トイレで読む向けブログ

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カテゴリ:本、作品の感想 > 軍事関係本

  三浦瑠麗氏    三浦瑠麗『シビリアンの戦争』を紹介したい。現在(2024年)は諸事情によりテレビ出演の機会は減ってしまっているが一時期は売れっ子の政治学者としてテレビ等で活躍していたのでご存じの方も多いだろう。私が三浦氏を知ったのはyoutubeの動画で、西 ...

戦艦武蔵 - 忘れられた巨艦の航跡   要約    本書は、前半と後半でテーマが異なり、内容が天皇の戦争責任等のデリケートな話になることから断定を避けるような書き方が多く著者の意見が分かりにくい。  内容は結構なボリュームであるが、結論も結局、人間というのは ...

夜間戦闘機「月光」 (戦記文庫) 渡辺洋二 著 朝日ソノラマ (1993/9/1)    渡辺洋二氏の著書は内容的に重厚で読み応えがある。航空戦史が専門であるが、航空戦史に関する本の中では渡辺氏の本はかなり信頼している。今日紹介する『夜間戦闘機月光』は1982年に上梓され ...

聞き書き・日本海軍史 戸高一成 著 PHP研究所 (2009/7/22)    本書は、著者が海軍士官を中心とする方々との交流の中で聞いたエピソードをまとめたものである。内容は非常に興味深く、今まで知られていなかったエピソードも多い。著者の戸高氏はあまり自分の意見を前 ...

ガ島航空戦上: ガダルカナル島上空の日米航空決戦、昭和17年8月-10月 梅本弘 著 大日本絵画 (2016/6/29)    本書は私にとっての名著『海軍零戦隊撃墜戦記』を上梓した梅本氏の新刊である。本書の特徴は著者が日米豪英等のあらゆる史料から航空戦の実態を再現してい ...

伊藤祐靖『自衛隊失格』   自衛隊失格―私が「特殊部隊」を去った理由― 伊藤祐靖 著 新潮社 (2018/6/18)  海上自衛隊特殊部隊「特別警備隊」の設立に尽力した初代隊長伊藤祐靖氏の著書。内容は面白い。元来アピールがうまいのだろう。防衛大学の教官をしてい ...

海戦からみた太平洋戦争 戸高一成 著 KADOKAWA (2012/10/10)    最近、『海戦からみた太平洋戦争』という本を読んだ。著者は戸高一成氏で「大和ミュージアム」館長をされている方である。戸高氏は戦後の生まれだが海軍の関係者に知り合いが多く歴史にも造詣が深い。 ...

私はラバウルの撃墜王だった―証言・昭和の戦争 本田稔ほか 著 光人社 (2004/4/1)    タイトルが中々カッコいい。しかしこのタイトル、著者の一人、本田氏曰く編集者が勝手に付けただけで自身は「撃墜王」と自称してはいないそうだ。それはそうと、本書、基本的には ...

補給戦―何が勝敗を決定するのか M・Vクレフェルト 著 中央公論新社 (2006/5/1)    戦略やロジスティクスという考え方は多くの日本人が最も苦手なものなのかもしれない。私は趣味で戦史を勉強しているのだが、日中戦争、太平洋戦争での日本軍の惨敗はまさに補給が遮 ...

零戦よもやま物語 零戦アラカルト 柳田邦男ほか 著 潮書房光人新社 (2003/11/13)    今日紹介するのは柳田邦男ほか『零戦よもやま物語』だ。この本には零戦搭乗員だけでなく、零戦にかかわった人々、例えば整備員、陸軍軍人として地上から零戦を見ていた等々が零戦 ...

日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか 小谷賢 著 講談社 (2007/4/10)    著者は、イギリスで政治史、外交史を学び、現在は、防衛大学校教授であり、インテリジェンス関係を専門的に研究する学者のようだ。本書の内容は、タイトルの通り日本軍のイ ...

永遠の0 百田尚樹 著 太田出版 (2006/8/24)    海軍の搭乗員オタクの私としては読んでおきたい本の一つが本書『永遠の0』であった。最近、やっと読了したのでその書評を書いてみたい。  主人公は司法試験浪人中のさえないにーちゃん。お姉ちゃんはフリーライター。 ...

神龍特別攻撃隊―潜水空母搭載「晴嵐」操縦員の手記 高橋一雄 著 光人社 (2009/4/28)    最近、忙しくて中々本を読む時間が無かった。何とか読み終わったのが本書、『神龍特別攻撃隊』である。本書は潜水艦搭載水上機の搭乗員をしていた高橋氏の貴重な記録である。 ...

空母零戦隊 岩井 勉 著 藝春秋 (2001/12/7)   神様のお墨付き  海軍母艦戦闘機隊のエース、岩井勉氏の著書である。岩井氏は1919年京都府生まれ、乙6期予科練生として横須賀航空隊に入隊。1940年には日中戦争で零戦初空戦にも参加した。その後、精鋭搭乗員が選抜さ ...

海軍中攻決死隊―九六陸攻操縦者の死闘 横山長秋 著 光人社 (2011/3/1)    かなり久しぶりに戦記物を読んだので感想を書いてみたい。本書の著者は元海軍陸攻搭乗員だ。陸攻とは別名中攻とも言われる海軍の双発大型爆撃機だ。陸攻とは陸上攻撃機の略で中攻とは中型攻 ...

海軍下駄ばき空戦記―同期の桜たちの生と死 藤代 護 著 書房光人新社 (2017/9/1)   偵察員という職種  また飛行艇戦記。著者は藤代護氏、乙種予科練9期出身の水偵乗り。偵察員であった。同期にはのちに台南空で撃墜王となる羽藤一志氏や同じく水偵乗りとなった本間 ...

全機爆装して即時待機せよ―元海軍航空隊中尉の回想録 加藤清 著 廣済堂出版 1994/8    海軍航空隊の戦闘機搭乗員に詳しい方であれば、加藤清氏といえば旧姓伊藤、丙飛予科練の撃墜23機のエースが一番最初に頭に浮かんでくるであろう。しかし本書の著者はその加 ...

戦後日本の戦車開発史―特車から90式戦車へ 林 磐男 著 光人社 (2005/10/1)    今日はちょっと珍しい本を紹介したいと思う。著者は軍人ではなくエンジニア。それも戦後、戦車や装甲車等の軍用車両を開発していたという珍しい経歴の持ち主だ。まだ戦後と言われていた ...

翔べ!空の巡洋艦「二式大艇」―巨人飛行艇隊員たちの知られざる戦い   木下悦朗「炎の翼「二式大艇」に生きる」  予備学生とは大学生等の高等教育を受けた学生を海軍の士官として採用する制度で戦前からあるが、太平洋戦争開戦後には士官の不足から大量に採用されるよう ...

あゝ青春零戦隊―猛烈に生きた二十歳の青春 小高登貫 著 光人社 (2010/9/1)    また本のレビュー。今日紹介するのは小高登貫著『あゝ青春零戦隊』である。この小高登貫とは、意外と知られていないエースなのではないかと思う。坂井三郎のように本を多数執筆していた ...

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 伊藤祐靖 著 文藝春秋 (2016/7/20)   レビューの要約    本書の内容は濃い。私自身は著者の価値観に比較的近いようだ。しかしどこかに違和感を感じる。それは何だか私自身よく分からない。本書で知る ...

二式大艇空戦記―海軍八〇一空搭乗員の死闘 長峯五郎 著 光人社 (2006/12/1)   長峯五郎『二式大艇空戦記』   搭乗員気質  本書で私が一番驚いたのは長峯氏の性格である。以前、機種ごとの搭乗員の性格というのが確か坂井氏の著書に書いてあったが、戦闘機と艦 ...

父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方 坂井スマート道子 著 産経新聞出版 (2012/8/17)   坂井スマート道子『父、坂井三郎』   大空のサムライ  今日紹介するのは多分、日本で一番有名な撃墜王、坂井三郎の著書・・・ではなく、坂井三郎の子、坂 ...

修羅の翼 零戦特攻隊員の真情 角田和男 著 潮書房光人新社 (2008/9/1)   角田和男『零戦特攻』『修羅の翼』   飛行機に興味のない少年  異色の空戦記といっていいだろう。何が異色かというとうまく言えない。ただ、本書は輝かしい空戦の様子を記した本ではない ...

零戦 7人のサムライ (文春e-book) Kindle版 森 史郎 著 文藝春秋 (2015/12/15)    今日は、零戦搭乗員戦記の名作『海軍戦闘機隊』の著者、森史郎氏の著書『零戦7人のサムライ』について書いてみたい。本書は零戦搭乗員6人について森氏が本人や関係者に聞き取り調査 ...

(画像はwikipediaより転載)    零戦パイロットについて知りたい人という稀有な人のために「これを読めば海軍の撃墜王が良く分かる」という本を紹介。   秦郁彦・伊沢保穂『日本海軍戦闘機隊』エース列伝  まずは定番中の定番。一番のポイントは海軍のエース一覧 ...

零戦神話の虚像と真実 零戦は本当に無敵だったのか清水 政彦,渡邉 吉之 著 宝島社 2015/8/7   清水 政彦,渡邉 吉之『零戦神話の虚像と真実』   撃墜戦果ってホントなの?  私は結構戦記物が好きなのだ。特に太平洋戦争の海軍航空隊の戦記物は大好きだ。子供 ...

(画像は駆逐艦雪風 wikipediaより転載)   中村文則『銃』 銃 (河出文庫) 中村 文則 著 河出書房新社; 第18版 (2012/7/5)  主人公西川は偶然銃を手に入れたことにより漠然とした日常が徐々に変化していく。西川は自殺者の遺体のそばに置いてあった銃を持ち帰 ...

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