01_XB-35
(画像はwikipediaより転載)

 

ノースロップ XB-35

 

 

性能

全長 16.18m
全幅 52.43m
全高 6.19m
自重 41,277kg
全備重量 69,853kg
最大離陸重量 94,801kg
最大速度 629km/h
上昇力 3.18m / 秒
上昇限度 12,100m
エンジン出力 3,000馬力(P&W R-4360-45 ワスプメジャーエンジン)2基
       3,000馬力(P&W R-4360-47 ワスプメジャーエンジン)2基
航続距離 12,100km
乗員 9名
武装 12.7mm機関砲20門
爆装 最大23,678kg
初飛行 1946年6月25日
総生産数 15機(XB-35 2機,YB-35 13機)
設計・開発 ノースロップ社

 

開発前史

 米国は太平洋と大西洋に囲まれている地理的な特性から長距離爆撃機の開発が重視されていた。1934年には長距離爆撃機開発計画が始動する。これは航続距離8,000km以上、爆弾搭載量10,000トンの爆撃機を開発する計画であった。さらに1941年4月11日には最高速度720km/h、運用高度14,000m、航続距離19,000kmという条件を各航空機メーカーに提示した。

 しかしこの条件は当時の技術レベルからするとかなり無謀であったために条件を緩和。同年8月19日には航続距離10,000マイル(Ten thousand miles (16,000km))、10,000ポンド(Ten thousand Pounds (4,500kg))の爆弾を搭載した状態での航続距離が6,400km、最高速度390〜480km/h、運用高度12,000mという条件に引き下げられた。いわゆる「ten×ten Bombers(テンテンボマー)」である。

 この米軍の要求に対してノースロップ社は全翼機という回答を提示した。

 

開発

 ノースロップ社が提示した全翼機のアイデアに対して米軍は興味を示し、XB-35という制式名称を与えて試作機の開発を認めた。米軍の要求から3ヶ月後の1941年11月22日、米軍はノースロップ社とXB-35試作機の契約を締結した。第二次世界大戦参戦後の1942年9月30日にはさらに試作機YB-35 13機の生産契約、1943年6月には量産型200機が契約。1943年11月には量産1号機が米軍に納入される計画であった。

 

全翼機とは

 ここで全翼機の特性について説明しておきたい。通常の航空機は胴体があり、そこに主翼、後ろに水平尾翼、垂直尾翼が付く。これに対して全翼機の構造はというと「全て主翼」なのだ。航空機が飛行するのに必要なのは推力と揚力だ。揚力によって浮き上がり推力によって進む。航空機は揚力は主翼が作り推力はエンジンが作る。つまりは主翼とエンジンがあれば航空機は飛行する。飛行という点で見ればそれ以外のパーツは全て無駄なのだ。

 そこで主翼にエンジンを付けた全翼機というコンセプトが登場する。因みに第二次世界大戦後半にドイツで開発されたMe163コメートやそれをコピーした日本の秋水のような飛行機は全翼機なのかというとこれは違う。これらの航空機には垂直尾翼があるが全翼機には垂直尾翼すらも存在しないのだ。機体に余計な部分がない、つまり余計な重量や空気抵抗が存在しないため理論上は通常の航空機よりも航続距離は長くなり爆弾搭載量は増大することになる。

 これらの飛行特性以外にも形状がレーダーに映りにくいということもあるため最新鋭のステルス爆撃機B-2スピリットではこの全翼機の形状が採用されている。

 

XB-35

 計画では1943年11月にはXB-35がB-35として実戦部隊に配備されるはずだった。しかしことはそう簡単にはいかない。そもそも全翼機なんてシロモノは今まで世界中でほとんど製作されたことはないのだ。このためXB-35はまず1/3スケールの実験機を作ることから開始している。この実験機は1942年12月に初飛行している。

 XB-35は先端にいくほど細くなるブーメランのような形状をした機体で全長16.18m、全幅52.43mでエンジンは3,000馬力P&W R-4360エンジンで主翼後部に4基が装備された。通常のレシプロ機が推進方向にプロペラが設置されているのに対してXB-35は日本の十八試局戦震電のように後方に向けて設置されており、二重反転プロペラを装備していた。

 垂直尾翼がないため方向転換は主翼後方にあるフラップを展開する。このフラップは上下に開くため片翼のフラップを開くことで強い空気抵抗が発生することによって機体を方向転換させる仕組みとなっている。

 乗員は6名でコックピットは機体先端部分にあり機体中央部が爆弾倉となっている。爆弾搭載量は最大で23,678kgで武装は12.7mm機関砲20門と強力で乗員室が与圧となっているため機銃も射手が直接射撃しない遠隔操作式である。B-29と同様にこの機銃には偏差を計算するアナログコンピューターが搭載されている。

 

初飛行

 前例のない形状の航空機であったため技術的な問題が多く、試作機が完成したのが1945年7月、初飛行は第二次世界大戦がすっかり終わってしまった1946年6月25日であった。45分間の初飛行は無事に終わったもののギアボックスの不具合のため二重反転プロペラは通常のプロペラに変更されたもののこれによって振動が発生すると共に最高速度と上昇速度は低下した。

 XB-35は全長16.18m、全幅52.43mで自重41,277kg、最高速度は629km/hで爆弾搭載量は23,678kgであった。同じテンテンボマーであるB-36ピースメーカーに比べ最高速度はB-36の613km/hよりもわずかに速いものの自重は70%程度と二回りほど小さく、爆弾搭載量は60%ほどであった。航続距離は12,100kmと健闘しているもののやはりB-36の13,145kmには及んでいない。

 XB-35の試作機YB-35は1948年5月28日に初飛行を成功させたものの、B-36はすでに実戦部隊に配備が開始されている上に時代はジェットエンジンへと代わりつつあった。そこでYB-35の内2機をジェットエンジンに換装したYB-49が製作されることとなりレシプロ機であるYB-35計画は中止。1949年8月に機体は廃棄された。総生産数15機。

 

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