
(画像はwikipediaより転載)
要約
太平洋戦争においても戦艦は活躍し続ける。特に戦艦ノースカロライナ級、サウスダコタ級は戦争初期に投入され多くの戦果を挙げた。戦争中盤になるとアイオワ級が戦列に加わり機動部隊の中心となり艦砲射撃に活躍する。
太平洋戦争での戦艦の活躍
アメリカの第二次世界大戦は真珠湾攻撃によって始まった。この空母機動部隊が海の王者戦艦を壊滅状態にしたという空前の事件により、米国は航空機の威力を知り戦艦中心から空母中心に代えていったと言われるが、実際には米海軍は開戦後も戦艦の建造を続け、最終的には10隻もの新造戦艦を戦場に送り込んでいる。
新造戦艦だけでなく真珠湾攻撃で破壊された旧式戦艦も近代化改装を受けたのちに戦線に投入されている。これだけでなくアイオワ級戦艦5番艦イリノイは終戦直前まで建造が続けられており、6番艦ケンタッキーに至っては終戦後も建造が続けられた。
このように第二次世界大戦中は合理主義で有名な米国ですらも戦艦の砲力を頼っており、実際、戦艦は太平洋戦争初期から中期までは海上戦闘で戦力の中核として、戦争中盤から終戦までは艦砲射撃によって米軍の勝利に貢献している。特に戦艦ノースカロライナ級や戦艦サウスダコタ級は南太平洋戦域に派遣され砲撃戦によりかなりの戦果を挙げている。
ノースカロライナ級戦艦

(画像はwikipediaより転載)
性能
通常排水量 35,000トン
最大排水量 44,638トン
全長 222.3m
全幅 33m
吃水 10m
機関出力 121,000馬力
最大速力 28ノット
航続距離 15,000海里/15ノット
乗員 1,880名
武装 45口径40.6cm砲3連装3基
12.7cm両用砲2連装10基
28mm機関砲4連装4基
装甲 舷側30.5cm
甲板14cm
主砲30.5cm
同型艦 2隻
ワシントン海軍軍縮条約では戦艦の主砲は35.6cm以内と決められていたが、1937年にこの条約が失効したことにより各国は制限のない状態での新型戦艦の開発が可能となった。但し、ノースカロライナ級が計画された段階ではワシントン軍縮条約を継承したロンドン海軍軍縮条約が延長されるかどうかは不明であり、35.6cm砲搭載艦として計画されたものを条約の失効により40.6cm砲搭載艦として設計し直したという経緯がある。
主砲こそは40.6cm砲を搭載したものの、装甲が35.6cm砲用のものであり、40.6cm砲に対しては防御力が不足することが本級の弱点であった。さらにスクリューが動くと艦に大きな振動が起こるという問題点があった。この問題は結局は解決するも、解決するまでに数年を要した。
本級は就役後、欧州戦域に派遣されたりしたが、海戦で敵戦闘艦と戦火を交えることはなかったが、太平洋戦域に派遣されると第二次ソロモン海戦を手始めに多くの海戦に参加することとなる。特に2番艦ワシントンは第三次ソロモン海戦で日本海軍の戦艦霧島に主砲9発を命中させ撃沈するという戦果を挙げた。
サウスダコタ級戦艦

(画像はwikipediaより転載)
性能
基準排水量 35,000トン
全長 207.4m
全幅 33m
吃水 10.3m
機関出力 13,000hp
最大速度 27ノット
航続距離 15,000海里/15ノット
乗員 1,793名
武装 45口径40.6cm砲 3連装3基
12.7cm両用砲 2連装10基
28mm機関砲4連装7基
20mm機関砲 35基
装甲 舷側31cm 甲板14.6cm 主砲45.7cm
同型艦 4隻
ノースカロライナ級戦艦が計画変更によって40.6cm砲を搭載したのと異なり、サウスダコタ級戦艦は当初から40.6cm砲搭載が予定されていた。このため装甲も前級に比べて厚く、よりバランスのとれたものとなった。全長は前級に比べて15mも短くなった代わりに軽量化された分は装甲の強化に充てられた。外観上は全長が短くなった分、「ずんぐり」した形状になっていることと前級では煙突が2本であったものが1本になっているのが特徴である。
本級もノースカロライナ級戦艦と同様、戦艦同士の砲撃戦を経験している。1番艦サウスダコタ、2番艦インディアナは太平洋戦域に派遣され日本海軍と激戦を展開、3番艦マサチューセッツは大西洋戦域に派遣され、フランス海軍戦艦ジャン・バールと戦火を交えている。この際、マサチューセッツはフランス駆逐艦2隻を撃沈するという戦果を挙げている。
アイオワ級戦艦

(画像はwikipediaより転載)
性能
基準排水量 45,000トン
最大排水量 59,000トン
全長 270.6m
全幅 33m
機関出力 212,000馬力
最大速度 33ノット
乗員 1,921名
武装 50口径40.6cm3連装3基
12.7cm連装砲10基
40mm機関砲4連装15基
20mm機関砲単装20基
装甲 舷側30.7cm
甲板15.2cm
主砲43.1cm
ノースカロライナ級戦艦、サウスダコタ級戦艦とは全く別次元の戦艦がこのアイオワ級である。前級の排水量が35,000トンであったのに対してアイオワ級は45,000トン、最大排水量では59,000トン、全長もサウスダコタ級戦艦に対して60m以上も長いアメリカ海軍史上最強の戦艦であった。大型化はしたものの最大速度は新戦艦中最速の33ノット、主砲はサウスダコタ級戦艦と同じ40.6cm砲であったが、口径が50口径となりさらに強力になった。つまりは全てにおいて別次元の戦艦であったのだ。
アイオワ級は1943年に就役すると当時最強であったドイツ戦艦テルピッツに唯一対抗できる戦艦として大西洋に派遣されるが、しばらくして太平洋戦域に移動することになる。以降、同級は戦艦同士の海戦はなかったものの、艦砲射撃に威力を発揮した。
戦後も予備役と現役復帰を繰り返し、朝鮮戦争、ベトナム戦争に活躍する。1980年代に600隻艦隊構想により現役復帰した際には近代化改装を行い、最新の電子機器を装備した上に巡航ミサイルトマホーク、対艦ミサイルハープーン、CIWSなどが装備された世界で唯一の「ハイテク戦艦」であった。改装後はレバノン紛争、湾岸戦争に活躍した世界最後の戦艦である。
ノースカロライナ級とサウスダコタ級の違いってなーに?
日本戦艦についてはみんな知っているが米国の戦艦の違いというのは今ひとつな人もいるだろう。そこで米国の10隻の戦艦の違いを分かりやすく説明してみよう。例によって米戦艦の違いが分かるようになったことで得をすることは一つもないということだけは覚えておこう。
米戦艦で一番有名なのはアイオワ級。今回の10隻の戦艦中4隻を占める戦艦だが、これは難易度低め。大きさがデカいし3連装砲3基を搭載するシルエットは我らオタクは見ればすぐにわかる。他の戦艦が排水量35,000トンなのに対して45,000トンと遥かにデカい。最高速度は米戦艦中最速。日本の戦艦でも33ノットを出す戦艦はいないので太平洋戦域では最高速度を誇る戦艦だ。
これに対して分かりにくいのがノースカロライナ級とサウスダコタ級。どっちも州の名前だし見た目も同じような感じ。主砲もどちらも45口径16インチ砲3連装3基と全く同じだし、どっちがどっちやら。。。
外観の一番の特徴は煙突の数だ。前級のノースカロライナ級は煙突2本、サウスダコタ級は煙突1本だ。前述しているが1937年に発注されたノースカロライナ級はまだ軍縮条約の制約を受ける可能性があった。日本が仮に日本が脱退すれば16インチ砲を搭載できるもののそうでなければ14インチ砲までしか搭載できない。
「とりあえず14インチ砲搭載艦として設計しておいた方がいいよねー」「だよねー」と米海軍上層部が決定した結果、建造が開始されたものの案の定日本は条約を脱退、16インチ砲を搭載することが可能となった。「それだったら16インチ砲搭載の方がよくねぇ?」ということで急遽16インチ砲に変更したのがノースカロライナ級だった。だけど装甲まで変更すると作り直すようなもの。装甲は14インチ砲搭載艦のままだ。
これに対してサウスダコタ級が設計された頃には日本はとうに条約を脱退後。無条約時代に突入していた。米海軍も大手を振って、ブンブン振って16インチ砲搭載艦が建造できるようになった。その結果、主砲も装甲も16インチ砲搭載艦のれっきとした16インチ砲搭載戦艦が出来上がった。
重装甲化すると重くなってしまうため船体はノースカロライナ級よりも15m短くなった。全幅は33mで同じだが確かに重装甲かされているのだ。これがノースカロライナ級とサウスダコタ級の主な違いだ。
因みにこの時対戦国の日本は超巨大戦艦大和級が建造されていた。主砲は何と18インチ砲と米戦艦の比ではない。装甲も18インチ砲に耐えられる頑丈なものだった。圧倒的な戦力を保有した日本海軍。どう使おうか考えた結果、大和型にはエアコンが装備されていることを発見。
我らが母なる地球はまだ温暖化する前ではあったが南洋はとにかく暑い。そこでホテルとして利用することにした。これがのちに言われる大和ホテル、武蔵旅館の始まりであった。
まとめ
太平洋戦争は一般に航空機と空母の戦争であったと言われる。しかし実際にはまだまだ戦艦の能力に頼っていた部分は多く、特に前半から中盤に至るまでは戦艦がその主砲の威力を発揮する場は多くあった。後半になるとその機会はほぼ無くなったが、それでもレイテ沖海戦では戦艦同士の砲撃戦が行われている。
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コメント
コメント一覧 (1)
直ぐに戦闘能力喪失するくせに防御力だけは高いから
霧島の豆鉄砲(14int砲)では致命傷にならなかった。
反撃や回避運動すらできない木偶の坊相手に致命傷与えれなかった霧島て…
ノースカロライナ級やサウスダコタ級が最初大西洋に派遣されたのは、
日本の戦艦を最初から相手にしてなかったんだな。
とりねこ
が
しました