01_飛燕甲
(画像は飛燕甲 wikipediaより転載)

 

要約

 キ88は土井武夫技師を設計主務者として川崎飛行機が開発した局地戦闘機である。計画のみの機体で機首に37mm機関砲を装備、ハ140エンジンを2基串型に配置したキ64のエンジンの前方エンジンを取り除き、そのスペースに37mm機関砲1門、20mm機関砲2門を装備する予定の機体であった。陸軍の機種統合整理の対象となり1943年に計画終了となった。

 

局地戦闘機 キ88

 

性能(計画値)

全幅 12.40m
全長 10.20m
全高 4.00m
自重 2,950kg
最大速度 600km/h(高度6,000m)
上昇力 5,000mまで6分30秒
上昇限度 11,000m
エンジン出力 1,250馬力(ハ140特エンジン)
乗員 1名
航続距離 1,200km
武装 37mm機関砲1門、20mm機関砲(ホ5)2門
初飛行  - 年 - 月 - 日
総生産数  - 機
設計・開発 土井武夫 / 川崎飛行機

 

背景から開発まで

 三式戦闘機飛燕の設計で有名な土井武夫技師が高速戦闘機キ64の設計中にキ64の2基のエンジンの前方を廃止し、そこに37mm機関砲を装備すれば、対爆撃機用の重武装の単座戦闘機を造ることができるのではないかというアイデアを思い付いたのが計画の始まりであった。

 

開発

 キ64大口径砲搭載のアイデアに目を付けた陸軍は1942年8月にこの研究を採用、キ88局地防空戦闘機の名称で試作を指示した。予定では、試作機2機と増加試作機10機を製作するつもりであったという。これに対して川崎航空機は1943年6月に設計を完了した。同年9月には主翼と胴体が完成、10月より組み立てに入る予定であったが、陸軍の航空機開発の機種統合整理によって計画は中止された。この中止の背景には、当時完成間近であった四式戦闘機疾風の性能が良かったこと、キ88と同様のレイアウトを持った米国製戦闘機P-39エアラコブラの性能が芳しくなかったことがあったと言われている。

 現在はモックアップ審査用の写真のみが残されているが、シルエットは三式戦闘機飛燕に似ており、エンジンはハ140特(1,500馬力)の使用を予定、武装は機首に37mm砲1門、20mm機関砲2門を機首部分に集中配置する予定であった。

 

バリエーション

 キ88のエンジンを排気タービン過給器付きのハ140甲に換装したキ88改が計画されており、キ88の増加試作機完成後、3機の試作機の製造が予定されていた。

 

 

生産数

 未完成、計画のみ。

 

まとめ

 

 キ88は陸軍の機種統合整理の対象となり試作機完成直前に計画が中止された機体であった。計画が中止された背景には使用予定であったハ140エンジンの生産は滞っており、完成したエンジンも不調が続いていたことも挙げれられている。このため仮に計画が実現していたとしても活躍できたかどうかは疑わしい。

 

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