(画像はwikipediaより転載)
要約
センチネルはハイ・スタンダード社初のリボルバーである。使用弾薬は22LR弾で装弾数は9発、一体型フレームを採用したDA方式である。構造はスタームルガー社のリボルバーに似ているがこれはセンチネルの設計者がのちにスタームルガー社でリボルバーを設計したためである。1955年から1983年まで30年にわたって販売された。
ハイスタンダード センチネル
性能
全長 232mm
重量 622g
口径 22口径
使用弾薬 22LR弾
装弾数 9発
完成 1955年
設計・開発 ハリーセフリード / ハイ・スタンダード社
開発経緯
現在でこそ米国の民間市場はオートピストルが席巻しているが、1950年代頃はリボルバーの方が人気があった。さらにテレビの登場と西部劇ブームにより1950年代のリボルバー人気というのはかなりのものであった。そこでそれまで22口径オートの製造で有名であったハイ・スタンダード社もリボルバーの開発を開始した。
ハイ・スタンダード社とは現在ではなくなってしまっている会社であるため古いファンでないと知らないかもしれないが22口径ピストルで有名であった会社だ。現在でも知られている銃としてはハイ・スタンダードデリンジャーがある。ハイ・スタンダード社はそれまでリボルバーの開発経験はなかったが、1955年、若い銃器設計者ハリー・セフリードによってわずか6ヶ月で完成させたのが同社初のリボルバーセンチネルである。
独自のデザイン
このリボルバーはいわゆるキットガンやプリンキング用リボルバーと呼ばれるタイプのリボルバーである。キットガンとは緊急用キットに同梱しておく銃のことで遭難などの非常時に使用する。プリンキングというのは標的射撃よりももっとラフな空缶を撃ったりして楽しむ射撃のことだ。
開発者であるハリー・セフリードは他の銃器の良いアイデアを活用することに躊躇はなかったようでグリップの形状やダブルアクション(DA)機構などは他の銃器の設計を参考にしている。しかしセンチネル自体のデザインはかなりオリジナリティが高いユニークな設計である。
外観は標準的なリボルバーの形状をしており、ソリッドフレームでスイングアウト方式を採用している。フロントサイトは固定式の一枚板でリアサイトは他の標準的なリボルバーのように照準線の最後端にはなく少し前方に位置している。バレルは高張力鋼で製造されており、スチール製のシリンダーは独特の形状のラチェット機構で回転する。バレルとシリンダーの間にフォーシングコーンを採用しており、これにより弾丸発射時の弾丸の「削れ」を防いでいる。
シリンダーのスイングアウトは銃身下部に伸びるエジェクターロッドを引っ張ることでロックが解除されてシリンダーが射手から見て左側に90°開く。S&Wやコルトのようなサムピースやシリンダーリリースボタンを廃止したことによって製造の簡略化、コストダウンが可能となった。
スターム・ルガー社製リボルバーに似ているが。。。
フレームはアルミ製でダイカスト製法で製造されており、フレームは上下に2分割されている。上部フレームにはバレル、シリンダークレーン、下部フレームにはグリップ、トリガー機構があり、これらを上下フレームを通るハンマーピンで固定している。コルトやS&Wのリボルバーはリーフスプリングを多用するが、センチネルの場合はコイルスプリングを多用している。
グリップは当初はスクエアバットグリップ(のちにラウンドバットも発売される)で一体型のプラスチック製チェッカリンググリップが標準装備されている。これらの特徴である上下分割のフレーム、一体型のグリップなどの構造はスターム・ルガー社のDAリボルバーに酷似しているのにお気付きだろうか。それもそのはず。設計者のハリー・セフリードはのちにスターム・ルガー社に入社してDAリボルバーの設計を行っている。つまりはこのセンチネルはルガーリボルバーのプロトタイプというべきものだ。
口径は22口径で使用弾薬は22LRで装弾数は9発、のちに22ショート弾や22マグナム弾モデルもバリエーションに加わる。バレルは当初は3インチ、5インチで表面仕上げはブルーのみで1956年4月に新たにニッケル仕上げが加わった。ニッケル仕上げにはホワイトグリップが付属する。発売価格はブルーが37.5ドルでニッケル仕上げはそれよりも5〜6ドル高く設定された。
およそ30年間にわたって販売されたためバリエーションは多い。主なバリエーションとしては、1957年に発売されたラウンドバットグリップの2インチスナブノーズモデル、1974年にはセカンドモデルとしてスチール製フレームを採用したモデルが発売された。1983年に製造終了している。
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