01_F2A
(画像はF2A wikipediaより転載)

 

要約

 F2A バッファローは米海軍の艦上戦闘機でデイトン・T・ブラウンにより設計されブルースター・エアロノーティカル社によって開発生産された。初飛行は1937年12月2日で最高速度は484km/h、航続距離2,704km、武装は12.7mm機関砲4門を装備する。制式採用されたものの製造が遅れ実戦配備された頃には日本戦闘機に性能で劣っていることが明らかになったため米軍では早期に運用を終了している。他国でも目立った活躍はないが唯一フィンランド軍ではソビエト連邦軍に対して圧倒的な戦果を挙げている。

 

F2Aバッファロー戦闘機

 

 

性能(F2A-3)

全幅 10.67m
全長 7.92m
全高 3.68m
自重 2,146kg
最大速度 516.6km/h(高度5,029m)
上昇力 933m/分
上昇限度 10,100m
エンジン出力 1,200馬力(ライトR-1820-40/42エンジン)
航続距離 2,704km
乗員 1名
武装 12.7mm機関砲4門
爆装 45.4kg爆弾2発
初飛行 1937年12月2日
総生産数 517機
設計・開発 デイトン・T・ブラウン / ブルースター・エアロノーティカル社

 

 F2A戦闘機とは米国ブルースター社によって製造された全金属単葉戦闘機であった。一般に「バッファロー戦闘機」と呼ばれる。1936年6月に米海軍により発注、1937年12月2日初飛行。1938年6月11日、F2A-1として米海軍に制式採用された。1939年7月には爆撃能力が付与されたエンジン出力増加の改良型のF2A-2が海軍に制式採用、1941年7月には操縦席の防弾版と自動防漏燃料タンクを装備したF2A-3が制式採用されたものの、重量の増加によって運動性能が大きく低下している。

 性能は、最終型のF2A-3で全長8.03m、全高3.66m、全幅10.67m、全備重量3,200kg、翼面荷重164.9kg/�屐∈嚢眤�度が516.6km/h(高度5,029m)、航続距離1,553km、上昇限度10,100m、エンジンは1,200馬力のライトR-1820-40サイクロンエンジンを搭載している。武装は機首と翼内にそれぞれ12.7mm機銃2挺を装備している。1939年12月8日には、空母サラトガに所属する海軍第3戦闘航空隊(VF-3)に10機が初めて配備された他、1941年12月には第221海兵航空団(VMF-221)にF2A-3 20機が配備、ミッドウェー島防衛に活躍している。しかし全金属製戦闘機の製造経験を持たないブルースター社の製造は遅れ、その間に製造遅延対策のために採用されたグラマン社のF4Fワイルドキャットの実戦配備方が進んでしまい、実質的にはF4Fが主力戦闘機となってしまった。さらに敵対国である日本の零式艦上戦闘機や一式戦闘機隼に対してほぼ全ての性能で劣っていたこともあり、1942年以降は前線から引き揚げられているために米軍では目立った活躍はしていない。

 

 

米国以外での運用

 米軍以外では、英国や英連邦を構成するオーストラリア軍、ニュージーランド軍、さらにオランダがF2A陸上型をB-339、B-439の名称で購入した。英国では1939年に制式採用、クレタ島に配備されたものの、ドイツ機に太刀打ちできず極東に配備、さらにオーストラリア、ニュージーランド、オランダでも同じく極東地域に配備されている。太平洋戦争開戦後は、当初こそは善戦したものの、低性能、低稼働率から被害が続出、開戦早々に壊滅的な打撃を受けたため第一線からは引退したが、1943年11月まで一部地域の後方で運用された。

 このような中で、唯一活躍したのがフィンランドに輸出された44機で、1940年春にフィンランドに到着。旧式装備ばかりのフィンランド軍にとってはB-239(F2A-1)でも十分に高性能であり、ソビエト連邦空軍に対してB-239 19機の損失に対して477機を撃墜、さらに別の部隊では15機の損失に対して459機を撃墜するという圧倒的な戦果を挙げている。このB-239も第二次世界大戦終了までには消耗を続け、終戦時にはわずか8機のB-239が残っているのみであった。しかし内5機は戦後も運用を続け、1948年9月まで現役であった。総生産数は517機である。現存している機体はフィンランドの中央航空博物館にある1機のみである。

 

バッファロー VS ゼロ戦

 零戦に対して全ての能力で劣っていたF2Aであるが、それではどれほど零戦と性能に違いがあったのか具体的なスペックで見てみたい。当時日本海軍に実戦配備されていた零戦21型と比較してみるとF2Aが全幅10.67m、全長7.92mでこれに対して零戦は全幅12m、全長9.05mと零戦の方が全幅全長ともに1mほど大きい。しかし重量はF2Aが自重2,146kgであるのに対して零戦は1,754kgと零戦はF2Aの約80%程度であった。

 エンジンはF2Aが1,200馬力に対して零戦は940馬力とこちらも零戦はF2Aの80%ほどの出力しかない。これを1馬力当たりの重量にするとF2Aが1.79kgに対して零戦が1.86kgと若干F2Aが機体重量に対してエンジンの出力が強いのが分かる。日本の航空機はやはりエンジンが弱いのだ。

 しかし機体設計が良いのか最高速度はF2Aの517km/hに対して零戦は533km/hと3%ほど速い。上昇限度はF2Aの10,100mに対して零戦10,300mとほぼ同じ、航続距離はF2A2,704kmに対して零戦3,500kmと圧倒している。但し零戦は増槽なしだと2,222kmなので零戦の航続距離は増槽によるところが大きい。航空機の運動性能の指標である翼面荷重はF2Aが148�屬紡个靴椴軅錣�108�屬髪親粟�能は零戦が圧倒している。

 武装はF2Aが12.7mm機関砲4門に対して零戦は20mm機関砲2門、7.7mm機銃2挺と何とも比較しにくいが零戦の機銃が20mmと7.7mmという弾道特性が異なる機銃の混載である上に7.7mm機銃は威力が低く、20mm機関砲は強力であるものの装弾数は60発(実際は55発)しかないことを考慮すると同一口径の12.7mm機関砲4門で構成されたF2Aの方が実用的であるといえる。

 全体としてみるとF2Aは零戦に比べて小型で重量があるものの強力なエンジンでグイグイ引っ張っていく感じだ。速度は零戦に若干劣るが3%の差でしかなく、これも日米の測定方法が同一でないため一概にF2Aが劣っているともいえない。

 その他のスペックもカタログ値で見る限りF2Aが零戦に対して圧倒的に劣っていたとも思えない。但し運動性能のみは零戦が圧倒している。速度は同等で運動性能は1.5倍となると実戦ではかなり苦戦することになったであろう。一般に零戦に対してF2Aは圧倒的に弱かったというイメージがあるが、それはこの運動性能の差が原因の一つであったのは間違いない。

 

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