(画像はwikipediaより転載)
要約
二十六年式拳銃とは明治26年(1893年)に完成した日本製リボルバーで翌年制式採用された銃だ。DAのみで口径は9mmであるが意図的にライフリングが深く掘られているため威力は弱いものの、工具無しでサイドプレートが外せるなどの特徴があり、当時の世界水準からしても比較的高い水準の銃であった。
二十六年式拳銃(実銃)概要
性能
全長 230mm
重量 927g
口径 9mm
使用弾薬 二十六年式拳銃実包
装弾数 6発
完成 1893年
設計・開発 東京砲兵工廠
概要
(画像はwikipediaより転載)
日本軍に最初に制式採用されたのは日本名「一番型拳銃」と呼ばれるS&W製No.3であった。6連発の44口径リボルバーで、本銃はワイアットアープが愛用していたことでも有名である。44口径といっても薬莢が小さいため後の44マグナムのような破壊力はなかったが、当時としては十分に威力があり頑丈であった。しかしシングルアクションのみで、全長30cm以上で重量1.3kgと携行性が低く、特に片手での射撃に難があった。
次期拳銃を選定するにあたって、それまで輸入に頼っていた日本軍の拳銃を国産化しようという話になり、ベルギー製ベルギアンナガンM1878をモデルに1893年に開発されたのが二十六年式拳銃で、翌年制式採用された(1893年制式採用説あり)。口径は9mmで中折れ式、機構はダブルアクションのみであったが、工具無しでサイドプレートを外せる等、当時のハンドガンの水準からすると比較的高い水準の拳銃であった。
メカニズム
二十六年式拳銃はシングルアクション機能はなくダブルアクションのみであった。シリンダーの回転を固定するシリンダーストップが付いておらず、引き金を引くと引き金の一部がシリンダーを固定するという特殊な構造となっており、銃身内のライフリングは意図的に深く掘られ、そこから高圧ガスを逃がす構造になっていた。そのためカートリッジの威力を十分に発揮させることができなかった。後年、二二六事件の際、当時の侍従長であった鈴木貫太郎が二十六年式拳銃によって狙撃され3発が命中したが、鈴木の命に別状が無かったことからもその低威力振りが良く分かる。
その後
その後、1902年には南部式大型拳銃が開発され海軍に採用された。1924年、この南部式大型拳銃に改良を加えた南部十四年式拳銃が二十六年式拳銃に代わり陸軍に採用されたが、その後も二十六年式拳銃の生産は続けられた。1930年代には生産が打ち切られたが太平洋戦争終了まで使用され続けた。この二十六年式拳銃、威力こそ今一つであったが表面仕上げは非常に美しく、そのため敗戦後日本に来た米兵のお土産として随分アメリカに渡った。記事冒頭の写真はwikipediaに掲載されていたもの。実際、この写真の個体は丁寧な表面仕上げが施された相当綺麗なものである。
二十六年式拳銃(トイガン)
概要
2004年頃に六研ビンテージシリーズとして無可動モデルが発売されている他、頑住吉より発火機能は無いが可動モデルが発売されている。2011年にはHWSよりHW製発火モデルが発売された。2013年にはタナカのペガサスシステムを内蔵したガスガンも発売している。モデルガンは2017年頃に再販、2020年10月再販。
HWS 日本軍 二十六年式拳銃 エイジドカスタム HW ヘビーウエイト エアガン
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性能
全長 230mm
重量 600g
装弾数 6発
二十六年式拳銃を唯一モデルアップしているのはHWSである。HWSは非常にマイナーな銃をモデルアップするメーカーだ。このHWSからモデルガン、ガスガン両方でモデルアップされている。完成度の高さで定評のHWSの名に恥じない高品質モデルだ。ガスガンはタナカとのコラボでペガサスシステムを採用している。このため、二十六年式拳銃の特徴であるサイドプレートを開けるギミックはガスガンでも再現されている。ガスガンのスペックは装弾数
まとめ
恐らく日本初の拳銃である二十六年式拳銃は、完成当初は意外にも世界水準に達した高性能拳銃であった。独特のバレル形状により威力は弱かったが軽量なダブルアクション拳銃はそれまでの一番型拳銃に比べ大きなアドバンテージであった。時代の流れは自動拳銃に移り、二十六年式拳銃は歴史の影に消えていったが、少数が太平洋戦争終盤まで使用され続けた。
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