01_XF5F_skyroket
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 XF5Fはロバート・L・ホールが設計してグラマン社が生産した試作艦上戦闘機である。初飛行は1940年4月1日で最高速度は616km/h、航続距離1,800km。性能は申し分なかったが艦上機としては致命的な前方視界不良を始め様々な問題が発覚したことから制式採用されることはなかった。試作機1機のみが製造された。

 

グラマンXF5F

 

 

性能

全幅 12.8m
全長 9.80m
全高 3.45m
自重 3,630kg
最大速度 616km/h(高度6,096m)
上昇力 1,220m/分
上昇限度 11,000m
エンジン出力 1,200馬力(ライトXR-1820-40/-42空冷星型9気筒レシプロエンジン)
航続距離 1,800km
翼面荷重163kg/立方メートル 乗員 1名
武装 23mm機関砲2門、12.7mm機関砲2門、または12.7mm機銃4門
爆装 75kg爆弾(165ポンド)2発または
   2.4kg空対空爆弾20発または
初飛行 1940年4月1日
総生産数 1機
設計・開発 ロバート・L・ホール / グラマン社

 

概要

 グラマンの技師、ロバート・L・ホールによって設計された試作艦上戦闘機。エンジンは1,200馬力ライトXR-1820-40/-42空冷星型9気筒レシプロエンジンを2基装備、プロペラは三翅で、それぞれ逆回転する二基のエンジンによってトルクを打消し機体安定性を高めている。さらにエンジン間の距離を縮めることによりロール率を高める効果も期待された。

 1940年4月1日初飛行、双発エンジンで航続距離の長い上に最高速度は616km/hを発揮、独特の形状から注目を集めたが、海軍でテストをしたところ最高速度は600km/hを下回り、エンジンの冷却不足、エンジンカウルによる視界不良、胴体の剛性不足等様々な問題が発覚した。

 特に問題だったのが前方視界不良でこれは空母の小さい甲板に着艦する艦上戦闘機としては致命的であった。さらに構造の複雑さや同時期にF4Uコルセア戦闘機が高性能を発揮していたこともあり制式採用されることはなく試作機1機のみで終わった。

 

 

制式採用はされず

 グラマン社ではデータを採取するためのテスト機として運用されたが、1944年12月11日、主脚の故障で胴体着陸、機体は大破したため破棄された。改良型としては陸軍向けに艦上機の装備を取り外し排気タービン過給器付きライトR-1820-67/-69を装備、機種を流線形に成形したXP-50があったが、飛行中に過給器が爆発して墜落してしまった。

 XF5Fは制式採用されることはなかったが、この試作機から得られた経験は当時、グラマンが開発していた双発戦闘機XF7F-1タイガーキャットの設計に生かされた。海軍の宣伝に利用されたため知名度は高い。総飛行回数211回、総飛行時間155.7時間。米国ではコミック『ブラックホーク』の主人公の愛機として有名である。

 

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