01_一〇〇式機関短銃
(画像はwikipediaより転載)

 

一〇〇式機関短銃

 

 

性能

全長 872mm
重量 3.7g
口径 8mm
使用弾薬 8mm南部弾
装弾数 30発
発射速度 450発/分
完成 1939年
総生産数 10,000挺
設計・開発 陸軍技術本部・中央工業・名古屋造兵廠鳥居松製造所

 

戦前日本のサブマシンガン

 第一次世界大戦以後、世界では短機関銃の開発が盛んになってきた。これは第一次世界大戦での塹壕戦での影響もあるのかもしれないが、ドイツでMP18、米国でトンプソン短機関銃等が開発、実用化された。これに対して日本も1920年に自動短銃の研究を開始、1923年には陸軍造兵廠火工廠東京工廠によって自動短銃の設計が開始された。

 

試製自働短銃1927年型

 1927年試製自働短銃1927年型が完成、これは全長690mm、重量3.2kgで使用弾薬は8mm南部弾、30発ボックスマガジンまたは50発ドラムマガジンを使用する。発射機構はブローバック方式で閉鎖機構はエアバッファー式という特殊な形式が採用された。しかしこの試作銃は発射したところ発射速度が1,200発/分とマイクロUZI並の高速回転になってしまった上に命中精度も悪く構造も複雑で脆弱といういい所が一つもない銃となってしまった。

 

試製自働短銃1928年型

 さらに翌年の1928年には試製自働短銃1928年型が開発される。この銃は全長800mm、重量3.3kgで使用弾薬は8mm南部弾である。装弾数は18発でセミ・フルオート切替式であった。しかしこの銃も制式採用には至らなかった。この機関短銃でいったん試作は中止となる。これは満洲方面の情勢が切迫してきたからだと言われている。

 

試製一型機関短銃

 1935年になると機関短銃の開発が再開、南部式大型拳銃南部十四年式の開発で有名な南部麒次郎が設立した南部銃製造所によって南部式機関短銃一号、同二号が試作された。1936年これを基に試製一型機関短銃と試製二型機関短銃が製作される。

 試製一型は徳永という銃器設計者によって設計された銃で外観は一言でいうとシュール、中世ヨーロッパの魔女が武器として使いそうな感じの銃で筒状のフレームの中央にグリップ兼弾倉があり、その婉曲した弾倉は45度の位置まで伸びている。フレーム後下部にはストックが付いているがこれも実用的とはいえないデザインであった。英国で戦車兵用の火器としてテストされたが秒速で却下されている。ちなみに画像はこのサイトで見ることが出来る。

 

試製二型機関短銃

 これに対して試製二型は至ってまともな形状で一型をベースにしているが弾倉兼グリップという形状を廃止、パイプ状のフレーム下部に小銃のような木製の曲銃床を採用、グリップも通常の小銃のようにストックの一部となった。弾倉はトリガー前方に位置しており銃身は突出しておらずストックの先端までである。

 

試製三型機関短銃

 1939年に試製三型機関短銃が開発される。これはドイツのMP28やMP34の影響を強く受けたもので曲銃床を採用してグリップはストック一体型、ボックスマガジンを使用して装弾数は30発、左側から横に差し込む。弾倉はボトルネックの8mm南部弾を使用するために湾曲している。この試製三型機関短銃に若干の改良を加えて1941年に制式採用されたのが一〇〇式機関短銃である。

 

 

特徴

 一〇〇式機関短銃は曲銃床の木製ストックを装備しており、銃身には放熱用のカバーが取り付けられていた。口径は8mmで使用弾薬は南部十四年式拳銃と同じ8mm南部弾である。8mm南部弾はボトルネックのため弾倉の湾曲は強い。

 重量は3.7kgで作動方式はオープンボルト、シンプルブローバックとこの時代の短機関銃としては平凡な機構である。セミ・フルオート切替機能はなくフルオートのみである。発射速度は450発/分である。一〇〇式の最大の特徴としては短機関銃でありながら銃剣が付くことだろう。照準は1,500mまで狙えるサイトが付いていた(三型では二脚も付いていた)。

 

性能

 同時期のサブマシンガンではステン短機関銃がある。発射機構や閉鎖機構はオープンボルト、シンプルブローバックで全く同じ、発射速度もステンが500発/分と若干早いがほぼ同じである。口径は9mmパラベラム弾を使用するため一〇〇式よりも若干威力がある。重量はステンが3.2gと500gほど軽量である。

 M1A1トンプソン短機関銃は同時期とは言えないが発射機構はオープンボルト、シンプルブローバックと同じ、装弾数もほぼ一緒で使用弾薬が45ACP弾と他の短機関銃に比べて強力である。威力は最強であるが重量が5kgとM1ガーランド小銃よりも重いというのが難点である。

 一〇〇式の信頼性に関しては良く分からないが、シンプルブローバックは使用弾薬の威力が高くなればなるほど銃の重量が重くなり発射速度が速くなる傾向がある。この点、使用弾薬が8mm南部弾とこれらの中では威力が一番弱い一〇〇式は軽量で発射速度も450発/分とコントロールしやすい。

 それぞれ個性がありお国柄で口径なども違うため一概に比較はできないもののプレス加工を多用した生産性の高さや9mm弾でありながら発射速度を500発/分に落としセミ・フルオート切替式で3.2kgと軽量なステン短機関銃が頭一つ抜きん出ていると言えそうだ。さすが英国。

 

バリエーション

 1942年に生産された前期型は銃口に大型のマズルブレーキが装着されている。この前期型を落下傘部隊用に改良した一〇〇式機関短銃特型はストックが折りたためるようになっている。1944年に生産された後期型は全く無意味な1,500mサイトを廃止して100m、200mの固定式サイトに変更している。生産に電気溶接を取り入れたため多少生産効率は良くなったが、プレス加工ほどの革新的な変更はない。

 

戦歴

 総生産数10,000挺とそれなりの数が生産されたものの実はあまり前線では活躍していない。連合国軍に少数が鹵獲されているので実戦で使用されたことは間違いないが、そもそも武器弾薬が足りず補給もままならなかった日本軍、短機関銃という燃費の悪い兵器があまり前線で活躍できなかったとしても不思議ではない。

 

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日本の軍用小銃 (HOBBY JAPAN MOOK)
アームズマガジン編集部
ホビージャパン
2023-07-21

 

 

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