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9mmパラベラム弾

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP5とは、1960年代にドイツのH&K社が開発したサブマシンガンでローラーロッキング方式、クローズドボルト方式を採用しているため命中精度が高く、同時に価格も高いサブマシンガンである。高価格高性能であるが故、予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。イギリス軍特殊部隊SASが採用しており、日本でも警察特殊部隊等が採用している。

 

MP5(実銃)

 

 

性能

全長 550mm(ストック展開時700mm)
重量 3,080g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 30発
設計・開発 ティロ・メーラー / H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代に入ると西ドイツにおいて大量のサブマシンガンの需要が発生、これに対してH&K社は1964年よりサブマシンガンの開発を開始する。ベースとなったのはスペインセトメ社のセトメ自動小銃でこのセトメ自動小銃が改良された結果、G3自動小銃として西ドイツ連邦軍に制式採用された。この開発の過程でH&K社はG3のスケールダウンモデルを計画、9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガンを開発した。このサブマシンガンはHK54と命名され、西ドイツ軍の制式サブマシンガントライアルに出品したものの、政治的な理由からイスラエル製UZIサブマシンガンが制式採用された。これに対してH&K社は警察向け、輸出向けに販売すべく計画を変更、サイトやバレルに改良を加えた発展型モデルとしてMP5が完成した。

 作動方式はローラー遅延ブローバック方式である。この方式は通常のブローバックがボルトの質量でボルトの後退を遅らせるのに対して、ボルトに設置されたローラーが銃本体の溝に引っかかることにより、その抵抗によってブローバックを遅らせる方式である。この方式は薬室内の圧力が低下してからボルトが後退するため、命中精度が高くなり、さらにクローズドボルト方式を採用していることもありサブマシンガンとしては非常に高い命中精度を実現した反面、この方式は単純なブローバック、オープンボルト方式に比べ高性能な分、部品点数が多くなるため高価格となってしまうという問題点もあった。

 しかしMP5は完成すると、1966年には西ドイツ連邦国境警備隊に採用、1970年代後半にはイギリス陸軍特殊部隊SASも採用された他、比較的予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代から続くベストセラーのためバリエーションは多い。オリジナルのMP5は固定ストック仕様のものでこれを伸縮式ストックに改良したのがA1、第一期改良型の固定式ストックモデルがA2、同改良型の伸縮式ストックモデルがA3、第二期改良型の固定ストックがA4、伸縮式ストックがA5となっている。

 これらとは別にコンパクトモデルとしてMP5Kシリーズがあり、固定リアサイト装備のA1、3点バースト機能を備えたA4、その両方を備えたA5、折りたたみ式ストックを装備したPDWモデルがある他、特殊部隊向けにサプレッサーを装備したSDシリーズがある。このSDシリーズは、ストック無しのSD1(3点バースト機能装備はSD4)、固定ストックのSD2(同SD5)、伸縮式ストックのSD3(同SD6)がある。そのほか民間向けにバレルが延長されセミオート仕様としたのHK94、珍しいモデルとしては10mm弾仕様のMP5/10、40S&W弾仕様のMP5/40、357SIG弾仕様のMP5/357がある。

 

MP5(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがコッキング式エアガンとしてMP5A3を発売、1987年にはファルコントーイがフルオートガスガンでMP5K、1988年には東京マルイがガスフルオート排莢式のA3、1989年にはMGCが電動ガスガンとしてMP5K、1990年にはファルコントーイがSD3、1991年にはMP5Kを発売、同年、JACがガスフルオートで3点バースト機能を装備したA5、SD5を発売している。電動ガンとしては1992年に東京マルイが電動第3弾としてA4、A5を発売したのを皮切りに2004年までほぼ毎年のようにバリエーション展開を行っていた他、2009年と2012年にはハイサイクルモデルも登場している。さらに2021年8月18日には東京マルイから次世代電動ガンで発売されている。他にも人気モデルのため、海外メーカーも数多く発売している。

 

東京マルイ MP5A5 次世代電動ガン

性能

全長 500mm(ストック展開時660mm)
重量 3,100g
装弾数 72発
初速 90m/s前後
定価 59,800円

 2021年に東京マルイが満を持して発売したMP5である。東京マルイの最新技術がふんだんに盛り込まれている2021年時点での電動ガンの最高傑作と言って良い。このモデルはこれまでの同社製MP5の外装が樹脂製であったのに対して亜鉛合金を採用、サイトや各パーツも金属を多用しているため剛性が高く、重量も実銃と同様の重さを再現している。

 フロント・リアサイトも正確に作り込まれており、エジェクションポートも金属製で射撃に際しては作動するようになっている他、「HKスラップ」と呼ばれるボルトハンドルを引いた状態からハンドルを手で下に叩きつけることでカートリッジの装填を行う機能が再現されている等、リアリティを追求したモデルとなっている。

 実射性能も高く、このモデルで新たに採用されたMシステムにより3点バースト射撃も可能となっている。このMシステムはトリガーコントロールにIC回路を組み込んだもので3点バースト以外にもレスポンスの向上やセミオートの「切れの良さ」をも向上させている。東京マルイ製であるので命中精度も非常に高いことからこれまでにモデルアップされたMP5の中でも最高のモデルであるだけでなく2021年時点での最高の電動ガンと言うことが出来る。

 

東京マルイ MP5A5 ハイサイクル電動ガン

性能

全長 535mm(ストック伸長時660)
重量 2,430g
装弾数 400発
初速 82m/s前後
定価 31,800円

 外装は樹脂製であるが強度の必要なパーツは金属製で出来ており再現性は高く、剛性もしっかりしている。ハイサイクルモデルのため高速モーターに合わせて内部パーツも通常の電動ガンに比べて耐久性の高いものに変更されている。弾倉はドラムマガジン仕様で装弾数は400発、重量は2.4kgとかなり軽量で実銃譲りの取り回し易さと相まって実用本位の電動ガンといえる。命中精度や直進性に関しては非常に良いというまさに究極のウェポンである。

 

まとめ

 

 MP5は通常のブローバック、オープンボルト式に比べ構造が複雑になっているため高価格ではあるが、同時に高性能でもあるので多くの国の法執行機関で制式採用されている銃である。1960年代の銃であるが、大きな改良をされることなく現在まで世界中で使用されている傑作中の傑作サブマシンガンである。

 

 


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01_スターリング
(画像はwikipediaより転載)

 

 スターリングとは、第二次世界大戦中に開発がスタート、1953年にイギリス軍に制式採用されたサブマシンガンで円筒型のレシーバーの左側にマガジンが装着されており、ストレートブローバック、オープンボルトのシンプルな構造になっている。イギリス軍において30年以上使用され続けたがL85の制式採用により廃止された。

 

スターリング(実銃)

 

 

性能

全長 483mm(ストック展開時690mm)
重量 2,72g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 34/20/10発
設計・開発 スターリング・アーマメンツ社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 スターリングサブマシンガンは、第二次世界大戦中にイギリスで開発されたステンサブマシンガンを近代化したモデルともいえるサブマシンガンで形状や操作性に類似点も多い。全体はパイプ状のレシーバーに円筒形のボルトが組み込まれており、マガジンはカートリッジの装填をスムーズにするためにバナナ型に設計され、左側に水平方向に挿入するように設計されている。作動はシンプルなブローバック、閉鎖機構はオープンボルト式で、ボルト表面には侵入してくる塵や砂を自動的に排除するための螺旋溝が切られている。ストックは前方に折り畳まれており、下に半回転させることでストックとして使用することができる。

 設計はジョージ・ウィリアム・パチェットによって1942年より開始され、1943年よりイギリス軍による審査が開始された。1944年には20挺の調達が指示されており、一部実戦に投入されたという情報もあるが定かではない。第二次世界大戦後も開発は続けられ、1953年9月にはL2A3としてイギリス軍に制式採用、以後30年にわたってイギリス軍で使用され続けた。1985年には5.56×45mmNATO弾を使用する自動小銃であるL85が制式採用され、サブマシンガンを自動小銃に一本化することが決定、湾岸戦争を最後に退役しているが、一部地域では現在でも使用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 イギリス軍に制式採用されたL2A1(Mk.2)、1955年に製造が開始された改良型のL2A2(Mk.3)、1956年に製造開始のL2A3(Mk.4)、サプレッサーを内蔵した特殊モデルであるL3A1(Mk.5)、民間向けのセミオートモデルであるMk.6、ストック無しの短銃身モデルであるMk.7がある。

 

スターリング(トイガン)

 

概要

 1973年にMGCが金属製モデルガンを発売、1985年にはJAC、1989年にはアサヒファイアーアームズがガスフルオートで発売している他、海外メーカーではS&Tが電動ガンで発売している。

 

まとめ

 

 独特の形状を持つサブマシンガンであるスターリングサブマシンガンは70年代から80年代にかけて日本において人気が高いサブマシンガンであった。バレルジャケットには多くの通気孔が空けられ、先端部には銃剣を装着するための着剣ラグが装備されている。総生産数は40万挺以上で世界90ヶ国で制式採用された傑作サブマシンガンである。

 

 


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(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPとは、ドイツのH&K社が米軍特殊部隊の要請に応える形で1999年に開発したサブマシンガンである。それまで一般的であった9mm弾を使用するサブマシンガンではストッピングパワーが不足するため45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発された。全体はグラスファイバーを混入したプラスチックを多用しているため軽量で錆にも強い。当初は45ACP弾仕様だけであったが、のちに9mm弾、40S&W弾仕様モデルも発売された。

 

UMP(実銃)

 

 

性能(45ACP弾仕様)

全長 450mm(ストック展開時690mm)
重量 2.3g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾
装弾数 25発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_ump
(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPは米軍特殊部隊の要請を受けてH&K社が1999年に開発したサブマシンガンで、当時は一般的にはサブマシンガンは9mmパラベラム弾を使用するのが一般的であったが、現場では9mmパラベラム弾の威力不足が指摘されていた。このため本銃は十分なストッピングパワーを持つ45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発がスタートした。

 UMPはフレームやマガジンを始め内部パーツにまでグラスファイバーを混入したプラスチックで製造されているため、軽量で生産性に優れている他にも錆にも強いという特性を持っている。作動方式はブローバック式で閉鎖機構はクローズドボルト方式を採用している。セレクターは左右兼用でセミ・フルオート切替式、サイトはVノッチとピープ式を選択できるアイアンサイトが標準装備であるが、銃上面、下面にピカテニー規格の20mmレイルが装備されており、必要に応じて光学照準器を装備することができる。

 ストックは本体同様プラスチック製の折りたたみストックが装備されており、特殊部隊用に開発された製品のため脱着式のサイレンサーも供給されている。民間向けにもセミオートモデルが販売されているが、主にユーザーは法執行機関であり、米軍第5特殊作戦群を始め、米国国境警備隊、カナダ警察特殊部隊、オーストラリア特殊部隊を始め20ヶ国以上の国の法執行機関で制式採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 特殊な銃器のためバリエーションは多くないが、9mmパラベラム弾仕様のUMP9、40S&W弾仕様のUMP40、民間向けセミオートモデルが発売されている。

 

UMP(トイガン)

 

概要

 電動ガンがUMAREX、UFC、G&G、ARES、S&T、ダブルイーグル等から発売されている。

 

まとめ

 

 UMPの構造は非常にシンプルであり発射機構もブローバック式である。さすがにオープンボルトは採用していないものの機構もシンプル、素材もグラスファイバー混入のプラスチックで全体的に無駄のない極めて合理的なサブマシンガンである。しかしクローズドボルト方式を採用しているため命中精度は高いという非常に完成度の高いサブマシンガンとなった。

 

 


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ジェリコ941
(画像はwikipediaより転載)

 

 1990年に発売されたイスラエル製ハンドガンがジェリコ941である。アメリカでは「ベビーイーグル」とも呼ばれている銃で、現在でも販売が続けられているロングセラー商品である。ガスガンではKWCやハドソン産業が製造しており、アニメ『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊』でバトゥが使用する等、一部のファンには知られている銃である。

 

ジェリコ941(実銃)

 

 

性能

全長 207mm コンパクトモデルは184mm
重量 1092g(フルサイズ スチール)890g(フルサイズ ポリマー)
口径 9mmパラベラム、40S&W、41AE
使用弾薬 9mmパラベラム弾, .40S&W弾, .41AE弾, .45ACP弾(一部モデル)
装弾数 16+1(フルサイズ)13+1(コンパクト)

 

特徴

 ジェリコ941は、イスラエルの兵器製造コンツェルンであるイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社(IMI社:現イスラエル・ウェポン・インダストリーズ社(IWI社))によって開発、1990年に発売された自動拳銃で「ベビーイーグル」とも呼ばれている。

 ジェリコ941は日本では1999年のアニメ『カウボーイビバップ』に登場したことで一部のファンの間では有名だが世間は誰も知らないそれなりにマニアックな銃と言える。ただ、一部のファンには好まれるようで、上記、『カウボーイビバップ』の他にも攻殻機動隊においてバトーが使用する銃として作品中に登場する。

 デザインはデザートイーグルを意識したものとなっている。実際、外観はデザートイーグルに似ており、スライドを包み込むタイプのフレームは、CZ75の影響を受けていることが分かる。特徴は、9mm以外にもコンバージョンキットを利用して40S&W、41口径と使用弾薬を替えることができる。 名称で分かるようにジェリコ941は当時、40S&Wと競合していた41口径弾を使用できることが売りであったが、現在では41口径弾が市場からほぼ駆逐されてしまっている。

 バリエーションは、スチールモデルとポリマーフレームモデルの2種類が存在し、それぞれにフルサイズ、セミコンパクト、コンパクトの3種類のモデルが存在する。口径は9mmと40S&Wのみで、スチールモデルのセミコンパクトのみ45口径モデルが存在する。45口径モデルはこれとは別にジェリコ945と呼ばれるモデルが存在する。

 

ジェリコ941(トイガン)

 

 残念ながらモデルガンでは発売されていないが、エアガスガンではハドソンが随分前にガスブロを発売しているが、こちらは作動がイマイチでガス漏れもする。しかしモデルガンメーカーだけあって再現性に関しては評判が良い。最近では台湾のKWCがCO2モデルのガスガンを発売している。

 

ハドソン産業製ジェリコ941

性能
全長 208mm
重量 765g
口径 6mmBB弾
装弾数 6mm 24発
パワーソース フロンガス

 

 2003年にモデルガンメーカーの老舗ハドソン産業が発売したガスブローバックガンである。1960年代からモデルガンを製作していたメーカーだけあって外観の完成度の高さは素晴らしく、トリガーガード内側のパーティングラインも丹念に処理されている。疑似的なショートリコイル機構を装備している上にバレル内のライフリングもポリゴナルを再現しているという意欲作である

 ブローバックエンジンにはマルゼンのシステムを使用しており問題は少ないが、実射性能に関しては安全装置をしても引き金が引けてしまったりと問題も多い。最大の問題はバルブは独自快活のBVSというシステムを採用したために異常にガス漏れが多いことだ。2007年頃に改良型が発売されたが当時のエアガン業界の水準には遠く及ばなかった。

 作動性能は完全にアウトではあるが、モデルガン的な見地で観れば後述KWC社製に比べるとブローバックをすることや外観の精度の高さから本モデルが最も完成度の高いジェリコ941トイガンと言えるだろう。

 

KWC製ジェリコ941

性能
全長 205mm
重量 800g
口径 4.5mm、6mmBB弾
装弾数 4.5mm 22発、6mm 15発
パワーソース CO2ガス

 

 日本ではあまり知られていないが、台湾台南市に拠点を置くKWC社がジェリコ941のガスガンを発売している。固定スライド方式でCO2ガスで発射する。口径は4.5mmと6mmBB弾モデルが発売されている。

 KWC社のジェリコは金属製スライド、プラスチック製フレームで構成され、ダブルアクションのみ、ハンマーはダミーであるためコッキングすることはできない。機構は80年代の日本の固定スライドガスガンに近い物だと考えると良いだろう。

 命中精度は5mで4cm程度と比較的良好であるが、トリガーがダブルアクションのみでありさらに重いのが難点である。

 

 

まとめ

 

 日本ではあまり有名でないジェリコ941であるが、現在も製造販売されている。アメリカでは主にベビーイーグルという名称が一般的なようだ。日本では上記有名なアニメの脇役として存在感を出しているが知名度はあまり高くない。しかし、現在では主流のポリマーフレームも採用しており、古さを感じさせないデザインは魅力的である。

 


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(画像はwikipediaより転載)

 

 S&W M&Pとは、2005年にS&W社が発表したポリマーフレームオートである。M&Pはミリタリー&ポリスの略で、100年前にリボルバーの歴史を変えたS&W社の名銃ミリタリー&ポリスの名を継承していることからもS&W社の期待の度合いが分かる。市場での評判も良く、グロックには及ばないものの人気のあるポリマーフレームオートの一つである。

 

S&W M&P(実銃)

 

 

性能

全長 190mm
重量 680g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 17+1発
設計・開発 S&W社

 

背景から開発まで

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(画像は伝説のシグマ wikipediaより転載)

 

 1994年、最近流行の「グロック風」ポリマーフレームハンドガンを製作したS&W社。あまりにも「グロック風」であったため、本家グロック社から裁判を起こされる始末。結局、和解金を支払い、設計を変えることで和解。つまりはS&W社の完全敗北であった。「やっぱり「グロック風」はだめだよね!」ということでS&W社がちゃんと作ったポリマーフレームオートがMPである。

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MPの開発は、シグマとワルサー社とのコラボモデルであるSW99の設計を進化させたものであるが、シグマとの部品の互換性は全く無い。相当な自信作であったらしく、S&W社の名銃「ミリタリー&ポリス」の名称を継承させた。発売は2005年で、スライドとバレルはステンレス製、フレームはステンレスのインナーフレームとポリマーの外装で構成されている。

 グリップ後部のストラップは交換可能であり、SMLサイズのストラップが製品に付属している。スライドストップは左右から操作することが可能であり、マガジンキャッチも付け替えることで左利きのユーザーにも対応している。薬室にカートリッジが装填されているかどうかを確認するインジケーターはスライド上部に位置している。トリガーはポリマー製で上下に分割されており、下部のトリガーを引くことで安全装置が解除、引き切ることで撃発する。トリガープルは競合のグロックの2.5kgに比べ2.9kgと若干重く、ポリマー特有の「ねばり」が出るため好みが別れるところである。

 最大の特徴は、人間工学を非常に考慮した設計で、グリップの形状からグリップアングルも全て理想的な形状に設計されておりボブチャウカスタムのように全体的にエッジが削られて丸みを帯びている。特に素晴らしいのはバレルの位置で、バレルが低い位置に設定されているため射手は自然な感覚で照準をつけることが出来る上に反動の抑制も容易になっている。現在のところグロックには勝てないものの市場での人気は上々である。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 お約束のコンパクトモデルの他にも口径や銃身長に多くのバリエーションがあり、M&P○○(○○内には口径の数字が入る)と表記される。バリエーションの中でも内部構造を変更したのが2017年のM&P2.0でフレームのステンレス製インナーシャーシが延長され強度が増した上に、トリガーシステムも変更されている。

 

S&W M&P(トイガン)

 

概要

 2014年8月1日に東京マルイよりM&P9がガスブローバックモデルとして発売されている。2009年10月の発表当初はM&P45の予定であったが、最終的にはM&P9となった。VカスタムやPCカスタム等のバリエーション展開も行っており、現在でも発売中である。

 

東京マルイ S&W M&P ガスブローバック

性能

全長 194mm
重量 620g
装弾数 25+1発

 最近の製品であるためスライド上部のインジケーター内に真鍮パーツを入れることで薬室に装弾されている状態を再現する等、外観は非常に凝ったものである。グリップ後部のパームスウェルも実銃同様に3種類が同梱されており射手の好みで選ぶことができる。初速は70m/s前後に設定されており、命中精度も非常に高い。バリエーションもVカスタム、PCポーテッドにFDEカラー等もあり選択肢が多いのも魅力的。サードパーティーからのパーツも豊富にあるため自分だけのM&P9を作ることもできる。

 

まとめ

 

 シグマで大コケしたS&Wであったが、M&Pの成功によってその経験は生かされてることになった。ステンレス製のインナーシャーシや発射機構、敢えて隙間を作ることで砂や埃を自然に排除するスライド等、S&W社独自の工夫も施されている完成度の高いハンドガンである。

 

 

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(画像はwikipediaより転載)

 

 M1951とは、 ベレッタ社が1951年に発表したベレッタ社初の9mmパラベラム弾使用の大型拳銃でシングルアクション、シングルカラムマガジンを持つ自動拳銃である。世界各国で制式採用され大ヒットとなる。のちにはダブルアクション、ダブルカラムマガジンに改良した92が米軍に制式採用された。

 

M1951(実銃)

 

 

性能

全長 194mm
重量 935g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
設計・開発 トゥリオ・マレンガーニ / ピエトロ・ベレッタ社

 

概要

02_M1951
(画像はwikipediaより転載)

 

 ベレッタM1951 はトゥリオ・マレンガーニによって設計されたベレッタ社初の9mmパラベラム弾を使用する自動拳銃である。1949年より設計を開始、1951年に完成した。同年イタリア陸軍に制式採用、1956年から本格的に生産されることになった。当初はフレームに軽量合金を使用していたが強度不足が判明したため、1955年頃より発売されたセカンドバージョンからはスチール製に変更されている。これによって重量は250g増したが強度不足は完全に解消されている。1975〜76年にはベレッタ92用に開発された合金を使用したフレームを装備したモデルが少数生産されている。

 ベレッタM1951は、M1934をベースに口径を9mmパラベラム弾仕様に変更。それまでの380ACPよりも高圧のカートリッジに対応するために、ワルサーP38系統の独立ロッキングラグを持つショートリコイル方式を採用している。スライドはM1934と同じ、オープンスライド方式で、この大きく切り取られたスライドは強度の点では問題は残るものの、バレルの放熱という点でも有利でスライド自体が軽いことで反動の軽減にも役立っている。

 マガジンはシングルカラムで装弾数は8発、セイフティはグリップ側面上部に設置されている押しボタンタイプのものだ。シングルアクションであるのものの、バランスの良いシンプルな拳銃であった。イタリア陸軍以外にもイスラエルやエジプト、イラク軍等世界各国で制式採用された。このM1951をダブルアクション、ダブルカラムマガジン化した92は1985年に米軍にM9として制式採用されている。

 

M1951A(またはR)

 ベレッタM1951のバリエーションとしては、フルオート機能搭載のM1951A(Rとする資料もあり)がある。これはM1951にフルオート機能を搭載し、さらに銃身下部にフォアグリップを付けたものだ。フォアグリップは太い木製で前面部にはフィンガーチャンネルが付いている。装弾数は10発に増加され、さらに15連マガジンも開発された。無論8連マガジンも使用可能である。

 

M1951エジプト・タイプ

 1957年にエジプトからの発注で、銃身を長めにしリアサイトが角型に変更された。さらにグリップ側面にあったマガジンキャッチをグリップ下部に変更。さらにランヤードリングが付けられた。グリップ後部はストレート仕様となり、グリップパネルはチェッカリングに変更された。約50,000丁が生産されている。

 

M52スペシャル

 7.62mm口径の射撃競技専用に開発されたモデル。装弾数は8発で全長は4センチほど延長されている。

 

M51/57ベルハマ

 銃身を長めに変更しアジャスタブルリアサイトを装着した。グリップはサムレスト付きのもので口径は9mm、装弾数8発。

 

M1949オリンピック

 ベレッタ社初のターゲットピストルである。22LR弾仕様で銃身長は201mm、マズルコンペンセイターとバレル下部にバランサーが装着されている。

 

M92

 M1951をダブルアクション化し、ダブルカラムマガジンを採用したモデル。これがさらに改良されてM92Fとなる。

 

M1951(トイガン)

 

 トイガンでは発売されていない。

 

まとめ

 

 ベレッタM1951は、1980年まで生産されたが、時代はダブルアクション、ダブルカラムマガジンに移行しつつあり、このM1951もそれらを備えたM92へと移行していくことになる。このM92は、現在でも第一線で使用され続けていることから見てもこのM1951の設計の優秀さが分かる。

 

 

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01_VP70
(画像はwikipediaより転載)

 

 VP70とは、H&K社が1970年に発表した自動拳銃で、シンプル、低価格を実現させようとした銃で、世界初のポリマーフレームを採用し、9mmパラベラム弾使用でありながらストレートブローバック機構とするなど挑戦的な銃であった。専用ストックを装着することで3点バーストができるという面白ギミックもある。

 

VP70(実銃)

 

 

性能

全長 204mm
重量 820g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 18+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 VP70は、1970年にH&K社が開発した自動拳銃である。VPとは「Volkspistole(人民ピストル)」の略で、これは第二次世界大戦末期に即席で編成された国民突撃隊が装備する予定であったピストルの事で、このコンセプトを受け継いだVP70は特に貧乏な国の軍や警察向けに低価格で良く動くけど壊れないという銃を目指して設計された。

 1968年に設計が完了、1970年に発表されたVP70は、H&K社らしく非常にユニークな銃で、使用弾薬は9mmパラベラム弾でありながらストレートブローバック方式を採用した。このストレートブローバック方式というのはカートリッジの発射時の爆発力でスライドを後退させる自動拳銃では最もシンプルな機構であるが、高圧力のカートリッジだと質量の関係で弾丸が発射される前にスライドが後退してしまうので通常9mmパラベラム弾等の高圧力カートリッジを使用する銃では弾丸の発射とスライドを後退に時差をつけるために緩衝装置を使用する。

 但し、あくまでも弾丸とスライドの質量の問題なのでサブマシンガン等は質量のあるボルトを採用することで9mmパラベラム弾のストレートブローバックを採用しているモデルもある。VP70はこの方式を採用し、スライドの質量を増やすことで9mmパラベラム弾のストレートブローバックを可能にした。ただ、これだけだとスライドの質量がサブマシンガン並みになってしまうため、銃身内にあるライフリングを通常よりも深くしてカートリッジ発火時のガスを前方に逃がすという工夫をしている。

 撃発機構も元々シンプルなストライカー方式をさらに簡略化したもので、ストライカー方式の撃針をトリガーで引き切るというものであった。昔の「銀玉てっぽう」のようなものを想像すると分かりやすい。このようにこれでもかというくらい単純な構造を採用したことにより部品点数を減らすことに成功。同時にフレームをポリマーにするという思い切った設計を行った。このポリマーフレームは軽量で金属と異なり錆び等に強く、極寒地においても金属のように皮膚が付着しないという特徴がある。このポリマーフレームは現在では当たり前であるが、VP70で採用したのが世界初であった。

 シンプルな構造にポリマーフレームとユニークな銃であるが、さらにユニークなのがホルスターにもなる専用ストックで、このストックを装着すると3点バースト射撃が可能となる。これはサブマシンガンの代用として使用することを想定したものであり、このためVP70の装弾数も18発と多い。

 以上のように非常に革新的な銃であったが、問題が無かった訳ではない。いや、むしろ問題だらけだったと言って良い。ポリマーフレームの採用により重量の軽量化には成功したものの、銃は大型化し、トリガーフィーリングはリボルバーのダブルアクション並みに重くなってしまった。さらに上記のような構造のストレートブローバックを採用したことにより、ライフリングの溝から大量のガスが抜け出し、作動はするものの威力は380ACP並みに落ちてしまった。

 ストレートブローバックのため反動は非常に強く、質量のあるスライドは重く鋭いリコイルを作り出した。このため通常の9mmパラベラム弾使用のハンドガンに比べて威力は弱く、命中精度も酷い上に、通常のカートリッジよりも威力の強い「+P」や火薬の圧力が一定していないカートリッジを使用すると頻繁に装填不良を起こしてしまうという性能的にはいいところが一つもないと言ってもよいほどのものになってしまった。

 このような試作品のような銃であったが、H&K社は、ポリマーフレーム用の生産ラインを新規に作るためにした多額の投資を回収するためなのか、VP70の設計者が社長にでもなったのかは分からないが、生産は1989年まで何と20年間も行われた。さすがにバリエーションは少なく、グリップからフィンガーレストを廃したVP70M、これをさらに民間向けにセミオートのみとしたVP70Z、使用弾薬を9×21mmIMI弾としたVP70 9×21があるのみである。

 

VP70(トイガン)

 

概要

 1981年にMGCがモデルガンとしてモデルアップ。専用ストックも発売された。専用ストックを使用した3点バーストは作動が非常に不安定であり、一時期は「○○店のストックは性能がいい」等という都市伝説までささやかれた。1988年にはヨネザワがエアガンとして発売、近年ではタニオコバがガスブローバックとして発売している。

 

まとめ

 

 VP70は、商業的には失敗と言って良い製品であったが、この銃での技術的な挑戦はポリマーフレームを生み出した。保守的な設計であることも重要であるが、失敗を恐れずに新しく挑戦し続けることが技術を進歩させる。VP70の失敗はのちの世代に大きな成功をもたらしたといえる。

 

 

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01_P220
(画像はwikipediaより転載)

 

 SIG P220とは、スイスのSIG社が1974年に開発したダブルアクションオートマチックハンドガンである。ダブルアクション機構に加え、フレームをアルミ合金とし、プレス加工を採用したのが特徴で、それまでのP210に比べて約20%程度の重量軽減となった。しかし品質は高く、現在でも多くの法執行機関、ユーザーに愛用されている銃である。

 

SIG P220(実銃)

 

 

性能

全長 198mm
重量 810g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 9発
設計・開発 SIG社

 

開発

02_P220
(画像はwikipediaより転載)

 

 SIG社のP210に代わる新型拳銃への模索は1950年代から始まっていた。P210はスイスの精密機械技術の粋を集めた傑作ハンドガンといって良い銃であったが、削り出しで製造コストが高く、フルロードすると1kg前後になる重量やシングルアクションであることが弱点であった。このためSIG社は、P210の弱点を修正したダブルアクション機構を持つオートマチックハンドガンの開発が求められていた。

 これに対してSIG社は1958年には第一次試作を完成させる。これはP210のスライドをプレス加工とした程度の改良であった。1966年の第二次試作では加えて軽金属フレームを採用したが、これらは未だP210の改良型といっていいものであった。試作は以降も続けられ、徐々にP210のスタイルから脱却、角ばった外観を持つダブルアクションオートに変貌していき、1974年、P220が完成する。SIG社はついにP210の弱点を克服したダブルアクションオートの開発に成功したのであった。その後、スイス軍の次期制式採用トライアルに合格、1975年にはP75として制式採用された。

 P220は、スライドはプレス加工、フレームはアルミ合金製でダブルアクション機構を搭載していた。サムセイフティが廃止された代わりにフレーム左側面、トリガー後方にデコッキングレバーを搭載、これによって薬室にカートリッジが装填されている状態でもダブルアクション状態に復帰させることができるようになった。口径は9mmで他にも45口径、38口径(38スーパー弾)、7.65mm等のバリエーションがある。現在は主にアメリカ人の大好きな45口径モデルを中心に販売されている。全モデル弾倉はシングルカラムである。

 米国での販売は、SIG社の販売網が米国で確立していなかったため、1977年から45口径モデルがブローニング社によって輸入されBDA(ブローニング・ダブルアクション)として販売されたが、折しも米国ではアルミフレーム不信が広がっており、スチール製スライドにアルミフレームを持ち、米国では馴染みの薄いヨーロピアンスタイルのマガジンキャッチを持つ珍妙な形状のP220は米国の市場では全くウケず1980年には販売を終了した。

 1982年には、世界の趨勢はダブルカラムマガジンになりつつある中、何故か日本の自衛隊が9mmモデルを制式採用するという珍事が発生、直接輸入すれば安いものの新中央工業によってライセンス生産されることとなった。このP220は9mm拳銃という名称で制式採用され、現在でも使用されている。

 

バリエーション

03_P225
(画像はwikipediaより転載)

 

 当初はグリップ下部に位置していたマガジンキャッチは、現在ではトリガー後方に位置するタイプがメインで、口径も10mmが追加された他、ダブルアクションのみ、シングルアクションのみのモデルが発売されている。シングルアクションモデルには安全面を考慮してサムセイフティが装備されている。他にも20mmレイルを装備したP220R、3.9インチバレルにフルサイズのフレームのP220キャリー、グリップも短縮したP220コンパクト(装弾数6発)、サプレッサーの装着が可能であり、フラットダークアースで塗装された45口径モデルであるP220タクティカル等、多くのバリエーションが存在する。

 

SIG P220(トイガン)

 

概要

 モデルガンではMGCが1983年にオリジナルP220をモデルアップ、1988年にはコクサイがエアーコッキング式で翌年には固定ガスモデルとして発売している。他にも1989年にはLSがエアーコッキング式、固定ガスでモデルアップ、1997年にはタナカワークスがガスブローバックで発売しているが、P226の蔭に隠れて今ひとつ目立たない存在であるといえる。近年ではタナカワークスがモデルガンとしてP220をモデルガンとしてバリエーション展開している。

 

タナカワークス SIG P220 ガスガン

性能

全長 208mm
重量 890g
装弾数 20発

 初速70m/s前後と平均的。命中精度は高いが個体差がある。エンジンはWA製のマグナブローバックであるがWA製ガスハンドガンと異なり可変ホップを搭載している。モデルガンメーカーのため外観の再現性は高い。本体の素材はABS、HWでオリジナルP220の他に自衛隊バージョン(陸海空)がある。

 

タナカワークス SIGP220 モデルガン

性能

全長 195mm
重量 650g
装弾数 9発

 モデルガンメーカーのモデルガンでるため外観の完成度の高さは秀逸。現在入手できる唯一のモデルガンであるためP220が欲しいモデルガンファンにとっては一択である。CAWがMGC製P220を製造してくれれば良いのだが。。。それはともかくカートもEVO2となり作動性も向上したが、モデルガンなのでガスブローバック程の作動を期待してはいけない。

 

まとめ

 

 P220は、『アメリカンスナイパー』の主人公クリスカイルが一時期使用していた銃でもある。米軍では9mm銃がメインであるが、実戦ではやはり45口径の破壊力が威力を発揮するようだ。特に麻薬等を使用していた場合、9mmでは歯が立たないという。削り出しからプレス加工に代わったP220であるが、P210の高品質はしっかり受け継がれており、現在でもP220は、45口径モデルを主力としてセールスを伸ばし続けている。

 

 

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01_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K P7とは、1976年にH&K社が発表した9mmオートマチックハンドガンである。あまりにも独特の形状で有名な銃である。ガス遅延ブローバック、スクイズコッカーを採用、携行性と安全性を両立させた。バレルが固定されているため命中精度は高いが、構造上拡張性がほとんどなくバリエーション展開、マイナーチェンジ等が行われることはほとんどなかった。

 

H&K P7(実銃)

 

 

性能

全長 171mm
重量 780g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K社が開発した自動拳銃で、1976年に西ドイツ警察にP7として制式採用された。外観を見ても分かるようにかなり独特な構造を持ったハンドガンである。プレス加工を多用したストライカー方式のオートマチックハンドガンで初期のモデルはシングルカラムマガジンを採用している。最大の特徴はガス遅延式ブローバックとグリップ前部にあるスクイズコッカーである。

 

ガス遅延ブローバック

 オートマチックハンドガンは小型のものであれば反動を利用したストレートブローバックで作動させることが出来るが、9mmパラベラム弾等の高圧カートリッジになると何かしらの方法でブローバックを遅延させる必要がある。何故かというと、カートリッジ内の火薬が発火した際、弾丸が発射されるが、同じ圧力が銃自体にもかかる。小型のカートリッジの場合は、この力を使ってスライドを後退させ次弾を装填するのであるが、あまりにも高圧になるとスライドの質量では抑えきれず弾丸が銃口から出る前に薬莢が排出されてしまうことがある。

 要するにカートリッジが破裂してしまうのだが、それを防ぐためにはスライドの後退を一瞬だけ遅らせて、弾丸が発射されてからスライドを後退させる装置が必要となる。それがストレートブローバックに対してディレートブローバック(遅延ブローバック)と呼ばれる方法で、M1911のショートリコイルを筆頭に様々は方法が開発された。因みに9mmパラベラム弾を使用しても短機関銃等の大型の銃器であればボルトやスライドの質量が大きいのでストレートブローバックでも弾丸を発射することができる。

 P7で採用されたガス遅延ブローバックとは、弾丸が発射された際、ガスを一瞬だけ別室に逃がし、そのガスが薬室に戻る勢いでスライドを動かすという構造で、その起源は第二次世界大戦末期にドイツで開発された国民突撃銃であると言われている。この国民突撃銃とは、戦争末期になりとうとう正規軍だけでは足りず、一般国民をも武装させて「にわか軍隊」を編成した際に使用する「にわか兵器」のことである。米ドル換算で1挺5ドル以下という笑ってしまうような安価なコストで製造可能な銃であった。そうは言っても竹槍よりはマシである。

 ガス遅延ブローバック方式は、ショートリコイル等と比べると装置自体が小型であり、ハンドガンに利用した場合、銃身軸線を低くすることが可能である。射撃競技でいう「ハイグリップ」状態になる訳でより身体感覚に近い状態で射撃をすることができる。初期のモデルではガス遅延装置が引き金の前方上部にあったため射手の指が火傷をするという事故が起こったが、プラスチックの保護パーツを付けることで解決している。

 

スクイズコッカー

 スクイズコッカーは、P7の最大の特徴でこの機構を採用したハンドガンは後にも先にもP7のみである。これはグリップ前部に設置された大型のレバーで撃針を発射位置まで後退させる機能とホールドオープンしたスライドをリリースする機能を持つ。薬室にカートリッジが装填された状態でスクイズコッカーを強く握ると撃針が発射位置に移動(ハンマーがコックされた状態)、そのまま引き金を引くと弾丸を発射することが出来る。薬室にカートリッジを装填した状態で携行しても安全性が高い上にダブルアクションオートと異なりシングルアクション並みのトリガープルで引き金を引くことが可能という夢のハンドガンなのである。

 さらにP7は幅が薄く携行性が高く、構造上バレルが固定されているため命中精度は非常に高いという特徴もあるが、同時にスクイズコッカーを採用したためにグリップの前後幅が広くなってしまい手の小さな射手には扱い辛いという大きな問題がある。2007年に生産終了。

 

バリエーション

03_P7M13
(画像はwikipediaより転載)

 

 オリジナルはP7M8と呼ばれるモデルで装弾数8発、上述の火傷を防ぐためにトリガー上方に耐熱ポリマーパーツが設置されている。P7M13はただでさえグリップが太いのが問題のP7をダブルカラムマガジン化したモデル。装弾数こそは13発とグレードアップしたもののグリップの握りにくさもよりグレードアップしている。P7M10は1991年に発売されたモデルで、当時流行の40S&W弾を使用できるようにしたモデルであるが、スライドが大型化し重量は1.1kgを超えてしまうという全くコンセプト不明の銃となってしまった(装弾数10発)。

 

H&K P7(トイガン)

 

概要

 1985年にマルゼンがカート式P7M13を発売している。1992年にはMGCがガスブローバック式のP7M13を発売、さらにカスタムモデルとしてシューマッハカスタムを発売した。1994年には東京マルイがエアーコッキング式でP7M13を発売している。これが現在入手できる唯一のモデルであろう。因みに執筆者はMGCのP7M13を所有しているが、これはただの自慢である。

 

東京マルイ P7M13 エアーコッキングガン

性能

全長 173mm
重量 322g
装弾数 22発

 18歳以上モデルは初速60m/s前後。チャンバーはスライドと一体のためここはリアリティに欠けるものの、フルサイズマガジン、アンビマガジンキャッチ、スライド側面に薄くヘアラインを再現している等リアル。白眉はストライカー方式の撃針を再現していることであろう。実銃P7はスライドを引くとスライド後部に撃針が突出するが、東京マルイもエアコキでありながらこれを再現している。安全装置は右後方スライド下部のボタンとスクイズコッカーでスクイズコッカーを握ると安全装置が解除され引き金が引ける。BB弾の直進性、命中精度は非常に高いがM13モデルのためグリップが握りづらいのが難点。10歳以上モデルと18歳以上モデルのHGがあるので間違えないようにしたい。

 

まとめ

 

 P7は独特の機構を内蔵した挑戦的な銃で、装弾数の少なさとグリップの太さを除けば、ほとんど欠点の無い銃と言って良い銃であった。操作方法も独特であるため慣れが必要であるが、ユーザーは一回この銃に慣れてしまうと高い命中精度と携行性の高さから手放せなくなってしまう人も多い。しかし本銃が廃れてしまった最大の原因は、拡張性がほとんどなかったということに尽きるだろう。独特の構造ゆえにカートリッジの大型化や多弾数化に対応できず次第に第一線から消えていってしまったが、その外観と性能はファンを魅了して止まない。

 

 

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01_USP
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K USPピストルとは、毎回面白ギミックを搭載したハンドガンを開発していたH&K社が初めて開発した普通のハンドガンである。ポリマーフレームを採用したオーソドックスなスライドストップ、サムセイフティを搭載した結果、ほとんど欠点のない究極のハンドガンとなってしまった。使用弾薬は9mmパラベラム弾、40S&W弾、45ACP弾とコンパクトのみ357SIG弾モデルがある。

 

H&K USPピストル(実銃)

 

 

性能(USP9)

全長 195mm
重量 770g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 15+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_USPコンパクト
(画像はwikipediaより転載)

 

 これまでローラーロッキング式拳銃P9、スクイズコッカーを採用したP7、世界初のポリマーフレーム採用のVP70等、奇抜なアイデアで勝負してきたH&K社が初めて製作した普通のオートマチックハンドガンがUSPピストルである。USPは、米区の法執行機関からの受注を目的に製作されたハンドガンで、1989年9月から開発が始まり、1993年1月に完成した。

 普通とは言ってもどこかにオリジナリティを注入したいH&Kの技術者は、1990年に完成したばかりの40S&W弾の使用を前提として開発、この40S&W弾とは9mmパラベラム弾の貫通力と45ACP弾の破壊力の「いいとこどり」を狙った結果、357マグナム並みの威力になってしまった10mm弾を若干パワーダウンさせたカートリッジである。これは市場では結構ヒットし、現在でも定番のカートリッジとなている。USPはスライドとマガジンを交換することによって、この40S&W弾と9mmパラベラム弾のどちらも使用できるようにしている。他にもヨーロピアンオートとしては珍しくUSP45と呼ばれるアメリカ人が大好きな45ACP弾を発射出来るモデルも発売している。

 それまでのH&K社のハンドガンのようなお茶目さは無いものの、フレームはポリマー製でダブルアクション、シングルアクションでの射撃が可能であり、一般的なスライドストップにデコッキング機能が搭載された上にコック&ロックが可能なサムセイフティを持っている。コック&ロックとは、コンバットシューティングでいう「コンディション1」の状態で、薬室にカートリッジが装填された状態で尚且つハンマーが起きており、安全装置が掛かっている状態である。プロはこの状態で保持することが多いので結構便利な機能である。

 さらにグリップは人間工学を生かした形状になっており、大型のグリップの割には意外なほど持ちやすい。他にもポリマー製マガジンや銃身下部の20mmレイル、手袋をした状態でも射撃出来るように大型化したトリガーガード等、便利機能が満載である。この結果、USPピストルはお茶目さは全く無いが、同時に欠点も全くないという完全無欠なハンドガンとなってしまい、市場でも大好評、改良型が米国特殊作戦群に制式採用されるに至り、現在でもH&K社の基幹モデルとして好評発売中である。

 

バリエーション

02_USPエリート
(画像はwikipediaより転載)

 

 バリエーションとしてはタクティカルモデルがある。これはサプレッサーが使用可能なように銃身前部にネジ切り込みが入った他、調整可能なリアサイトやトリガー等、各部のパーツがより高性能になったモデルである。サプレッサーが使用できるということはつまり法執行機関向けのモデルである。他にはスライド、銃身とグリップを小型化したコンパクトモデルがある。小型化されたが装弾数は45ACP弾で8発、9mmパラベラム弾で13発という多弾数を実現している。これは24時間で何度も危機に見舞われることで有名な『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウワーが劇中で愛用している。このコンパクトにもオリジナル同様にタクティカルモデルが存在する。

 USP人気に気を良くしたH&K社は、1998年にUSPの競技用カスタムであるエキスパートモデルを発売。サプレッサー以外のタクティカルモデルの装備が全て搭載された上、銃身が5.19インチに延長、スライドのデザインが新しくなっている他、装弾数も若干増加している。同じく競技用でさらに銃身を6.2インチに延長したエリート、銃身下部にウエイトを装備したUSPマッチがある。

 

H&K USPピストル(トイガン)

 

概要

 トイガンは、タナカワークスがモデルガン、ガスガンでUSP9ピストルモデルアップしており、ガスガンではKSCがUSP45ピストル、同タクティカル、コンパクト、P10、USPマッチを発売している他、東京マルイがUSP9ピストル、同コンパクトを発売している。こちらはどちらもABS製である。東京マルイは他にもエアーコッキング式で18歳以上モデル、10歳以上モデルを発売している。

 

タナカワークス USPピストル モデルガン

性能

全長 198mm
重量 640g
装弾数 15+1発

 唯一のモデルガンである。外観はタナカワークス製なので問題はない。新旧モデルがあるので購入する際は注意が必要。旧モデルはHW製で新モデルはHP製でカートリッジがEVO2となっている。現在のモデルガンは非常に作動が良いが火薬を使うためガスブローバックのように100%の作動はしない。モデルガン初心者は注意したいところである。

 

KSC USPピストル ガスブローバック

性能

全長 201mm
重量 825g
装弾数 25+1発

 KSC はUSP45を再現している。外観の再現度は非常に高く、ダミーではあるがファイアリングピン(実銃とは形状が異なる)、実銃同様のグリップ内安全装置も再現しているだけでなく、内部構造も極力再現しようと試みている。初速は70〜80m/sと若干高め、命中精度は非常に高い。こちらも新旧モデルがあり、旧モデルにはシステム7が搭載されていないので注意が必要である。

 

東京マルイ USPピストル ガスブローバック

性能

全長 195mm
重量 720g
装弾数 25+1発

 グリップ内のキーロックが再現されていない等、外観の完成度はKSCに一歩譲るものの作動の良さではKSC以上である。重量も実銃の770gに近く、スライドのノッチ対策もされているのでガンガン撃ってもスライドが削れることはない。初速はKSCよりも若干低いが命中精度は非常に高い。

 

まとめ

 

 H&K社が初めて挑戦したポリマーフレームも初登場からすでに50年以上が経過、大きな事故もほとんど起こっておらず、すでにタイムプルーフされたといえる。このフレームを使用したUSPピストルは現在あるオートマチックハンドガンではトップクラスの性能を誇る1990年代の最高傑作ハンドガンの一つといっていいだろう。

 

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01_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 UZI(ウージー)とは、1951年にイスラエル軍ウジエル・ガル技術少佐によって開発されたサブマシンガンである。構造はシンプルで信頼性が高かったため、イスラエル軍始め世界各国の軍隊や警察で採用された傑作サブマシンガンである。反面、重量が3,8kgと重く、オープンボルト式であったために連射時の命中精度に難があった。

 

UZI(ウージー)(実銃)

 

 

性能

全長 470mm
重量 3,800g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 20,25,32,40,50発
設計・開発 ウジエル・ガル / IMI社

 

背景から開発まで

 1950年代のイスラエルはキブツ防衛用に簡単な訓練で使用できる軽火器の必要性が高まっていたが、当時のイスラエルは工業基盤が貧弱であった。このため高い技術を必要としない簡単な構造の短機関銃を開発することとなった。

 

開発

02_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1951年にイスラエル軍ウジエル・ガル技術少佐の手によって開発された。設計の際にはVz23、ZK476等が参考にされたとされている。これらはどちらもチェコスロバキア製サブマシンガンで本来は輸入するはずであったが、チェコスロバキアが社会主義化してしまったためこれらを参考にして国産することになった。

 構造はオープンボルト式ブローバックでボルトを引くと排莢口からグリップ内に配置された弾倉に装填されたカートリッジが見える。引き金を引くとボルトが前進、カートリッジを薬室に装填して発火させる。その発火させた反動で再びボルトが後退するという構造である。ボルトは銃のコントロールを容易にするため、前進時にグリップ前方に重心がかかるように銃身に覆うような構造になっている。本銃は、シンプルな構造に加えてプレス加工の多用により生産性は高く、砂や埃が入り込んでも故障は少なく信頼性も高い。欠点としてはオープンボルト式であるためフルオート時の命中精度が悪いという点が指摘されている。

 ストックはグッドデザイン賞を受賞してもおかしくない程優れた構造となっており、折り畳まれているストックの後端上部を上からぶっ叩くとロックが解除、中途半端に展開した状態となる。この状態でバットプレート(肩に当てる部分)を思いっきり後ろに引っ張ると伸長してロックがかかる。とっさのあまり難しいことを考えられない時には盲目的に行うことができるので大変便利である。1981年に当時のレーガン大統領が銃撃されたときにシークレットサービスがウージーを取り出し「バッチーン!」とストックを叩き構えていた。ただストックは完全に伸びきっていなかったため、万が一発砲したら大変なことになるところだった。

 1951年にはイスラエル国防軍に制式採用、1954年にはイスラエル軍特殊部隊に制式採用された。信頼性が高く使い勝手が良いUZIは、イスラエルのみならず1956年にはオランダ王立陸軍、1958年にはベルギー軍、1959年には西ドイツ連邦軍が制式採用した。その他多くの国でライセンス生産やパチモンが作られることとなった。

 

バリエーション

 

ミニUZI

03_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1980年(1984年とも)に開発されたUZIの短銃身モデル。UZIの全長470mmに対してミニUZIは357mmと11cm程短いが発射速度はUZIの600発/分に対して950発/分と狂気としか言いようのない回転速度となっている。ストックは銃本体側面に折り畳まれたワイヤー型のストックを時計回りに展開することで使用するという大変無難な構造。一応、反動を抑制するために銃身上部にガスポートを付けているがコントロールするには尋常ならざる修行が必要である。

 

マイクロUZI

04_UZI
(画像はwikipediaより転載)

 

 1984年(1986年とも)に完成したミニUZIをさらにコンパクトにしたモデル。全長250mmとUZIの半分程度と、もうほとんど大型拳銃と変わらない大きさになってしまった。UZIは構造上、全長を短縮するとボルトの大きさも小さくせざるを得ない。そうするとリコイルスプリングもさらに強化せざる得ない。その結果、マイクロUZIの発射速度は1,400発/分というもう何だか分からない状態になってしまった。特殊部隊向けに開発されたというが、むしろ、これを使えることが特殊であると言える魂の銃である。

 

UZI(ウージー)(トイガン)

 

概要

 モデルガンではあまり人気がなかったようで、1972年に中田商店から発売されたのが最初で、これはのちにマルシンから発売された。エアーガンでは1980年代には結構人気があり、エアコキでは東京マルイ、LS等のメーカーが発売、ガスガンでは今は亡きJACがフルオートガスガンとして発売していた。他にも2006年にWAがミニUZIを発売しており、マルゼン等も過去に発売していた。電動ガンでは東京マルイがスタンダードモデルとして発売している。

 

ウージーのトイガン

 東京マルイ製の電動ガンUZIは実銃から採寸されたモデルで外観の完成度は高い。ストックがスチール製であるのも魅力的ではあるが、メカが通常の電動ガンと異なり、パワーが70m/s強と電動ガンにしては若干弱い。サバイバルゲームでの使用にはちょっと厳しいかもしれない。

 

まとめ

 

 1976年のイスラエル軍特殊部隊によるエンテベ空港奇襲作戦でもUZIが使用されていたようであるし、1981年のレーガン大統領の暗殺未遂事件でもシークレットサービスが装備していた。このため1980年代くらいまではサブマシンガンといえばUZIというくらいにメジャーな銃であったが、時は経ち、MP5やらMP7、その他非常に高性能なサブマシンガンが登場している昨今、UZIはすっかりマイナーな銃となってしまった。とはいえ、あの無骨で独特な外観は現在でもファンを魅了して止まない。

 

 

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モーゼルC96
(画像はwikipediaより転載)

 マウザーC96とは、ドイツマウザー社が開発したショートリコイル機構、ダブルカラムマガジンを採用した大型拳銃である。独特の形状からステータスシンボルとして所有する軍人が多かった銃である。トリガー前方にマガジンがあり、フロントヘビーであったため命中精度は比較的高く、さらに専用のストックを使用することでカービンとして使用することもできた。これをフルオート、脱着式マガジンに改良したのがM712である。なお、本記事では日本独特の読み方である「モーゼル」ではなく「マウザー」表記で統一する。

 

モーゼルC96(実銃)

 

 

性能

全長 308mm
重量 1,100g
口径 7.63mm
使用弾薬 7.63x25mmマウザー弾
装弾数 10発、20発
設計・開発 フィデル・フェーデルレ / マウザー社

 

開発

02_マウザーC96
(画像はwikipediaより転載)

 1893年、マウザー社の従業員であったフィデル・フェーデルレは大型拳銃の設計を開始した。当初、モーゼル社は大型拳銃の開発には難色を示していたが、結局は「マウザー」の名称を冠することを決定、公式に開発が進められた。1895年にはほぼ完成、1896年には生産が開始された。

 発射機構は一般的なショートリコイルでカートリッジから弾丸が発射されると銃身も含めた上部が後退、一瞬遅れてボルトが後退するようになっていた。装弾数は10発でトリガー前方の弾倉に装填する。初期のタイプは脱着式マガジンを装備していないためホールドオープンした状態で上部からクリップに装填されたカートリッジを押し込む。弾倉内はダブルカラムマガジンとなっている。

 1930年にセイフティが改良され安全性が向上している。ネジはグリップを留めるネジ1本しか使用していないためフィールドストリッピングは付属のクリーニングロッドのみで可能である。スライド式のオートマチックではないが、トリガー前方にある弾倉がアンダーラグの役割を果たすため比較的命中精度が高い。さらにグリップ後部に専用のストックを装着することにより命中精度を高めることが可能であり、カービンとしても使用された。

 個性的な形状で信頼性が高く高価であったことからステータスシンボルとして20世紀初頭には非常に人気があり、のちにイギリス首相になるチャーチル、アラビアのロレンス等の著名人を始め、大量に輸出された中国でも将軍達が愛用していたと言われている。生産は1896年から始まり、1937年に終了しており、その間に110万丁以上が生産された。

 

バリエーション

03_マウザーC96
(画像はwikipediaより転載)

 多くのバリエーションが存在する。有名なバリエーションとしては9mmパラベラム弾仕様に変更したレッド9がある。これはドイツ軍が制式採用している9mmパラベラム弾を使用できるように改良したもので7.65mm弾を誤って装填しないようにグリップに赤く「9」の文字が彫り込まれていた。中国では1928年に45ACP弾仕様のモデルも開発されており、これは山西17式と呼ばれる。

 1921年には、銃身長を3.9インチに変更してグリップを太くしたものがロシア向けにも出荷されており、これはボルシェビキマウザー(「ボルシェビキ」とはレーニンが率いたソビエト共産党の前身組織)を省略して「ボロマウザー」と呼ばれている。これは1930年に生産が終了している。

 M713(M1931)はC96をフルオート射撃可能にしたモデルで初めて脱着式弾倉が採用された。このM713を改良して信頼性を高めたのが有名なM712である。これは10連または20連の脱着式マガジンを装備しており、専用のストックを装着してカービン銃として使用することもできるが、反動を抑制する装置が何もないため反動を制御することが非常に難しい。さらにM712をセミオートのみとしたM714、C96の側面の凹凸を無くして磨き上げたモデル、弾倉を小型化した6連発モデル等、数多くのバリエーションが存在する。

 

モーゼルC96(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは1963年に国際ガンクラブ(のちのコクサイ)から発売された。さらに1968年にはホンリュウ(のちのハドソン)からモーゼルミリタリーが発売されている。1970年にはMGCがモーゼルC96(レッド9)、翌年には長銃身モデルも発売している。1971年にはハドソンがM1930を発売したが、これはMGCのコピーである。1982年にはマルイがモデルガン組み立てキットでM712を発売、1983年にはマルシン工業がABS製で完成品、キットの両方を発売した。

 1984年にはブローバックモデルを発売している。1985年にはマツシロがカート式エアガンでマウザーをモデルアップ、1989年にはフジミ模型がセミフル切替式ブローバックガスガンでM712を発売している。1993年にはマルシン工業が金属製モーゼルM712を発売、1996年にはフランクリンミント社がM1932を発売している。2001年頃にはマルシン工業が固定スライドガスガン、2006年には8mmBB弾仕様でガスブローバック、2011年には6mm仕様で発売されている他、海外メーカーでもWEがモデルアップしている。

 

マルシン モーゼルM712 モデルガン

性能

全長 296mm
重量 1,140g(ABSは720g)
装弾数 10,20発

 金属製とABS製の2タイプで発売されている。マウザーミリタリーのモデルガンとしては後発にあたる。設計自体は古いが現在入手可能な唯一のモデルガンである。マウザー社公認モデル。

 

マルシン モーゼルM712 ガスガン

性能

全長 296mm
重量 1,310
装弾数 9発(ショート)25発(ロング)

 2011年に発売されたモデル。それまで8mm仕様であったものを6mmに変更したモデル。構造は8mmと変わらない。初速は6mmモデルでは70m/s前後と平均的、命中精度も可もなく不可もなしといったところである。ハンマーのロックが甘いためバースト射撃になってしまうという欠点が指摘されている。他にも生ガスを吹く個体があることやショートマガジンの装弾数が実銃よりも少ないというのも欠点といえる。マウザー社公認モデル。

 

まとめ

 

 マウザーC96はその独特の形状から熱狂的なファンが多い。19世紀後半では未だ脱着式マガジンの信頼性が低かったこともマウザーC96が脱着式マガジンを採用しなかった理由であるが、コルト社がパテントを持っていたからだとも言われている。現在では大型で重量もあり、マズルブレーキなどの反動を緩和する装置もない銃であるため実用性は低いがコレクターを魅了して止まない銃である。

 

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01_ルガーP08
(画像はwikipediaより転載)

 

 ルガーP08とは、1900年にゲオルグ・ルガーによって設計・開発された自動拳銃である。トグルアクションという独特の発射機構を持つ9mmパラベラム弾使用の拳銃であり、独特の形状から現在でもファンの多い拳銃である。精密な構造であったため劣悪な環境においては信頼性が低いものの世界中の軍隊や警察で使用されていた。

 

ルガーP08(実銃)

 

 

性能

全長 220mm
重量 870g
口径 9mm
使用弾薬 9×19mmパラベラム弾
装弾数 8発
設計・開発 ゲオルグ・ルガー / DWM社

 

開発

02_ルガーP08
(画像はM1900グリップセイフティがあるのが特徴 wikipediaより転載)

 

 ルガーP08は、1900年に発売されたゲオルグ・ルガーによって設計された自動拳銃である。1901年にスイス軍に制式採用、1904年にはドイツ海軍に制式採用された。当初の口径は7.65×21mmの30ルガー弾で初の実戦での使用は北清事変(義和団の乱)だと言われている。1901年4月、米軍が1,000挺のルガーM1900を購入、一部実戦で使用されている。

 1902年には9mmパラベラム弾を使用するモデルが生産された。このモデルはドイツ海軍が制式採用したが、これは通称「ネイビールガー」と呼ばれるモデルで銃身が6インチ、100mまたは200mに調整可能なタンジェントサイトが搭載された。1906年にはリコイルスプリングを板バネからコイルスプリングに変更された。これ以降をニューモデルと分類される。

 1906年には米軍の次期制式拳銃トライアルに45口径に改良したモデルで参加しているが、信頼性においてコルト社のオートマチック拳銃に敗れた。このコルト社の拳銃はその後M1911として制式採用される。余談だが、この時のルガーは、No.1は試験中に破損してしまったが、他の2挺とカービンが1挺が現存しており、100万ドル(約1億円)の価格がついている。

 1908年にはドイツ陸軍が9mmパラベラム弾仕様モデル3.9インチ銃身モデルをP08として制式採用した。この際、当初あったグリップセイフティは省略され、ショルダーストックを装着するための溝が付けられた。1913年7月にはドイツ軍は、200mm(8インチ)銃身を採用したLP08を砲兵用として制式採用。これは「砲兵モデル」と一般には言われるが、航空隊でも使用されている。これらのルガーは1945年まで使用された。

 1930年にはマウザーが製造を開始、戦時中にはベークライト製のグリップが装着されたコストを削減したモデルが製造されたこれらは米国の輸入業者によって「ブラック・ウィドウ」とキャッチコピーが付けられ米国で販売された。マウザーによるるがーP08の製造は1943年12月まで続けられた。

 作動はトグルアクション方式で、撃発方式はストライカー方式である。構造は精密であり、高い工作精度を必要とした。このため劣悪な環境下での使用では不安があった。またパーツには互換性があまりなかったため異なる個体の部品を装着すると作動不良を起こすことがあった。このため銃自体の性能が不当に低く評価されることとなった。

 

ルガーP08(トイガン)

 

概要

 1965年に中田商店が無可動モデルのルガーP08を販売した。さらに翌年モデルガンP08を販売、同年MGCも金属製P08を発表した。1973年にはマルシンがP08のモデルガンを販売する。1976年にはMGCがABS製のP08を発売、1987年にはマルシンがゲーリングルガー、1990年には通常のルガーP08を発売している。

 ガスガン、エアーガンでは1984年にマルゼンがカート式P08を発売、1985年東京マルイがコッキング式エアガンを発売、1986年にはマルコシがUXルガーを発売している。ガスガンではタナカワークス製ルガーP08が現在でも入手できる最も完成度が高いモデルである。

 

タナカ ルガー P08 4インチ HW 18歳以上ガスブローバック

性能

全長 219mm
重量 640g
装弾数 12発

 モデルガンメーカーのタナカワークス製P08。外観の完成度の高さは異常に素晴らしい。HW製のため重量感もそこそこはあるが、640gと若干軽めである。動きはチャキチャキと良く動き、トグルと銃身が後退するショートリコイル機構を再現している。タナカワークス製P08の一番の注目点はこれであろう。初速は70m/s前後であるが、6インチモデル等の長銃身モデルは初速が若干高いようだ。命中精度も高いがこれもやはり長銃身モデルに分がある。欠点は、エンジンがWAの旧型エンジンのため反動は弱い。

 

金属モデルガン組立キット マルシンルガーP08 4インチ プラグリップ仕様

性能

全長 224mm
重量 850g
装弾数 7発

 現在入手できる唯一のモデルガン。モデルガンメーカーの老舗であるマルシン製で1987年に発売したゲーリングルガーをベースにしているモデルガンである。モデルガンとして再現性は高く金属製でモデルガンとしては比較的安価である。ダミーカート仕様モデル。

 

まとめ

 

 ルガーP08は、ナチスドイツが使用していたために世界的に悪役が持つ銃というイメージが定着してしまっている銃ではあるが、スイスの高度な工作技術によって製作されたトグルアクションを持つ本銃は現在でも大変な人気がある。名銃中の名銃と言って良い銃である。

 

 

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