
(画像はwikipediaより転載)
要約
XF-87 ブラックホークはカーチス社が開発した戦闘機である。全長19m、重量11,762kgで初飛行は1948年3月5日、最高速度は970km/h、航続距離1,600kmである。武装は計画では20mm機関砲4門、12.7mm機関砲2門である。P-61の後継機として試作されたがF-89が制式採用されたため試作機のみとなった。これがカーチス社が開発した最後の航空機である。総生産数2機。
カーチス XF-87 ブラックホーク
性能
全長 19.15m
全幅 18.29m
全高 6.10m
自重 11,762kg
全備重量 - kg
最大離陸重量 22,634kg
最大速度 970km/h
上昇力 11,000mまで13分48秒
上昇限度 12,000m
エンジン出力 推力1,362kg(ウェスチングハウス XJ34-WE-7 ターボジェットエンジン)4基
推力重量比 0.24(最大離陸重量)
航続距離 1,600km
乗員 2名
武装 20mm機関砲4門挺、12.7mm機関砲2門(尾部)(計画のみ)
爆装 -
初飛行 1948年3月5日
総生産数 2機
設計・開発 カーチス・ライト社
開発前史
「表のカーチスはお前ぇのか?」「ああ富と名声を運んでくれる幸運のガラガラヘビさ」こんな会話がとあるアニメの中にあったような。カーチスといえば昔からの軍用機の老舗である。P-40ウォーホークにSB2Cヘルダイバー等、多くの名機を製造したカーチス社の最後の軍用機がこのXP-87ブラックホークである。機体番号が「X」であることからも分かるようにこの機体は制式採用されていない。このXP-87の失敗をきっかけにしてカーチスは航空機産業から手を引いたのだ。
1945年初頭、米陸軍はカーチス社に対して試作ジェット攻撃機XA-43を発注したが、1945年3月23日、夜間戦闘機P-61ブラックウィドウの後継機トライアルが開始されると米陸軍はカーチス社に対してXA-43をP-61の後継機として改造することを提案。この提案をカーチス社は受諾、1945年11月21日、XA-43は開発中止になる代わりにXP-87の開発が開始する。そして12月2日には米陸軍よりXF-87の試作機がカーチス社に発注された。
開発・初飛行・性能・特徴
計画から2年後の1947年8月22日にXP-87がロールアウト。XP-87は全長19.15m、全幅18.29m、自重11,762kgで全幅はP-61の20.12mに対して18.29mと小さくなっているが、全長は4mほど長く、重量も1割程度アップしている。日本の夜間戦闘機月光と比較すると月光の全長が12.13m、全幅17.00m、重量が4,562kgであるので全長で7m、重量が2.6倍になっている。全長で言えば一式陸攻の19.63m、四式重爆飛龍18.70mに匹敵する大きさである。
エンジンは推力1,362kgのウェスチングハウス製XJ34-WE-7ターボジェットエンジン2基をペアにして)主翼の左右に配置、合計5,448kgの推力を発揮する。パイロットは2名が左右に並んで座るサイドバイサイド方式で武装は機首に遠隔操作可能な20mm機関砲4門、尾部に12.7mm機銃2挺を装備する予定であった。
地上試験中にギアが損傷したために遅れてしまったものの、1948年3月5日に初飛行を実施、最高速度は970km/h、上昇限度は12,000m、航続距離は1,600kmであった。機体重量が重いため最高速度は予想よりも下回ったものの押しなべて及第点であり、6月10日には戦闘機型のXF-87Aが57機、写真偵察機型のRF-87Aが30機発注されている。機体番号がXPからXFに代わったのは1947年9月に米陸軍から空軍が独立、機種番号を海軍と統一したためである。
機体重量に対してエンジンが非力であったため推力重量比が0.2〜0.3とかなり低く、このためエンジンをより強力なJ47-GE-7(爆撃機B-36、B-45、B-47等で採用されているエンジンの系列)2基を装備する予定であったが、1948年10月10日、P-61の後継機としてはノースロップ社製F-89スコーピオンが優れていると判断されたため米空軍はF-89を制式採用、XF-87の契約はキャンセルされ試作機は1949年5月に廃棄された。
SB2Cヘルダイバーが制式採用されたのを最後にXP-53、XP-55、XP-60、XP-62、XP-71、XF14C、XF15C、C-76と失敗続きで経営難に陥っていたカーチス社はこのXF-87を最後に航空機関係の部門をノースアメリカン社に売却して航空機製造から撤退することとなった。
XF-87は駄作だったのか
1948年10月10〜18日に行われたトライアルによってXF-87はXF-89に敗北したためXF-89がF-89として制式採用されるに至った。不採用の理由としては前述の出力不足で運動性能の評価も良くはなかった。しかしこれはJ34ジェットエンジンの出力不足によるところが大きく、仮に推力2,724kgを発揮するJ47エンジンに換装した場合、機体の拡張性はF-89よりもXF-87の方が優れていたとする意見もあり、再度トライアルを行ったらまた違う結果になっていたかもしれない。
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コメント
コメント一覧 (1)
ベルやロッキードみたいな冒険もしないし、
P-40の増産に応じれないぐらい経営センスないし。
(ノースアメリカンにライセンス生産振られてP-51産まれる利益喪失やらかすし)
とりねこ
が
しました