
コクサイ産業のモデルガン、コルトパイソンは1970年代後半に発売、以降様々な改良を加えられ2018年まで生産された。改良は大きく初期、中期、後期に分けられるが、いつの時期のパイソンも当時としてはリアリティは随一であった。
コルトパイソン(実銃)
性能
口径 357マグナム
全長 241mm
重量 1092g
装弾数 6発
銃身長 2.5、3、4、4.25、6、8、10インチ等。
構造
コルトパイソンは1955年にコルト社から発表された357マグナム弾を使用するリボルバーである。コルト社の大型フレーム遺Iフレームをベースに当時世界最強のカートリッジであった357マグナムを使用できるように設計された。
バレルは上部にベンチリブ、下部にフルバレルのアンダーラグが装備されているのが外観上の特徴である。リアサイトは上下左右調整可能な精密サイトで全体的に精度は非常に高い。1955年からコルト社のハイエンドリボルバーとして生産され続けていたが、1999年には販売不振から生産が打ち切られた。その後は受注生産を行っていたがそれも2005年で打ち切られたが、2020年1月に再販されている。
コクサイ パイソン
コクサイ パイソン(初期)
コクサイ製パイソンが初めて発売されたのは1970年代後半で金属製、ABS製であった。金属製はグリップはブラックのプラスチック製でABSモデルは茶色の木製風グリップであった。グリップの親指を乗せる部分の段差が実銃に比べて小さいのが特徴である。全体には黄色のメッキが施されていたが、すぐに落ちてしまい地肌の少し黄色がかった銀色になってしまう。カートリッジはシリンダー側に発火ピンがあり、カートの先端に火薬を詰めるという外発火式でいわゆるスモールカートであった。
バリエーションは2.5インチ、4インチ、6インチで後に8インチモデルも追加される。価格は金属製で2.5インチが6500円、4インチが7000円、6インチが7800円となっている。1980年にはABS製パイソンが2.5インチ7300円、4インチ7800円、6インチ8300円となっているので値上がりしたのかもしれない。1981年にはカスタムモデルとしてPPCカスタム風のパイソンが発売された。価格は13800円と通常モデルの倍以上であった。
コクサイ パイソン(中期)
1986年にはリニューアルされ、ニューパイソンとして発売された。前作では多少ディフォルメされていた部分は極力実銃通りに再現されており、現在においてもパイソンモデルガンの最高傑作であると言っても過言ではない。当初は金属製のみで価格は2.5インチ9500円、4インチ9600円、6インチ9800円であった。
外観や内部構造の再現性は極めて高く、当時としては完全版と呼べるべきものではあった。全体は初期型同様に黄色のメッキが施されており、これも初期モデル同様にすぐに落ちてしまう。カートも薬莢部分はニッケルメッキ弾頭部分は同メッキ、底には刻印が刻まれる等凝ったものであったが、相変わらずスモールカート仕様であった。
再現性は極めて高かったが、問題は内部構造も実銃通りに再現してしまったために作動が悪くなってしまったことだ。金属製モデルガンといっても、実銃のような硬質の金属を使用してはならない。このため通常は亜鉛ダイキャストを使用するのではるが、硬質の金属で作動することを前提に設計された内部機構では軟質の金属だとすぐに摩耗してしまうのだ。
ニューパイソンで最も耐久力が無かったパーツはリバウンドレバーである。リバウンドレバーとシリンダーノッチの両方が極めて脆い亜鉛ダイキャストで出来ていたためこれらの接触部分が摩耗してしまいシリンダーが回転しなくなるというのがニューパイソンの一番の欠陥であった。
コクサイ パイソン(後期)
コクサイは2000年前後に廃業してしまうが、以降、サンプロジェクト社がコクサイブランドを引き継ぎ、モデルガンの販売を継続した。この時期に内部構造の改良が行われた。この改良によって以降のモデルでは作動性は大幅に向上する。同時にカートリッジのフルサイズ化も行われた。金属製パイソンのメッキは全て24kメッキとなり、全体が丹念にポリッシュされたものとなる。バリエーションもそれまでは発売されていなかった金属製コンバットパイソン、8インチモデルが新たに発売された。
この時点でコクサイパイソンは完成されたといっていい。全くの新規金型の製品こそ発売されなかったが、ABSモデルもHW化してサイドプレートも金属製に変更する等、多くの改良が行われた。2018年に生産を中止するが、これはモデルガンを生産していた時代の「職人さん」の高齢化によるもととも言われているが実際のところは不明である。
まとめ
実に30年近くに亘って生産されてきたコクサイパイソンは2018年には生産が中止された。コクサイパイソンといっても各期によってスペックは大幅に異なる。しかし、どの時代のモデルにしても当時の最大限の努力の下に完成した当時としては群を抜いたリアリティを持つモデルであったのは間違いない。やはり「リボルバーのコクサイ」である。
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