
(画像はwikipediaより転載)
要約
ルガーP08とは、1900年にゲオルグ・ルガーによって設計・開発された自動拳銃である。トグルアクションという独特の発射機構を持つ9mmパラベラム弾使用の拳銃であり、独特の形状から現在でもファンの多い拳銃である。精密な構造であったため劣悪な環境においての信頼性は低いものの世界中の軍隊や警察で使用されていた。
ルガーP08(実銃)
性能
全長 220mm
重量 870g
口径 9mm
使用弾薬 9×19mmパラベラム弾
装弾数 8発
完成 1900年
設計・開発 ゲオルグ・ルガー / DWM社
開発

(画像はM1900グリップセイフティがあるのが特徴 wikipediaより転載)
ルガーP08は、1900年に発売されたゲオルグ・ルガーによって設計された自動拳銃である。1901年にスイス軍に制式採用、1904年にはドイツ海軍に制式採用された。当初の口径は7.65×21mmの30ルガー弾で初の実戦での使用は北清事変(義和団の乱)だと言われている。1901年4月、米軍が1,000挺のルガーM1900を購入、一部実戦で使用されている。
1902年には9mmパラベラム弾を使用するモデルが生産された。このモデルはドイツ海軍が制式採用したが、これは通称「ネイビールガー」と呼ばれるモデルで銃身が6インチ、100mまたは200mに調整可能なタンジェントサイトが搭載された。1906年にはリコイルスプリングを板バネからコイルスプリングに変更された。これ以降をニューモデルと分類される。
1906年には米軍の次期制式拳銃トライアルに45口径に改良したモデルで参加しているが、信頼性においてコルト社のオートマチック拳銃に敗れた。このコルト社の拳銃はその後M1911として制式採用される。余談だが、この時のルガーは、No.1は試験中に破損してしまったが、他の2挺とカービンが1挺が現存しており、100万ドル(約1億円)の価格がついている。
1908年にはドイツ陸軍が9mmパラベラム弾仕様モデル3.9インチ銃身モデルをP08として制式採用した。この際、当初あったグリップセイフティは省略され、ショルダーストックを装着するための溝が付けられた。1913年7月にはドイツ軍は、200mm(8インチ)銃身を採用したLP08を砲兵用として制式採用。これは「砲兵モデル」と一般には言われるが、航空隊でも使用されている。これらのルガーは1945年まで使用された。
1930年にはマウザーが製造を開始、戦時中にはベークライト製のグリップが装着されたコストを削減したモデルが製造されたこれらは米国の輸入業者によって「ブラック・ウィドウ」とキャッチコピーが付けられ米国で販売された。マウザーによるるがーP08の製造は1943年12月まで続けられた。
作動はトグルアクション方式で、撃発方式はストライカー方式である。構造は精密であり、高い工作精度を必要とした。このため劣悪な環境下での使用では不安があった。またパーツには互換性があまりなかったため異なる個体の部品を装着すると作動不良を起こすことがあった。このため銃自体の性能が不当に低く評価されることとなった。
ルガーP08(トイガン)
概要
1965年に中田商店が無可動モデルのルガーP08を販売した。さらに翌年モデルガンP08を販売、同年MGCも金属製P08を発表した。1973年にはマルシンがP08のモデルガンを販売する。1976年にはMGCがABS製のP08を発売、1987年にはマルシンがゲーリングルガー、1990年には通常のルガーP08を発売している。
ガスガン、エアーガンでは1984年にマルゼンがカート式P08を発売、1985年東京マルイがコッキング式エアガンを発売、1986年にはマルコシがUXルガーを発売している。ガスガンではタナカワークス製ルガーP08が現在でも入手できる最も完成度が高いモデルである。
タナカ ルガー P08 4インチ HW 18歳以上ガスブローバック
タナカ ルガー P08 4インチ HW 18歳以上ガスブローバック
性能
全長 219mm
重量 640g
装弾数 12発
モデルガンメーカーのタナカワークス製P08。外観の完成度の高さは異常に素晴らしい。HW製のため重量感もそこそこはあるが、640gと若干軽めである。動きはチャキチャキと良く動き、トグルと銃身が後退するショートリコイル機構を再現している。タナカワークス製P08の一番の注目点はこれであろう。初速は70m/s前後であるが、6インチモデル等の長銃身モデルは初速が若干高いようだ。命中精度も高いがこれもやはり長銃身モデルに分がある。欠点は、エンジンがWAの旧型エンジンのため反動は弱い。
金属モデルガン組立キット マルシンルガーP08 4インチ プラグリップ仕様
金属モデルガン組立キット マルシンルガーP08 4インチ プラグリップ仕様
性能
全長 224mm
重量 850g
装弾数 7発
現在入手できる唯一のモデルガン。モデルガンメーカーの老舗であるマルシン製で1987年に発売したゲーリングルガーをベースにしているモデルガンである。モデルガンとして再現性は高く金属製でモデルガンとしては比較的安価である。ダミーカート仕様モデル。
まとめ
ルガーP08は、ナチスドイツが使用していたために世界的に悪役が持つ銃というイメージが定着してしまっている銃ではあるが、スイスの高度な工作技術によって製作されたトグルアクションを持つ本銃は現在でも大変な人気がある。名銃中の名銃と言って良い銃である。
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