(画像はwikipediaより転載)
要約
S&W社が1952年に創立100周年を記念して発売したJフレームリボルバーである。全長160mm、重量590gで38口径スペシャル弾を使用、装弾数は5発である。最大の特徴はハンマーレスであることでハンマー部分はホルスターから抜いた際に服に引っかからないように滑らかな角型に成形されている。ダブルアクションオンリーであるため安全性を考慮してグリップセイフティを採用している。M40は形状や素材を変更しつつ現在でも生産されている。
S&W M40 センチニアル
性能
全長 160mm
重量 590g
口径 38口径
使用弾薬 38スペシャル弾
装弾数 5発
完成 1952年
設計・開発 S&W社
概要
1852年に創業したS&W社は1887年にセイフティ・ハンマーレスという携行性を重視したリボルバーを開発した。これはハンマーが内蔵されているオープントップ式リボルバーで1940年まで製造されたものだ。1952年、S&W社が創立100周年を記念した銃を出すことを決めた時に選ばれたのは、このセイフティ・ハンマーレスの近代化モデルセンチニアルである。
もちろん近代化といっても構造は全く異なる。基本的な設計思想を継承したものと考えて良い。名前の由来はセンチニアル(100周年)とそのものである。1952年に発売、1957年にはS&W社の銃全てにナンバー制が導入されたためセンチニアルもM40という名称に変更されている。1974年に生産終了したが、現在では生産を再開している。
構造・外観
ソリッドフレームのJフレーム(チーフズスペシャルと同じフレーム)を使用するスイングアウト式リボルバーで表面仕上げはブルー、またはニッケル仕上げであった。内部構造はS&W製リボルバーの基本構造を踏襲しているが、最大の特徴は通常のリボルバーのようにハンマーが露出しておらず、フレーム内に内蔵されていることである。
ハンマーが内蔵されているため当然、シングルアクションでの射撃は出来ず、ダブルアクションオンリー(DAO)である。このため安全対策上、リボルバーでありながらグリップセイフティを装備している。グリップセイフティには縦にセレーションが入れられており、小さいJフレームのグリップが少し前後に長くなっているためにグリップフィーリングは向上している。
グリップセイフティはDAOに慣れていない射手のために設置されたものであるが、初期モデルでは使用しない人のためにグリップセイフティを無効にする機能もあったが、いろいろ訴訟関係の問題が起こることを警戒したのだろうかその後廃止されている。
グリップはシリンダーの中心軸にまで達するほどに高めに設定されており、通常、ハンマーがある部分はフレームとなっており、リアサイトまで平らに仕上げられている。ハンマーとグリップセイフティを除くと外観上はM36チーフスペシャルと酷似しており、M40がチーフのバリエーションであることが良く分かる。
しかしM36と異なり、ハンマーが無いために服に引っかかることが少ないため咄嗟の射撃には便利である。バリエーションとしては、1952年にセンチニアルと同時に発売されたエアウェイトがある。これはフレームをスチールからアルミ製にしたモデルで1957年にM42と呼称が変更、センチニアルと同じく1974年に製造が終了している。
バリエーション
1991年にはM40の9mmパラベラム弾仕様であるM940が発売、9×19mmRリムド弾を使用することができるが、通常のリムレス弾である9mmパラベラム弾を使用する時にはムーンクリップというスピードローダーのような金属プレートにカートリッジを組み込んで装填する。あまり人気がなかったのか翌年の1992年には生産が終了した。
1993年になると最新の材料を使用したM442とM642が発売される。M442はアルミ製フレームとカーボンスチール製シリンダーを装備、M642も同じくアルミ製フレームとステンレス製シリンダーを装備している。3年ほど販売されたのち1996年に製造終了した。
2001年になると何と357マグナム弾を撃つことが出来るM340、M342が発売される。これはスカンジウム合金製フレーム、チタン製シリンダーにステンレス製バレルを装備したモデルで357マグナム弾の使用も可能であるほか、38スペシャル弾の高威力バージョンである38スペシャル+P弾の連続使用に耐えることができる。重量は何と309gと超軽量である。
この他、22マグナム仕様のM351C、22LR仕様のM43C、S&W社のカスタム部門であるパフォーマンスセンターでカスタムされたM642,442などが現在でも販売されている。パフォーマンスセンターのモデルはレーザーサイトが搭載されていたりと結構カッコいい。
外観の美しさがたまらない
ハンドエジェクターで完成したS&Wのリボルバーメカニズムはコルト社以上に完成度の高いものであった。コルト社のリボルバーがトリガーを引くごとに徐々に重くなっていくトリガーフィーリングに対してS&W社のリボルバーは最初は重く、あとは軽いという違いがある。そしてハンマーの落ちるタイミングも把握しやすいので命中させるのもやりやすい。
この基本構造を持ったJフレームリボルバーであるM36をDAOにしたセンチニアルは信頼性の高さとM36以上のスムーズなトリガーフィーリングを実現している。内蔵されているハンマーの質量が大きいのが理由なのかもしれない。
M36以上に無駄のない切れ味の良さはプロが使う銃というイメージだ。二丁拳銃にしてパンパン撃ちまくったら楽しいだろうなーと私は妄想を膨らましている。全体的なバランスの良さはみているだけでウズウズしてくる。ハンドガン好きにはたまらない一丁だ。
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