
(画像はwikipediaより転載)
要約
FP-45リベレーター(リバレーター)とは、1943年に開発され第二次世界大戦中に米軍によって製造されたピストルで45ACP弾を使用するシングルショットハンドガンである。全長141mm、重量450g、装弾数1発。これは大量に生産して航空機により空中から敵占領地に投下して当該地のレジスタンスを武装させることを目的としていた。しかし実際にはこのような目的で使用されることは少なく、多くの場合はそのまま海洋に投棄されたり鉄くずとして再利用された。
FP-45リベレーター(実銃)
性能
全長 141mm
重量 450g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP
装弾数 1発
完成 1943年
設計・開発 ジョージ・ハイド / GM社
概要

(画像はwikipediaより転載)
簡易ピストルを大量に生産して敵国の占領地にばら撒き現地のレジスタンスの支援をするという発想は、1943年3月、ポーランド軍のアタッシェにより提案されたプロジェクトであった。この計画は米軍に採用され、1943年5月にはゼネラル・モーターズ社(GM)のジョージ・ハイドにより設計が完了した。
材質は鋼製で部品点数はわずか23点で単発シングルショットのハンドガンであった。安価なピストルを大量製造していることを偽装するために名称は「フレア・プロジェクター45」と呼ばれ、部品の名称もバレルを「チューブ」、トリガーを「ヨーク」、トリガーガードを「スパナ」等と呼称した。総生産数は100万丁、一丁当たりの納入価格は2.10ドル(現在の価値だと32ドル。日本円で3,500円程度)で、構想から生産完了まで6ヶ月、製造期間は11週間であった。
短期間で設計されただけあって構造は非常に簡単でカートリッジを薬室に装填、引き金を引くとボルトが後退しある程度の位置になるとロックが外れる。そうするとスプリングの圧力によりボルトが前進しボルト先端に付いている撃針がカートリッジを叩くと発射される。発射後の薬莢は銃口から棒で押し出す。命中精度は論外で銃自体が450gしかない上に使用するカートリッジが45ACP弾であるため尋常でないくらい反動は強い。
完成したリベレーターは、本体と共に、グリップ内に内蔵できる45ACP弾10発(弾倉ではない)と漫画で描かれた取扱説明書(この取説のコミックはウォルトディズニー作である)、装填・排莢用の木製ロッドが段ボールに収められた状態で出荷された。これらは航空機によって大量に占領地に投下されることになっており、想定される使用法としては、この投下されたリベレーターをレジスタンスが回収し、これを武器として占領軍の武器を奪い、占領軍の武器で武装するというものであったようだ。これでレジスタンスの軍事力強化と占領軍の士気低下を同時に行うことを目的としていた。
しかし実際は、欧州方面、太平洋方面のどちらの最高司令官もこの計画に積極的ではなく、欧州のアイゼンハワー将軍が2万5,000丁のFP-45の投下、45万丁がOSS(CIAの前身組織)に回された。さらに中国に10万丁を輸送、太平洋戦線でも若干数が使用されたが、多くの製品は使用されないまま海洋に投棄されたり、金属として再利用するために溶かされた。ほとんど使用されることがなかったリベレーターであったが、それでも一番使用されたのは中国戦線であったという。

(画像はFP-45の取説。ウォルトディズニー作だそうだ。wikipediaより転載)
あくまで個人の感想
このFP-45、45ACP弾を使用するといっても銃身が短くバレルからのガス漏れも尋常ではないだろう。威力もM1911ほどはない。しかし銃自体が軽い上に射手の手を守る対策が一切なされていないため反動は強く痛い。その上単発。
レジスタンスを助けたいという気持ちは買うとしてもユーザーとしてはこれを命がけの実戦で使用するには相当な勇気が必要。もちろん戦う相手は最新兵器で武装している訳だだし、どういう状況でこの銃が役に立つのかどう考えても答えが無い。
FP-45とはナイフ、どちらかを選べと言われればワイは迷わずナイフを選ぶね。どう考えてもナイフの方が汎用性が高いし武器としても優れている。多分、当時の人達も同じ思考経路を経て廃棄する道を選んだのだろう。こんなの危なくて使えない。戦争末期の日本軍の決戦兵器である竹槍や日本刀よりも劣っている数少ない兵器というのがワイの感想。
FP-45リベレーター(トイガン)
トイガンでは2012年にHWSが発売していたのみである。
HWS FP-45リベレーター
性能
全長 141mm
重量 500g
装弾数 1発
HWSが2012年に発売したモデルガン。精巧なモデルガンを製作することで定評のあるHWS製だけあって再現性は高い。ほとんどが廃棄されたようなポンコツ銃を精巧に再現するという感無量の製品。2022年1月に再生産。
まとめ
このFP-45リベレーターは漫画『マスターキートン』にも登場している。リベレーターは単純な構造で堅牢であり、現在においても発射可能である個体も多い。但し、45ACP弾を直に発射するため反動はものすごい。実際には計画通りの使用はあまりされなかったようだが、戦時下を感じさせるユニークな銃である。
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コメント
コメント一覧 (1)
割りとマジな話で。工具代は別として2000円も有れば単発パイプ銃あたりなら、作れてしまうからな。
※銃刀法違反という、立派な犯罪者になります。
しかもコレ、法律では刑の執行後10年間経過後は審査するとは法文に明記されているが、公安の銃砲所持許可申請は、審査不許可が永久に確定してしまうんだ。
審査したが、銃刀法違反の前例が有り公衆の安全に悪影響がある人物であるので許可出来ない。という奴になる。身内に893とか過激派が居ても同様の結果になるがな。