
(画像はwikipediaより転載)
MP7とは、H&K社が1999年に開発したPDW(Personal Defense Weapon)である。カートリッジは4.6×30mm弾で、これは防弾ベストを貫通させることを目的として開発されたカートリッジであり、後方支援部隊の護身用の銃器として開発された。4.6mm弾の貫通力は凄まじく、200m先のクラス3Aの防弾ベストを貫通する能力を有する。弾丸が小型であるため装弾数も多く、ロングマガジンは40発を装填することができる。このため本来の目的以外にも特殊部隊等で使用される例が多い。
MP7(実銃)
性能
全長 415mm(ストック展開時638mm)
重量 1,900g
口径 4.6mm
使用弾薬 4.6×30mm弾
装弾数 20/40発
完成 1999年
設計・開発 H&K社
開発

(画像はwikipediaより転載)
MP7の特徴はイギリスで開発された4.6mm弾を使用することにある。この弾薬はP90で採用された5.7×28mm弾と同様の設計思想で開発された弾薬で高い貫通力が特徴であり、MP7もP90同様に後方支援部隊のPDW(Personal Difense Weapon)として軽量・コンパクトに設計されている。本体はプラスチックを多用、後方には伸縮式ストックを装備しており、作動方式はHK416等で使用されているショートストロークピストン式ガスオペレーション、クローズドボルト、閉鎖機構はロータリーロッキング方式を採用している。
このロータリーロッキング方式とは、ボルトを回転させることで作動を遅くし連続射撃を可能にする機構で現在AK47、M16自動小銃、M1ガーランド等、多くの銃に採用されている機構である。弾倉はイスラエル製サブマシンガンであるUZIのようにグリップ内に収納する形式になっており、グリップ内に収まる20連マガジンとグリップから突き出す40連マガジンがあり、銃上部には20mmレイルが装備され、そこにアイアンサイト、光学照準器等を装着することができる。
貫通力はNIJ規格の44マグナムや357SIG弾を防ぐ能力を持つクラス3A防弾ベストを200m先から貫通する性能を持つ。1999年にドイツ連邦軍に制式採用、2001年より生産に入った。P90と同様に多くの特殊部隊において採用されている。
バリエーション

(画像はwikipediaより転載)
オリジナルのMP7の他、照準器やグリップやストックの形状の一部が変更され銃身のサイドにピカテニー規格の20mmレイルを装着したA1、銃身下部のフォアグリップを廃止、代わりに20mmレイルを装着したA2モデル、セミオートのみのMP7SFモデル等がある。
MP7(トイガン)
概要
トイガンでは頑住吉がガスガンとしてプロトタイプモデルPDWを発売、アカデミー科学が電動ガンとして発売してる。2006年2月8日には東京マルイが電動ガンを発売、2012年10月29日にガスブローバックモデルを発売している他、2009年7月28日にはKSCもガスブローバックモデルを発売している。これらはどちらも実物のデータが入手出来なかったためと言われるが実物よりもサイズが小さい。1/1スケールのトイガンでは2019年6月11日にVFCが発売したものが唯一である。
東京マルイ MP7 電動エアガン
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性能
全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 1,480g
装弾数 50発
初速 77m/s前後
定価 28,800円
東京マルイが2006年に発売した電動ガン仕様のMP7である。全長が実銃に比べて4cm程短いほか、重量も実銃に比べて400gほど軽い。そう考えるとおもちゃ感があるが、そこは東京マルイ。外観の完成度は非常に高く、命中精度やその他実射性能も安定している。日本メーカーなのでパーツの供給も問題が無い。サイズにこだわりが無ければ本銃も選考の対象となる。
東京マルイ MP7 ガスブローバック
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性能
全長 381mm(ストック伸縮時586mm)
重量 2,200g
装弾数 40発
初速 75m/s前後
定価 32,800円
サイズは同社製電動ガンと同じで実銃よりも小さいが、重量は実銃の1.96kgに比べて2.2kgと実銃よりも重く作られている。無論実銃はカートリッジを装填していない状態なので装填後は実銃の方が重くなる。電動ガンに比べて命中精度やパワー、作動の安定性は劣るものの迫力のあるブローバックを楽しみたいユーザーにはガスブローバックが良い。
KSC MP7 ガスブローバック
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性能
全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 2,120g
装弾数 40発
初速 74m/s前後
定価 34,800円
KSC製のMP7は東京マルイと同様に全長が4cm程短いがそれ以外の再現性は高い。ガスブローバックなので電動程の命中精度は期待できないものの、ガスブローバックでは平均以上の命中精度を発揮している。KSC製は初期モデルMP7A1とバージョンアップモデルのMP7A1-2、さらにはタクティカルモデルの3種類がある。2が最新型でマグネシウムボルトにスペアマガジンが2本付属する。価格は一緒なので購入する際は間違えないようにしたい。タクティカルモデルは限定品でこれも2と同様にマグネシウムボルト仕様である。
VFC MP7 電動ガン
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性能
全長 418mm(ストック伸縮時640mm)
重量 1,665g
装弾数 120発
初速 91m/s前後
定価 53,600円
このVFC製の電動MP7の最大の特徴は、他のエアガンメーカーの製品と異なり、実物大で製作されていることであろう。東京マルイ、KSC製のトイガンに比べると全長が4cm程長い。これは結構な差であろう。命中精度やその他性能においても他のメーカーに引けは取らないため、リアリティ志向のユーザーはこちらの製品が良いかもしれない。しかし総合的な性能や保証に関しては日本メーカーに一日の長がある。
まとめ
MP7は後方支援部隊用の個人防御兵器として開発された銃器であり、ほぼ同様の目的で開発された銃にベルギーのFN社P90がある。P90に同カートリッジを使用するFive-SeveNがあるようにMP7にも同カートリッジを使用するP46があったが性能が今ひとつであったため2009年に開発が中止されている。しかしMP7の性能は高く、現在でも日本を始め、多くの特殊部隊で使用されている。
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