カービン、そして現在、米軍で主に使用されているM4カービンとカービンの重要性は益々高くなっている。

 

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