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(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 ニューポケットは32口径6連発のリボルバーで前作M1892の欠点であった射撃時にシリンダーが銃身からずれてしまうという問題を解消したモデルでそれまで反時計回りであったシリンダーを時計回りに変更、サイドプレートも右側面から左側面に変更されている。メインスプリングでハンマーとトリガーを作動させる方式に変更された。これ以降コルト社のリボルバーはこの方式を踏襲している。

 

コルトニューポリス

 

 

性能

全長  - mm
重量  - g
口径 32口径
使用弾薬 32口径ニューポリス弾
装弾数 6発
完成 1896年
設計・開発 コルト社

 

シリンダーの回転方向が変わった

 M1889と後継のM1892には作動をさせているとシリンダーと銃身の位置が少しずつずれてしまうという問題があった。これはシリンダーのロックの甘さやシリンダーが反時計回りであるために起こった構造的なものが原因であった。これに対してコルト社は、これらの問題に対応した新製品の開発を進めていた。それがニューサービス、ニューポリス、ニューポケットの三部作である。

 ニューサービスは軍隊向け、ニューポリスは警察向け、ニューポケットは民間向けであり、これら3種類の銃は大きさが異なるだけで構造的には同一であった。この内、1895年に最初に登場したのがニューポケットであった。

 32口径、6連発で構造はそれまで2枚のスプリングで作動させていたハンマー、トリガーを折れ曲がったリーフスプリングひとつで作動させるという方式で、シリンダーの回転方向は時計回りに変更された。サイドプレートもそれまでは右側にあったのを左側に変更している。さらにフレームの製造法は鍛造を採用した。

 

ニューポリス

 因みにS&Wは今でもシリンダーの回転方向は反時計回りであるが、作動不良を起こさないのはS&Wのリボルバーにはエジェクターロッドの中にセンターピンというシリンダーを固定するための長いピンが内蔵されており、これによってシリンダーを固定するためである。コルト社にはこのシステムが無いためシリンダーの回転方向を変更することにしたのだ。

 1896年になると警察官向けのニューポリスが登場、名称こそ異なるがニューポケットと全く同一である。このモデルは当時の警察長官であったセオドア・ルーズベルトによって、ニューヨーク市警察に採用されている。口径もポケットと同じく32口径、バレル長は2.5、4、6インチで表面はブルー処理、またはニッケル処理されており、硬質ゴムグリップが装備されている。1905年まで製造が続けられ、総生産数は49,500挺、ニューヨーク市警では4,500挺が納入された。

 フロントサイトは半月形のプレートで、リアサイトは溝、バレルはそれまでの緩やかにテーパーのかかったものではなく直線の筒の形状となった。バレル下部にはエジェクターロッドがむき出しで設置されており、シリンダーにはフルートが彫られ、シリンダー側面後方にはシリンダーラッチが彫り込まれている。

 左側面にサイドプレート、射手の方向にスライドさせるシリンダーラッチと現在まで続くコルト社製リボルバーのスタイルである。グリップは今でいうサービスグリップでフレームの形状に合わせてグリップが作られている。

 特徴的なのがトリガーガードとフレームの間に大きな段差があることで、ここにSAAなどの旧コルトリボルバーの形状が残っている。これはニューサービスではフレームから自然な曲線を描いてトリガーガードがあるので違いが分かりやすい(ニューサービス44口径モデルだけは段差がある)。

 

コルトリボルバーの完成

 ニューポリス、ニューポケット共に1905年まで製造が続けられたが、ハンマーに強い衝撃が加わると暴発する危険があったため(当時のリボルバーは全てそうだった)、新たに安全装置が新たに追加されたポリス・ポジティブに置き換えられた。

 このニュー三部作、基本的な構造に関してはコルト社のリボルバーのメカニズムの完成であり、以後のコルト社はこのメカニズムで多くのリボルバーを製造していった。因みにみんな大好きパイソンも同じメカニズムを採用している(キングコブラは違う)。

 

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