（画像はwikipediaより転載）
要約
FH-1ファントムは1945年1月26日に初飛行をしたマクダネル社のジェット戦闘機である。最高速度は813km/hで武装は12.7mm機銃4挺の他、127mmロケット弾8発を搭載する。機体性能は良好で初めて空母に着艦したジェット戦闘機である。しかし実戦配備前に第二次世界大戦が集結、戦後のジェット戦闘機と比べると低性能であったため活躍することなく退役した。
FH-1 ファントム
性能
全幅 12.42m
全長 11.35m
全高 4.32m
自重 3,031kg
最大速度 813km/h（高度9,100m）
上昇力 1,290m / 分
上昇限度 12,500m
エンジン出力 推力726kg（ウェスチングハウスJ30-WE-20）2基
航続距離 1,577km（増槽装備時）
乗員 1名
武装 12.7mm機銃4挺（携行弾数各400発）
爆装 127mmロケット弾8発
初飛行 1945年1月26日
総生産数 62機
設計・開発 マクダネル社
マクダネル社
マクダネル・エアクラフト社は1939年に創業した新進の航空機製造会社である。その軍用機第一弾として開発されたのはXP-67は斬新なアイデアで設計された戦闘機であったが、故障や事故により制式採用されることはなかった。しかしこの新進のマクダネル社に注目した海軍はウェスチングハウス・エレクトリック社が開発したジェットエンジンを使用した戦闘機の開発を依頼した。
マクダネル社のエンジニア達は設計を開始、当初は大出力エンジンがなかったため最大で8発のエンジンを搭載する案から2基の案まで様々な案が出た。結局のところ2基が最も単純で軽量であることから2基のジェットエンジンを搭載した戦闘機の設計を開始する。
FH-1ファントム
機体は葉巻型胴体に低翼の直線翼でエンジンは主翼の根元（エンジンの熱から機体を保護するために胴体との間にわずかな隙間がある）に装備された。吸気口も主翼根元で排気口は主翼よりわずかに後方に位置しており尾部にはない。空母での運用を想定していたために着艦時に低速飛行を可能にするためにスプリットフラップが採用された。このスプリットフラップとは着艦時に主翼後方下部が下に開くことで揚力を得るフラップでSBDドーントレス等に採用されている。
コックピットは涙滴型で胴体中央前部にありエンジンが視界を妨げないために視界は良好であった。武装は機首には12.7mm機銃が4挺、翼下に127mmロケット弾8発を搭載することができる。初飛行は1945年1月26日でウェスチングハウス社のジェットエンジンが1基しか届かなかったために1基のエンジンのみで行った。これはかなり無謀なテストであるが設計への信頼があったからこそ可能な判断であった。
結果は良好でありテスト中に最高速度805km/hを達成している。3月7日にはさっそく100機の生産契約が結ばれたが、同年中に第二次世界大戦が終結したために最終的には60機に減らされてしまった。その後、FH-1はミッドウェー級航空母艦2番艦フランクリン・D・ルーズベルトでの発着艦に成功、発艦に際してはカタパルトを使用せずに発艦することが可能であった。
戦歴
FH-1は1947年8月に海軍航空隊VF-17Aに配備、さらに同年11月には海兵隊戦闘機隊であるVMF-122にも配備された。VF-17Aは1948年5月5日にサイパン級航空母艦1番艦サイパンに搭載されて米海軍初のジェット戦闘機隊となっている。
しかし最高速度が814km/hとレシプロ機よりもわずかに速い程度で兵器の搭載量も少なく、P-80シューティングスターなどにと比べると見劣りしてしますことは否めなかった。さらに射出座席が搭載できないことや機首上部に設置された機銃のマズルフラッシュによりパイロットが幻惑されてしまうなど問題もあったために1949年以降、徐々に第一線からは退いていった。
第一線退役後は米海軍予備役（USNR）で運用されたのち1954年7月に退役した。現在3機が博物館で保存されている。因みにこのマクダネル社は後年、傑作戦闘機F-4ファントム�兇鮴犬濬个后�
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