米原万里 著
集英社 (2007/8/17)

 

 友人に米原万里の本は面白いと薦められたので読んでみた。内容は軽いエッセイだが、米原氏はこの本の出版時にはすでに他界されていたようだ。内容はかなり軽快で面白い。すーっと読めてしまう。「男はサンプルである」という説は面白い。女が生物の正当であり、男は女にどの遺伝子を残そうか選ばせるためのサンプルなのだという。

 もちろん生物学的には全然違うかもしれないが、大事なのは「そういう視点がある」ということだ。確かに同じ性別での身長差は女より男の方が差が大きい。変質的な趣味(モデルガンとか??)を持つのも男の方が圧倒的だ。それと日本人が世界を見るとき、最強国に狙いを定めて徹底的にその国のことを学ぶという。かつての中国であったり、鎖国時代のオランダであったり、戦後のアメリカであったりと。

 しかし最強国の文化まで最高だとは限らない。得てして日本人は独自の文化を捨て、その最強国の文化と同一化してしまいたがることすらあるという。これは「自国の文化=民族」として必死で守る必要のなかった地理的条件から来ているのではないかということだ。

 さらには通訳者として通訳の難しさについても語っている。米原氏は通訳者でもあるので、通訳の話も面白かった。言葉というのはいろんな意味があり側面があるので、例えば、鋼鉄の男といえば「強い意志を持った男」であるが、「股間が鋼鉄」となればとても書けないような意味になってしまう。鋼鉄という言葉一つをとってもいろんな意味や用法があるというのは面白かった。というよりも米原氏の例えや書きっぷりが面白いというのもあるが。。。

 因みに本書で私が一番印象に残ったのは、米原氏が「突然神様が現れて願い事を叶えてくれる状態」になった時のために願い事を考えておいた方がいいという提案だ。確かに洋の東西を問わず、このような話はある。ということは私にも突然起こる可能性はあるということだ。何にしようかと考えたのだが、なかなか思いつかない。

 そういえば『魔法少女まどか☆マギカ』の中で美樹さやかが、「願いが決まらないというのは満たされている証拠」というようなことを言っていたような気がする。私の願いは結局、努力すればできることばかりだった。単純に努力が足りないということだろうか。これはせいぜい精進するとして、もっと実現不可能な願い事でも考えよう。

 




 

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