要約
デルタエリートとは、一見、ただのガバメント(アメリカでは単に「1911」と呼ぶようだ)だけど、このモデル最大の特徴は、使用弾が45口径ではなく特殊な弾丸である10mm弾を使用することにある。これをモデルアップしたのがWAでSCW2という一世代前のモデルだ。東京マルイに比べてリアリティや反動は良いが命中精度が芳しくない。個体差なのかもしれないが。
デルタエリート
全長 210mm
重量 1,105g
口径 10mm
使用弾薬 10×25mmオート弾
装弾数 8発
完成 1987年
設計・開発 コルト社
デルタエリートとはコルト社が1987年に発売した10mm弾を使用するガバメントタイプのハンドガンである。装弾数は8発でスチール製モデルとステンレス製モデルがある。45ACP弾に比べて10mm弾は圧力が強いためリコイルスプリングもダブルスプリングに改良されている。それでも初期モデルでは10mm弾の圧力に耐えられずにスライドレールやフレームが破損する事故が相次いだ。
しかしこれらの不具合も改善されてデルタエリートは現在でも販売が続いているロングセラー商品となった。。。というのが実銃のお話である。要するにコルトガバメントの10mm弾仕様ということだ。ん?・・・10mm弾??・・・という方のために10mm弾の説明を少々。10mm弾とはコンバットシューティングの神様と言われたジェフクーパー大佐の発案による新しい口径。それまでのスタンダードな口径はアメリカは45口径、9mm口径だったわけだ。しかしそれぞれの弾丸には長所と短所が当然のように存在する。
まず、45口径弾。これは破壊力(マンストッピングパワー)がずば抜けている代わりに貫通力が弱い。これに対して9mm弾は全く逆で貫通力が優れている代わりに破壊力が弱いときたもんだ。この両方の長所のみを取り入れた新しい弾丸を作ろうというのが10mm弾の開発思想。
んで、作ってみたんだけど、いかんせん貫通力が強すぎた。それは警察官が使用する防弾チョッキをも貫通してしまうほどだったそうな・・・。んで、「コップキラー」なんてありがたくないあだ名まで貰ってしまった。
それでも一時期は次世代の弾丸!!・・・位の勢いで話題になった。確か80年代後半から90年代初頭だったと思うけど、10mm弾用に開発されたD&D社製ブレンテン、ガバメントクローンのオメガ、S&WのM1006等々10mm弾使用の銃が一気に出た。その中でデルタエリートも開発されるわけだ。まあ、今ではみんなコレクターズアイテムとなってしまったが。
・・・と大体こんな感じだったと思う。まあ、実銃の話はともかく、2004年にとうとうこの意外にマニアックな銃「デルタエリート」がWAから発売されたのだ。それより以前にはMGCから固定スライドガスガンが出ていたのと他にも数社からモデルアップされていたと思う。・・・そう、意外と人気があったのだ。
んで、人生の中で80年代後半が一番トイガンに熱中した私としてはつい欲しくなって買ってしまったのだった。まあ、外観はWAの製品なので非の打ち所はない。ヘビーウェイト製の上、グリップにもおもりが入っていてずっしりとした重みのあるものとなっている。
限定品ということで、発売日に渋谷の直営店に買いに行ったけど、その後セールの対象になっていたり、中古品が出回っていたりと、あまり人気がなかったようだ。実射性能だけど、ブローバックはマルイに比べて鋭いが、いかんせん命中精度が芳しくない。私の個体の問題か私の腕の問題か、5mで7cmに広がってしまった。何回撃っても同じような結果になる訳で・・・。マルイのMEUピストルに慣れちゃうとやはりお蔵入りとなってしまった。
正直、あまり勧められない。デルタエリートが欲しいなら、マルイのガバメントをベースにコンバージョンキッドでデルタを作った方が良いと思われ・・・。結局、WAのデルタエリートは歴史の闇の中に消えていくのであった・・・。
【追記】2019年10月2日
この記事は2014年4月30日のもので、記事のデルタエリートはSCW2モデル。現在、限定で発売されているレール付きの最新型デルタエリートは性能はこの記事のものと全く異なる。WAの現行ガバは固定ホップのため、弾を遠距離まで飛ばすことはできないが、5m〜10m程度ではかなり命中精度は高い。WAは、5m先の500円玉に充てられる命中精度を保障している。本記事の結論としてマルイ製ガバをカスタムした方がいいとしているが、現在の私は、マルイ製に比べ、命中精度は若干劣るかもしれないが、強烈な反動と重量感を持つWA製品の方が優れていると思っている。
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