(画像はwikipediaより転載)
要約
九六式小型水上機は渡辺鉄工所(のちの九州飛行機)が開発した潜水艦搭載用の水上機である。木・金属混成の複葉機で最高速度は233km/h、航続距離732kmであった。1936年7月に制式採用され太平洋戦争初期まで潜水艦で運用された。
九六式小型水上機
性能
全幅 9.98m
全長 7.64m
全高 3.70m
自重 847kg
最大速度 233km/h(高度 - m)
上昇力 3,000mまで9分41秒
上昇限度 6,740m
エンジン出力 300馬力(天風11型)
航続距離 732km
乗員 2名
武装 7.7mm機銃1挺
初飛行 -年-月-日
総生産数 33機
設計・開発 樋口良八郎 / 渡辺鉄工所
概要
日本海軍は1934年2月、渡辺鉄工所(のちの九州飛行機)に対して本格的な潜水艦搭載偵察機の試作を命じた。これを受けた渡辺鉄工所は樋口良八郎技師を設計主務者として設計を開始、同年11月に試作機を完成させた。この間わずか9ヶ月であった。
発動機は日立製300馬力エンジン天風で機体は複葉機で木・金属混成の骨組みに羽布張り、金属製の双フロート機であった。本機の最大の特徴は狭い潜水艦の格納筒に収納でき、さらに分解、組み立てにかかる時間が実際に運用できるレベルであるかが問題であった。これは試験の結果、分解に1分30秒、組み立てに2分30秒と実用的には問題の無い好結果が出たことから1936年7月に九六式小型水上偵察機として制式採用された。
実戦配備
1937年より配備が始まり、巡潜3型、甲型、乙型の潜水艦30隻以上に搭載された。これにより日本海軍は世界でも類をみない潜水艦による航空偵察能力を有した。しかし実際の運用では潜水艦が浮上してから組み立ててカタパルトで射出するまでには約40分かかる上に格納筒への搭載という目的を優先させたため操縦性は極めて悪いものとなった。それでも太平洋戦争初期までは運用され、各地の偵察任務に活躍した。後継機の零式小型水偵が採用されると順次交代していった。
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