01_起重機船さんこう
(画像はwikipediaより転載)

 

 起重機船とはクレーン船のことで基本的には自走能力の無い浮桟橋のようなものにクレーンが付いている船のことだ。起重機船さんこうは大正時代に日本に輸入され、戦艦大和の建造、戦艦伊勢の航空戦艦化などに活躍した。2024年現在も現役で活躍している。

 

起重機船 さんこう 〜概要〜

 

 

性能

 通常排水量 5,011トン
 最大排水量 -トン
 全長 82m
 全幅 5.5m
 全高 28.8m
 最大速力 8ノット
 竣工  1923年7月10日
 同型艦 1隻

 

同型艦

さんこう(起工1922年5月30日、進水1922年12月6日、竣工1923年7月10日)

 

起重機船 さんこう 〜経歴〜

02_起重機船さんこう
(画像はwikipediaより転載)

 

 起重機船さんこうは、1921年にイギリスのコーワンズ・シャルドン社で製造された起重機船を部品として輸入、日本で組み立てられた。日本では1922年5月30日に起工、同年12月6日に進水、翌年の1923年7月10日に竣工している。つり上げ能力350トンの建造当時では世界最大の起重機船であった。1937年には水中速力21ノットという当時としてはケタ違いに高速であった71号艦(潜水艦)の進水作業を行い、戦艦大和の建造にも活躍した。太平洋戦争開戦後の1943年には戦艦伊勢の航空戦艦化改装作業や水上機母艦千歳艦橋部取付を行う。

 終戦後の1946年には航空戦艦伊勢、日向、巡洋戦艦榛名の解体作業、1947年には日露戦争以来の殊勲艦である巡洋艦出雲の解体作業、1948年には呂27号潜水艦の解体作業を行う。1974年には沖縄国際海洋博覧会の海上実験都市アクアポリスの建造にも携わった。近年では2010年の岩国基地拡張工事、2015年の新笠岡港での大型変圧器揚陸、2022年の大和ミュージアムむけの戦艦大和の主砲を製作した旋盤の移設作業に活躍している。現在の所有は日興産業株式会社(広島県)。

 

起重機船さんこうと戦争

 私はこの起重機船の存在を知った時驚いたし感動した。かつて日本には戦艦大和を初めとする大艦隊があった。その艦隊は愚かな戦争のため今はない。あったとしてももう運用することはない。第二次世界大戦の終了が1945年だからどんなに若い艦でも艦齢80年近くになってしまう。そんなに長寿命の艦はない(極稀にあるけど)。

 戦艦大和は今は海底戦艦となってしまっているが、その大和を作った起重機船は現存しているというのは驚きでしかなかった。最近大和の砲身を削った旋盤が大和ミュージアムに収蔵されたが、戦艦も連合艦隊もなくなってもそれを作った機械というのはその後も活躍し続けている。

 その最たるものがこの起重機船さんこうだ。建造されたのが1921年と太平洋戦争開戦の20年前である。1937年の戦艦大和の建造時点でもうすでに艦齢16年といったところだろうか。それが大戦を生き延びて現在でも運用され続けているというのは本当に衝撃であった。

 同時に英国製の工業製品の品質の高さということもまた衝撃的だった。100年間使える機械を製造するというのはその部品や部品を作る機械まで含めて工業の蓄積の上に成り立っている。考えてみれば戦艦金剛は英国製、戦艦大和は英国製の起重機船で作られた艦。これらで英国と戦争をしたのだから何ともやりきれない気持ちにはなる。

 

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