01_KP95
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 P345は2006年にスターム・ルガー社が発売した自動拳銃である。全長190mm、重量810g、装弾数8発で45ACP弾を使用する。P97で不評であった大きすぎるグリップを縮小、チェッカリングを入れた。さらにスライドも薄くしている。これらの改良の結果、重量は増えてしまったが45ACP弾を使用するハンドガンとしては軽量である。2012年に生産終了。

 

スターム・ルガー P345

 

 

性能

全長 190mm
重量 810g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾
装弾数 8発
完成 2006年
設計・開発 スターム・ルガー社

 

P97の改良版

 1999年に発売された45ACP弾仕様のポリマー製フレームモデルP97は、グリップサイズが大きく滑りやすいことが欠点であった。この欠点を修正したのがP345である。P345ではグリップの幅を薄くし、左右と後部にチェッカリング、前面にセレーションを入れて滑りにくくしている。さらにグリップ上部にセミフィンガーレスト(グリップ側面を凹ましている)を設けグリップフィーリングを向上させている。

 さらにスライドにも改良が加えられた。スライドの幅が広すぎると以前からの指摘があり、それにこたえる形で左右の側面を70%ほど切削した。内部構造は以前と同じでショートリコイル方式、ティルト・バレル・ロッキングを採用している。

 

外観・構造

 外観はそれまでのPシリーズ(P85からP97まで)よりは洗練されているものの、スライドが上下に幅広くトップヘビーの印象を与える。サイトはターゲットサイトにノバック風のリアサイトでセイフティはスライド後部に位置しており、デコッキング機能も搭載されている。

 バレル下部にはレイルが装備されておりフラッシュライト等の装着が可能である。バレルはステンレス製、ハンマーは服等に引っかからないように小型で凸部が滑らかに加工されている。スライド前方は初期型CZ75のようにえぐり取られており、軽量化と問題であった横幅の縮小に貢献している。

 P97と比較すると重量は55g増えているがそれでもポリマーフレームであるために810gと45ACP弾を使用するモデルとしては軽量である。バリエーションはスチール製スライドを装備したオリジナルのP345、ステンレス製スライドを装備したKP345、ピカテニー規格のレイルを装備したP345PR、同ステンレスモデルのKP345PRがある。

 2004年にP97の生産が終了、入れ替わる形で同年に発売された。当初はあまりセールスが伸びなかったようだが2012年まで生産され、2013年のSRシリーズに交代する形で生産が終了している。

 

 

コラム

 スターム・ルガー社は高品質で頑丈、そして低価格ということで戦後のメーカーにも関わらず急成長したメーカーである。なぜ高品質な製品を低価格で販売することができたのかというと、これは製造コストの削減である。スターム・ルガー社の製造コストの削減というのは単に効率化というレベルではなく、設計段階から製造コストの削減を意識している。

 最も特徴的なのはロストワックス製法を活用していることで、さらにプレス加工、ポリマーフレームと新しい技術を積極的に取り入れてコストダウンを実現している。その上頑丈であるのだが、欠点といえばその外観であろう。

 実用一辺倒のスターム・ルガー社製品は、性能は一流であっても外観はあまり意識していないようで無骨で多くの人が美しいと感じるデザインではない。P345も含めたPシリーズにおいてそれは最も顕著で、個人的には昔の漫画やアニメに登場したレーザー銃のような印象を持ってしまう。その中でもP345はこのシリーズ中では比較的見た目が良いがもう少しスライドの高さが低くなってくれるとバランスが良くなるのにという全く個人の感想であった。

 

おまけ

 P345の実銃マニュアル

 

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