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S&W

01_44口径ハンドエジェクター
(画像はwikipediaより転載)

 

超要約

 

 S&W初のスイングアウト方式のリボルバーでS&Wリボルバーの基本型となっただけでなく、その後の世界のリボルバーに大きな影響を与えた名作中の名作である。38口径モデルはのちにM10ミリタリー&ポリスと呼ばれ3世紀にわたって世界中で使用されている。

 

S&Wハンドエジェクター

 

 

32口径ハンドエジェクター

 1896年、S&W初のトップブレイク方式でない装填方式を採用したリボルバーである32口径ハンドエジェクターが発売された。それまでのトップブレイク形式のものはフレームの強度が今ひとつのため強力なカートリッジを発射することが難しい。そこでS&Wはシリンダーを銃の左側に開けるスイングアウト構造を発明した。これにより射手は手動で排出(hand ejected)できる訳だ。この設計は素晴らしく、この基本設計はS&Wだけでなく多くの銃器メーカーによって継承されている。S&W社の最も重要な功績である。

 この新規に開発されたIフレームを採用した32口径のスイングアウト式リボルバーの最初期モデルは、1903年まで7年間で19,712挺製造された。装弾数は6発で口径は3.25インチ、4.25インチで極少数6インチモデルが製造された。商業的にはあまり成功しなかったが、フィラデルフィアを始め数か所の警察が採用している。

 1903年になると32口径ハンドエジェクターの改良型が発売される。内部構造が大幅に変更されており、特にシリンダーストップがフレーム上部から下部に移動した。このモデルは数度大掛かりな改良を施され、現在のS&Wリボルバーとほぼ同じ機構に到達した。1917年まで生産が続いた。総生産数は凡そ263,000挺である。

 さらに1917年になると暴発防止のためのハンマーブロックメカニズムが組み込まれるようになる。そしてグリップはそれまでのラウンドバットグリップと共に新しくスクエアバットグリップが採用された。1942年まで273,684挺が製造された。ここで一時生産は中止されるが、1949年になると生産を再開、この時にハンマーブロックメカニズムが改良されている。1960年まで176,269挺が製造された。

 

38ハンドエジェクター(1stモデル)

 1899年に発売された最初のKフレームリボルバーである。同時に開発された38S&Wスペシャルを使用する初のハンドガンである。この38スペシャルはのちに最も人気のあるリボルバーカートリッジとなった。バリエーションは4インチ、5インチ、6インチ、6.5インチの5種類でブルースチールとニッケルメッキの2種類があった。ミリタリー&ポリスと呼ばれ、のちにM10の番号を振られることになる。様々なにバリエーションが存在する。総生産数は1942年までで約100万丁。

 

 

 

44口径ニューセンチュリー(通称トリプルロック、1stモデル)

 1908年に44口径ロシア弾のカートリッジケースを延長した44S&Wスペシャルを使用するニューセンチュリーをラインナップした。これは新たに設計されたNフレーム(当時は44フレームと呼称)を使用するモデルでエジェクターロッドシュラウド、トリプルロックが追加されたモデルで他にも数種類の口径のバリエーションが存在する。

 トリプルロックとは、シリンダーを固定するためにエジェクターロッド、シリンダー後部の他にヨークとエジェクターロッドシュラウド下部にもロックする装置が装備されている。1915年まで製造され、455ウェブリー弾を使用する英軍仕様「マーク汽魯鵐疋┘献Дター」5,000挺も含め、総生産数15,376挺である。

 この44口径ハンドエジェクターで新しく採用されたエジェクターロッドシュラウドとトリプルロックは、2rdモデルでは廃止されてしまう。理由は、どちらも泥が入り込み作動不良の原因となるというもので、特にトリプルロックは構造が複雑であり製造コストが高騰するというのも理由であった。この結果、販売価格を21ドルから19ドルに下げることに成功した。1915〜1940年まで製造され、英軍仕様の「マーク競魯鵐疋┘献Дター」69,755挺を含め、総生産数は74,755挺。

 1926年になると再びエジェクターロッドシュラウドのみが追加されたモデルが発売される。トリプルロックは実用性が無いと判断され復活はしなかった。1941年まで製造されたものの、カタログ販売のみであったため総生産数はわずか4,976挺のみ。

 1950年、44口径ハンドエジェクター最後のモデルが発売された。トリガー、ハンマーの設計を変更しており、バリエーションは、ミリタリー、ターゲットの二種類がある。ターゲットはバレル上部にフルリブを設置しており、これはのちのS&Wリボルバーに多く継承されている。1957年からはターゲットモデルはM24と呼ばれる。1950〜1957年まで製造された。

 

その他

 他にも様々な口径のハンドエジェクターが製造されているが、特に1902年から1921年まで製造されたMフレームを使用する22口径(22S&Wカートリッジ=22LR)モデルは、「レディスミス」と呼ばれた。この名称は1990年に9mmセミオートモデル、さらにJフレームモデルに再度使用されることになる。

 

 

 

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01_M39
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&W M39とは、S&W社が1954年に開発、1955年に発売したS&W初のダブルアクションオートであった。このM39をベースにダブルカラム弾倉に改良したM59、38スペシャル弾を使用するM52、45口径化したM645等様々なバリエーションが誕生している。日本ではモデルガンがMGC、マルシンによって1980年前後に立て続けにモデルアップされている。

 

M39(実銃)

 

 

性能

全長 192mm
重量 780g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8発
設計・開発 S&W社

 

概要

 M39は1954年に発売されたS&W初のダブルアクション拳銃で以後の同社のピストルの基本となった。口径は9mmでシングルカラムマガジンを採用している。機構はワルサーP38を踏襲しており、スライドにあるマニュアルセイフティはその名残である。無論デコッキング機能もある。その他、ショートリコイル機構やマガジンセイフティはブローニングの設計の影響が見られる。マガジンキャッチは米国式のトリガー後方に配置される形式で、材質は軽量なアルミフレームを採用したことから他社の同クラスの拳銃よりも軽量化に成功した。 

 しかし米国では45口径が主流であり、厳しい状態に置かれたこともあったが1980年にS&Wオートが第二世代に移行するまで生産された。欠点としてはシングルカラムマガジンにしてはグリップが太く握り心地は良くないことが挙げられる。

 アメリカ海軍特殊部隊SEALでも使用されていたようで専用のサプレッサーを装着できるモデルがMK22Mod0として正式採用されていた。バリエーションとしてはシングルアクションモデルのM44、38スペシャル弾を使用できるようにしたM52等がある。M39とは、要するに「特徴が無いのが特徴」だといえる。S&WのオートがM&P中心になるまでの間、S&Wオートの基本となり続けたモデルなので機構の信頼性と拡張性の高さはタイムプルーフされているといえる。

 しかし概略にも書いたようにあまりオリジナリティーがあるモデルとは言えないが、性能が良ければいいのだ。銃は。そのように考えるとこのM39は非常にバランスが取れている銃のようだ。ただ唯一の問題はシングルカラムマガジンだということだろう。現在ではちょっと厳しい。このシングルカラムマガジンをダブルに変更したのがM59である。

 因みにこのシリーズは後にファーストジェネレーションと呼ばれる世代でナンバーが2ケタのモデルだ。セカンドジェネレーションは3ケタ、サードジェネレーションは4ケタになる。

 

M39(トイガン)

 

 モデルガンでは、1979年にMGCがM39、1980年にマルシンがM39とM439を発売しており、1981年にはMGCがシルバーモデルのM39を発売している。MGC製はMGCが廃業してしまったため現在では入手は困難であるが、マルシン製は入手可能である。エアガンでは1991年にポイントがエアーコッキング式のエアガンを販売したのみである。

 

モデルガン マルシン S&W M39 ABS2層ブラックメッキ

性能

全長 194mm
重量 480g
装弾数 8発

 現在発売されている唯一のM39モデルガン。今ではあまり人気の無いモデルなので今後、新規でモデルガン化される可能性は低い。ブラックメッキ、HWモデルがある。スポット生産されているようなので発売された時が購入のチャンス。作動は昔ほどひどくはないはずだが、少ない火薬で作動させるのがモデルガンなので作動に100%を求めてはいけない。

 

まとめ

 

 M39は、ヨーロピアンオートを良く取り入れた奇をてらわない設計である。現在ではダブルカラムマガジンがスタンダードなので装弾数こそ物足りないが安定した設計のトラディショナルなオートマチックハンドガンである。日本では1980年前後に複数のメーカーによってモデルアップされており、さらにMGC廃業後もHW製のM39がタイトーブランドで発売されていたこともある。古いファンにとっては懐かしい拳銃であろう。

 

 

 

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S&WM1917
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM1917とは、第一次世界大戦時、米軍はM1911を装備していが数量が足りず、不足分を補う目的で製造されたリボルバーである。このM1917はS&W製とコルト製の2タイプ存在する。構造は全く異なるが、米軍の要請により、同じ45ACP弾を使用するM1917リボルバーとして同名で製造されている。

 

M1917リボルバー(実銃)

 

 

性能

全長 270 mm
重量 1.1 kg(コルト)
   1.0 kg (S&W)
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾, .45オートリム弾
装弾数 6発
設計・開発 S&W社 / コルト社

 

概要

 M1917は、第一次世界大戦時に米国が欧州に遠征軍を送ることになった際に、当時制式採用されていたM1911(所謂コルトガバメント)の不足を補うために採用されたリボルバーだ。正式名称は、「合衆国.45口径回転式拳銃M1917」である。M1911と同弾薬を使用するこのリボルバーは主に二線級部隊などの後方部隊に配備された。M1917リボルバーといっても1種類ではなく、コルト製M1917、S&W製M1917の2種類がある。装弾数や口径は同一であるが当然設計は全く異なる。

 45ACP弾はリムレス弾のためリボルバーでは使用できず、対策としてハーフムーンクリップを使用する。ここでこのリムレス弾とハーフムーンクリップについて簡単に説明しよう。リムレス弾のリムとはカートリッジの底にあるでっぱりのこと。リボルバーに弾丸を装填するときに突起の無い棒のようになっていてはカートリッジはそのままシリンダーの前方まで滑ってしまう。ここで底に出っ張りを作り、弾丸がシリンダー後部で引っ掛かるようにしたのだ。

 しかしオートにはその必要はないのでリムを持たないカートリッジが使用された。これがリムレス弾だ。しかし、このリムレス弾をリボルバーで使用するには上記のような問題が起こってしまう。そこで弾丸を3発ずつシリンダーの形に固定し2個のハーフムーンクリップを使用するとちょうど6連発のシリンダーが満タンになるようにしたのだ。これはS&Wの特許であったが、米軍の要請によりコルトでも使用することとなった。

 

 

S&W

02_S&WM1917
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&Wにとってはこれが初の45ACP弾を使用する拳銃となった。ベースになったのは44口径ハンドエジェクターでバレルは5.5インチ、グリップにはチェッカリング等を施さないプレーンのクルミ材を使用した。当初はブルーイング処理を施されていたがのちにパーカーライジング処理に変更されている。S&WのM1917は当初からヘッドスペースを設けており、ハーフムーンクリップが無くても発射することができる。但し、リムが無いためエジェクターロッドが使用できず排莢することは出来ない。第一次世界大戦中に総計163,476挺のM1917を生産した。

 

02-1_ヘッドスペース
(画像はwikipediaより転載)

 

※ ヘッドスペースとは薬室の中でカートリッジ部分のみが入るスペースのことである。銃のカートリッジは弾丸と薬莢に分けることが出来る。薬莢は弾丸を先頭に埋め込まれるので弾丸よりも外径がわずかに大きくなる。バレルの内径が弾丸の外径と同じ径で設計されているのに対して薬室の薬莢の入る部分の内径も薬莢の外径と同じ径で設計されている。このため薬室にはバレルとカートリッジ部にわずかな段差が出来る。このカートリッジが入る部分をヘッドスペースという。

 

コルト

コルトM1917
(画像はwikipediaより転載)

 

 以前から米軍に制式採用されているM1909を基に設計されている。口径が同じであるためか設計はほとんど変更されていない。M1909が使用するカートリッジは45口径ロングコルト弾であるため、45ACP弾用にシリンダー長が短縮されている。初期のモデルにはヘッドスペースが無かったためハーフムーンクリップを使用しないで撃つと不発が出たが、のちのモデルにはヘッドスペースが設けられたためクリップなしで射撃することができる。約150,000挺程度生産された。

 

M1917リボルバー(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは、1977年にハドソン産業がS&W製M1917を金属モデルで発売している(1977年以前にすでに発売していた可能性がある)。近年ではタナカワークスがS&W製M1917をモデルガン、ガスガン共に発売している。

 

タナカ S&W M1917HE2 4インチ カスタム HW 455ハンドエジェクターモデル ファイブスクリュー モデルガン完成品

性能

全長 235mm
重量 500g
装弾数 6発

 HW製のモデルガン。タナカワークス製なのでリアリティは抜群である。

 

タナカ S&W M1917HE2 4インチ カスタム HW 455ハンドエジェクターモデル ファイブスクリュー

タナカ
これはM1917の1914〜1916年までイギリス政府の要請で生産された455ウェブリー弾を使用するモデル。

性能

全長 235mm
重量 710g
装弾数 6発

 このM1917のトイガン、S&W社製のM1917の方はモデルガン、ガスガン共にタナカワークスが販売している。古いモデルではないので比較的容易に入手することができる。ガスガンはタナカワークスの定番ペガサスシリーズだ。

 タナカワークスは特にロッドによって仕様変更が多いメーカーなので最新型を購入することをおすすめする。特に命中精度に関しては初期ロッドと現行ロッドでは大きく異なる。さらにタナカワークスの超リアルメッキの「ジュピターフィニッシュ」であるが、ガスガンの場合、亜鉛製シリンダーとHW製フレームの材質が異なるため同じメッキでも質感が若干変わっている。通販での購入の際には注意が必要だ。

 

 

 

 

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01_M500
(画像はM500とM629 wikipediaより転載)

 

 S&WM500は、2003年に発売され、商業的には大成功を収めたモデルだ。現在発売されているハンドガンの中では最も強力な弾丸を使用するもののようだ。新設計のXフレームを使用することで、44マグナムの3倍の威力を持つ500マグナムを発射できる。

 

S&WM500(実銃)

 

 

性能(8.38インチ)

全長 381mm
重量 2,036g
口径 50口径
使用弾薬 500S&Wマグナム弾
装弾数 5発
設計・開発 S&W社

 

開発

 M500は、2003年に発売された500マグナムカートリッジを使用する超大型リボルバーである。500マグナムもこのM500用に開発されたものでカートリッジのあまりの威力のため専用のフレームであるXフレームが開発された。シリンダーはNフレームの質量の2倍に相当するものでチタン合金製である。フレームはアルミニウムスカンジウム合金製で装弾数も通常の6発だとシリンダーが圧力に耐えられなくなるので5発とした。銃身下にはアンダーラグ、さらに大型のコンペンセイターに専用ラバーグリップと反動を極力軽減する工夫が施されている。

 バリエーションは、2.75インチ、3.5インチ、4インチ、6.5インチ、7.5インチ、8.38インチとS&Wパフォーマンスセンター製の10.5インチモデルがある。M500に4インチ等の短銃身モデルが存在する理由は主に重量である。M500は、米国ではコレクションとして保有していることが多いようであるが、実際にハンティング時の護身用として携行することを想定すると2,036gにもなる8.38インチを携行するのはかなり厳しい。

 これに対して4インチモデルの重量は1,593gとM29の6.5インチモデルよりも100g程重い程度であり体に対する負担は少ない。このため短銃身モデルが存在する。しかしパワーは銃身の長さに影響されるので短銃身の場合、威力は低くなるもののハンターの護身用としては十分に威力を発揮する。

 

S&WM500(トイガン)

 

概要

 トイガンで発売しているのはモデルガン、ガスガン共にタナカワークスのみである。モデルガンの完成度は高く、HWにメッキ仕上げをしたジュピターフィニッシュのリアリティは素晴らしい。ほぼ全銃身サイズがバリエーション展開されている。全長265mm、重量878g、装弾数16発。ペガサスシステム内蔵のガスガン。カート式ではないが、シリンダーはスイングアウト可能。命中精度はリボルバーにしては比較的高い。外観の完成度は秀逸である。メッキはジュピターフィニッシュで実銃のような深みがある。実銃の性格から考えてもサバイバルゲーム等で使用するよりも室内でのシューティング、観賞用という目的で使用するのが良さそうだ。

 

まとめ

 

 1956年、世界で最も強力なカートリッジを使用するM29を発売したS&Wが2003年に再び世界で最も強力なカートリッジを発売した。商業的には大成功でS&Wは経営的にもブランドイメージ的にも復活を遂げた。大口径ハンドガンは日本のファンだけでなく米国人にもファンが多いようだ。

 

 

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01_S&WM657
(画像はwikipediaより転載)

 

S&WM57

 

開発・そして完成!

 S&WM57とはS&W社が1964年4月に発売した41口径マグナムカートリッジを使用するダブルアクションリボルバーである。装弾数は6発でフレームはM29と同じNフレームを使用した。このフレームは1935年S&W社が357マグナム(のちのM27)を設計した際に新規に製作された大口径弾の発射にも耐えられる頑丈なフレームであった。使用する41口径マグナム弾は正式には41口径レミントンマグナムで357マグナム弾と44マグナム弾の中間の威力を目指して開発されたものであった。

 主なセールス先は警察官等の法執行機関であったため、カートリッジ名も最初は「41口径ポリス」という名称すら提案されたほどであった。しかしS&W社はそれ以前の「マグナム」という名前の破壊力を重視。新しい41口径弾の名称も「41口径マグナム」となった。当初ラインナップされていたのは強力な破壊力を発揮するメタルジャケットで覆われたソフトポイント弾と法執行機関での使用を目的としたセミワッドカッター弾である。

 

思いっきり滑った!

 S&W社は最初の目的通りに警察や法執行機関に営業をかけるが、反応は鈍くいくつかの都市の警察に採用された程度であった。理由は、そもそも警察官は41口径という高威力の銃は必要としておらず、ほとんどの場合、今までの38口径スペシャルで不満はなかったからだ。仮に高威力を求めるのであれば357マグナムで十分であり、41口径マグナムという高威力のカートリッジを採用する必然性はなかった。実用性以外にも当時(恐らく現在でも)、警察の暴力行為に対する世間の目は厳しく、警察が大口径カートリッジを使用するのを躊躇わせる理由ともなった。

 そしてさらに41口径マグナムが不運であったのは、M57の発売から7年後の1971年に上映された『ダーティハリー』の大ヒットである。 これにより44マグナムを発射することができるM29が大人気となり、同時に41口径マグナムという「微妙な」立ち位置のM57の人気はさらに落ちていった。要するに徹頭徹尾陽の目を見なかった銃がM57なのである。

 

 

M57の特徴

 

 しかし、銃自体の性能が悪い訳ではない。安定した大型のフレームに44マグナムよりは反動の少ない41口径マグナムという組み合わせは撃ちやすく、民間のシューターには比較的評判が良かった。フロントサイトは赤のインサート入りでリアサイトは調整可能なフルアジャスタブル。銃身長は3インチ、4インチ、6インチ、8.375インチモデルが存在している。ターゲットハンマー、ターゲットトリガー、ターゲットグリップを装備しており、外観上はM29に酷似している。現在までに5回の小さな改良が行われており、オリジナルのM57から最新のM57-5まで6種類が存在する。さらに発売当初からニッケルメッキモデルも発売されており、こちらもブルーモデルと同様のバリエーションが存在するが、1986年にステンレスモデルの発売と同時に生産終了となった。1991年に生産が終了したのち、2008年に再生産。現在でも販売されているのはこのM57スチールモデルのみで価格は1,078ドルである(2022/9現在)。

 

廉価版のM58

 

 1964年7月10日、S&WはM57をさらに警察向けに改良したM58を発表。これはM57の廉価版で外観はM10ミリタリーポリスを彷彿とさせる。ヘビーバレルでエジェクターロッドは露出しており、リアサイトは固定式となった。グリップはサービスグリップと呼ばれる小型の細いグリップを採用した。このM58はサンフランシスコやサンアントニオ警察で採用されたものの生産自体は約20,000丁を製造、1977年に生産は終了した。個体数が少ないためにコレクターの間では注目されている逸品である。2008年にブルーモデル、ニッケルフィニッシュモデルが再販された。因みにブルーモデルとは青く塗装したモデルということではなく、ブルー液という酸化剤で金属の表面を処理したものだ。要するにフツーの黒い銃である。現在では販売されていない。

 

ステンレス製のM657

 

 さらに1986年にはステンレスモデルのM657を発売、これはM57のステンレスモデルである。バリエーションは多く、3インチ、6インチ、7.5インチ、8.375インチの4種類の銃身長のモデルに加え、アンダーラグモデルも存在する。アンダーラグモデルとは銃身の下におもりが装着されているモデルでこれにより反動を抑制するのと同時に銃のバランスの調整にも役に立っている。コルトパイソンやM686等で採用されている形式で横から観ると銃身が二つ上下に並んでいるように見える。さらにサイトもフルアジャスタブル(調整可能な)フロントサイトを装備しているモデルや固定サイトのモデル、シリンダーも溝が彫ってあるフルーテッドシリンダーモデルとノンフルーテッドシリンダーモデルが存在する。M57と同様、生産中止されたが2008年より再生産を開始しているが、現在は生産はされていない。

 

トイガンと「ワンオブサウザンド」

 管見の限りトイガンではモデルアップされたことはない。相当なガンファンでも外観上はM29と酷似しているため区別がつかない。実銃は41口径マグナム弾を使用するという必要性があったが、トイガンでは敢えてモデルアップする必要がないのだろう。因みにシティーハンターに「ワンオブサウザンド」として登場する。これは機械工作の偶然から数千丁に1丁の割合で奇跡的に命中精度の高い個体が存在するというもので、シティーハンターではそれがM57(M58?)であったという設定である。機械工作の偶然であれば全種類の銃にそのようなモデルが存在するハズなので、M57(M58)のみにそのようなモデルが存在する訳ではない(多分ね)。あくまでもフィクションの話である。

 

 


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01_M610
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM610は、10mm弾を使用するステンレス製リボルバーである。リムレス弾を使用するために専用のハーフムーンクリップ、またはフルムーンクリップを使用する。一時期は10mm弾の人気が無くなってしまったため市場から姿を消したが、近年10mm弾の人気が再燃したため再び販売されている。販売価格は987ドルである。

 

S&WM610(実銃)

 

 

性能

全長 304.8mm
重量 1,400g
口径 10mm
使用弾薬 10mm弾、40S&W弾
装弾数 6発
設計・開発 S&W

 

背景から開発まで

 1983年にD&D社が発売したブレンテン用に10mm弾が開発された。10mm弾とは10×25mmのカートリッジで、9mmの貫通力と45口径の破壊力の両方を得ることを目的に開発されたものであった。完成した10mm弾はセルフディフェンス用としては威力が過剰であり一部の防弾ベストをも貫通してしまうために「コップキラー」というあだ名まで付けられてしまった。ブレンテンは商業的には失敗であったが、10mm弾はそのパワーと貫通力が評価され、1987年にコルト社が発売したデルタエリートの弾薬として採用された。

 

開発

 1990年にS&Wによって開発された10mm弾を使用するステンレス製ダブルアクションリボルバーである。M29と同じNフレームを使用しており、外観上もM29クラッシックとほとんど区別がつかないが、シリンダー長がわずかに短いことから判別が可能である。10mm弾はリムレス弾のため、装填には半月形のクリップを使用する。40S&W弾も発射可能である。クリップには満月形の6連発クリップもある。

 1992年に一時製造中止になったが、1998年に販売が再開される。この際にそれまでハンマーにあったハンマーノーズが無くなりフレーム側にファイアリングピンが設置され、同時にフレーム部に安全装置が設置された。その後再び製造を中止したが、近年、市場では狩猟用としても護身用としても使用可能な10mm弾の特性が見直されつつあり、さらにNフレームという大型フレームを使用した安定性のあるリボルバーであるM610の人気が再燃しつつあった。それに呼応する形で2019年に4インチモデルと6インチモデルで三度製造を開始した。この際にグリップは黒のフィンガーチャンネル付きセンサテックグリップとなっている。

 

バリエーション

 銃身長4インチ、5インチ、6.5インチモデルと300丁のみ生産された3インチモデル、1990年には5,000丁限定で6インチモデルが発売された。シリンダーのフルートが入ったものとノンフルートモデル等がある。

 

S&WM610(トイガン)

 

トイガンでは発売されていない。

 

まとめ

 

 10mm弾は威力が強すぎ、同時に反動も強すぎるために一時は廃れたカートリッジであった。しかし狩猟用のサイドアームとしては有効であり、護身用としても使用可能であるという利便性から再び注目されている。M610はNフレームを使用するため安定性があり米国では意外と人気が高い。命中精度が非常に高いのも特徴である。

 

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01_M19
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM19コンバットマグナムは、1955年に357マグナムを発射できる小型・軽量の拳銃をという要望に基づいて開発された拳銃で、それまで357マグナムを発射できる拳銃としては、44マグナムの発射にも耐えられる大型のNフレームが使われていたのに対して、軽量なKフレームを使用したのが特徴である。傑作リボルバーと呼べる銃であり、日本でもアニメ『ルパン三世』のキャラクターである次元大介の愛銃等で有名である。

 

S&WM19,66コンバットマグナム(実銃)

 

 

性能

全長 241mm
重量 1,021g
口径 38口径
使用弾薬 38スペシャル弾,357マグナム弾
装弾数 6発
設計・開発 S&W

 

開発

02_m19
(画像はwikipediaより転載)

 

 当時のS&Wのリボルバーで357マグナムを発射出来るのはNフレームリボルバーのみであった。しかしNフレームは44マグナム弾を使用するM29のベースとして使用されていることからも判るように非常に頑丈である反面、大型で重量のあるフレームであり、38口径では威力不足が指摘されていたにも拘らず警察官等の法執行機関で通常業務で職員が使用するには不便であった。

 S&W社はこれらの要求を満たす理想的な警察官用リボルバーの開発を計画する。開発にあたっては現場の法執行機関員の意見を取り入れるため、S&W社は国境警備隊員であり有名なコンバットシューターであるビル・ジョーダンの意見を多く取り入れている。ビル・ジョーダンが求めた理想的なリボルバーの条件とは、…汗芦椎修淵螢▲汽ぅ函↓▲好ウェアバットのグリップ(グリップ後下部が丸まっていないグリップ)、ヘビーバレルであること、そして357マグナムを使用することが出来る中型リボルバーというものであった。

 この要望に基づいてS&W社は設計を開始、1年の研究の結果、Kフレームに357マグナムの衝撃に耐える強度を持たせることに成功、1955年、357マグナムが発射可能なKフレームリボルバー「コンバットマグナム」を誕生させた。この携行性の高いKフレームに357マグナム弾を使用できるコンバットマグナムはその実用性の高さから米国の警察官用の拳銃として広く採用されることとなった。

 最初に完成した記念すべきコンバットマグナム第1号は、提唱者であるビル・ジョーダンに送られた。販売開始は1957年でのちに名称をコンバットマグナムからM19に変更している。1970年には素材を全てステンレスとしたM66も発売された。当初は4インチのみであったが、1963年に6インチモデルがラインナップに加わり(1996年生産中止)、さらに1966年には2.5インチモデルも加わった。M19は1957〜1999年11月まで生産され、M66は1970〜2005年まで生産された。

 余談だが、日本ではM19はアニメ『ルパン三世』でルパンの相棒次元大介が愛用する銃としても有名である(因みにルパン三世パイロット版では『コルト・エグゼクティブ』を愛用しているとしているがこれは架空の銃である)。

 

バリエーション

 M19,66は、1957年に販売が開始されて以来、小改良を加えつつ2005年まで生産されていた。この間にM19はファーストモデルからM19-1〜9まで、M66はM66-1〜8まで多くのバリエーションがある。1982年に発売されたM19-5でははシリンダー後部のカウンターボアードを廃止、90年代に入るとトリガーロックの新設、フレームの再設計等の仕様変更が行われた。近年では2014年にS&Wパフォーマンスセンターが4.25インチバレル、2017年には2.75インチバレルモデルが発売され、2018年にはM19の4.25インチバレルモデル、3インチキャリーコンプが発売されている。

 

※S&Wのバリエーション表記

 S&Wの銃は、「M19-3」のように、改良が加えられる毎に製品名に続いて「-○○」という表記がされる。これは「ダッシュ○○」と読み、改良される毎に数が増えていく。つまり「M19-3」とは「M19ダッシュスリー」と読み、そのモデルが、最初の生産から3回改良されたことを意味する。

 

特徴

 M19は必要とあれば357マグナムを撃つことができ、同時にKフレームの携行性も獲得したモデルではあったが、Kフレームは頻繁に357マグナムを発射するには強度が低すぎたため、シリンダーの破損等の事故が起こることがあった。このためS&Wは1980年にM19の改良型であるM586を開発することになる。

 

S&WM19,66コンバットマグナム(トイガン)

 

03_m19
(画像はwikipediaより転載)

 

概要

 モデルガンでは、1968年にMGCから金属製コンバットマグナムが発売、1975年にはコクサイもコンバットマグナムを発売、1982年には同モデルをリニューアル。内部機構を精確に再現している。同年東京CMCも六人部氏設計によるM19を発売、外観、内部機構共に当時最も再現性の高いモデルであった。さらに1985年にはコクサイが外観、内部機構を精確に再現した決定版M19を発売している他、近年ではタナカワークス、東京CMCの金型を買い取ったHWSが非常に完成度の高いM19を発売している。因みにM19を多くモデルアップしていたコクサイは、2000年前後に倒産、一部の社員がコクサイブランドを引き継ぎ、その後も生産をしていたが2018年に完全に生産を終了した。

 エアガンでは1989年にかつてコクサイからカート式リボルバー、1991年にLSからエアコッキング式、1997年に東京マルイからカートレス式リボルバー、タナカから同じくペガサス式のカートレスリボルバーとして発売されている。コクサイリボルバーは初期型の通称「貫通シリンダーモデル」と呼ばれるモデルとそれ以降のモデルがあり、2.5インチ、4インチ、6インチモデル、シルバーは2.5インチモデルが発売されていた。バレルは交換可能で外観はモデルガン並に精巧であったが、30年以上前の製品であるためM19のパワー、命中精度は現在の水準では論外である。

 

タナカワークス M19 モデルガン

性能(4インチモデル)

全長 242mm
重量 710g
装弾数 6発
初速  -
定価 27,280円

 現在発売されている数少ないM19モデルガン。2.5インチ、4インチモデル、シルバーモデル、PC(パフォーマンスセンター。S&W社のカスタム部門)モデルやスモルト等多彩なバリエーションが用意されている。外観、内部構造ともに現在最も完成度の高いモデルといっていい。最大の特徴はヘビーウェイト材にメッキを施していることでABS製に比べ20%程度重量がアップされている上に美しいメッキが施されているということ。ヘビーウェイト材にメッキを施しているのはタナカワークスが唯一である。現在入手できる最高レベルのM19モデルガン。

 

タナカワークス M19 ガスガン

性能(4インチモデル)

全長 242mm
重量 750g
装弾数 12発
初速 52m/s前後
定価 27,280円

 モデルガンと同様に素晴らしい外観を持つ。カートレスモデルではあるが、シリンダー内にエンジンとBB弾を内蔵しているというタナカ独自のペガサスシステムにより、シリンダー以外の内部構造は非常に実銃に近い。モデルガンと同様、HW材にメッキを施したモデルもあるが、モデルガンと異なり、亜鉛製シリンダーとHW製フレームという材質の違いのためシリンダーとフレームの色彩や光沢が若干ことなる。時期によりバージョンが異なり、さらにロッドによっても微妙に仕様が変更されていることがあるので詳しい知識がある人以外は最新ロッドを購入するのが賢明。

 

クラウン M19 エアガン

性能(4インチモデル)

全長 238mm
重量 330g
装弾数 6発
初速 43m/s前後(ホップアップシリーズ)
定価 3,900円

 エアガンでは、対象年齢10歳以上のホップアップリボルバーシリーズと同18歳以上のハイホップアップシリーズ、ガスリボルバーシリーズがある。エアガンの違いは主にパワーで、それぞれ4インチモデル、6インチモデルバージョンがある。ガスガンには真鍮製カートリッジが付属する。性能、外観の再現度は今ひとつであるが、珍しいカート式モデルであるので貴重。

 

まとめ

 

 M19が開発された当時、357マグナムを撃つ銃はM28等の大型のNフレームリボルバーのみであった。そこに軽量なKフレームで357マグナムを撃つことができるM19の登場は、当時の警察官にとっては理想的な銃であった。1980年に入ると、このM19のフレーム強度不足という欠点を補ったM586に変貌していく。

 

 

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S&WM4506
(画像はwikipediaより転載)

 

 M645はS&Wが初めて発売した45口径オートである。オールステンレス製で、機構はM39の系譜を受け継いだもののデザインはより洗練されたものになっている。80年代の刑事ドラマ『マイアミ・バイス』の主人公ソニー・クロッケット刑事が使用していたことから日本でも有名になった銃である。

 

M645 M4506(実銃)

 

 

性能

口径 45ACP
全長 218mm
銃身長 127mm(5インチ)
重量 1063g
装弾数 8発

 

概要

02_M4506
(画像はwikipediaより転載)

 

 M645はM39をベースに45口径化したモデルで、1985年に完成、1986年から発売されたS&W初の45口径オートマチック拳銃である。機構はダブルアクションを採用し、マガジンはシングルカラムでオールステンレス製である。S&Wの分類ではセカンドジェネレーションに当たる。M645は1988年に販売が終了され、1989年からは改良型のM4506が発売された。

 このM645のシューティングマッチ用カスタムがM745で、トリガーがシングルアクションに変更され位置調整が可能となった。さらにリアサイト、セイフティが大型化し木製グリップを採用、スライドがスチール製となっている。M745は1986年から1990年まで生産された。

 M4506はM645のマイナーチェンジ版でフロントサイトが左右調整式に変更されたことやグリップが一体型になった等外観上に変更はあるが内部機構に大きな変更はない。別売のスプリングを装着することで45スーパー弾を発射することが出来る。1989〜1999年まで製造された。

 

バリエーション

 M645のバリエーションはM745のみだが、M4506には多くのバリエーションが存在する。オリジナルモデルの他にM4506-1と呼ばれるM4506の修正バージョンがある。恐らく1998年以降のモデルで、これはトリガーガードが角型から丸型に変更され、さらにハンマーとトリガーがスチール製に変更された。フレーム全部の段差もこの時の変更でなくなったのかもしれない。

 M4516は、M4506のコンパクト版で装弾数は7発。M4546は1992年に生産されたM4506のダブルアクション専用モデル。M4563は4.25インチバレル装備でフレームはフルサイズのアルミ製。M4566は同じく4.25インチバレルにフルサイズフレームを装着したもの。フレームはスチール製でダブルアクション専用モデルも存在する。ピカテニー規格のレールマウントを装備している。

 M4567は1992年のみ製造されたモデルで4.25インチバレルにスチール製スライドにステンレス製フルサイズフレーム、チタニウムナイトサイトを装備している。M4505はスライド、フレーム共にスチール製のモデルで1992年に1,200丁のみ生産された。M4586はM4566のダブルアクション専用のものでデコッカーはない。1992年〜2002年までアイダホ州警察の正式拳銃であった。

 余談だが、日本のトイガンでかつてMGCから発売されていたM445というオールスチール製モデルは実在しない。

 

S&Wオートの世代

 S&Wのオートは時代によって大まかに世代分けがなされている。1954年より製造されたM39を初めとする2ケタナンバーのものを第1世代と呼ぶ。そして1985年より3ケタナンバーを使用するものを第2世代、1988年頃より4ケタナンバーを使用するものを第3世代と呼んでいる。

 

M645 M4506(トイガン)

 

 トイガンでは、1987年にLSがコッキング式エアガンを発売、同年ポイントが固定スライドガスガンを発売している。1988年にはMGCがM645、1989年にM745をモデルアップしている。どちらも固定スライドであるが、性能は固定スライドのモデルでは当時最高のものであった。サイクロンバレルを搭載し、ダブルアクション、シングルアクションもきちんと再現されていた。

 さらに外観は、全体にヘアライン処理を施し、ハンマー、トリガー等の主要パーツを除く、ピンやその他のパーツをステンレスで製作していた。マガジンも同様にステンレス製であり、再現度は高かった。そして1990年にはヨネザワからM745、LSからM4506、さらにマルゼンからM4506が発売されるのだが、マルゼンのM4506はMGCに勝るとも劣らない最高傑作であった。

 MGC同様、細部の仕上げのこだわり、ステンレスパーツの多用、現在のガスガンにも匹敵する命中精度等、ガスガン史上の最高傑作と言ってよい。このような細部に凝った作品が生まれた背景には恐らくバブル景気があると思われるが、それはともかく、これらのモデルは今後、ガス、モデルガン共に新製品ででる可能性は大変少ない。

 

東京マルイ モデル645 エアーハンドガン

 現在発売されている数少ないM645。東京マルイ製の10歳以上対象のエアーガン。パワーは全ての都道府県の条例に違反しない低パワー。東京マルイなので命中精度はそれなりに高いが室内プリンキング用と考えた方がいい。室内では逆に低パワーのため部屋を傷付ける必要がないのはありがたい。

 

青島文化教材社 BBアクションガンシリーズ No.5 M645 完成品

全長 
重量 87g
装弾数 8発

 模型で有名なアオシマが発売しているコッキング式エアーガン。対象年齢8歳以上。左右分割式のスライド、フレームを反対側からねじ止めしているため、外観の完成度は今ひとつであるが定価が1000円と安価なのがありがたい。マガジンキャッチはダミー。マガジンは所謂「割箸マガジン」である。初速は20m/s 強と安全設計。性能に関係なく遊びたい人向けのエアーガン。低パワーで室内を傷付ける心配がないので室内での使用に最適。

 

東京マルイ No.4 S&W PC356 フルオート 10歳以上電動ブローバック

 M645ではないが、S&W製オートをモデルアップしたもの。PC356はS&Wのカスタム部門であるパフォーマンスセンターが製造した45口径オート。実物は高級カスタム銃であるがトイガンではお値打ち。実銃にはないフルオート機能で楽しめる。但しパワーは10歳以上のものなので低い。

 

まとめ

 

 S&WM645、M4506は80年代に開発された45口径オートであった。本銃を最も有名にしたのはドラマ『特捜刑事マイアミバイス』で主人公ソニー・クロケットがブレンテンに次ぐ2代目愛銃としてM645を採用したことだろう。M4506も3代目愛銃として採用されている。ステンレス製の美しい銃である。

 

 


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44_Magnum_(2)
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&W M29は1955年に発表、1956から発売された当時世界最強のカートリッジである44口径マグナムを発射する銃である。言わずと知れた『ダーティーハリー』シリーズ、その他の映画、アニメ等に散々出てくる、恐らく日本で最も有名な拳銃の一つであろう。

 

概要

 

 

性能

全長 306mm(6.5インチモデル)
重量 1396g(6.5インチモデル)
口径 44口径(約11.2mm)
装弾数 6発

 

44口径ハンドエジェクターとM1950

02_ハンドエジェクター
(画像は44口径ハンドエジェクター wikipediaより転載)

 

 S&WM29原形は、1905年にS&Wが発売したハンドエジェクター44口径モデルに遡る。S&Wは1905年、それまで発売されていた38口径ハンドエジェクターモデルを44口径に改良、さらにエキストラクターシュラウド(バレル下部のエキストラクターを収納する部分)とトリプルロックシステムを追加した44口径モデルを発売した。これは当時注目を集めたが販売は今ひとつであった。このため1915年には、エキストラクターシュラウドを省略しコストダウンを図った2rdバージョンが発売されたが当時は不況のただ中であり売上は伸びなかった。1950年、この44口径ハンドエジェクターのバレル上部にリブを追加、さらに調整可能なターゲットサイトを装着したM1950ターゲットモデルが発売されたが、当時の射撃競技の中心は38口径や45口径でありこれもまた販売は振るわなかった。

 

44口径マグナムとM29の開発

03_S&WM29
(画像はwikipediaより転載)

 

 このM1950発表から5年後の1955年、S&Wとレミントン社は共同で当時世界最強の拳銃カートリッジを開発した。これは44口径スペシャル弾のカートリッジを1/8インチ延長して火薬量を増やしたもので44口径マグナムと命名された。このカートリッジは当時最強であった357マグナムの2倍、45ACPの3倍の威力を発揮した。この44口径マグナムを発射するための拳銃として白羽の矢が立ったのが、不遇をかこっていた44口径ハンドエジェクター系統のM1950である。このM1950のフレームを強化したSフレーム(1969年にNフレームに名称変更)を新規に製作。さらにシリンダー、バレルを強化したて1955年11月に発売されたのが44マグナムである。

 この44マグナムは1957年(1969年説もあり)に名称が変更され、M29となる。M29は、狩猟用ハンドガンとして開発され、当初はマイナーな存在であったが、1971年の映画『ダーティハリー』で主人公ハリー・キャラハン刑事が愛用したことにより一躍有名になり、狩猟用以外にも射撃競技や護身用にまで使用されるようになった。

 

M29の構造

04_S&WM29
(画像はM629マウンテンリボルバー wikipediaより転載)

 

 伝統のS&Wのリボルバー構造にワイドハンマー、ワイドトリガー(のちに変更される)、調整可能なリアサイトを装備する。1955年11月に発売された初期モデルでは、フレームのサイド・プレートを固定するスクリューが4本使用されていたが、砲底面近くにあるスクリューが発射の衝撃で折れることがあり、1956年にその部分が組合せ式に改良された。

 

バリエーション

05_S&WM29
(画像はwikipediaより転載)

 

 1955年(1956年から発売)の発表当初は4インチモデル、6.5インチモデルのそれぞれスチール、ニッケルフィニッシュのみであったが、1960年代後半に8.3/8モデルが発売される。1978年にはステンレスモデルが発売、同時に6.5インチ銃身は廃止され6インチになる。以降、3インチモデル、バレルにテーパーをかけた4インチマウンテンモデル、調整可能フロント・リアサイトとフルレングスアンダーラグ、ノンフルートシリンダー装備の限定品であるM29クラッシックハンター、フルレングスアンダーラグ装備のM29C、軽量モデルのM329等のバリエーションが存在する。

 

M29(トイガン)

 

 トイガンではMGC、CMC、コクサイ、タナカその他様々なメーカーが発売している。主なものはモデルガンでは、1974年にMGCがABS製で発売、1975年にはコクサイとマルゴー、1976年にはCMCが金属製で発売している。1985年にはコクサイが新規にM29を製作、これは非常に完成度の高い物であった。コクサイは、翌年には蓄圧式カートでM29を製作、警察から実銃認定されてしまう。1987年にはマルシンがカート式M29を発売、これはマイナーチェンジを繰り返しつつ現在でも生産されている。2000年頃にはタナカワークスがペガサスシステムを搭載したM29を発売、こちらもマイナーチェンジを繰り返しつつ現在に至っている。

 

MGC

 74年発売のモデルガン。実銃のメインスプリングはリーフスプリングであるが、本製品はコイルスプリングであったりと外観、内部構造共に再現の正確さでは今ひとつであるが、作動性が良い。リアサイトが固定(というよりもフレームと一体成型)であるのは時代のなせる業でご愛敬。90年代にはHW化されている。

 

コクサイ S&W M29 6インチ マーク入り ウッディーグリップ スーパーリアルポリフィニッシュ モデルガン完成品

 かつては業界大手メーカーであったが、現在ではメーカーもなくコクサイブランドで生産していたモデルガンの生産ももう行われていない。かつてはガスガンも生産していたが、パワーの無さは驚異的であった。当時はまだ0.3ジュール自主規制というのが業界団体にありそれを意識してパワーを下げた結果だろう。残念ながら命中精度もそれほど高いはない。

 「リボルバーのコクサイ」古いファンなら知っているが、コクサイはリボルバーの再現度がずば抜けて高かった。何故リボルバーのみなのかは分らないが、ガスガンでも外観はモデルガンばり、内部構造も極力実銃に似せる努力をしているのが分る。こういうこだわりはまたたまらないものがある。

 次にモデルガンであるが、コクサイのM29は大きく分けて2種類あった。いつから生産されたのかは知らないが80年代中盤頃まで生産されていた旧タイプ。これはトリガーガードが変に膨らんでいるので判別は容易である。80年代中盤からはnew M29として変なトリガーガードを直し、異常にリアルになったモデルが販売されている。まさに「リボルバーのコクサイ」面目躍如である。

 当初は外発火式カートであったが、内発火式カートに変更され、いわゆるフルサイズカートになったことでさらに完成度を増した(厳密にはフルサイズではない。シリンダーインサート分短い)。これM29はモデルガン史上最高傑作のひとつといっていい。現在は生産されていない。

 バリエーションは、ヘビーウェイトモデルとシルバーモデルが4、6、8.3/8、最近はメガヘビーウェイトとして金属パーツを出来るだけ使用し、重量を実銃に近い1坩幣紊砲靴織皀妊襪眸稜笋気譴い討い襦6眤哀皀妊襪箸靴討肋綉の3タイプの他8 3/8AFモデル、さらに一時期、6AFモデルも販売されていた(このモデルはフルサイズカートではない)。

 

タナカ S&W M29 6.5インチ カウンターボアード HW 18歳以上ガスリボルバー

 タナカがM29を出したのは2001年頃。最初はペガサスと呼ばれるガスガンだった。当初は圧倒的なパワーであったが命中精度は今ひとつであった。初期のものはパワーがあり過ぎるため準空気銃に該当するので対策が必要である。現在では改良されておりパワーも当然、法律の規定内で命中精度も高い。ペガサスからしばらくして同じ型でモデルガン化もされた。元々、今では数少ないモデルガンの老舗のタナカが作るのだからダメなはずがない。内部の構造も外観もトップクラスだった。

 当初は6.5インチモデルでありながらシリンダー内側にカウンターボアードが再現されていなかった。因みにカウンターボアードとは、カートリッジのリム(カートリッジ底に弾丸が抜け落ちないようにちょっと出っ張ってる部分)がシリンダーにぴったり入るようにシリンダー内側に1mm程度段差が付けてある部分のことで、シリンダーの長さが1mm程度長くなるもので、私が知っている限り、6.5インチでカウンターボアードが無いモデルは無い。

 これは一見小さなことだが、見た目でシリンダーの1mmの長さの違いは大きい。・・・と思ったら、な・なんと!2014年にタナカはカウンターボアードモデルというのを発売した。これには私もさすがに驚いた。1mmの違いを直すというのは簡単なことではない。金型を作り直さなければならないのだ。それを敢えてやったタナカ。こんなこだわりを持ったメーカーはそうないだろう。

 タナカがすごいのはこれだけではない。表面仕上げも他の追従を許さない。これがジュピターフィニッシュである。さすがにメーカー品であれほどきれいな表面仕上げは初めてだ。シルバーもブルーモデルも本物と見間違う位の美しさである。そしてトリガー、ハンマーはケースハードン処理をしてある。

 

マルシン S&W M29 6.5in ブラック ヘビーウェイト プラグリップ付 18歳以上 ガスリボルバー

 現在でも活動している数少ないモデルガンメーカーの老舗。1980年代からM29のガスガンを発売している。当初はシリンダーストップのない6インチモデルを発売していた。コクサイと同様にグリップ内にガスタンクを設ける方式であった。シリンダーストップがないためBB弾が発射された際にシリンダーがバレルの位置に合っていないこともあったため命中精度は高くなかった。

 その後、シリンダーストップが追加されたM29Cモデルが発売、5インチモデルと8.3/8モデルのシルバーとHWの2種類があり、さらにM29HWバージョンがある。こちらもシリンダーストップは装備されている。作動性を重視しているため外観のリアリティは今ひとつだ。特にM29Cのマズルフェイス部分の再現性はかなり甘い。しかし、作動性を重視しているためかパワー、命中精度共にリボルバーとしてはかなり高い。

 

クラウンモデル ホップアップガスリボルバー No.2 S&W M29 6インチ 18歳以上ガスガン

 モデルガンメーカーではないが、老舗のエアガンメーカーであるクラウン。ガスエアー共に発売している。エアーガンはハンマーをコックすることでエアタンクを圧縮してBB弾を発射する方式。外観のリアリティは今ひとつ。さらにパワー、命中精度共に高いとはいえないが、珍しくリボルバーのガスガンを発売しているメーカーであり、価格も低価格で室内プリンキングにはうってつけだろう。

 

まとめ

 

 M29は発売当初は世界最強の拳銃であった。あまりにハイプレッシャーであったためフレームの破損やリアサイトのネジの緩み等の問題もあったようだが、現在では十分にタイムプルーフされており安定した人気を誇っている。世界最強ではなくなってしまったもののハンターのサイドアームとしての実用性では44口径マグナムは優れており、現在でも多くのユーザーに愛用されている。

 

01_S&WMP
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&W M&Pとは、2005年にS&W社が発表したポリマーフレームオートである。M&Pはミリタリー&ポリスの略で、100年前にリボルバーの歴史を変えたS&W社の名銃ミリタリー&ポリスの名を継承していることからもS&W社の期待の度合いが分かる。市場での評判も良く、グロックには及ばないものの人気のあるポリマーフレームオートの一つである。

 

S&W M&P(実銃)

 

 

性能

全長 190mm
重量 680g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 17+1発
設計・開発 S&W社

 

背景から開発まで

02_S&WMP
(画像は伝説のシグマ wikipediaより転載)

 

 1994年、最近流行の「グロック風」ポリマーフレームハンドガンを製作したS&W社。あまりにも「グロック風」であったため、本家グロック社から裁判を起こされる始末。結局、和解金を支払い、設計を変えることで和解。つまりはS&W社の完全敗北であった。「やっぱり「グロック風」はだめだよね!」ということでS&W社がちゃんと作ったポリマーフレームオートがMPである。

 

開発

02_S&WMP
(画像はwikipediaより転載)

 

 MPの開発は、シグマとワルサー社とのコラボモデルであるSW99の設計を進化させたものであるが、シグマとの部品の互換性は全く無い。相当な自信作であったらしく、S&W社の名銃「ミリタリー&ポリス」の名称を継承させた。発売は2005年で、スライドとバレルはステンレス製、フレームはステンレスのインナーフレームとポリマーの外装で構成されている。

 グリップ後部のストラップは交換可能であり、SMLサイズのストラップが製品に付属している。スライドストップは左右から操作することが可能であり、マガジンキャッチも付け替えることで左利きのユーザーにも対応している。薬室にカートリッジが装填されているかどうかを確認するインジケーターはスライド上部に位置している。トリガーはポリマー製で上下に分割されており、下部のトリガーを引くことで安全装置が解除、引き切ることで撃発する。トリガープルは競合のグロックの2.5kgに比べ2.9kgと若干重く、ポリマー特有の「ねばり」が出るため好みが別れるところである。

 最大の特徴は、人間工学を非常に考慮した設計で、グリップの形状からグリップアングルも全て理想的な形状に設計されておりボブチャウカスタムのように全体的にエッジが削られて丸みを帯びている。特に素晴らしいのはバレルの位置で、バレルが低い位置に設定されているため射手は自然な感覚で照準をつけることが出来る上に反動の抑制も容易になっている。現在のところグロックには勝てないものの市場での人気は上々である。

 

バリエーション

03_S&WMP
(画像はwikipediaより転載)

 

 お約束のコンパクトモデルの他にも口径や銃身長に多くのバリエーションがあり、M&P○○(○○内には口径の数字が入る)と表記される。バリエーションの中でも内部構造を変更したのが2017年のM&P2.0でフレームのステンレス製インナーシャーシが延長され強度が増した上に、トリガーシステムも変更されている。

 

S&W M&P(トイガン)

 

概要

 2014年8月1日に東京マルイよりM&P9がガスブローバックモデルとして発売されている。2009年10月の発表当初はM&P45の予定であったが、最終的にはM&P9となった。VカスタムやPCカスタム等のバリエーション展開も行っており、現在でも発売中である。

 

東京マルイ S&W M&P ガスブローバック

性能

全長 194mm
重量 620g
装弾数 25+1発

 最近の製品であるためスライド上部のインジケーター内に真鍮パーツを入れることで薬室に装弾されている状態を再現する等、外観は非常に凝ったものである。グリップ後部のパームスウェルも実銃同様に3種類が同梱されており射手の好みで選ぶことができる。初速は70m/s前後に設定されており、命中精度も非常に高い。バリエーションもVカスタム、PCポーテッドにFDEカラー等もあり選択肢が多いのも魅力的。サードパーティーからのパーツも豊富にあるため自分だけのM&P9を作ることもできる。

 

まとめ

 

 シグマで大コケしたS&Wであったが、M&Pの成功によってその経験は生かされてることになった。ステンレス製のインナーシャーシや発射機構、敢えて隙間を作ることで砂や埃を自然に排除するスライド等、S&W社独自の工夫も施されている完成度の高いハンドガンである。

 

 

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01_M27
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM27/28とは、1935年に357マグナム弾と共に発表されたS&W社のNフレームリボルバーである。新しく開発された357マグナム弾を発射するために大型のNフレームを採用、当初は受注生産の高級モデルであった。発売してみるとS&W社が想定していた以上に人気があり、第二次世界大戦中は製造が中止されたものの現在に至るまで販売されているロングセラー商品である。

 

S&WM27/28(実銃)

 

 

性能

全長 190mm
重量 1,070g
口径 38口径
使用弾薬 357マグナム弾、その他38口径弾
装弾数 6発
設計・開発 S&W

 

開発

02_M27
(画像はwikipediaより転載)

 

 M27は、当時世界最強のハンドガンカートリッジである357マグナムと同時に発表された357マグナム弾を発射できるリボルバーである。357マグナムとは38スペシャル弾のカートリッジを延長、そこに火薬を詰め込んだ38スペシャル弾の強化型といえるカートリッジでアメリカの銃器ライターフィリップ・シャープスがS&Wにアイデアを持ち込み、興味を示したS&Wがウインチェスター社に開発を依頼、1934年に完成した。

 カートリッジが開発されても撃てる銃が無ければ意味がない。S&Wはハンドエジェクターで完成されたお馴染みのリボルバーメカニズムで357マグナム弾の衝撃に耐えられる大型のNフレームを開発、1935年に357マグナム弾を発射することが出来るレジスターモデルを発売した。これがのちのM27である。「レジスターマグナム」とは所有者登録証(レジストレーション)に由来する名称で、レジ係が使う銃という意味ではない。因みに「マグナム」という名称はキャッチコピーのようなもので酒の増量ボトルを意味するマグナムに由来している。ただのネーミングなのでカートリッジ自体が特殊な形状をしていたり特別な機能があったりする訳ではない。

 このマグナム弾を発射するというのにS&Wは相当プレッシャーを感じたのか、レジスターマグナムはやたらと頑丈なNフレームを採用したのだが、これは完全なオーバークオリティであることはのちに開発される世界最強の44マグナムのプラットホームとしても使用されたことから分かる。これらからも分かるようにS&Wは「世界最強のカートリッジ」が非常に好きで1934年に当時世界最強の357マグナム、1955年に当時世界最強の44マグナム、2003年に当時世界最強の500マグナムを開発しているが500マグナムはさすがに行き過ぎであったようでほとんどのユーザーはインテリアとして使用しているようだ。

 それはともかく、レジスターマグナムは完全受注生産の登録証付きオーダーメイドモデルとして発売された。当時の価格で60ドル(現在の1134ドル位)、他のモデルが45ドル(現在の850ドル位)前後であったことを考えるとかなり高価な銃であった。世界最強のカートリッジが好きなのは今も昔も変わらない。発売はしたもののあまり期待していなかったS&W社は月産120挺程度を予定していたのだが、届いた注文は数千挺、レジスターマグナムは一躍人気商品となりS&W社はうれしい悲鳴を上げた。

 

M28ハイウェイパトロールマン

02_M28
(画像はwikipediaより転載)

 

 1939年には第二次世界大戦の勃発によって生産は一旦中止されるが、1948年には各部を改良したニューモデルを発売、1957年にはさらに改良が加えられM27として発売された。人気のあるM27であったが、警察官の中では特に人気は高く、装備したいののの高級品であるために中々手が出せないモデルであった。そこでテキサスハイウェイパトロールがS&W社に対して極限まで品質を落とした貧乏人用M27の開発を強く要求。その結果、1954年には、表面の美しいブルー処理は艶消しのブラッシュ仕上げ、銃身からフレーム上部に彫られていた乱反射防止チェッカリングは廃止、サイトやハンマー、トリガーは標準サイズのみとした貧乏人仕様のM27が発売、1957年にM28ハイウェイパトロールマンと命名された。

 

バリエーション

03_M327
(画像はwikipediaより転載)

 

 銃身の長さ以外にはバリエーションがほとんど存在しないM27/28であったが、1989年にはステンレス製のM627が発売、1996年にはまさかの装弾数8発のM627がS&Wパフォーマンスセンターから発売された。これはノンフルートシリンダー(シリンダーに溝がない)で、2.625インチ、4インチ、5インチ、6インチモデルがある。2003〜2004年にかけてスカンジウム合金とチタン合金で造られたM327が少量生産、これが市場で割とウケたため、2006年には競技用のTRR8と軍警察向けM&P R8が発売された。M&Pモデルはバレル下部に、TRR8はバレル下部とフレーム上部に20mmレイルが装備されている非常にメカニカルな外観となっている。2008年にはアンダーラグ(銃身下部についている錘)仕様のPD、NGが発売されている。

 

S&WM27/28(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは1972年にMGCがハイウェイパトロールマン41を発売、これは日本初のプラ製リボルバーであった。1976年にはCMCがM27を発売、1975年にはコクサイがMGCコピーの疑いが濃厚なハイパトを発売している。1981年にはコクサイがハイパトをリニューアル、1984年にはクラウンが組み立てキットを発売しており、近年ではタナカワークスが非常に完成度の高いペガサスシステム仕様のM327を発売している。

 

タナカワークス M327 ガスガン

性能(M327 4インチモデル)

全長 263mm
重量 900g
装弾数 16発

 タイムプルーフされたペガサスシステムを採用しているので作動は安定している。初速は60m/s前後と若干低めである。命中精度はリボルバーとしては良い方であるが、リボルバーは構造上、高い命中精度を出すのが難しい。ガスガンのリボルバーは「ロマン」を買うのだ。

 

まとめ

 

 M27とM28の違いが分かりにくいが、M27がオリジナルの高級モデル、廉価版がM28と考えると分かりやすい。357マグナムを使用できる銃は38スペシャル弾も撃つことができるため使い勝手が良いという特徴がある。因みに38口径のマグナムがなぜ「357」なのかというと38口径を正確に測定すると0.357インチであることに由来する。38口径は本来は35口径、または36口径と表記するべきなのだが38口径となってしまったためこのような混乱する名称になってしまうのである。

 

 

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ニューナンブM60
(画像はwikipediaより転載)

 

 ニューナンブM60とは、1960年に日本警察に初めて納入された国産リボルバーである。S&Wのリボルバーをベースに独自の改良を加えた銃で、命中精度はS&W社のJフレーム拳銃よりは高い。日本警察は2003年頃よりM37を制式採用しているため現在は生産されていない。

 

ニューナンブM60(実銃)

 

 

性能

全長 198mm
重量 670g
口径 38口径
使用弾薬 38スペシャル弾
装弾数 5発
設計・開発 新中央工業

 

背景から開発まで

 戦後の日本の警察官は当初は米軍から貸与された拳銃(一時的には南部十四年式等の旧日本軍の拳銃も使用した)を使用していたが、老朽化が進んだ上に種類も雑多であったため新拳銃の開発が志向された。

 

開発

 1956年9月、日本兵器工業会(のちの日本防衛装備工業会)が通産省指導の下に拳銃研究会を設置し検討を開始した。1957年には新中央工業(のちミネベアの一部門)が開発を開始した。新中央工業が開発した拳銃はリボルバーとオートの2種類であった。1959年11月性能試験が行われ、リボルバー型が採用、1960年に納入が開始された。尚、オート型はM57Aと呼ばれ、のちに自衛隊の次期制式拳銃のトライアルに改良型M57A1が提出されたが不採用となりSIGP220が制式採用された。

 ニューナンブM60はS&W社のリボルバーをベースとしており、装弾数は5発である。大きさはS&WのJフレームとKフレームの間位の大きさであり、固定サイトにグリップ下部にはランヤードリングが装備されている。バックストラップ部分は後方に張り出しており、S&Wのリボルバーと異なる独自の形状となっている。集弾性能は非常に良く25mで5cm程度にまとまる。

 生産当初の銃はシリンダーの強度に問題があったが、1961年以降生産品については問題は解消している。1964年からはサイドプレートのスクリューの数が3本に減らされ、1980年代にはシリンダーラッチの形状が変更、同時期にグリップパネルの形状も小指がはみ出さないように下部前方が延長されている。1999年に生産終了している。バリエーションとしては2インチ型と3インチ型があり、1960年代に153mm(6インチ)銃身にバレル下部にアンダーラ、フルアジャスタブルサイト、同グリップを装備したM60サクラという競技専用銃が3丁試作されている。

 

ニューナンブM60(トイガン)

 

概要

 トイガンでは、大友商会がニューナンブM60を発売していた。これはシリンダーのスイングアウトのみ可能なほぼ無可動ダミーカートもでるであった。発火式モデルガンではHSWから「J-police」として発売されているが、これはS&WのチーフスペシャルをニューナンブM60形状にしたモデルなので大きさが若干小さい。ガスガンはマルシンから8mm弾仕様と6mm弾仕様で「ポリスリボルバー」として発売している。これらのメーカーが「ニューナンブ」という名称を使用できないのは、ニューナンブという名称が商標登録されているからだそうである。

 

マルシン ポリスリボルバー ガスガン

性能(3インチHW)

全長 200mm
重量 415g
装弾数 5発

 「ポリスリボルバー」として新規に設計されたものなので今まで発売されたトイガンの中で一番完成度は高い。2インチ、3インチモデル、実銃にはないシルバーモデルも発売されている。シリンダー内部は改造防止のため切り抜きされている代わりにカートは真鍮製のフルサイズである。初速は60m/s弱で命中精度は「カート式リボルバーにしては」良い。

 

まとめ

 

 S&Wリボルバーの亜流といって良いであろう。命中精度は非常に高い。日本の国産兵器全般に言えることであるが、需要が国内のみであり競争にさらされていないために性能が「今ひとつ」である場合が多い反面、価格は非常に高い。これはあくまでも市場が小さいからであって製造メーカーが暴利を貪っている訳でもなく、むしろ赤字のメーカーも多い。ここまでして「国産兵器」に拘る必要もないと思うのだが、日本という国は変化することが苦手な国なので仕方がないのかもしれない。

 

 

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01_S&WM36
(画像はwikipediaより転載)

 

 チーフスペシャルとは、S&Wが1950年に発表した38口径リボルバーで重量はわずか554gであった。装弾数こそ5発と一般的なリボルバーよりも1発少ないものの小型リボルバーで38スペシャル弾を発射出来る銃というのは衝撃的であった。

 

チーフスペシャル(実銃)

 

 

性能

全長 160mm
重量 554g
口径 38口径
使用弾薬 38スペシャル弾
装弾数 5発
設計・開発 S&W社

 

開発

 第二次世界大戦直後から設計が始まり、1950年に発表されたS&Wの小型拳銃で、新規に設計されたJフレームにより小型リボルバーでありながら強力な38スペシャル弾を発射することが出来る。発売当初は「チーフスペシャル」という名称で呼ばれたが1957年以降はM36と改名されたが、以降も愛称として親しまれている。

 機構はミリタリー&ポリスで完成した従来のS&Wのリボルバー機構であるが、ハンマーのスプリングがリーフスプリングからコイルスプリングに変更されている。フロント・リアサイト共に固定式で、装弾数は5発、当初は2インチ銃身のみでグリップもラウンドバットのみであったが、1952年よりスクエアバットも用意された。ブルー仕上げとニッケル仕上げ、2インチ銃身と3インチ銃身のバリエーションがあった。

 1951年にはアルミニウム製M37エアウエイトが発売されるが、シリンダーの強度不足により1954年にはスチール製シリンダーに変更された。このM37は2インチモデルのみで、2003年には日本警察にも制式採用されている。1952年には、S&W創立100周年を記念して、センチニアルモデルが発売されている。これはハンマー内蔵式でグリップセイフティを装備した独特のリボルバーでスチールモデルをM40、アルミモデルをM42と呼んだ。1977年には生産終了したが、1995年にグリップセイフティを省略したモデルがM442として復活している。

 1955年にはフレームを延長してハンマーを覆って服などに引っかかりにくくしたM49ボディーガードが発売、1965年にはステンレス製M60が発売されている。翌年にはサムピースがフラットな楕円型から指にフィットする形状の現行型に変更さている。

 

チーフスペシャル(トイガン)

 

概要

 モデルガンは、1963年にMGCが発売したのが最初であり、1966年にはコクサイがMGCのフルコピーでチーフスペシャルを発売、1969年にはMGCがニューチーフスペシャルを発表、1975年には、CMCがチーフを発売している。これは1981年にリニューアルされ、のちに金型を買い取ったHWSによって再販された。1987年にはマルシン工業がガスガンでチーフスペシャルを発売、近年ではタナカワークスがモデルガン、ガスガン共に完成度の高い製品を発売している。

 

タナカワークス M36チーフスペシャル

性能

全長 160mm
重量 485g
装弾数 10発

 モデルガンメーカーのガスガンなので表面仕上げ等の完成度の高さは尋常ではない。細部に至るまで精巧に再現されている。エンジンはペガサスでカートは使用しないが、シリンダーは回転してスイングアウトは出来る。カート式でないためリアリティはないが、内部構造は実物同様である。これはカート式ではできない。初速は60m/s前後とリボルバーにしては高い。タナカ製ガスリボルバーは命中精度は比較的高いが、チーフは銃身が短くガスタンクも小さいため命中精度はそれほど高くはないが、5m先の10cm位の的の範囲内には命中する。

 

マルシン M36チーフスペシャル

性能

全長 163mm
重量 390g
装弾数 5発

 80年代以来のガスガンチーフスペシャルである。もちろん内部機構はブラッシュアップされているが基本的な機構は80年代のままである。カート式リボルバーで、シリンダー内は改造防止のため切り抜きされている。初速は30m/s強で命中精度もあまり良くはないが、そもそも命中精度を求める銃ではないので楽しめれば良いであろう。遊ぶための銃、つまりはロマン銃なのである。

 

タナカワークス M36チーフスペシャルモデルガン

性能

全長 160mm
重量 435g
装弾数 5発

 現行のM36モデルガンの中で最も完成度が高いと言っても過言ではないタナカワークス製チーフスペシャル。バリエーションが豊富なのもファンの気持ちをよく理解してくれている。特にジュピターフィニッシュは実銃と見分けがつかないほどの完成度の高さである。チーフのモデルガンで1挺といえばタナカワークス製が一番のおすすめである。

 

まとめ

 

 チーフスペシャルは人気はあるものの、映画、ドラマ等では今ひとつ目立たない銃である。しかし完成当初はわずか550gの小型リボルバーで大型拳銃が使用する38スペシャル弾を発射出来るというのは衝撃的であった。現在でも生産されている。何に使うのかは不明であるが、357マグナムを発射出来るモデルもある。

 

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M10ミリタリー&ポリス
(画像はwikipediaより転載)

 

 S&WM10ミリタリーポリスは、まさにマスターピースである。現在では今ひとつパッとしない拳銃という印象があるM10であるが、1920年代に登場して以来、現在に至るまで生産が続けられているということからみても安定した人気を獲得している銃といえる。S&Wのスタンダードであり、以後のS&Wのリボルバーに大きな影響を与えた革命的な銃であった

 

M10ミリタリー&ポリス(実銃)

 

 

性能

全長 237mm
重量 870g
口径 38口径
使用弾薬 38スペシャル弾
装弾数 6発
設計・開発 S&W

 

概要

 S&W M10は、アメリカの銃器メーカースミス&ウェッソン社が開発した回転式拳銃である。1957年にモデル名にナンバー制度を採用した以降、M10と呼ばれており、総数600万丁が生産された。誕生した19世紀から現在においてもS&Wのカタログにラインナップされている。

 ハンドエジェクターは1896年に32口径リボルバーとして開発されたが、米西戦争の戦訓により32口径では威力不足と判明し、1899年に米陸海軍はS&Wに38口径ロングコルトを使用するハンドエジェクターを発注した。これが現在まで続く38口径ミリタリー&ポリスの始まりである。

 S&WM10の性能は安定しており、タイムプルーフもされている。357マグナムは撃てないが、そもそも狩猟でも行かない限り357マグナムを使用する事態にはならない。普段の法執行者や一般市民は38口径で十分なのだ。このように考えると無駄の無いシンプルな拳銃だということが分る。

 現在でも生産されているということからもこの性能で十分だということだろう。基本構造はM29等の後に発売されるS&Wリボルバーとほとんど違いは無く、単に口径、強度の違いだけである。

 

バリエーション

 S&Wのリボルバーはフレームの大きさに対してアルファベットを振っているが、このミリタリー&ポリスのフレームはKフレームに該当する。銃身長は2インチ、2.5インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、6.5インチがある。

 1940年には38レギュラー弾仕様モデル(のちに「M11」というモデルナンバーが割り振られる)、1953年にはアルミ製モデルの「M12」、ターゲットモデルの「M14」マスターピース、「M15」コンバットマスターピース、22口径モデルの「M17」、1970年にはステンレスモデルの「M64」も発売された。

 

M10ミリタリー&ポリス(トイガン)

 

 M10、通称ミリポリは、モデルガンでは、コクサイ、タナカ等多くのメーカーが発売していた。ガスガンではマルシン、コクサイ、タナカが発売している。初期のマルシン製ミリタリー&ポリスはシリンダーストップが無かったが、現行モデルでは追加されている。シリンダーストップが無かった初期のものは、ストップしてくれないので、何発かに一発、フライヤーが発生していた。

 でもさすがはモデルガンメーカー、外観のリアルさとそこそこのパワーはワクワクさせるものがあった。コクサイ製ミリタリー&ポリスは「リボルバーのコクサイ」だけあってリアルな外観を持っていた。

 

タナカワークス S&WM10ミリタリー&ポリス ver.3

性能

全長 238mm
重量 600g
装弾数 13発

 タナカワークスのペガサスシステム搭載のM10。シリンダーは回転するがカートレスのため排莢はできない。モデルガンメーカーだけあって外観の完成度の高さは秀逸。実射性能は、装弾数13発、初速は70m/s前後と平均的。オートに比べると構造上劣ってしまうが命中精度は比較的高い。

 

まとめ

 地味なM10であったが、発売当初は画期的な銃だった。あまりに画期的であり、パラダイムシフトを起こしてしまったという言い方もできる。ミリポリが無い状態というのが理解できなくなってしまったのかもしれない。シルエットは非常にバランスがとれて美しい銃である。

 

 

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