日本国紀 百田尚樹 著 幻冬舎 (2018/11/12) 本書の構成 『永遠の0』等の著作で有名な作家、百田尚樹氏による日本通史という触れ込みの本である。内容は時系列順に原始から現在に至る歴史の概略が描かれているが、通史というよりもそれぞれの時代の特徴的な ...
カテゴリ:本、作品の感想 > 歴史本
【本レビュー】陳舜臣・田中芳樹『談論 中国名将の条件』
談論 中国名将の条件 (徳間文庫) 陳舜臣・田中芳樹 著 徳間書店 (2000/10/1) 私が高校生の時、夢中になって読んだ本が、陳舜臣『諸葛孔明』であった。さらに高校時代にアニメ化がスタートした田中芳樹『銀河英雄伝説』と私の人生にかなりの影響を与えた二人の対 ...
【本レビュー】This is bushido! 武士古代中世編
(画像はwikipediaより転載) 武士について簡単に説明してみよう。武士とは日本古代末期から近代まで存在した戦闘を生業とする人のことだ。日本は鎌倉時代から江戸時代まで武士の時代が続き、さらに明治政府を構成したのも若い武士たちであった。故に武士という存在は現 ...
【本レビュー】E・H・カー『歴史とは何か』
歴史とは何か (岩波新書) E・H・カー 著 岩波書店 (1962/3/20) 私が学生時代にとある先生と話をしていた際に歴史哲学の話になり、その先生が引用したのが本書だ。意外と有名な人だったようで、もっとも有名な言葉に、 歴史とは過去と現在との間の対話であ ...
【本レビュー】『葉隠』著者は実戦経験ナシ⁉ 〜山本博文『『葉隠』の武士道』〜
『葉隠』の武士道―誤解された「死狂ひ」の思想 (PHP新書) 山本博文 著 PHP新書 2001/12 本書は相当前に読んだことがある。実は読むのは今回が二度目だ。『葉隠』といえば「武士道とは死ぬこととみつけたり」とかなり威勢がいい。しかし山本氏はこの『葉隠』を痛 ...
【本レビュー】鈴木拓也『三十八年戦争と蝦夷政策の転換』
三十八年戦争と蝦夷政策の転換 (東北の古代史) 鈴木拓也 著 吉川弘文館 (2016/6/3) 三十八年戦争って知ってますか?そうそう関東軍が柳条湖で満鉄を爆破して始まった戦争。。。と思いたくなる名前ではあるが、この三十八年戦争というのは超大昔、東北での律令国 ...
【本レビュー】清水多吉『武士道の誤解』
武士道の誤解 捏造と歪曲の歴史を斬る 清水多吉 著 日本経済新聞出版 (2016/7/9) タイトルは武士道としているが、基本的に「日本思想史特に近代」という感じだ。武士道に関しては『葉隠』と新渡戸稲造『武士道』(特に『武士道』)の二冊の書物が中心になっている ...
【本レビュー】山田雄司『忍者の歴史』
忍者の歴史 山田雄司 著 角川学芸出版 (2016/4/26) 本書は、タイトルの通り、忍者の歴史について書いたものである。私がこの本を購入したのは、本書の著者が学者だったからだ。忍者やそれに類するものについて書かれているものは多いが、ほとんどが一般人のものだ ...
【本レビュー】藤木久志『刀狩り』
刀狩り―武器を封印した民衆 藤木久志 著 岩波書店 (2005/8/19) 刀狩り??いつの時代の話だ。と思うかもしれない。いつの時代、そう、刀狩りとはあの有名な秀吉の刀狩りのことである。しかし本書の面白いところは刀狩りを秀吉の刀狩り、廃刀令、戦後の銃刀法規制 ...
【本レビュー】小菅信子『14歳からの靖国問題』書評
14歳からの靖国問題 小菅信子 著 筑摩書房 (2010/7/7) 子供向け(とは言っても中学生位か)向けに書かれた靖国問題を分りやすく書いたもの。 まず靖国神社とは、明治初期に東京招魂社という戊辰戦争で死んだ戦死者を祀るために作られた神社が元になっている。し ...
【本レビュー】深谷克己『江戸時代の身分願望』吉川弘文館2006年
江戸時代の身分願望―身上りと上下無し 深谷克己 著 吉川弘文館 (2006/10/1) 本書は、江戸時代の身分願望について総合的に書いたもの。武士から被差別民まで各階層の身分の上昇意識、努力、逆に上昇意識を意識的に持たなかった者等を実例を挙げながら詳述してい ...
【本レビュー】宮崎克則『逃げる百姓、追う大名』中公新書2002年
逃げる百姓、追う大名 江戸の農民獲得合戦 宮崎克則 著 中央公論新社 (2002/2/25) 本書は、「走り者」「牢人百姓」と呼ばれた逃亡する百姓に焦点を当てた異色の本。九州の史料に基づき検討されている。内容は通常考えられているように江戸時代の百姓は農地に縛り ...
【本レビュー】高橋昌明『武士の日本史』
武士の日本史 高橋昌明 著 岩波書店 (2018/5/23) 外国の場合は知らないが、日本の場合、歴史研究は時代で分類されているのでテーマに沿った横断的な研究というのは難しい。例えば日本の戦史を古代から近代まで通して見るという研究は共同研究ではあっても個人の研 ...
【本レビュー】柿沼 陽平『劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』』
劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』 柿沼 陽平 著 文藝春秋 (2018/5/18) 三国志といえば昔、NHKでやっていた『人形劇三国志』が私の中ではレジェンドだ。そこから一時期三国志にかなりはまったことがある。『人形劇三国志』の再放送をしている時に陳舜臣の『諸葛 ...
【本レビュー】本郷和人『壬申の乱と関ヶ原の戦い』
壬申の乱と関ヶ原の戦い――なぜ同じ場所で戦われたのか 本郷和人 著 祥伝社 (2018/2/2) 本書は壬申の乱、青野ヶ原の戦い、関ヶ原の戦いという関ヶ原付近で起こった3つの大決戦について時代を超えて、なぜ同じ場所で大決戦が起こるのかというのを解明した書。今は ...
【本レビュー】小池喜明『葉隠 武士と「奉公」』
葉隠 (講談社学術文庫) 小池喜明 著 講談社 (1999/7/9) 皆さん憧れのヒーローというものがあると思います。それはスポーツ選手であったり、特撮ヒーローだったり、アニメのヒーローだったり、ユーチューバ―だったりする訳です。翻って私は運動は子供の頃からほぼ ...
【本レビュー】町田祐一『近代日本の就職難物語』
近代日本の就職難物語: 「高等遊民」になるけれど 町田祐一 著 吉川弘文館 (2016/6/20) 前から気になっていた本をやっと読むことが出来た。私は高等遊民というものに多少の憧れが あり、以前から調べていたりした。実際、高等遊民になりたいと思うことはあまりな ...
【本レビュー】樋口大成『師団長だった父と私』
師団長だった父と私―ある若者が生きた昭和のドラマ 樋口大成 著 学研プラス (2002/6/1) 世間では、大戦中の陸海軍については海軍はリベラルで戦争反対。陸軍は国粋主義に凝り固まり戦争賛成という二項対立で分けるのが一般的だと思うが、本書はそれが間違いであ ...
【本レビュー】ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』
文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ 著 出書房新社 (2016/9/9) 私がツィッターをフォローしているホリエモンが絶賛していたので読んでみた。あくまでも私の考え方なのだが、本というのは二つの目的がある。一 ...