(画像はwikipediaより転載)
要約
1911年にS&W社から発売されたIフレームリボルバーである。1957年のナンバー制導入によってM34となった。22LR弾を使用する6連発で米国でキットガンと呼ばれるタイプの銃である。
M34キットガン、M35、43、51、63等々
性能(2インチ)
全長 157mm
重量 627g
口径 22口径
使用弾薬 22LR
装弾数 6発
完成 1911年
設計・開発 S&W社
概要
そもそもは1911年に発売されたIフレームモデルの22LRカートリッジを使用した6連発リボルバーであった。22LRとは「22口径Long Rifle(ロングライフル)」の略で1887年に米国で開発された22口径エクストラロングカートリッジが元になっている。この22口径エクストラロングの弾頭を少し改良したのが22口径LRである。ロングライフルのロングとはそれまでの22口径に比べて長いカートリッジを意味する。これによって初速(弾丸のスピード)が速くなり貫通力が増した。名称にライフルとなっているが、ハンドガンにも使用される。
このカートリッジは威力は小さいものの直進性が高く反動も小さいことから汎用性が高く世界で最も使用されているカートリッジである。このカートリッジを使用したリボルバーが1911年に22/32キットガンとして発売された。IフレームとはS&W社のフレームの規格で当時のS&W社フレームの中で最小のフレームであった。1953年には1953年モデルという改良型が発売、同年、M35と呼ばれる6インチターゲットモデルも発売、1955年にはアルミ合金製M43エアウェイトがラインナップする。
1957年にはモデルナンバー制(M○○という名称に統一すること)が導入、本モデルもM34となった。同時にM34もIフレームから僅かに大きいJフレームの規格のモデルが登場する。このJフレームとはM36チーフスペシャルなどで使用されている規格でそれまでのIフレームに比べて大型化はするもののその分、反動が抑えられ扱いやすくなった。この大型化は成功したようで1960年にはIフレームは全廃、Jフレームのみとなった。
同年、22口径WMR弾を使用するM51を発売する。このWMRとはウインチェスターマグナムリムファイアの略で22LRに比べて威力が高くなっているが、1974年に前述のM35ターゲットモデル、M43エアウェイトと共に生産中止されている。1977年にはステンレス製のM63が発売、1983年には22WMRのステンレスバージョンM650が発売された。1991年にはオリジナルのM34が製造中止されるものの、1997年にはM63が6連発から8連発に変更された。さらに同年、アルミ製フレームにチタン製シリンダーを装備した8連発のM317エアライトキットガンが発売されている。
余談になるが、この22LR弾を使用する銃、何故世界で最も売れているのかというと、それはまずカートリッジ自体が非常に安価であることが挙げられる。さらに反動が少ないため訓練用にはちょうどいいのだ。だからといって22LRは訓練用のカートリッジではない。威力もそれなりにあるために小動物の狩猟などには威力を発揮する他、スネークショットと呼ばれる散弾も使用することができる。このスネークショットとは、弾頭に数ミリ程度のボール状の弾がたくさん入っているもので、その名の通り蛇に対して使用する。数ミリの弾でも数十発が一度に発射されるため蛇はひとたまりもないのだ。
この他、22LRは標的射撃などにも使用されたり、発射音が小さく反動が少ないために暗殺などに使用されることもある。とにもかくにも、とにかく汎用性が高いカートリッジなのである。
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