(画像はwikipediaより転載)
要約
S&W M39とは、S&W社が1954年に開発、1955年に発売したS&W初のダブルアクションオートであった。このM39をベースにダブルカラム弾倉に改良したM59、38スペシャル弾を使用するM52、45口径化したM645等様々なバリエーションが誕生している。日本ではモデルガンがMGC、マルシンによって1980年前後に立て続けにモデルアップされている。
M39(実銃)
性能
全長 192mm
重量 780g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8発
完成 1954年
設計・開発 S&W社
概要
M39は1954年に発売されたS&W初のダブルアクション拳銃で以後の同社のピストルの基本となった。口径は9mmでシングルカラムマガジンを採用している。機構はワルサーP38を踏襲しており、スライドにあるマニュアルセイフティはその名残である。無論デコッキング機能もある。その他、ショートリコイル機構やマガジンセイフティはブローニングの設計の影響が見られる。マガジンキャッチは米国式のトリガー後方に配置される形式で、材質は軽量なアルミフレームを採用したことから他社の同クラスの拳銃よりも軽量化に成功した。
しかし米国では45口径が主流であり、厳しい状態に置かれたこともあったが、1980年にS&Wオートが第二世代に移行するまで生産された。欠点としてはシングルカラムマガジンにしてはグリップが太く握り心地は良くないことが挙げられる。
アメリカ海軍特殊部隊SEALでも使用されていたようで専用のサプレッサーを装着できるモデルがMK22Mod0として正式採用されていた。バリエーションとしてはシングルアクションモデルのM44、38スペシャル弾を使用できるようにしたM52等がある。M39とは、要するに「特徴が無いのが特徴」だといえる。S&WのオートがM&P中心になるまでの間、S&Wオートの基本となり続けたモデルなので機構の信頼性と拡張性の高さはタイムプルーフされているといえる。
しかし概略にも書いたようにあまりオリジナリティーがあるモデルとは言えないが、性能が良ければいいのだ。銃は。そのように考えるとこのM39は非常にバランスが取れている銃のようだ。ただ唯一の問題はシングルカラムマガジンだということだろう。現在ではちょっと厳しい。このシングルカラムマガジンをダブルに変更したのがM59である。
因みにこのシリーズは後にファーストジェネレーションと呼ばれる世代でナンバーが2ケタのモデルだ。セカンドジェネレーションは3ケタ、サードジェネレーションは4ケタになる。
M39(トイガン)
モデルガンでは、1979年にMGCがM39、1980年にマルシンがM39とM439を発売しており、1981年にはMGCがシルバーモデルのM39を発売している。MGC製はMGCが廃業してしまったため現在では入手は困難であるが、マルシン製は入手可能である。エアガンでは1991年にポイントがエアーコッキング式のエアガンを販売したのみである。
モデルガン マルシン S&W M39 ABS2層ブラックメッキ
性能
全長 194mm
重量 480g
装弾数 8発
現在発売されている唯一のM39モデルガン。今ではあまり人気の無いモデルなので今後、新規でモデルガン化される可能性は低い。ブラックメッキ、HWモデルがある。スポット生産されているようなので発売された時が購入のチャンス。作動は昔ほどひどくはないはずだが、少ない火薬で作動させるのがモデルガンなので作動に100%を求めてはいけない。
まとめ
M39は、ヨーロピアンオートを良く取り入れた奇をてらわない設計である。現在ではダブルカラムマガジンがスタンダードなので装弾数こそ物足りないが安定した設計のトラディショナルなオートマチックハンドガンである。日本では1980年前後に複数のメーカーによってモデルアップされており、さらにMGC廃業後もHW製のM39がタイトーブランドで発売されていたこともある。古いファンにとっては懐かしい拳銃であろう。
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