
(画像はwikipediaより転載)
要約
SIGP210はスイスのSIG社が1947年に発売したSAオートである。口径は9mmパラベラム弾で装弾数は8発の単列マガジンを採用している。知名度は比較的低いが現在特殊部隊で使用されているSIGP226に多大な影響を与えた銃であった。工作精度は高く価格も高い。そのシルエットの美しさは工業製品の芸術と言っても過言ではない。
SIGP210(実銃)
性能(44/8)
全長 215 mm
重量 900g
口径 9mm
使用弾薬 9×19mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
完成 1947年
設計・開発 SIG社
概要

(画像はwikipediaより転載)
SIGP210と呼ばれるP47/8は、1937年フランス製拳銃SACM Mle1935Aを基に研究がスタート。1943年にニューハウゼンP44/8が完成した。翌年にはダブルカラムマガジンを採用したP44/15が完成した。SIG社は軍採用を狙い軍用向けに改良したP44/16を製作したが、スイス軍に制式採用されることはなかった。
1946年にSIG社ではP44を基に拳銃開発が再開され、翌年完成したのがP47/8である。外観はP44に酷似しているが、ロッキングシステムを採用したことなど細部は大幅に変更された。これの口径9mm、装弾数8発のものが1949年にSIGM49としてスイス軍に制式採用され、さらにデンマーク軍、西ドイツ国境警備隊でも採用された。
スイス人気質というか、とても高い工作精度で製作された銃で民間用としてP210の名称で販売された。のちに「世界最高のコンバットオート」と評されたCZ75もこのスライドをフレームが包み込む形状等、P210の影響を大きく受けている。構造はシングルアクションで装弾数は8発。バリエーションはP210-1というように「-数字」で表す。ちなみにバリエーションはP210-1〜P210-8までさらにP210-5LSとP210-6Sというバージョンも存在する。
削り出しを採用、品質は相当に高かったが同時に生産にはかなりの手間とコストがかかるため米国での販売価格が2,000ドル以上するという非常に高価な拳銃となってしまった。このため商業的にはあまり成功しなかったが、命中精度はカスタムガン並の驚異的なもので当時のハンドガンとしては随一であった。このため一部に熱烈なファンを生んだ。これらの成功と失敗の経験からSIG社は後継モデルであるP220を開発することとなった。生産は1949年から2005年まで行われ、2017年からは米国ニューハンプシャー州エセクターの工場で生産が始まり現在にいたる。
SIGP210(トイガン)

(画像はwikipediaより転載)
トイガンではMGCがABS製、のちにHW製で発売しており、その金型を引き継いだ(多分)CAWが現在も販売している。MGC製のものは古い設計のモデルガンなので結構ディフォルメされており、作動性能を向上させるために銃正面のバレル上に大きな隙間が作られている。CAW製のものではこの点は修正されており、現在入手できる最高のP210モデルガンといってよい。
エアガン、ガスガンでは今は無きマルコシが1980年代後半にエアコッキング式で発売していた。当時の販売価格は1900円で押込みタイプのコッキング式エアーガンであった。グリップの仕上げが非常に美しく外観の完成度も高かった。現在は生産されていない。1990年3月にマルコシがP210-5のガスガンを発売している。ダブルアクションで所謂「割り箸マガジン」、コッキングはできないという90年前後では平均的なガスガンであった。
それ以外で販売しているのはマルシン位だろう。マルシン製はガスブローバックで8mm、6mm共に販売されている。モデルアップしたのはP210-6で軍用モデルのようだ。組み立てモデルと完成品モデルがあり、スイスSIG社から入手した図面から正確に採寸されたモデルで現在のトイガンの中で最も完成度の高いモデルである。
まとめ
今回は、SIGP210を紹介した。名銃中の名銃と言っていい銃であるがwikipeidaに記事が無いことに驚いた。スライドをフレームが包み込む独特の形式は名銃CZ75に多大な影響を与えた。デザインの優美さ、性能の高さ、加工の素晴らしさが秀逸な銃だ。
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