(画像はwikipediaより転載)
要約
南部14式とは、1925年に日本陸軍に制式採用された自動拳銃である。南部式大型拳銃を簡略化したモデルで装弾数8発、ショートリコイル、ストライカー方式を採用している。28万丁が製造されており、専門家の間では、前期、中期、後期、末期モデルに分けられている。命中精度は高い。
南部14式(実銃)
性能
全長 230mm
重量 890g
口径 8×22mm
使用弾薬 十四年式拳銃実包、九〇式催涙弾(8mm×21)
装弾数 8発
完成 1925年
設計・開発 陸軍造兵工廠
背景から開発まで
日本陸軍の制式採用拳銃に二十六年式拳銃があったが、時代はオートマチックに変わりつつあった。1908年に南部麒次郎中佐が開発した南部式大型自動拳銃が41式拳銃として次期制式採用拳銃として制式採用直前まで行ったが、陸軍では財政上の理由から制式化は見送られた(海軍では採用されている)。しかし第一次世界大戦が終わると日本陸軍でも再び拳銃の制式化の動きが起こった。
開発
南部式大型自動拳銃は性能こそ基準に達していたものの、生産工程も多く、構造も複雑であった。このためこれらを省略した形で自動拳銃が製作された。陸軍ではこれを審査した結果、1925年(大正十四年)11月13日に十四年式拳銃として制式採用した。生産は九州小倉の陸軍造兵工廠で行われ、さらに1933年からは南部中将が退役後所長となった南部銃器製造所で生産された。一般に南部十四年式拳銃と言われるが、南部麒次郎は設計には直接は関わっていない。
撃発機構はストライカー方式、ショートリコイルが採用されている。安全装置は左側面、トリガー上部にあり半回転させることで引き金をロックする。マガジンセイフティを採用しており、マガジンを抜いた状態では引き金を引くことが出来ない。全弾発射するとボルトが後退してホールドオープン状態になるが、ボルトをマガジンがロックしているためマガジンを抜くとボルトが前進してしまう。スライドストップが存在しないため、弾倉を装填する度にボルトを引かなければならない。命中精度は非常に高かった。
総生産数は28万丁で生産終了までにいくつかの改良がなされている。1938年には厚手の手袋をしても引き金が引けるようにトリガーガードが玉子型に変更された中期型、さらにはグリップ前部に脱落防止スプリングが追加された後期型、グリップがフラットになりコッキングピースにチェッカリングの入った末期型がある。他にも北支十九式拳銃や試作型の16発ダブルカラム弾倉モデルも存在する。
南部14式(トイガン)
概要
モデルガンではハドソン産業が1967年にモデルアップしている。1990年にリニューアル、廃業までラインナップされていた。廃業後、タナカワークスにより発売されている。2013年にはCAWがスタンダード発火式の十四年式を発売、前、中、後期型とラインナップしている。ガスガンではマルシン工業が固定スライドモデル、ガスブローバックモデルで発売、8mm仕様と6mm仕様の2タイプがある。以下主なトイガンの特徴を挙げる。
クラフトアップルワークス 十四年式拳銃 後期型 ダミーカートモデル モデルガン完成品
性能
全長 230mm
重量 705g
装弾数 8+1発
実銃から採寸されたモデルで南部十四年式モデルガンの中では最も完成度の高いモデル。素材はHW製で前期型、中期型、後期型、末期型がある。発火はするがブローバックしないスタンダード発火モデル、ダミーカートモデルがある。
マルシン 南部十四年式 後期モデル ブラック ヘビーウェイト 最高級ウォールナット木製グリップ仕様
性能
全長 229mm
重量 705g
装弾数 12発
エクセレントHW製やディープブラックモデルがある。ボルトの後退が小さいため反動は弱いがシャープで鋭い。ホールドオープンはしない。初速80m/s前後とちょっと高め。命中精度は、特に良いということはないが悪くもないといったところである。東京マルイ製のガスガンに慣れている人にとっては物足りないかもしれない。マガジンの大きさからガス容量が小さく冷えに弱いのが欠点。
まとめ
南部十四年式拳銃は、簡略化された構造で製造コストを引き下げることに成功、非常に命中精度の高い銃であった。日本陸軍に制式採用された後、終戦まで使用され続けられた。
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