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(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 ハウスリボルバーは1871年にコルト社が発売したリボルバーである。装弾数は4〜5発、41口径リムファイア弾を使用する。コルト社初の金属カートリッジ仕様リボルバーである。バードヘッドグリップを採用している。

 

コルト・ハウスリボルバー

 

 

性能

全長 172mm
重量 410g
口径 41口径
使用弾薬 41口径リムファイア弾
装弾数 4〜5発
完成 1871年
設計・開発 コルト社

 

特許とコルト・S&W

 コルト社は1836年にM1836パターソンを発表、画期的な構造でのちのコルトのメカニズムの基本的な構造はここで誕生した。しかし創業者サミュエル・コルトが期待していた米軍制式採用とはならず、テキサス軍への採用に留まった。このためコルト社は1回目の倒産をしてしまうのだが、その後、M1847ウォーカーモデル、M1848ドラグーンM1860アーミー等の成功により大銃器メーカーとなっていった。これらリボルバーの構造はコルト社が特許を取っており、他社が製造することはできなかった。しかしこのコルト社、今度はその特許で大失態をしてしまう。

 当時のリボルバーといえば黒色火薬を使用したパーカッション式が主流であったが、1847年にフランスのフロベールがリムファイア式の金属カートリッジを発明した。S&W社はこの金属カートリッジを使用した貫通式のシリンダーの特許を取得、1857年にS&WNo1リボルバーを発売している。このNo1の発売が1857年になったのは、コルトが取得していた回転式弾倉の特許が切れたためであった。20年間、コルトは特許に守られていたのである。

 このNo1リボルバーの特徴は金属カートリッジを貫通式シリンダーで発射することであった。貫通式シリンダーは今では当たり前にあらゆるリボルバーに採用されている方式であるが、当時のリボルバーというのはシリンダーは貫通しておらず、シリンダー後方には雷管を取り付けるための場所が設けられていた。装填の際には、前方から火薬と弾丸、後ろにプライマー(雷管)を装着するのだ。

 金属カートリッジを使用するためにはこのシリンダーの構造では不便すぎる。そもそもこの構造では金属カートリッジを使用する意味がないのだ。そこで考案されたのが貫通式シリンダーであったが、この貫通式シリンダーの特許を持っていたのはローリン・ホワイトという元コルト社の技師で、当初はコルト社にこの特許を持ち込んだのだが相手にされなかった。

 

 

四つ葉のクローバーと五部屋のおうち

 そこに目を付けたのがS&Wでローリン・ホワイトと貫通式シリンダーの独占契約を結び、晴れてリムファイア式、貫通式シリンダーのNo1リボルバーの完成となったのだ。今度はS&W社が特許を取得、貫通式シリンダーの製造を独占してしまったのだ。全くコルト社の失態であった。この特許のためコルト社は金属カートリッジを使用したリボルバーの開発ができなかったが、1870年にようやくこの特許が切れ、コルト社も金属カートリッジ式リボルバーが販売できるようになった。そこで発売されたのがハウスリボルバーである。

 1871年に発売されたこのハウスリボルバーは、41口径リムファイア弾を使用、装弾数は4発で前後から見るとシリンダーがクローバーの葉のように見えることから、特にこの4発タイプはクローバーリーフとも呼ばれている。因みにリムファイアとは、カートリッジ後部にある突起(リム)内に発火薬が詰められており、このリム部を打撃することによって火薬に着火、弾丸が発射される構造である。現在でも22口径のカートリッジ等でこの方式が採用されている。

 このクローバーリーフは1871年から1874年まで約7,500挺が生産された。銃身長は1.5インチと3インチのみで表面はブルーまたはニッケルメッキ処理されていた。グリップはバードヘッドグリップ(Bird's head grip)と呼ばれるグリップが小さく湾曲したもので、それまでのプラウハンドルグリップ(Plow handle grip)に比べて早撃ちには向かないものの、照準が合わせやすく小型でコンシールド性(隠し持つ)に優れていた。

 シリンダーにはリム部を収容するためのカウンターボアードがあり、エジェクターロッドは銃身下部にあり、ネジによってフレームに刺さっている。排莢の際にはフレームから外し右側面のシリンダー前部にロッドを突っ込んで排莢する。しかしロッドは銃口下部に付けられたリングで本体からは外れないようになっているという便利な機能である。

 1874年には装弾数を5発にしたモデルが発売される。銃身長は2 5/8インチのみで残念なことにこのモデルからは便利なエジェクターロッドは廃止されている。1876年まで製造され、総生産数は2,150〜2,500挺である。

 全長172mmでバードヘッドグリップ、携行時にはハンマーをハーフコックにしてシリンダーを45度回すとハンマーノーズをシリンダーに挿入する穴があり、ここにハンマーノーズを挿入することで暴発の危険なく安全に携行することができる。同時に銃の幅も狭くなりコンシールド性も増すことになる。1872年に実業家のジム・フィスクの暗殺に使用されたことから「ジム・フィスクモデル」という別名でも呼ばれている。総生産数は9,952挺。

 

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