(画像はwikipediaより転載)
要約
K9はカー・アームズ社が1995年に発売したコンパクトオートである。全長152mm、重量710gと小型軽量でありながら9mmパラベラム弾を発射することができる。装弾数は7発で+P弾も使用可能である。マニュアルセイフティはないがトリガーストロークは長くファイアリングピンブロックが装備されている。このためトリガープルは重いが命中精度は高い。
カー・アームズK9
性能
全長 152mm
重量 710g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 7発
完成 1995年
設計・開発 カー・アームズ(KAHR ARMS)
開発経緯
カー・アームズは1995年にニューヨークで設立されたガンメーカーである。創業者のジャスティン・文は小さい頃から銃器が好きであったが、理想の中型オートがないことから自身が設計することにした。1995年にカー・アームズを設立、文が理想とする中型オートK9を発売した。
このK9は警察官のバックアップ、一般市民の護身用として企画されたハンドガンで小型で携行しやすく即応性が高いことが特徴である。このクラスのオートは380ACP弾を使用するのが普通であるがK9は9mmパラベラム弾を使用する。
特徴
外部には使用する際に服に引っかからないように突起物が少なく丸みを帯びたデザインで、素材はステンレス製で強度が高いため9mm弾の強装弾である+P弾の発射が可能である。作動方式はティルト・バレル・ロッキング方式で撃発方式はストライカー方式である。
マニュアルセイフティはないためトリガーストロークは長くそしてある程度重くしておりこれがマニュアルセイフティの代わりとなっている。撃針にはオートマチック・ファイアリング・ピン・セイフティが設置されており、トリガーを引き切らないと撃針のロックが解除されないため安全に携行することができる。
トリガーはDAO(ダブルアクションオンリー)で安全装置を兼ねているためストロークは長くトリガープルは2.5kgと比較的重い。しかし作動はスムーズで高級リボルバーの作動を上回るとまで言われている。その上、工作精度が高く低ボア軸(銃身が引き金に近い)、三点ホワイトドットを採用しているため命中精度は高い。
サイズと重量
全長は152mm、ワルサーPPKやブローニングM1910、ベレッタM1934と同程度の大きさである。重量はこれらの銃が平均600g程度であるのに対して710gと少し重いが、これらの銃は使用するカートリッジが380ACPであるのに対してK9は9mmパラベラム弾である。わずか100gの重量増で9mm弾それも+P弾まで発射できるというのは強力である。
同じ9mm弾でライバルとなりそうなグロック19と比較してみてもグロックが全長187mm、重量670g、スライド幅が25.5mmであるのに対してK9は全長で35mm短く幅は22.8mmと3mmほど細いためグロック19以上に秘匿性が高い。
重量はグロック19の670gに対してK9は710gと僅か重いがカートリッジをフルロードするとグロックは855g、K9は796gとわずかに軽くなる。但し装弾数に関してはグロック19が15発なのに対して7発と半分以下である。しかし護身用またはバックアップガンということを考慮すると7発で秘匿性が高い方がメリットという考え方もできる。これはユーザーの考え方次第であろう。
一時期はNYPDが認可
K9は、1997年に当時の会社の所在地の警察であるニューヨーク市警察(NYPD)がバックアップガンとして認可していたが、2011年に方針を変更、NYPDはカー・アームズに対してトリガープルを2.5kgから3.4kgへと変更することを要求。カー・アームズもこれに従ったが結局、構造的な問題により3.4kgのトリガープルを維持することができず認可を取り消された。
バリエーション
1999年にトリガーストロークを短くしたMK9ピストルを発売、2000年にはポリマーフレームを装備したP9ピストル、さらには40S&W弾を使用するK40などが発売されている。
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