01_マルクス
(画像はカール・マルクス wikipediaより転載)

 

超要約

 

 資本(工場や農地、会社等)を労働者で共有、そこから出た生産物も労働者で平等に分けるという思想。社会主義は国家が間に入ってそれを行う。実際にやってみると社会主義国家は、生産性は下がり汚職が蔓延、独裁国家になってしまった。

 

共産主義とは

 

資本主義の真実

 マルクスが生きた19世紀のヨーロッパというのは資本主義の発達で資本家(会社のオーナー)と労働者の貧富の差が激しかった。これに疑問を持ったマルクスは思った。「そもそも何で会社は利益を出すことができるのだろうか?」と。例えば工場がある。材料を人が機械を使って加工して製品とする。儲かった金から材料費と諸経費を払う。さらに仕事をした人に給料を払う。そうしたら残金はゼロになるはずじゃないか。何で利益が出るのだ?そこでマルクスは考えた。材料費と諸経費は当然払わねばならない費用なので関係ない。では、利益はどこから出てきたのかというと、それは人件費なのではないかと。

 材料は材料の価値でしかない。そこに労働者が加工することによって材料以上の価値が生まれる。それが利益だ。労働者が加工したのだからその利益を生み出したのは労働者だ。それなのに資本家が労働者に給料を払ったはずなのに利益が残る。つまりは資本家は労働者に全部払っていないと考えたのだ。確かにマルクスは正しい。これは間違いなく資本主義の事実なのだ。

 

 

マルクスの考えた未来

 マルクスはさらに考えた。未来はどうなるのかと。前提として労働者の立場は弱く、資本家の立場は強い。そこで立場の強い資本家はどんどんと労働者の給料を減らして利益を増やしていく。労働者はどんどん貧しくなっていくが労働者の我慢にも限界がある。労働者たちは団結して資本家と戦う。つまりは革命だ。この革命により資本家はこの世から消え、労働者だけになり工場はみんなのもの。出来た製品もみんなで平等に分ける世界。これが共産主義なのだ。

 そしてその前段階として工場や農地という資本は国が管理して、分配も国がやろうというのが社会主義。共産主義との違いは国が一枚かむかどうかだ。そうして人類は理想の世界を手に入れるのだ。貧困はこの世からなくなりみんなが平等に豊かに生きていける。これが資本主義の次にくる社会主義社会、そしてその先に国家すらも消滅した人類の夢、共産主義社会があるのだ。とマルクスは考えた。

 しかし実際にやってみるとそううまくは行かなかった。頑張っても頑張らなくても賃金は同じ。こうなると出来るだけ手を抜いた方が得だとなってしまう。そして生産性はどんどん下がっていった。さらに国が管理するというのも問題だった。生産を管理する官僚に権力が集中し汚職が蔓延。さらにそれら官僚の頂点に立つ国の元首に全ての権力が集中した結果、独裁国家になってしまった。

 

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