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40S&W

ダブルイーグル
(画像はwikipediaより転載)

 

 ダブルイーグルとは1989年にコルト社が発表した同社初のダブルアクションオートである。コルトデザインは「1911」の影響を受け、スライド、バレル、マガジンの互換性もある。各種口径のバージョンが発売されたが1997年に生産が終了している。

 

ダブルイーグル(実銃)

 

 

性能

全長 216mm
重量 1,205g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP
装弾数 8発
設計・開発 ロン・スミス / コルト社

 

概要

 ダブルイーグルは、1989年にコルト社が発表したコルト初のダブルアクション45オートである。設計は1911をベースにしたもので、スライド、バレルはM1911と互換性があり、マガジンも装弾数は8発であるが、通常のM1911の7連発マガジンとの互換性がある。フレーム内のメカニズムは新しく設計されたもので、ダブルアクションであるため必要性の低いサムセイフティ、グリップセイフティは廃止された代わりにトリガー後方にはデコッキングレバーが装備されている。

 メカニズムはダブルイーグル発売以前にM1911をダブルアクション化したシーキャンプとは外観上は似ているが、全く異なるコルト社独自の設計である。コルト独自のダブルアクションのトリガーフィーリングは市場では評判が悪く、オールステンレス製の銃は重量も相当重かったため、あまり人気が出なかった。1997年に生産終了している。

 バリエーションはフルサイズモデルの他に銃身長4.25インチ、重量1.13kg(装填時)のコマンダーモデル(装弾数8発)、3.5インチバレルのオフィサーズモデル(装弾数8発)がある。どれも装弾数は8発である。1991年にはマーク競轡蝓璽90としてマイナーチェンジを行った。1992年には、フルサイズモデルに9mmと38スーパー弾を使用するモデルが登場している。同年にはコマンダーモデルで40S&W弾を使用するモデル製造は1997年まで続けられた。口径は45口径の他に10mm(1992年)、40S&W、9mm、38スーパーの各種口径が存在する。さらにはトリガーメカニズムを再設計したダブルイーグルマーク兇存在する。

 材質はほとんどがステンレス製であるが、ライトウェイトオフィサーズモデルは合金製のフレームにスチール製のスライドをを装備している。他にもコルトカスタムショップが製作したフルサイズのスチールスライド、アルミフレームモデルが存在する。

 

 

ダブルイーグル(トイガン)

 

概要

 マイナーな銃であるためトイガンではほとんど発売されていない。LSがエアーコッキングガンとして発売していたのと東京マルイが同様にエアーコッキング式のエアガンとして発売している。モデルガンでは発売されていない。

 

東京マルイ エアーハンドガン(18才用モデル)コルト ダブルイーグル

性能

全長 220mm
重量 310g
装弾数 25発

 現在、ダブルイーグルをモデルアップしている唯一の会社である。マガジンは割箸マガジンではなくフルサイズである。初速は10歳以上対象モデルでは40m/s弱、18歳以上対象モデルでは50m/s弱程度で、命中精度はエアコキにしては5mで5cm程度と比較的良い。ハンマーはダミーで外観のシルバーはメッキ処理はされていない。

 

まとめ

 

 今回はダブルイーグルを取り上げてみた。デザイン的にもパッとせず、人気も無く、故に知名度も低いという歴史に埋もれてしまった銃だ。商業的には失敗であったが、このダブルイーグルによってコルト社は伝統的なシングルアクションオートからダブルアクションオートに進化した記念碑的な銃である。

 

 

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01_SIGP226
(画像はwikipediaより転載)

 

 SIGP226とは、1983年にSIG社がP220をベースに開発した9mm口径、15連発の自動拳銃である。米軍の次期制式採用拳銃のトライアルに提出されたがベレッタ92SBに価格が原因で敗れた。しかし非常に信頼性が高く命中精度が良いことから資金が潤沢な特殊部隊等で使用されている。

 

SIG P226(実銃)

 

 

性能(9mm弾モデル)

全長 196mm
重量 845g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 15+1発
設計・開発 SIG社

 

開発

02_SIGP226
(画像はwikipediaより転載)

 

 SIG社製P220を複列弾倉に変更したモデルで、1983年の米軍の次期制式採用拳銃トライアルのために開発された。フレームはアルミ製でサムセイフティは装備していない代わりにデコッキングレバーがあり、これにより薬室にカートリッジが装填されている状態でも安全に携行することができる。フレームはアルミ製であるが、耐久性は非常に高くテストでは1,000発を発射しても装填不良はなかった。装弾数も複列化したことによって8発から15発にほぼ倍増している。

 1984年のアメリカ軍次期正式拳銃トライアルに参加し、ほとんどの銃が脱落していく中、ベレッタ92SBとP226が最後まで残った。P226は高性能ではあったものの価格が高価であったためベレッタ92SBが採用されたが(大人の事情があったとも。。。)、海軍特殊部隊SEALはP226に特別な腐食保護を施したモデルがMk25Mod0として制式採用されている。余談だが、SIG社はこの失敗を基に2017年に米軍のベレッタM9の後継拳銃としてP320が制式採用されている。

 米軍制式拳銃の座は奪えなかったものの、P226の性能は高く、1980年代にはアメリカ海軍特殊部隊SEALで採用、さらには予算が潤沢な特殊部隊等で採用されている。

 構造はティルドバレルショートリコイル機構を採用したダブルアクションでサムセイフティはなく、デコッキングレバーが左側面に装備されている。材質はフレームがアルミ合金、スライドがスチール製である。非常に信頼性が高く命中精度も高い。特に357SIG弾を使用するモデルは命中精度が高いと言われている。

 欠点としてはスライドストップの位置が親指に近すぎて誤操作の危険があること、銃身の位置が高すぎること、グリップが太すぎること等が挙げられる。グリップに関しては改良型のE2モデルの登場によって解消されている。

 

 

バリエーション

03_SIGP226
(画像はwikipediaより転載)

 

 P226には多くのバリエーションがある。この中で特に注目すべきものを挙げてみたい。2010年にE2モデルが発売されている。これは使用しやすいようにグリップ始め各所の形状を変更したモデルである。P226DAKモデルはダブルアクションのみのモデルである。それまでリボルバーを使用していた人にとってオートマチックは引き金が軽すぎる等の使用上の違和感があるため作られたモデルである。デコッキングレバーは廃止され、ハンマースパー(ハンマーの指を掛ける部分)もげずり取られている。

 P226SAOは逆にシングルアクションのみのモデルで安全装置としてサムセイフティが装備されており、デコッキングレバーが廃止されている。サムセイフティを外すことで即座に発射出来るコンディション1の状態にすることが出来る。他にも競技用のXシリーズでも同様の機構となっている。

 P227は45ACPが使用できるモデルで装弾数は10発。1989年に発売されたP228はスライドとグリップが小型化されたモデルで装弾数13発と多い。日本の警視庁特殊部隊SAT、海上保安庁SSTでも採用されている。P229はP228のスライドを強化したモデルでP228のスライドがスチール製であったのに対してP229はステンレスの削り出しとなっている。このため重量は40gほど増加している。口径も357SIG、40S&Wという強力なカートリッジが使用できる。P224はサブコンパクトモデルでP228よりも短い8.9mmバレルを採用している。9mmで装弾数は12発であったが、2016年に生産中止となった。

 

SIG P226(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは、1994年にタナカから発売された。その後もバリエーション展開をしている。モデルガンメーカーだけに外観の完成度は非常に高い。実射性能もEVO2になってより高まっている。ガスガンでは、東京マルイ、KSC、タナカが発売している。東京マルイはレイルモデルに加え、E2、KSCはサイレンサー使用モデルにコンプカスタム、さらにホーグの実物グリップを装備したモデルが発売されている。タナカは珍しくレイルの無い初期型をモデルアップしている。

 

タナカ SIG P226 マーク25 フレーム ヘビーウェイト エボリューション2 モデルガン完成品

性能

全長 195mm
重量 650g
装弾数 15発

 HW製で外観の完成度の高さは秀逸である。カートリッジはEVO2カートでアルミ製。発火性能は比較的良い。特にEVO2になってからはスライドの動きにパワーが出ている。作動に関しては、ガスブロほど確実には作動しない。古いファンにとってはモデルガンというのは「そういうもの」なのであまり気にはならないが、新しいファンには抵抗があるかもしれない。ただ、ガスブロには無い鋭いスライドの動きと火薬の匂いは魅力的である。例によってモデルガンは本体の購入と同時にカート、マガジンを購入することをお勧めする。

 

 

東京マルイ SIGP226 E2 ガスブローバックガン

性能

全長 196mm
重量 740g
装弾数 25発

 現行モデルであるE2モデルを再現している。初速は70m/s前後と平均的。命中精度は非常に良い。マガジンは以前のP226Rと互換性があり、デコッキングレバーも作動する。ダブルアクションのトリガープルが重いのとHW材を使用していないため重量が軽いのが欠点であろう。

 

KSC P226R ヘビーウェイト 18歳以上ガスブローバック

性能

全長 198mm
重量 880g
装弾数 25発

 本体がHW製のため重量が実銃の弾薬を抜いた状態と同じで、実銃のホーグラバーグリップが標準装備されているため非常にリアルである。外観上のリアリティは東京マルイに優っている。初速は70m/s前後で命中精度も非常に良い。外観上の欠点は、ハンマーの位置が実銃と異なりかなり低い位置にある。機構的には、初期製品では湯皺や作動不良が指摘されていたので購入後は作動確認する必要がある。amazonでの購入では返品することが可能であるがその他の通販では返品が出来ないこともあるので注意。

 

まとめ

 

 SIGP226は高価ではあったが、その分性能は高く、信頼性、命中精度の高さはどのプロフェッショナルも高く評価する銃である。そのため特殊部隊等に多く採用されている。近年ではポリマーフレームの銃に人気が集まっているが、現在においてもP226の評価も決して低くはない。

 

 

 

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01_SIGP320
(画像はwikipediaより転載)

 

 P320は、SIG社が開発したモジュラーシステムを採用した自動拳銃で、2017年にM17として米軍に制式採用された。スライドはステンレス、フレームはポリマー製で装弾数は17発である。ガスガンではSIGAirsoftが販売している。製造は台湾のVFC社である。

 

SIG P320(実銃)

 

 

性能(フルサイズモデル)

全長 203mm
重量 833g
口径 9mm、45口径、40口径
使用弾薬 9mm弾、45ACP、40S&W、357SIG
装弾数 17発(9mm弾)
設計・開発 SIG Sauer

 

背景から開発まで

 2004年、SIG社は公用向けに開発したSIGP250を発表した。これはこれまでのSIG社の大型拳銃に標準装備されていたデコッキング機能が廃止されたハンドガンで、さらにインナーシャーシ、バレル、スライド、グリップといった一組になったパーツをモジュラー化して、異なる口径の弾でも撃てるようにした画期的なものであった。生産は2007年から行われていたが、2018年以降はSIG社のラインナップから消えてしまっている。このP250を基にしてP320は誕生する。

 

開発

02_SIGP320
(画像はwikipediaより転載)

 

 P320は、2014年に発表した自動拳銃である。これまでのSIG社の大型自動拳銃と異なり、撃発にはハンマーを使用しないストライカー方式を採用している。さらにP250と同様にモジュラーシステムを採用しており、いくつかのパーツを交換することで複数のカートリッジを使用することができ、グリップのサイズや銃身のサイズも変更することが可能である。

 材質はフレームがポリマー、スライドはステンレス、バレル下部にはピカティニー規格の20mmレイルが装備されている。スライドストップ、マガジンキャッチは両利き用に変更可能であり、モジュラーシステムを採用しているために工具を使用せずにフィールドストリッピングをすることができる。

 2015年にはタイ警察の制式拳銃として採用され、15万丁が納入されている。さらに同年米国のハイウェイパトロール等でも制式採用された。2017年には、細部が改良された上で、フルサイズモデルはM17、コンパクトモデルはM18として米軍制式採用となった。調達予定は陸軍19.5万丁、空軍13万丁、海軍6.1万丁、海兵隊3.5万丁の合計42.1万丁である。

 SIG社は1985年の米軍制式拳銃トライアルにP226を提出したが、価格面においてベレッタ92に敗北することとなった。今回は、この失敗を糧としてSIG社は、銃本体と予備部品、アクセサリー、ホルスターまで含めた一式がわずか207ドルという価格で提供したのが受注の大きな要因の一つであろう。

 

欠陥

 初期のP320は、スライドの後端が地面に対して33度の角度で落下させると暴発する可能性があることが指摘されており、米国では訴訟問題にまで発展した。これに対してSIG社はリコールを行い、アップグレード版に改良されている。

 

バリエーション

 ノーマルモデルの銃身を20mm短くしたキャリーモデル、グリップも短くしたコンパクトモデル、さらにグリップを短くしたサブコンパクトモデルが発売されている。さらにXシリーズ、Xfiveシリーズとバリエーション展開している。

 

SIG P320(トイガン)

 

概要

 現在、SIGAersoftとAEGがガスガンを発売している。SIGAirsoftはSIG社のエアガン部門なのである意味実物ともいえる。実際に製造を請け負っているのは台湾のVFC社で、もちろん正式ライセンスを取得している。一応「実物」な訳で完成度は高い。全長は210mm、重量764g、装弾数は25発で命中精度も比較的良く、初速も80m/s強と高めである。アルミスライドが標準装備されている。海外製品であるため故障の際は不安が残る。

 これに対してAEG製のガスガンは基本的には刻印はない。全長204mm、重量825g、装弾数19発で、日本仕様にデチューンしているので75m/s前後と安定してる。メタルスライド装備で重量は実銃と同等になっており、エンジンは東京マルイのものに非常に似ている。重量や全長はVFC社のものよりもこちらが実銃に近いが、リアル志向のファンにとっては刻印がないというのはつまらないかもしれない。やはりエアガンは雰囲気を楽しむ面があるからだ。

 

まとめ

 

 P320は、米軍に制式採用されたことで一躍有名になった。P250以来のモジュラーシステムは画期的であり、SIG社初のストライカー式発射方式採用の銃でもある。流行のポリマー製フレームを使用する銃で初期のモデルで暴発が話題になったが、他には欠点という欠点は見当たらない。傑作ハンドガンになる可能性を秘めた銃といえる。

 

 

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01_PX4Storm
(画像はwikipediaより転載)

 

 ベレッタPX4は2004年にピエトロ・ベレッタ社が発表したハンドガンで、ローテイティング・バレルシステムを採用しているため反動が少なく、命中精度が高い。さらに人間工学を考慮して設計された各部パーツは非常に評判が良い。当初は米国でも、そのデザインの独特さから敬遠されていたようだが、卓越した性能が認知されるにつれて人気が高まった。

 

PX4(実銃)

 

 

性能

全長 192mm
重量 785g
口径 9mm、10mm、45口径
使用弾薬 9mm弾、40S&W、45ACP
装弾数 17、20発
設計・開発 ピエトロ・ベレッタ社

 

開発

 イタリアの名門、ピエトロ・ベレッタ社が2004年に開発したセミコンパクトピストルである。同社で初めてポリマーフレームを使用したモデルで、モジュラーシステム、ローテイティング・バレルを採用している。このローテイティング・バレルは、射撃時の反動をバレルを回転させるエネルギーに変換させることによって反動が軽減されると言われている。同時に45口径に代表される強力なカートリッジを使用することも可能となった。

 スライドは、ベレッタ社の伝統であるオープンスライド方式からフィスクドスライド方式に変更になっている点が特徴である。トリガーガードはそれまでの指掛けがなくなりコンシール性に優れいている。サイトは蓄光式で暗闇でも30分間は照準をすることができる(2010年には通常のホワイトドットに変更)。銃身下部にはピカテニー規格の20mmレイルが装備されており、フラッシュライトやレーザーサイトを装着することが出来る。バックストラップは大中小の3タイプがあり射手の手の大きさに合わせて交換が可能、同様にマガジンキャッチも3タイプに交換が可能である。

 

バリエーション

 PX4はタイプC、D、F、Gの4タイプ存在する。タイプCは、シングルアクションオンリーでデコッキング機能、安全装置は搭載されていない。タイプDはダブルアクションのみでデコッカー、セイフティが装備されている。タイプFはシングル、ダブルアクション可能でデコッキング機能、セイフティが装備されている。タイプGはシングル、ダブルアクション可能でデコッキング機能はあるがセイフティは装備されていない。他にもスライドがステンレス製のアイノックス、サブコンパクト、コンパクトモデルがある。

 

PX4(トイガン)

 

概要

 トイガンでは東京マルイ、WE-Techがガスブローバックガンを発売している。東京マルイはオリジナルモデルを発売しており、WE-Techはコンパクトモデルを発売している。東京マルイは安定の品質で全く問題はなく、ローテイティング・バレルも再現している等面白い製品となっている。WE-Techはメタルスライドを装備したコンパクトモデルという魅力的なチョイスをしている。

 

東京マルイ Px4 ガスブローバック

性能

全長 192mm
重量 833g
装弾数 25発

 東京マルイ製のガスガン。重量はカートリッジ無しの実銃の重量785gを上回る。但し、実銃は9mm弾を17発装填した場合には920g程度になるのでフルロードの実銃よりは軽量である。15mmのピストンを採用しているため反動は強いが命中精度は非常に高い。バックストラップは大中小が付属する。ローテイティング・バレルを再現したギミックが搭載されているのもユニークであるが、著作権の関係で刻印がベレッタではないのが残念。

 

まとめ

 

 ベレッタPX4はその独特のデザインから敬遠されることが多い銃である。しかし実銃は新方式の発射機構を採用、命中精度が高く反動がマイルドなため連射性能も高い。さらにグリップ等も人間工学を考慮した設計になっていることから扱いやすくかなり高性能なハンドガンである。個性の強いデザインも魅力の一つかもしれない。

 

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01_mp5a3
(画像はwikipediaより転載)

 

 MP5とは、1960年代にドイツのH&K社が開発したサブマシンガンでローラーロッキング方式、クローズドボルト方式を採用しているため命中精度が高く、同時に価格も高いサブマシンガンである。高価格高性能であるが故、予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。イギリス軍特殊部隊SASが採用しており、日本でも警察特殊部隊等が採用している。

 

MP5(実銃)

 

 

性能

全長 550mm(ストック展開時700mm)
重量 3,080g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 30発
設計・開発 ティロ・メーラー / H&K社

 

開発

02_mp5a3
(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代に入ると西ドイツにおいて大量のサブマシンガンの需要が発生、これに対してH&K社は1964年よりサブマシンガンの開発を開始する。ベースとなったのはスペインセトメ社のセトメ自動小銃でこのセトメ自動小銃が改良された結果、G3自動小銃として西ドイツ連邦軍に制式採用された。この開発の過程でH&K社はG3のスケールダウンモデルを計画、9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガンを開発した。このサブマシンガンはHK54と命名され、西ドイツ軍の制式サブマシンガントライアルに出品したものの、政治的な理由からイスラエル製UZIサブマシンガンが制式採用された。これに対してH&K社は警察向け、輸出向けに販売すべく計画を変更、サイトやバレルに改良を加えた発展型モデルとしてMP5が完成した。

 作動方式はローラー遅延ブローバック方式である。この方式は通常のブローバックがボルトの質量でボルトの後退を遅らせるのに対して、ボルトに設置されたローラーが銃本体の溝に引っかかることにより、その抵抗によってブローバックを遅らせる方式である。この方式は薬室内の圧力が低下してからボルトが後退するため、命中精度が高くなり、さらにクローズドボルト方式を採用していることもありサブマシンガンとしては非常に高い命中精度を実現した反面、この方式は単純なブローバック、オープンボルト方式に比べ高性能な分、部品点数が多くなるため高価格となってしまうという問題点もあった。

 しかしMP5は完成すると、1966年には西ドイツ連邦国境警備隊に採用、1970年代後半にはイギリス陸軍特殊部隊SASも採用された他、比較的予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。

 

バリエーション

03_mp5kpdw
(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代から続くベストセラーのためバリエーションは多い。オリジナルのMP5は固定ストック仕様のものでこれを伸縮式ストックに改良したのがA1、第一期改良型の固定式ストックモデルがA2、同改良型の伸縮式ストックモデルがA3、第二期改良型の固定ストックがA4、伸縮式ストックがA5となっている。

 これらとは別にコンパクトモデルとしてMP5Kシリーズがあり、固定リアサイト装備のA1、3点バースト機能を備えたA4、その両方を備えたA5、折りたたみ式ストックを装備したPDWモデルがある他、特殊部隊向けにサプレッサーを装備したSDシリーズがある。このSDシリーズは、ストック無しのSD1(3点バースト機能装備はSD4)、固定ストックのSD2(同SD5)、伸縮式ストックのSD3(同SD6)がある。そのほか民間向けにバレルが延長されセミオート仕様としたのHK94、珍しいモデルとしては10mm弾仕様のMP5/10、40S&W弾仕様のMP5/40、357SIG弾仕様のMP5/357がある。

 

MP5(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがコッキング式エアガンとしてMP5A3を発売、1987年にはファルコントーイがフルオートガスガンでMP5K、1988年には東京マルイがガスフルオート排莢式のA3、1989年にはMGCが電動ガスガンとしてMP5K、1990年にはファルコントーイがSD3、1991年にはMP5Kを発売、同年、JACがガスフルオートで3点バースト機能を装備したA5、SD5を発売している。電動ガンとしては1992年に東京マルイが電動第3弾としてA4、A5を発売したのを皮切りに2004年までほぼ毎年のようにバリエーション展開を行っていた他、2009年と2012年にはハイサイクルモデルも登場している。さらに2021年8月18日には東京マルイから次世代電動ガンで発売されている。他にも人気モデルのため、海外メーカーも数多く発売している。

 

東京マルイ MP5A5 次世代電動ガン

性能

全長 500mm(ストック展開時660mm)
重量 3,100g
装弾数 72発
初速 90m/s前後
定価 59,800円

 2021年に東京マルイが満を持して発売したMP5である。東京マルイの最新技術がふんだんに盛り込まれている2021年時点での電動ガンの最高傑作と言って良い。このモデルはこれまでの同社製MP5の外装が樹脂製であったのに対して亜鉛合金を採用、サイトや各パーツも金属を多用しているため剛性が高く、重量も実銃と同様の重さを再現している。

 フロント・リアサイトも正確に作り込まれており、エジェクションポートも金属製で射撃に際しては作動するようになっている他、「HKスラップ」と呼ばれるボルトハンドルを引いた状態からハンドルを手で下に叩きつけることでカートリッジの装填を行う機能が再現されている等、リアリティを追求したモデルとなっている。

 実射性能も高く、このモデルで新たに採用されたMシステムにより3点バースト射撃も可能となっている。このMシステムはトリガーコントロールにIC回路を組み込んだもので3点バースト以外にもレスポンスの向上やセミオートの「切れの良さ」をも向上させている。東京マルイ製であるので命中精度も非常に高いことからこれまでにモデルアップされたMP5の中でも最高のモデルであるだけでなく2021年時点での最高の電動ガンと言うことが出来る。

 

東京マルイ MP5A5 ハイサイクル電動ガン

性能

全長 535mm(ストック伸長時660)
重量 2,430g
装弾数 400発
初速 82m/s前後
定価 31,800円

 外装は樹脂製であるが強度の必要なパーツは金属製で出来ており再現性は高く、剛性もしっかりしている。ハイサイクルモデルのため高速モーターに合わせて内部パーツも通常の電動ガンに比べて耐久性の高いものに変更されている。弾倉はドラムマガジン仕様で装弾数は400発、重量は2.4kgとかなり軽量で実銃譲りの取り回し易さと相まって実用本位の電動ガンといえる。命中精度や直進性に関しては非常に良いというまさに究極のウェポンである。

 

まとめ

 

 MP5は通常のブローバック、オープンボルト式に比べ構造が複雑になっているため高価格ではあるが、同時に高性能でもあるので多くの国の法執行機関で制式採用されている銃である。1960年代の銃であるが、大きな改良をされることなく現在まで世界中で使用されている傑作中の傑作サブマシンガンである。

 

 


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01_ump
(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPとは、ドイツのH&K社が米軍特殊部隊の要請に応える形で1999年に開発したサブマシンガンである。それまで一般的であった9mm弾を使用するサブマシンガンではストッピングパワーが不足するため45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発された。全体はグラスファイバーを混入したプラスチックを多用しているため軽量で錆にも強い。当初は45ACP弾仕様だけであったが、のちに9mm弾、40S&W弾仕様モデルも発売された。

 

UMP(実銃)

 

 

性能(45ACP弾仕様)

全長 450mm(ストック展開時690mm)
重量 2.3g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾
装弾数 25発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_ump
(画像はwikipediaより転載)

 

 UMPは米軍特殊部隊の要請を受けてH&K社が1999年に開発したサブマシンガンで、当時は一般的にはサブマシンガンは9mmパラベラム弾を使用するのが一般的であったが、現場では9mmパラベラム弾の威力不足が指摘されていた。このため本銃は十分なストッピングパワーを持つ45ACP弾を使用するサブマシンガンとして開発がスタートした。

 UMPはフレームやマガジンを始め内部パーツにまでグラスファイバーを混入したプラスチックで製造されているため、軽量で生産性に優れている他にも錆にも強いという特性を持っている。作動方式はブローバック式で閉鎖機構はクローズドボルト方式を採用している。セレクターは左右兼用でセミ・フルオート切替式、サイトはVノッチとピープ式を選択できるアイアンサイトが標準装備であるが、銃上面、下面にピカテニー規格の20mmレイルが装備されており、必要に応じて光学照準器を装備することができる。

 ストックは本体同様プラスチック製の折りたたみストックが装備されており、特殊部隊用に開発された製品のため脱着式のサイレンサーも供給されている。民間向けにもセミオートモデルが販売されているが、主にユーザーは法執行機関であり、米軍第5特殊作戦群を始め、米国国境警備隊、カナダ警察特殊部隊、オーストラリア特殊部隊を始め20ヶ国以上の国の法執行機関で制式採用されている。

 

バリエーション

03_ump
(画像はwikipediaより転載)

 

 特殊な銃器のためバリエーションは多くないが、9mmパラベラム弾仕様のUMP9、40S&W弾仕様のUMP40、民間向けセミオートモデルが発売されている。

 

UMP(トイガン)

 

概要

 電動ガンがUMAREX、UFC、G&G、ARES、S&T、ダブルイーグル等から発売されている。

 

まとめ

 

 UMPの構造は非常にシンプルであり発射機構もブローバック式である。さすがにオープンボルトは採用していないものの機構もシンプル、素材もグラスファイバー混入のプラスチックで全体的に無駄のない極めて合理的なサブマシンガンである。しかしクローズドボルト方式を採用しているため命中精度は高いという非常に完成度の高いサブマシンガンとなった。

 

 


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ジェリコ941
(画像はwikipediaより転載)

 

 1990年に発売されたイスラエル製ハンドガンがジェリコ941である。アメリカでは「ベビーイーグル」とも呼ばれている銃で、現在でも販売が続けられているロングセラー商品である。ガスガンではKWCやハドソン産業が製造しており、アニメ『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊』でバトゥが使用する等、一部のファンには知られている銃である。

 

ジェリコ941(実銃)

 

 

性能

全長 207mm コンパクトモデルは184mm
重量 1092g(フルサイズ スチール)890g(フルサイズ ポリマー)
口径 9mmパラベラム、40S&W、41AE
使用弾薬 9mmパラベラム弾, .40S&W弾, .41AE弾, .45ACP弾(一部モデル)
装弾数 16+1(フルサイズ)13+1(コンパクト)

 

特徴

 ジェリコ941は、イスラエルの兵器製造コンツェルンであるイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社(IMI社:現イスラエル・ウェポン・インダストリーズ社(IWI社))によって開発、1990年に発売された自動拳銃で「ベビーイーグル」とも呼ばれている。

 ジェリコ941は日本では1999年のアニメ『カウボーイビバップ』に登場したことで一部のファンの間では有名だが世間は誰も知らないそれなりにマニアックな銃と言える。ただ、一部のファンには好まれるようで、上記、『カウボーイビバップ』の他にも攻殻機動隊においてバトーが使用する銃として作品中に登場する。

 デザインはデザートイーグルを意識したものとなっている。実際、外観はデザートイーグルに似ており、スライドを包み込むタイプのフレームは、CZ75の影響を受けていることが分かる。特徴は、9mm以外にもコンバージョンキットを利用して40S&W、41口径と使用弾薬を替えることができる。 名称で分かるようにジェリコ941は当時、40S&Wと競合していた41口径弾を使用できることが売りであったが、現在では41口径弾が市場からほぼ駆逐されてしまっている。

 バリエーションは、スチールモデルとポリマーフレームモデルの2種類が存在し、それぞれにフルサイズ、セミコンパクト、コンパクトの3種類のモデルが存在する。口径は9mmと40S&Wのみで、スチールモデルのセミコンパクトのみ45口径モデルが存在する。45口径モデルはこれとは別にジェリコ945と呼ばれるモデルが存在する。

 

ジェリコ941(トイガン)

 

 残念ながらモデルガンでは発売されていないが、エアガスガンではハドソンが随分前にガスブロを発売しているが、こちらは作動がイマイチでガス漏れもする。しかしモデルガンメーカーだけあって再現性に関しては評判が良い。最近では台湾のKWCがCO2モデルのガスガンを発売している。

 

ハドソン産業製ジェリコ941

性能
全長 208mm
重量 765g
口径 6mmBB弾
装弾数 6mm 24発
パワーソース フロンガス

 

 2003年にモデルガンメーカーの老舗ハドソン産業が発売したガスブローバックガンである。1960年代からモデルガンを製作していたメーカーだけあって外観の完成度の高さは素晴らしく、トリガーガード内側のパーティングラインも丹念に処理されている。疑似的なショートリコイル機構を装備している上にバレル内のライフリングもポリゴナルを再現しているという意欲作である

 ブローバックエンジンにはマルゼンのシステムを使用しており問題は少ないが、実射性能に関しては安全装置をしても引き金が引けてしまったりと問題も多い。最大の問題はバルブは独自快活のBVSというシステムを採用したために異常にガス漏れが多いことだ。2007年頃に改良型が発売されたが当時のエアガン業界の水準には遠く及ばなかった。

 作動性能は完全にアウトではあるが、モデルガン的な見地で観れば後述KWC社製に比べるとブローバックをすることや外観の精度の高さから本モデルが最も完成度の高いジェリコ941トイガンと言えるだろう。

 

KWC製ジェリコ941

性能
全長 205mm
重量 800g
口径 4.5mm、6mmBB弾
装弾数 4.5mm 22発、6mm 15発
パワーソース CO2ガス

 

 日本ではあまり知られていないが、台湾台南市に拠点を置くKWC社がジェリコ941のガスガンを発売している。固定スライド方式でCO2ガスで発射する。口径は4.5mmと6mmBB弾モデルが発売されている。

 KWC社のジェリコは金属製スライド、プラスチック製フレームで構成され、ダブルアクションのみ、ハンマーはダミーであるためコッキングすることはできない。機構は80年代の日本の固定スライドガスガンに近い物だと考えると良いだろう。

 命中精度は5mで4cm程度と比較的良好であるが、トリガーがダブルアクションのみでありさらに重いのが難点である。

 

 

まとめ

 

 日本ではあまり有名でないジェリコ941であるが、現在も製造販売されている。アメリカでは主にベビーイーグルという名称が一般的なようだ。日本では上記有名なアニメの脇役として存在感を出しているが知名度はあまり高くない。しかし、現在では主流のポリマーフレームも採用しており、古さを感じさせないデザインは魅力的である。

 


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01_XD40
(画像はwikipediaより転載)

 

 XDM-40とは、クロアチアの銃器メーカーHSプロダクツが開発したポリマーフレームオートで米国のスプリングフィールドアーモリー社がライセンス権を得て生産しているモデルである。45ACP弾仕様、40S&W弾仕様等があり、装弾数は13発、15発と多い。米国では45ACP弾仕様が発売されてから人気が爆発しており、他にも世界各国の軍や警察が制式採用している。

 

XDM-40(実銃)

 

 

性能(4.5インチ)

全長 196mm
重量 885g
口径 10mm
使用弾薬 40S&W弾
装弾数 15発
設計・開発 マルコ・ヴコヴィッチ / SFA社

 

開発

02_HS2000
(画像はwikipediaより転載)

 

 クロアチアの銃器メーカーHSプロダクツの技師、マルコ・ヴコヴィッチ率いるチームによりHS2000として開発されたポリマーフレームオートである。1999年に完成したHS2000は、クロアチア軍及び、クロアチアの法執行機関によって採用され、世界市場においても高評価を獲得していた。当然、米国でもHSの米国法人である「HSアメリカ」によって販売されていたが、これに目を付けたスプリングフィールドアーモリーがライセンス権を取得。米国においてXD(eXtreme Duty)ブランドとして発売した。本来、頭文字を取れば「ED」となるのであるが、いろいろ問題がありそうな頭文字なのでXDとしたのであろう。

 機構はストライカー方式、ショートリコイルを採用しており、スチール製のスライドとポリマーフレームで構成されている。スライドはスチールの上に酸化防止処置を施してある。スライドストップは左側にのみであるが、マガジンキャッチはアンビとなっている。本銃の特徴としてはサムセイフティが省略されている代わりに、トリガーセイフティ、グリップセイフティが装備されていることであろう。

 上述のようにHS2000は、クロアチア軍、法執行機関が制式採用している他、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ軍、ドミニカ、マレーシア、インドネシア、タイ等、多くの軍隊で制式採用されている。米国では45口径仕様のXDMの発売によって人気を得ることとなった。

 

バリエーション

03_HS2000
(画像はwikipediaより転載)

 

 バリエーションは、オリジナルの4インチモデルで9mmパラベラム弾仕様(装弾数19発)、45ACP弾仕様(装弾数13発)、40S&W弾仕様(装弾数15発)の他、4.5インチモデル、5.25インチモデル、3.8インチモデル、タクティカル、装弾数5発の超小型モデルXD-S等が発売されている。2020年現在ではどうも9mm仕様はカタログ落ちしているようだ。

 

XDM-40(トイガン)

 

概要

 モデルガンでの発売はなく、ガスガンでは2012年1月に東京マルイがガスブローバックモデルで40S&W弾仕様のXDM-40を発売している。

 

東京マルイ XDM-40 ガスブローバック

性能

全長 230mm
重量 745g
装弾数 26+1発

 スライド後部にコッキングインジケーターが再現されている他、トリガーセイフティ、グリップセイフティ共に再現されている。初速は70m/s前後と平均的で、命中精度は非常に高い。

 

まとめ

 

 XDM-40の機構はストライカー方式にショートリコイル、マガジンはスチール製、グリップセイフティを装備している等、比較的保守的なデザインである。シングルアクションのみであるが、ストロークは比較的長く、トリガーセイフティ、グリップセイフティ等により安全性が確保されている。伝統と最新技術をうまく組み合わせたオートといえる。

 

 

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01_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K P7とは、1976年にH&K社が発表した9mmオートマチックハンドガンである。あまりにも独特の形状で有名な銃である。ガス遅延ブローバック、スクイズコッカーを採用、携行性と安全性を両立させた。バレルが固定されているため命中精度は高いが、構造上拡張性がほとんどなくバリエーション展開、マイナーチェンジ等が行われることはほとんどなかった。

 

H&K P7(実銃)

 

 

性能

全長 171mm
重量 780g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K社が開発した自動拳銃で、1976年に西ドイツ警察にP7として制式採用された。外観を見ても分かるようにかなり独特な構造を持ったハンドガンである。プレス加工を多用したストライカー方式のオートマチックハンドガンで初期のモデルはシングルカラムマガジンを採用している。最大の特徴はガス遅延式ブローバックとグリップ前部にあるスクイズコッカーである。

 

ガス遅延ブローバック

 オートマチックハンドガンは小型のものであれば反動を利用したストレートブローバックで作動させることが出来るが、9mmパラベラム弾等の高圧カートリッジになると何かしらの方法でブローバックを遅延させる必要がある。何故かというと、カートリッジ内の火薬が発火した際、弾丸が発射されるが、同じ圧力が銃自体にもかかる。小型のカートリッジの場合は、この力を使ってスライドを後退させ次弾を装填するのであるが、あまりにも高圧になるとスライドの質量では抑えきれず弾丸が銃口から出る前に薬莢が排出されてしまうことがある。

 要するにカートリッジが破裂してしまうのだが、それを防ぐためにはスライドの後退を一瞬だけ遅らせて、弾丸が発射されてからスライドを後退させる装置が必要となる。それがストレートブローバックに対してディレートブローバック(遅延ブローバック)と呼ばれる方法で、M1911のショートリコイルを筆頭に様々は方法が開発された。因みに9mmパラベラム弾を使用しても短機関銃等の大型の銃器であればボルトやスライドの質量が大きいのでストレートブローバックでも弾丸を発射することができる。

 P7で採用されたガス遅延ブローバックとは、弾丸が発射された際、ガスを一瞬だけ別室に逃がし、そのガスが薬室に戻る勢いでスライドを動かすという構造で、その起源は第二次世界大戦末期にドイツで開発された国民突撃銃であると言われている。この国民突撃銃とは、戦争末期になりとうとう正規軍だけでは足りず、一般国民をも武装させて「にわか軍隊」を編成した際に使用する「にわか兵器」のことである。米ドル換算で1挺5ドル以下という笑ってしまうような安価なコストで製造可能な銃であった。そうは言っても竹槍よりはマシである。

 ガス遅延ブローバック方式は、ショートリコイル等と比べると装置自体が小型であり、ハンドガンに利用した場合、銃身軸線を低くすることが可能である。射撃競技でいう「ハイグリップ」状態になる訳でより身体感覚に近い状態で射撃をすることができる。初期のモデルではガス遅延装置が引き金の前方上部にあったため射手の指が火傷をするという事故が起こったが、プラスチックの保護パーツを付けることで解決している。

 

スクイズコッカー

 スクイズコッカーは、P7の最大の特徴でこの機構を採用したハンドガンは後にも先にもP7のみである。これはグリップ前部に設置された大型のレバーで撃針を発射位置まで後退させる機能とホールドオープンしたスライドをリリースする機能を持つ。薬室にカートリッジが装填された状態でスクイズコッカーを強く握ると撃針が発射位置に移動(ハンマーがコックされた状態)、そのまま引き金を引くと弾丸を発射することが出来る。薬室にカートリッジを装填した状態で携行しても安全性が高い上にダブルアクションオートと異なりシングルアクション並みのトリガープルで引き金を引くことが可能という夢のハンドガンなのである。

 さらにP7は幅が薄く携行性が高く、構造上バレルが固定されているため命中精度は非常に高いという特徴もあるが、同時にスクイズコッカーを採用したためにグリップの前後幅が広くなってしまい手の小さな射手には扱い辛いという大きな問題がある。2007年に生産終了。

 

バリエーション

03_P7M13
(画像はwikipediaより転載)

 

 オリジナルはP7M8と呼ばれるモデルで装弾数8発、上述の火傷を防ぐためにトリガー上方に耐熱ポリマーパーツが設置されている。P7M13はただでさえグリップが太いのが問題のP7をダブルカラムマガジン化したモデル。装弾数こそは13発とグレードアップしたもののグリップの握りにくさもよりグレードアップしている。P7M10は1991年に発売されたモデルで、当時流行の40S&W弾を使用できるようにしたモデルであるが、スライドが大型化し重量は1.1kgを超えてしまうという全くコンセプト不明の銃となってしまった(装弾数10発)。

 

H&K P7(トイガン)

 

概要

 1985年にマルゼンがカート式P7M13を発売している。1992年にはMGCがガスブローバック式のP7M13を発売、さらにカスタムモデルとしてシューマッハカスタムを発売した。1994年には東京マルイがエアーコッキング式でP7M13を発売している。これが現在入手できる唯一のモデルであろう。因みに執筆者はMGCのP7M13を所有しているが、これはただの自慢である。

 

東京マルイ P7M13 エアーコッキングガン

性能

全長 173mm
重量 322g
装弾数 22発

 18歳以上モデルは初速60m/s前後。チャンバーはスライドと一体のためここはリアリティに欠けるものの、フルサイズマガジン、アンビマガジンキャッチ、スライド側面に薄くヘアラインを再現している等リアル。白眉はストライカー方式の撃針を再現していることであろう。実銃P7はスライドを引くとスライド後部に撃針が突出するが、東京マルイもエアコキでありながらこれを再現している。安全装置は右後方スライド下部のボタンとスクイズコッカーでスクイズコッカーを握ると安全装置が解除され引き金が引ける。BB弾の直進性、命中精度は非常に高いがM13モデルのためグリップが握りづらいのが難点。10歳以上モデルと18歳以上モデルのHGがあるので間違えないようにしたい。

 

まとめ

 

 P7は独特の機構を内蔵した挑戦的な銃で、装弾数の少なさとグリップの太さを除けば、ほとんど欠点の無い銃と言って良い銃であった。操作方法も独特であるため慣れが必要であるが、ユーザーは一回この銃に慣れてしまうと高い命中精度と携行性の高さから手放せなくなってしまう人も多い。しかし本銃が廃れてしまった最大の原因は、拡張性がほとんどなかったということに尽きるだろう。独特の構造ゆえにカートリッジの大型化や多弾数化に対応できず次第に第一線から消えていってしまったが、その外観と性能はファンを魅了して止まない。

 

 

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01_USP
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K USPピストルとは、毎回面白ギミックを搭載したハンドガンを開発していたH&K社が初めて開発した普通のハンドガンである。ポリマーフレームを採用したオーソドックスなスライドストップ、サムセイフティを搭載した結果、ほとんど欠点のない究極のハンドガンとなってしまった。使用弾薬は9mmパラベラム弾、40S&W弾、45ACP弾とコンパクトのみ357SIG弾モデルがある。

 

H&K USPピストル(実銃)

 

 

性能(USP9)

全長 195mm
重量 770g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 15+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_USPコンパクト
(画像はwikipediaより転載)

 

 これまでローラーロッキング式拳銃P9、スクイズコッカーを採用したP7、世界初のポリマーフレーム採用のVP70等、奇抜なアイデアで勝負してきたH&K社が初めて製作した普通のオートマチックハンドガンがUSPピストルである。USPは、米区の法執行機関からの受注を目的に製作されたハンドガンで、1989年9月から開発が始まり、1993年1月に完成した。

 普通とは言ってもどこかにオリジナリティを注入したいH&Kの技術者は、1990年に完成したばかりの40S&W弾の使用を前提として開発、この40S&W弾とは9mmパラベラム弾の貫通力と45ACP弾の破壊力の「いいとこどり」を狙った結果、357マグナム並みの威力になってしまった10mm弾を若干パワーダウンさせたカートリッジである。これは市場では結構ヒットし、現在でも定番のカートリッジとなている。USPはスライドとマガジンを交換することによって、この40S&W弾と9mmパラベラム弾のどちらも使用できるようにしている。他にもヨーロピアンオートとしては珍しくUSP45と呼ばれるアメリカ人が大好きな45ACP弾を発射出来るモデルも発売している。

 それまでのH&K社のハンドガンのようなお茶目さは無いものの、フレームはポリマー製でダブルアクション、シングルアクションでの射撃が可能であり、一般的なスライドストップにデコッキング機能が搭載された上にコック&ロックが可能なサムセイフティを持っている。コック&ロックとは、コンバットシューティングでいう「コンディション1」の状態で、薬室にカートリッジが装填された状態で尚且つハンマーが起きており、安全装置が掛かっている状態である。プロはこの状態で保持することが多いので結構便利な機能である。

 さらにグリップは人間工学を生かした形状になっており、大型のグリップの割には意外なほど持ちやすい。他にもポリマー製マガジンや銃身下部の20mmレイル、手袋をした状態でも射撃出来るように大型化したトリガーガード等、便利機能が満載である。この結果、USPピストルはお茶目さは全く無いが、同時に欠点も全くないという完全無欠なハンドガンとなってしまい、市場でも大好評、改良型が米国特殊作戦群に制式採用されるに至り、現在でもH&K社の基幹モデルとして好評発売中である。

 

バリエーション

02_USPエリート
(画像はwikipediaより転載)

 

 バリエーションとしてはタクティカルモデルがある。これはサプレッサーが使用可能なように銃身前部にネジ切り込みが入った他、調整可能なリアサイトやトリガー等、各部のパーツがより高性能になったモデルである。サプレッサーが使用できるということはつまり法執行機関向けのモデルである。他にはスライド、銃身とグリップを小型化したコンパクトモデルがある。小型化されたが装弾数は45ACP弾で8発、9mmパラベラム弾で13発という多弾数を実現している。これは24時間で何度も危機に見舞われることで有名な『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウワーが劇中で愛用している。このコンパクトにもオリジナル同様にタクティカルモデルが存在する。

 USP人気に気を良くしたH&K社は、1998年にUSPの競技用カスタムであるエキスパートモデルを発売。サプレッサー以外のタクティカルモデルの装備が全て搭載された上、銃身が5.19インチに延長、スライドのデザインが新しくなっている他、装弾数も若干増加している。同じく競技用でさらに銃身を6.2インチに延長したエリート、銃身下部にウエイトを装備したUSPマッチがある。

 

H&K USPピストル(トイガン)

 

概要

 トイガンは、タナカワークスがモデルガン、ガスガンでUSP9ピストルモデルアップしており、ガスガンではKSCがUSP45ピストル、同タクティカル、コンパクト、P10、USPマッチを発売している他、東京マルイがUSP9ピストル、同コンパクトを発売している。こちらはどちらもABS製である。東京マルイは他にもエアーコッキング式で18歳以上モデル、10歳以上モデルを発売している。

 

タナカワークス USPピストル モデルガン

性能

全長 198mm
重量 640g
装弾数 15+1発

 唯一のモデルガンである。外観はタナカワークス製なので問題はない。新旧モデルがあるので購入する際は注意が必要。旧モデルはHW製で新モデルはHP製でカートリッジがEVO2となっている。現在のモデルガンは非常に作動が良いが火薬を使うためガスブローバックのように100%の作動はしない。モデルガン初心者は注意したいところである。

 

KSC USPピストル ガスブローバック

性能

全長 201mm
重量 825g
装弾数 25+1発

 KSC はUSP45を再現している。外観の再現度は非常に高く、ダミーではあるがファイアリングピン(実銃とは形状が異なる)、実銃同様のグリップ内安全装置も再現しているだけでなく、内部構造も極力再現しようと試みている。初速は70〜80m/sと若干高め、命中精度は非常に高い。こちらも新旧モデルがあり、旧モデルにはシステム7が搭載されていないので注意が必要である。

 

東京マルイ USPピストル ガスブローバック

性能

全長 195mm
重量 720g
装弾数 25+1発

 グリップ内のキーロックが再現されていない等、外観の完成度はKSCに一歩譲るものの作動の良さではKSC以上である。重量も実銃の770gに近く、スライドのノッチ対策もされているのでガンガン撃ってもスライドが削れることはない。初速はKSCよりも若干低いが命中精度は非常に高い。

 

まとめ

 

 H&K社が初めて挑戦したポリマーフレームも初登場からすでに50年以上が経過、大きな事故もほとんど起こっておらず、すでにタイムプルーフされたといえる。このフレームを使用したUSPピストルは現在あるオートマチックハンドガンではトップクラスの性能を誇る1990年代の最高傑作ハンドガンの一つといっていいだろう。

 

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