二式複座戦闘機屠龍。零式艦上戦闘機や一式戦闘機に比べてあまり有名ではない戦闘機だ。しかし太平洋戦争末期、日本の空を護るために夜間戦闘機月光と共に大活躍した戦闘機なのだ。どちらも長距離戦闘機であり、双発であった。月光が斜め銃を装備してB-29と戦ったのに対して屠龍は37mm砲という強烈な武器でB-29に立ち向かっていた。

 

 この二式複戦屠龍を操り、一説にはB-29を26機撃墜するという記録を達成したのが、本書の著者樫出勇氏である。樫出氏は残念ながら1994年に他界してしまったが(私が本書を買った時はまだ御健在)、その記録は圧巻の一言である。

 実際、レーダーの無い状態で夜間に敵機を見つけるというのは相当難しいらしい。サーチライトがあればいいが何もない状態では本当に大変だったらしい。東京大空襲で日本軍航空隊が戦果を挙げたのは燃える街の明かりで敵機を発見することが容易だったという理由もあったようだ。

 素人考えでは37mm砲を装備した屠龍は無敵という風に感じてしまうが、実は37mm砲、初速も遅く弾数も少ないためになかなか撃墜するのは大変だったようだ。模型を作製する方等も本書で屠龍のバックグラウンドを知ればプラモ作りがより楽しくなるかもしれない。

 

 

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B29撃墜記 (光人社NF文庫)
樫出勇
潮書房光人新社
2013-08-02



 

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