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(画像はP89 wikipediaより転載)

 

要約

 P85は米軍の次期制式採用拳銃トライアルのために開発されたハンドガンで生産を工夫することで品質を落とさずに低価格を実現している。構造はシンプルで頑丈、高性能であるが外観は好みが分かれるところである。後継機が開発されたため1990年に生産終了。

 

スターム・ルガー P85

 

 

性能

全長 198mm
重量 928g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 15発
完成 1987年
設計・開発 スタームルガー社

 

開発経緯

 1987年に発売されたスターム・ルガー社製、9mm、ダブルカラム、DA(ダブルアクション)オート、いわゆるワンダーナインであるP85は、そもそも米軍制式採用拳銃のトライアルのために開発されたモデルであった。しかしスターム・ルガー社は完璧を目指したためトライアルには間に合わず、ベレッタ92が制式採用された。だが、このベレッタ92に不具合が発生したために米軍は再度トライアルを実施、その際にはP85も提出したが、不採用となった。

 しかしP85の確実な作動、頑丈さは法執行機関の目に留まり、サンディエゴ警察やウィスコンシン州パトロール、シカゴ警察に採用された他、トルコ警察にも採用されることとなった。民間向けには1987年に発売、当時の発売価格は295ドルで競合している他社の製品のワンダーナインよりも平均して約100ドルほど安かった。

 

外観・構造

02_P89
(画像はP89 wikipediaより転載)

 

 品質を落とさず低価格を実現するために製造はプレス加工、ロストワックス製法を多用している。全長198mm、重量928g、装弾数は15発(1994年より10発)で、4.5インチバレルを装備、フレームはアルミ製、スライドはスチール製、バレルはステンレス製である。

 作動方式はショートリコイル方式でロッキングシステムはティルト・バレル・ロッキングでサイトは3点ホワイトドットサイト、セイフティはスライド後部に設置している。トリガーはSA/DAでデコッキング機能も装備している。わずか60個弱の部品で構成されたシンプルな構造で、車に轢かれても作動するという頑丈さが特徴であるが、性能本位であるため外観がかなりブサイクでDAの場合、トリガーフィーリングが悪いという弱点もある。

 発売後、銃が銃口から落下した場合、または撃針が折れた場合に安全装置が作動しなくなる故障が判明したためリコール、1989年に撃針対策を施したP85Mk2を発売している。このためP85は1990年に生産終了、1991年に改良型のP89が発売されたためMk2も1992年に生産終了している。

 

バリエーション

03_KP94DC
(画像はKP94DC wikipediaより転載)

 

 1991年に一部を改良したP89が発売、スチール製スライドにアルミ製フレームという従来と同じ仕様であるが、同時にKP89というステンレス製スライドモデルも発売されている。さらにこのモデルにはそれぞれP89DAO、KP89DAOというDAO(ダブルアクションオンリー)モデルがある。2009年に製造終了。同年、P90という45ACP弾を使用するモデルも発売、装弾数7発で2010年に製造終了している。

 1992年には40S&W弾を使用するDAOモデルKP91DAO、SA/DAモデルのKP91DCが発売されている。これはステンレス製のみの発売だ。装弾数は11発で1994年に法規制により10発に変更されている。1993年にはバレル長3.9インチのコンパクトモデルP93を発売、軽量化やホルスターから抜く際に引っかからないようにするためにデザインが変更される。このモデルはスチール製スライドモデルとステンレス製スライドもでるにそれぞれDAOモデルの、P93DAO、KP93DAO。SA/DAモデルのP93DC、KP93DCがある2004年に製造終了。

 1994年には4.3インチバレルのセミコンパクトモデルP94を発売、SA/DAモデルのP94DC、DAOモデルのP94DAO、さらにSA/DAモデルのステンレススライドモデルKP94DCがあるが、2004年に製造終了している。同年、40S&W弾を使用するP944も発売、こちらはステンレス製のみで装弾数10発だが、法執行機関用に限り装弾数11発となっている。こちらもDAOモデルとSA/DAモデルのKP944DAO、KP944DCがある。2009年に製造終了。

 1996年にはポリマー製フレームを採用したP95、1999年には45ACP弾を使用するP97が製造された。P95のバリエーションとしてはSA/DAモデルのP95DCとDAOモデルのP95DAO、ステンレス製スライドを装備したKP95があり、KP95にもP95と同様にKP95DC、KP95DAOというバリエーションがある。P97にも全く同じバリエーション展開をしている。P95シリーズは2013年までに製造終了、P97は2004年に製造が終了した。

 

コラム

 トイガンでは東京マルイがエアコッキングガンとして発売されているが、外観が今ひとつなためかトイガンでモデルアップされることは少ない。本場、米国では見た目はカッコ悪いが高性能で低価格、そして頑丈であるスターム・ルガー社の製品は人気があり、P85ファミリーも200万丁以上のセールスを記録している。

 このモデルはのちにP95、P97でポリマー製フレームを装備、さらにバリエーションを増やしていき、さらにアメリカンピストルと進化していくのだが、それはまた別の記事で書きたいと思う。発売から30年近く製造され続けたP85系統の銃はシンプルで堅牢、高性能というスターム・ルガー社の精神を体現した名銃といってよい。

 

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