01_ガバナー
(画像はwikipediaより転載)

 

S&Wガバナー

 

 

性能

全長 216mm
重量 839g
口径 41口径
使用弾薬 410番ショットシェル、45口径ロングコルト、45ACP弾、45スコフィールド弾
装弾数 6発
発売年 2011年
設計・開発 S&W社

 

ハンドガンとショットガン

 ハンドガンというのは点を狙う銃器である。そのため護身用に購入したとしてもその点を狙った場所に当てるためにはそれなりの訓練が必要である。銃、特にハンドガンは不安定な両手のみで固定して射撃するために中々目標に当てるのが難しい。これに対して面を制圧する銃器がショットガンだ。ショットガンとは大口径のショットシェルと呼ばれるカートリッジに弾丸が複数入っており、1回の射撃で同時に発射することができる。このため面で制圧することが可能なのだ。

 護身用として見た場合、点を狙う通常のハンドガンに比べればそれほど訓練を積まなくても犯罪者に命中させることが可能であるため理想的なのだが、問題がある。ショットガンはデカいのだ。そりゃーそうだ。ガンマニアの世界で「長物」と言われるライフルの系統に属ずる銃器だ。護身用には良いかもしれないが、小型化するには限界がある。一応、ソードオフという銃身とストックを切断したモデルも存在するが、携行するにはやはりデカすぎる。

 

 

ブラジルのトーラス社

 そこでハンドガンからショットシェルを撃ち出すということをどこかの誰かが思いついた。すごい発想である。それが今回紹介するS&Wガバナーである。ただ、これはS&W社が最初に思いついたアイディアではない。この発想を最初に実現したのはブラジルのトーラス社で2006年に発売されたトーラス・ジャッジが最初である。トーラス社というのは1939年創業の老舗ではあるが、1990年代まではマイナーなパチモンを製造するコピーメーカー程度のものでしかなかった。

 しかし1990年代になると徐々に高品質な銃器を製造するようになってきた。90年代初頭に発売されたPT92などはベレッタ92のコピーであるが、ベレッタ92で不評だったスライド後部に位置するサムセイフティをフレーム側に変更、コック&ロックで携行することが可能となった。コック&ロックとはハンマーを起こした状態で安全装置をかけた状態である。この状態は銃器の専門家の間ではコンディション1と呼ばれる状態で安全に携行できてすぐに射撃ができる理想的な状態なのだ。

 このPT92は一部専門家の間では「ベレッタウルス」等と呼ばれ、ベレッタ92以上に好評だったらしい。しかし一般にトーラス社の高品質を認識させたのは1997年に発売されたトーラス レイジングブルである。この銃は44マグナムの2倍以上の威力を持つ454カスール弾を使用する強力なリボルバーである。この高圧のカートリッジを使用した上に安全面や強度も十分に設計されたレイジングブルは大ヒット商品となり、同時にトーラス社の技術力の高さも証明することになった。

 

S&Wガバナー

 そのトーラス社が2006年に発売したのが先ほどのトーラス・ジャッジである。そしてこのトーラス・ジャッジの売れ行きに追従したのが、S&Wガバナーである。このガバナー、カートリッジは410番のショットシェルを使用する。410番ショットシェルというのはショットシェルの中では最小で41口径となる。44マグナムが44口径なのでショットシェルでありながら、口径はハンドガンの大型カートリッジ並ということになる。ハンドガンで何とか使用できるサイズである。

 しかしショットシェルであることに変わりはない。スラッグ弾という1発のみのシェルや複数の弾丸が装填されているバックショット、さらに細かい散弾が装填されているバードショット等全ての種類が容易されている。ガバナーの装弾数は6発で先発のトーラス・ジャッジよりも1発多い。護身用のハンドガンとしては1発多いというのはかなり重要である。その1発が命を守ることになるかもしれないからだ。

 本体の材質はスカンジウム合金を使用(ステンレスモデルもあり)、シリンダーは410番ショットシェルを装填するために平均的なリボルバーよりも長い。このシリンダーのためガバナーは新たに開発されたZフレームを使用する。シリンダーは長いものの銃身長は護身用リボルバーらしく2.75インチとスナブノーズと呼べる長さである。全長は216mmで、これはコルト社製M1911と同じである。しかし重量は遥かに軽く、1911が1130gであるのに対してガバナーは839gである。

 410番ショットシェル以外にも45口径の各種弾薬を使用することができる。これはトーラス・ジャッジと同様であるが、ジャッジには454カスール弾を撃つモデルもあるが、S&Wには存在しない。454カスール弾は対人用の護身用拳銃としては確実にオーバースペックである。むろんトーラス社も454カスール弾モデルを何も考えずに出している訳でなく、これは狩猟時の護身用ということだろう。410番ショットシェルは、トーラス・ジャッジが発売された時にそれに合わせて作られた専用カートリッジも使用できる。

 一旦製造中止になったが、2013年には製造が再開されている。バリエーションは標準のマットブラックモデルの他にマットフィニッシュシルバーモデル、レーザーサイトを装備したモデルなどが存在する。

 

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