01_B-47 Stratojet
(画像はwikipediaより転載)

 

要約

 B-47 ストラトジェットはボーイング社が開発した戦略爆撃機である。初飛行は1947年12月17日で全長33m、最高速度977km/h、航続距離7,479km。爆装は最大11,340kg、核弾頭搭載可能である。後退翼にエンジンポッドを吊り下げるという形状はその後の爆撃機、旅客機の定番となる。冷戦下にソビエト連邦領空への強行偵察を行っており複数機が撃墜されている。総生産数2,042機、23機が現存している。

 

B-47 ストラトジェット

 

 

性能

全長 32.9m
全幅 35.4m
全高 8.53m
自重 36,287kg
最大速度 977km/h
上昇力 23.7m / 秒
上昇限度 12,300m
エンジン出力 推力3,263kg(GE J47-25 ターボジェットエンジン)6基
航続距離 7,479km
乗員 3名
武装 20m機関砲(M24A1)2門
爆装 最大11,340kgまたは
   Mk25核爆弾 2発、B28核爆弾4発、B41核爆弾1発、B53核爆弾1発のいずれか
初飛行 1947年12月17日
総生産数 2,042機
設計・開発 ボーイング社

 

開発

 XB-47は1944年に実戦配備されたドイツ空軍ジェット爆撃機アラドAr234に衝撃を受けた米陸軍が始めたジェット爆撃機開発プロジェクトの内の1機である。他にノースアメリカン社XB-45、コンベア社XB-46、マーチン社XB-46があった。これらを称して「1945年組」(The class of 45)と言われている。この中でXB-46、XB-48は不採用、XB-45がB-45トーネードとして制式採用されていた。

 これらの機体は全て直線翼であったが、1945年5月にドイツの技術者から後退翼の情報が手に入ったことからXB-47はすぐに設計を変更、後退翼の爆撃機として再設計された。完成したXB-47は全長32.9m、全幅35.4m、自重36,287kgで同社の傑作爆撃機B-29に比べると全長は1mほど長いものの全幅は8m短く自重は3,000kg重い。後退翼のため全幅は短くなっているがそれ以外はほぼB-29と同サイズと言える。

 

B-47

 初飛行は1947年12月17日で最大速度は977km/h、6発のジェットエンジンは3,263kgの推力を発生させる。乗員は3名で正副操縦士がタンデムに並び、航法士兼爆撃手は前方の機首コンパートメントに搭乗する。ジェット機ではあるが尾部に12.7mm機銃が装備されており、これは副操縦士が遠隔操作で射撃を担当する。

 この時点では未だ戦闘機は機銃での敵機撃墜をしていたため、戦闘機並みの最高速度977km/hを発揮するB-47の性能は抜きん出ていた。着陸速度は330km/hと非常に速いため着陸にはドラッグシュートを使用する。

 外観はそれまでの爆撃機が直翼で翼にエンジンが埋め込まれている形状であったのに対して後退翼で翼下、左右内側パイロンに各2基、外側パイロンに各1基のエンジンポットを吊るという独特なものであった。この形状がその後の爆撃機や旅客機の定番の形状となっていく。この点においてB-47は画期的な機体であった。

 現代まで通じる斬新な機体設計であったが、B-45と同様にレシプロ機からジェット機への過渡期的な機体であったためB-52ストラトフォートレスやB-58ハスラーの配備が進むと順次退役していった。総生産数2,042機。

 

 

戦歴

 1951年から米空軍で運用された。用途は主に核抑止力としての核爆弾搭載爆撃機としての存在と偵察用で、その後の米国が行ったベトナム戦争等にも支援任務等に投入されることはあっても直接投入されることはなかった。しかしソビエト連邦上空への侵入など危険な任務を多くこなしている。このため1954年5月にはMiG-17により迎撃され被弾したのち何とか帰還したが、1955年4月にはMiG-15の迎撃により撃墜、1960年7月、1963年にもそれぞれソ連空軍のMiG19に撃墜されている。

 1959年までは戦略爆撃団の主力として活躍したB-47であったが、その任務がB-52に引き継がれるようになると、1963年にはB-47の退役が決定、1966年までに戦略爆撃団からは全機が退役した。その他のB-47も順次退役、1977年に米海軍が運用する最後のB-47が退役した。

 最後の飛行は1986年6月17日でこれはキャッスル航空博物館に展示するための移動であった。現存しているのは23機で飛行可能な機体はない。

 

バリエーション

 主なバリエーションとしては、試作機のXB-47が2機と初期生産型のB-47Aが10機、エンジンの換装、空中給油機能(受ける側)やアビオニクスを改良されたを持ったB型が399機製造された。C型は計画のみ、D型は試験機としてB型2機が改造されたのみで、最も生産されたのはE型である。

 この型はエンジンが換装され射出座席が廃止された他、機体の形状が一部変更されている。1,341機が製造された。このB-47Eを偵察機用に改造したRB-47Eが240機製造された他、電子情報戦用のRB-47Hが32機製造されている。

 

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