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(以下画像はwikipediaより転載)

 

 

要約

 ネルソン級戦艦は条約時代に建造された戦艦である。艦橋前部に主砲3基を集中して配置する独特の構造をとっている。重装甲で重火力を誇るが最高速度23ノットと航行性能は悪い。同型艦は2隻で船団護衛、ノルマンディー上陸作戦支援、ビスマルク追撃戦等に参加している。戦後すぐに解体されている。

 

ネルソン級 戦艦

 

 

性能(ネルソン)

 基準排水量 33,950トン
 全長 220.2m
 全幅 32.3m
 機関出力 45,000馬力
 最大速力 23ノット
 航続距離 7,000海里 / 16ノット
 乗員 1,314名(平時)
 武装 45口径40.6cm砲3連装3基
    50口径15.2cm速射砲連装6基
    43口径12cm高角砲単装6基
    40mmポンポン砲8連装8基
    魚雷発射管単装2基
 装甲 舷側356mm、甲板159mm、砲塔406mm、司令塔406mm
 搭載機 1機(ロドニーのみ)
 竣工(1番艦 ネルソン) 1927年8月25日
 竣工(2番艦 ロドニー) 1927年11月10日
 同型艦 2隻

 

開発前史

 1921年のワシントン海軍軍縮条約によって英国はキング・ジョージ5世級以降の戦艦18隻と巡洋戦艦4隻以外の戦艦は全て廃艦にすることが決定していた。しかし日本が長門級戦艦2番艦陸奥の保有を主張したためにその代償として英国は40.6cm砲を搭載する戦艦2隻の建造が認められた。

 

開発

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 戦艦ネルソン級は1番艦ネルソン、2番艦ロドニーの2隻から成る。1番艦ネルソンは1922年12月28日に起工、1925年9月3日進水、1927年8月25日に竣工、2番艦ロドニーは1922年12月28日起工、1925年12月17日進水、1927年11月10日に竣工した。竣工年からも分かるようにこの2隻はワシントン海軍軍縮条約下のいわゆる「海軍の休日(Naval Holiday)」に建造された唯一の戦艦であった。

 基準排水量33,950トン、全長220.2m(ロドニーは216.5m)、全幅32.3mであった。主砲は40.6cm砲3連装が3基で3基の砲塔は艦橋の前部に集中配置して艦橋をその分後退させている独特の構造となっていた。副砲は50口径15.3cm連装砲で後檣付近の舷側に左右3基ずつ装備されているほか、12cm単装高角砲6基、40mm8連装ポンポン砲8基を装備している。その他、魚雷発射管2基が装備されていた。

 主砲の40.6cm砲は最大仰角40°で最大射程は38,120m、その威力は18,000mで310mmの装甲を貫通する能力を持っている。当時、日本の戦艦で最強の舷側装甲を持っていた長門級戦艦でも装甲厚は最大305mmであったのでネルソン級の主砲には太刀打ちできない。但し20,000m台になると砲の威力は急激に落ち込み貫通力は272mm程度以下にまでなる。

 この当時、41cmクラスの砲を装備していた戦艦は世界に7隻しかおらず火力は強力であったものの3番砲塔の射界は狭く、何よりも艦後方が全て死角になってしまうという致命的な欠点も持っていた。この構造は35,000トンの排水量制限の中で40.6cm砲9門を搭載し、尚且つ強力な防御装甲を持たせるためには有効な方法であった。

 このように1番砲塔から後檣までの主要装甲防御区画を中央に集中させることで防御装甲のバイタル・パートを短く抑えることが可能となった。防御装甲であるが1番砲塔から後檣までの間はインターナル・アーマー構造となっており、装甲厚は最大で356mmであり18度の傾斜角を持たせていた。甲板装甲は159mm、砲塔406mmと強力であり船体内部には3.1mのバルジを設け水中防御も講じられていた。

 ネルソン級は主砲の火力と防御装甲を重視した独特の船体構造のため機関部を置くスペースが限られてしまい航行性能は妥協せざるを得なかった。主機はギヤードタービン2基2軸で最大出力は45,000馬力、最高速度は23ノットと低速であった。

 

戦歴

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 第二次世界大戦当時はまだ艦齢10年程度の戦艦であったためわずかな改修のみで実戦に参加している。ネルソン級は本国艦隊に配属され輸送船団の護衛任務に就いている。開戦後は同様に船団護衛任務に就いていたロドニーであるが、1941年5月24日にビスマルク追撃戦が命じられた。

 5月27日に英艦隊の戦艦ロドニー、キング・ジョージ5世、重巡洋艦ノーフォーク、ドーセットシャーはビスマルクと遭遇砲戦を開始する。この時にロドニーの放った砲弾がビスマルクに命中しているが自艦も主砲発射の衝撃で各部に損傷が生じていた。しかし英艦隊の集中攻撃により戦艦ビスマルクは撃沈された。

 1942年8月ネルソンはH部隊に配属、旗艦となった。9月には米国で修理を受けたロドニーもH部隊に配属されネルソン級2隻がH部隊に集結することとなった。両艦は船団護衛に従事した他、シチリア島上陸支援、サレルノ上陸支援を行った。1943年9月29日にはネルソン艦上でイタリアとの休戦の調印が行われた。

 その後ネルソンは英国に帰還したのち、1944年6月には姉妹艦ロドニーと共にノルマンディー上陸作戦に参加している。その後ネルソンは太平洋に転戦、インド洋方面で対日作戦に参加して終戦を迎えたが、ロドニーは1942年以降、オーバーホールなしで活動しており船体の老朽化が進行していたため本国に留まっている。

 戦後は1946年に練習艦、1948年に解体処分が決定、ネルソンは1949年3月15日、ロドニーは1948年3月26日に解体された。

 

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