01_M1910
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 ブローニングM1910とは、1910年にジョン・ブローニングによって設計された中型拳銃でストライカー方式、バレルを取り巻くリコイルスプリングを採用した画期的な銃である。服に引っかからないように突起を極力減らした上に3重の安全装置を採用する等、携行時の安全性も考慮されている。このためコンシールド性に優れていたために美しさの反面、暗殺に使用される等、暗い歴史を持つ銃でもある。口径は32口径と38口径。

 

ブローニングM1910(実銃)

 

 

性能(380ACPモデル)

全長 151mm
重量 570g
口径 9mm
使用弾薬 380ACP
装弾数 6+1発
完成 1910年
設計・開発 ジョン・ブローニング / FN社

 

開発

02_M1910
(画像はwikipediaより転載)

 

 M1910は、爆発的にヒットしたブローニングM1900の後継機である。著名な銃器設計者ジョン・ブローニングによる設計でストレートブローバック、シングルアクション方式、撃発機構は当時としては珍しいストライカー方式を採用、リコイルスプリング(発射の反動で後退したスライドを元の位置に戻すためのスプリング)は、バレルを取り巻く方式を採用している。この方式は45ACP弾(いわゆるガバメントが使用するカートリッジ)等の圧力の強いカートリッジでは銃身の過熱がリコイルスプリングに伝わってしまうために不向きであるが、本銃のような小口径カートリッジには有用であったため、その後、ワルサーPPKマカロフPM等にも採用されることとなる。

 フロントサイト、リアサイトが溝となっている等、極力服に引っかからないように考慮されたデザインとなっている。それでも安全装置はしっかりしており、一般的なサムセイフティの他にもグリップを強く握ることで発射可能となるグリップセイフティ、マガジンを装填することで発射可能になるマガジンセイフティと3種類のセイフティを採用している。安全にかつコンシールド性(隠し持つ能力)に優れているため暗殺等に使用されることもあった。

 32ACP弾、380ACP弾仕様モデルの2種類があり、1910年から1983年まで製造された。総生産数は約170万丁である。グリップの大きさが平均的日本人の手のサイズに合っていたため、日本では、戦前、戦中には将校用の拳銃として人気があった。このため1934年に採用された九四式拳銃はこのM1910のグリップフィーリングを参考にしていると言われている。因みに第一次世界大戦のきっかけとなったサラエボ事件には本銃が使用されている。

 

バリエーション

03_M1922
(画像はwikipediaより転載)

 

1910/22モデル

 M1922(または1910/22)はM1910の軍用需要に対応するために開発されたモデルでM1910にフロントサイト、リアサイトを通常の突起のある形状に変更した他、バレルとグリップを延長したモデルである。銃身は延長されたもののスライドの質量は変わらない。このため発射によってスライドが後退した際、銃身の延長部分のみは後退しない。グリップが延長されたため装弾数は2発増えている。第二次世界大戦ではドイツ軍に占領されたベルギーのFN工場でも生産されており、このモデルはナチスの刻印、木製グリップを装備している。人気があり、ユーゴスラヴィア、ギリシャ、トルコ、ルーマニア、フィンランド、デンマークで採用、戦後も西ドイツ警察の制式拳銃として採用されている他、1970年代まで西ドイツ鉄道警察でも採用されていた。1976年に生産終了している。

 

その他バリエーション

 M1955はM1910の米国仕様モデルでベルギーFN社により製造されブローニング・アームズ社により米国に輸入された。刻印とグリップ以外はM1910と同一である。1968年に米国連邦法による銃規制に抵触したため輸入停止となった。このためFN社は同法に準拠したM1971を開発した。これはバレルとマガジンを延長、アジャスタブルサイト、ターゲットグリップを採用している。M1922と異なりスライド大型化され銃口まで覆っている。

 

 

ブローニングM1910(トイガン)

 

概要

 1965年にMGCからブローニング380という名称で金属製モデルガンが発売されている。翌年にはマルゴーからMGCのコピー品が発売、1973年にはCMCから内部構造を精密に再現したモデルが発売された。1975年には六研が真鍮モデルガンとして発売、1981年にはコクサイがABS製モデルガンを発売、1982年にはマルシンもABS製モデルガンを発売している。ガスガンでは1988年にレプリカブランドでマルシンが固定スライドガスガンを発売している。

 

まとめ

 

 M1910は小型で携行性に優れた拳銃であった。突起を極力減らした設計は工業製品としても美しいデザインである。このためか非常に人気があり1983年まで製造された。日本でも早くから多くのメーカーでモデルガン化されているが、エアガン、ガスガンとしてのモデルアップは少ない。100年以上前に設計された銃であるが、ブローニング技師の設計であり、作動は確実。護身用としては現在でも有用であろう。

 

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