
(画像はwikipediaより転載)
要約
ガリルARMとは、1972年に開発されたイスラエルIMI製の自動小銃である。AKをベースに5.56×45mmNATO弾を発射出来るように改良した銃で口径以外にもコッキングレバー、セイフティレバーを左右で使用できるようしている他、ワイヤーカッター、栓抜き機能を持つ二脚、折り畳み式ストック等、独自の改良も施されている。イスラエル軍ではタボールに機種が変更されてしまっているが、世界各国で現在でも使用され続けている。
ガリルARM(実銃)
性能(ARM)
全長 979mm
重量 4,350g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
完成 1972年
設計・開発 IMI社
開発

(画像はwikipediaより転載)
ガリルARMはイスラエル・ミリタリー・インダストリー(IMI)が設計・開発した自動小銃で、ARMは「アサルト・ライフル・マシンガン」の略である。それまでイスラエル軍はベルギーFN社製自動小銃FALを制式採用していたが、全長1mを超えるFALは車両を使用する移動が多いイスラエル軍としては取り回しが不便であったため、取り回しが良い自動小銃の必要性を痛感、開発することとなった。設計にはフィンランドの銃器メーカーであるワルメット社が協力したためAKシリーズの系統を受け継ぐRk62自動小銃に酷似しているが、カートリッジを5.56×45mmNATO弾仕様に改良している。
発射機構はAKシリーズと同様のロングストロークピストン式でカートリッジのガスがバレル上部のピストンに流れ込み、ガスの勢いでピストンが後方に移動、ボルトを押し出すものである。ショートストロークピストン式と異なりピストンはボルトと共に最後まで移動する。閉鎖機構はターン・ボルト方式で左右にロッキングラグが備えられている。発射機構もその他メカニズムもAKシリーズとほとんど同じである。
イスラエル軍への配備は1973年に始まったものの、米国よりM16自動小銃の供給が始まったため全部隊に配備するには至らなかったが、輸出は好調で南アフリカ、フィリピンを始め多くの国で制式採用された。これは当時のイスラエルには外貨獲得手段が少なく、米国供給のM16を自国軍に装備する代わりに自国製自動小銃を海外に輸出して外貨獲得を行っていたとも言われるが真意の程は不明である。
ガリルは機構的にはAKシリーズを踏襲しているものの、AKシリーズと異なりセレクターレバーは左側面にもあり、グリップを握ったまま操作することが可能である。他にもAKには無いキャリングハンドルを装備しており、折りたたみ式ストックが標準装備されている。さらに特徴的な機構として「栓抜き・ワイヤーカッター」として使用できるバイポッドがある。これは前線で弾倉を栓抜き代わりにする事例が多く発生したことにより戦闘に支障が出たために追加された機能でバイポッドの付け根部分にあり、バイポッドを開くことでワイヤーカッターとしても機能するスグレものである。但し、栓抜きとしての性能は100円ショップで販売されている栓抜きの能力を下回る。
バリエーション

(画像はwikipediaより転載)
キャリングハンドルとバイポッド、そして惜しまれつつも栓抜き機能も排除、ARMが木製だったのに対してポリマー製ハンドガードを装備したAR(アサルトライフル)、さらにARのカービンモデルで同じく栓抜き機能を持たないSAR(ショートアサルトライフル)がある。これらには7.62×51mmNATO弾仕様のモデルが存在する。他にも1995年に登場したさらに銃身を切り詰め、栓抜き機能を持たないMAR(マイクロアサルトライフル)、同モデルを30カービン弾仕様にし、同じく栓抜き機能を持たないマガル等がある。
ガリルARM(トイガン)
概要
1989年にファルコントーイがガスフルオートのガリルSARを発売、1991年には木製ハンドガード装備のガリルARMを同じくガスフルオートで発売している。近年では台湾のエアガンメーカーICSが電動ガンでガリルを発売している。
ICS ガリルARM 電動ガン
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性能
全長 750mm
重量 3,710g
装弾数 300発
初速 85m/s前後
定価 55,800円
全金属製でハンドガードは木製、マガジンもスチールプレス製で2本付属する。全金属製のため剛性は非常に高く、キャリングハンドルは実物と同様に可動、コッキングレバーもストローク長めできちんと可動する。セイフティレバーも実物と同様に左側のセイフティレバーも使用可能である。バイポッドはワイヤーカッターとしての使用は難しいかもしれないが、栓抜き機能は使えそうである。命中精度に関しては個体差があるようで、特にパッキンは東京マルイ製と交換すると性能が向上するという意見もある。
まとめ
ガリルはイスラエル製の自動小銃である。製造され始めたのは1970年代であったが、当時のイスラエルは工作機械の不足からパーツを輸入して生産していた。一部部隊には配備されたものの多くの部隊はM16自動小銃を装備、そのままタボールに変更されているが、世界各国では現在でも多くの国の軍隊で制式採用されている。メカニカルな外観を持つ魅力的な銃である。
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