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(以下画像はwikipediaより転載)

 

要約

 巡洋戦艦レナウン級はR級戦艦の6番艦、7番艦に相当する戦艦を巡洋戦艦に改造した戦艦であった。このため艦名はどちらもRから始まる。主砲は38.1cm砲を3基装備しており最高速度は32ノットを発揮する。2度の近代化改装を行ったのち第二次世界大戦に参加、戦艦シュペー、シャルンホルストと砲火を交え、ビスマルク追撃戦にも参加している。1番艦レナウンは終戦後スクラップ、2番艦のレパルスは東洋艦隊に所属、マレー沖海戦で撃沈された。

 

レナウン級 戦艦

 

 

性能(レナウン新造時)

 基準排水量 27,650トン
 全長 242.0m
 全幅 27.4m
 機関出力 112,000馬力
 最大速力 31.5ノット
 航続距離 9,400海里 / 15ノット
 乗員 953名
 武装 42口径38.1cm砲連装3基
    45口径10.2cm砲3連装5基
    45口径10.2cm砲単装2基
    40口径47mm単装砲1基
    53.3cm水中魚雷発射管2基
 装甲 舷側152mm、甲板76mm、砲塔279mm、司令塔254mm
 竣工(1番艦 レナウン) 1916年9月20日
 竣工(2番艦 レパルス) 1916年8月18日
 同型艦 2隻

 

開発前史

 1914年12月8日のフォークランド沖海戦で英国海軍のインヴィシブル級巡洋戦艦がドイツ海軍の装甲巡洋艦を圧倒したことにより英海軍は巡洋戦艦の価値を認識した。これにより巡洋戦艦2隻の建造が急遽決定した。このため建造が予定されていたR級戦艦の資材を利用、艦名も6番艦、7番艦に命名予定であったレナウン、レパルスという「R級」の名称が転用された。

 

開発

 レナウン級戦艦は同型艦が2隻で1番艦レナウンは1915年1月25日起工、1916年3月4日進水、1916年9月20日に竣工した。2番艦レパルスは1915年1月25日起工、1916年1月8日進水、1916年8月18日に竣工している。排水量は27,650トンで全長242m、全幅27.4mであった。

 ベースとなったのはR級戦艦で本来6番艦、7番艦となる艦の船体を半分に切断、中央部を51.81m延長した新設計図により工事を再開している。これにより31ノットを発揮する高速巡洋戦艦に生まれ変わった。

 主砲はクイーン・エリザベス級戦艦で採用された当時最新型の38.1cm連装砲を装備。これを艦首に背負い式に2基、艦尾に1基の合計3基搭載している。42口径で仰角は最大20°で射程距離は21,702m、射距離13,582mで305mm、18,020mで279mmの装甲を撃ち抜くことができる。数値の上では日本海軍の戦艦は大和級長門級以外ほぼすべての舷側装甲を撃ち抜くことが可能である。副砲は45口径10.2cm速射砲を採用、3連装で5基、単装で2基の合計17門が設置された。

 通常の戦艦のように連装4基とせずに連装3基としたために余裕が出来た重量を機関重量に充てることが可能となった。本級は38.1cm砲6門、速力30ノットを発揮することを至上目標として設計されたために英戦艦初の設計時からバルジを装着していたものの防御装甲は舷側152mm、甲板装甲は機関部上面のみ76mm、弾薬庫上は51mmと薄かったが、その分高速であり、機関出力は112,000馬力で4軸推進、航続力は15ノットで9,400海里、最高速度は公試で32.58ノットを発揮する高速戦艦となった。

 

改装

 1923年から1926年にかけてレナウンは第一次近代化改装を実施する。それまで水面下だけだったバルジを吃水線上の上まで増設、艦橋構造物も拡大、ポムポム砲を装備、大型クレーンを設けて水上機を搭載した。

 1936年から1939年にかけて第二次近代化改装を実施、従来の艦橋構造を撤去して搭状の艦橋構造を設けてマストも細長い三脚檣とした。主砲の仰角も20°から30°に引き上げ、副砲の10.2cm砲は11.4cm連装両用砲10基に換装された。

 さらに第二煙突両側には格納庫が設置されカタパルトが設けられている。機関部も主機械を換装して130,000馬力となった。この改装により基準排水量は第一次近代化改装後の31,520トンから30,025トンとなった。トン数が減少したのは主機関の換装によって軽量化されたためである。

 

戦歴

 1916年に竣工したレナウン級は第一次世界大戦では敵艦と砲火を交えることはなかった。第二次世界大戦ではすでに旧式艦となっていたが最高速度32ノットの俊足を持つため重宝されることとなった。第二次世界大戦が始まるとレナウンは大西洋に展開、ドイツポケット戦艦シュペー号を自沈させている。

 1940年4月9日には戦艦シャルンホルスト級2隻と砲火を交え、1941年5月には戦艦ビスマルク追撃戦にも参加している。1944年には東洋艦隊に編入されインド洋に派遣、1945年には本国に回航され終戦を迎えた。1948年3月にスクラップになている。

 2番艦レパルスは開戦後、船団護衛任務に従事、さらにドイツ海軍のポケット戦艦対策に奔走する。1941年にはビスマルク追撃戦に参加する。1941年10月には日本との緊張関係が高まっているため極東に移動、東洋艦隊に配備された。

 12月2日シンガポール海軍基地に到着、10日にはマレー沖海戦で日本海軍の九六式陸上攻撃機一式陸上攻撃機の攻撃を受ける。最初に九六陸攻の放った爆弾が命中、その後一式陸攻による雷撃が4〜5発命中、13時50分に撃沈された。乗員1,309名中戦死者513名、生存者796名であった。

 

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