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ブルパップ式

01_95式自動歩槍
(画像はwikipediaより転載)

 

 95式自動歩槍とは、中国軍が1995年に採用した自動小銃で「歩槍」とは中国語で小銃を意味する。ブルパップ式で全体的にプラスチックを多用した構造はFA-MASやステアーAUGの影響を受けているとも言われており、弾薬は独自の5.8mm弾を使用している。

 

95式自動歩槍(実銃)

 

 

性能

全長 609mm
重量 2.9g
口径 5.8mm
使用弾薬 5.8×42mm弾
装弾数 30発
設計・開発 中国北方工業公司(ノリンコ)

 

背景から開発まで

 1956年、中国ではソビエト連邦軍の制式採用小銃であるAK47の国産モデル56式自動歩槍を制式採用、1963年には、56式歩槍と56式半自動歩槍を融合させた63式自動歩槍、1981年には81式自動歩槍を制式採用していた。しかし63式自動歩槍は低性能、それを改良した81式自動歩槍も同様にパッとしなかったため結果的に56式自動歩槍が長期間使用されることとなっていた。

 

開発

02_95式自動歩槍
(画像はwikipediaより転載)

 

 81式自動歩槍を制式採用する10年前の1971年、中国軍は世界的な小口径化の流れに対応する形で小口径自動小銃の開発を開始した。弾薬はNATO弾やワルシャワ条約機構の5.45mm弾とも異なる独自の5.8×42mm弾を開発、87式自動歩槍を完成させた。この87式自動歩槍はブルパップ式でプラスチックを多用、マガジンもプラスチックで製作する等先進的なモデルであった。95式自動歩槍はこの87式自動歩槍に3点バースト機能を組み込んだモデルである。

 発射機構はスタンダードなガスオペレーション方式で閉鎖機構はターン・ボルト・ロック方式を採用している。コッキングレバーは銃上面に設置、その上部にキャリングハンドルを設置するというFA-MASと同じ形式の構造を採用している。キャリングハンドル上部には光学照準器の設置が可能であり、銃口部には銃剣、ハンドガード部にはグレネードランチャーを装備することが可能である。

 

バリエーション

03_95式自動歩槍
(画像はwikipediaより転載)

 

 カービンモデルの95B式自動歩槍、より高威力の弾薬であるDBP10を採用した他、材質等の構造的な改良をした95-1式自動歩槍、75発ドラムマガジンを採用、長銃身化した分隊支援火器仕様の95式班用機槍、弾薬をNATO弾である5.56mm弾仕様とした97式自動歩槍がある。97式自動歩槍は3点バースト機能を持っておらず、3点バースト機能を組み込まれたモデルが97式自動歩槍A型、カービンモデルが97式自動歩槍B型と呼ばれている。このモデルにも95式と同様に分隊支援火器仕様モデルがあり、97式班用機槍と呼ばれる。他にも北米向けにセミオートのみとした民間モデル97式民用型がある。

 

95式自動歩槍(トイガン)

 

概要

 国内メーカーでは発売されていない。

 

まとめ

 

 95式自動歩槍は5.8mm弾という独自の弾薬を選定、プラスチックを多用したブルパップ式という先進的な銃であった。設計にはFA-MAS、ステアーAUGの影響があると言われている。現在では2003年に制式採用された03式自動歩槍と併用して使用されており、95式自動歩槍は、主に空挺部隊、海軍陸戦隊、香港や北京等の重要地区に配備、03式自動歩槍は一般部隊にと棲み分けがなされている。

 

 


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01_タボール21
(画像はwikipediaより転載)

 

 タボール21とは、イスラエル製アサルトライフルで基本構造にブルパップ式を採用している。ブルパップ式では後発になるため、オーストリア製ブルパップ式自動小銃ステアーAUGの特徴である強化プラスチック製のストックを採用してはいるが、マガジンは半透明マガジンを採用せずにSTANAGマガジンを採用する等、それまでの各国のアサルトライフルの長所を取り入れ独自の改良をしたモデルとなっている。

 

タボール21(実銃)

 

 

性能

全長 725mm
重量 3,300g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 IMI社

 

開発

02_タボール21
(画像はwikipediaより転載)

 

 1990年代にそれまで使用してきたM16A1、ガリルARMが旧式化してきたことにより開発された自動小銃で1994年に開発がスタート、1999年に完成した。特徴はそれまでに各国で設計されたアサルトライフルを参考にそれらをまとめ上げたような設計にある。イスラエル軍からの要求は、車両からの出入りや市街戦を想定して小型軽量であることと同時に中東の平坦な地形にも対応するように射程も十分に確保するという困難な要求であった。

 この要求に対応するために設計を依頼されたIMI(israel military industries)は基本構造をブルパップ式としてストックにはステアーAUGのような強化プラスチックを使用した新型小銃を開発した。しかしマガジンはステアーAUGのようにプラスチック製ではなくM16と互換性のあるSTANAGマガジンを採している。これにより補給が煩雑になることを防いでいる。

 ブルパップ式の欠点である照準半径(フロントサイトとリアサイトの間隔)の短さに対応するために一般的なアイアンサイトを装備しておらず(のちに装備される)光学照準器を使用する。この光学照準器は、本体上部にあるマウントベースに装着されており、必要に応じて各種光学照準器を装着することができる。

 銃身にはハンドガード等が銃身に干渉しないフリーフローティングバレルを採用、本体中央やコッキングハンドルの可動部分は通風孔を兼ねており放熱効果を高めている。本体の材質はセンサテックやアルミ合金を多用、軽量化と共に腐食に強い銃となっている。作動方式はガスオペレーション式でメカニズムは米国アーマライト社製自動小銃AR-18の機構を参考にしている。オプションパーツは銃剣、ハンドガードを交換することでM203グレネードランチャー、バイポッド等を装着することができる。

 

バリエーション

03_タボール21
(画像はwikipediaより転載)

 

 全長を80mm短縮したコンパクトモデルのCTAR21、さらに短くしたMTAR21、バイポッド、スコープを装着した簡易狙撃モデルATAR21、7.62×51mmNATO弾仕様のタボール7、2012年に発表された上部にロングタイプのピカテニー規格20mmレイルを装備したフラットトップ、ショットガンタイプのTS12等がある。

 

タボール21(トイガン)

 

概要

 2013年に東京マルイが電動ガンボーイズとして発売、2019年にはKSCがフラットトップモデルを発売している他、海外メーカーではG&G、S&Tが発売している。

 

東京マルイ タボール21 電動ガンボーイズ

性能

全長 543mm
重量 1,090g
装弾数 140発
初速 40m/s前後
定価 8,800円

 東京マルイが10歳以下の子供向けに展開しているシリーズである。子供向け製品であるため完成度は高いものの子供の身長に合わせているため全長は一回り小さく設計されている。初速も通常のエアガンの半分程度であるが命中精度は高い。価格も安く安全性も高いが平均的な身長の成人男性が使用するには厳しいかもしれない。

 

KSC タボール21 ガスブローバック

性能

全長 696mm
重量 3,690g
装弾数 38発
初速 80m/s前後
定価 53,000円

 モデルガンメーカーKSCが発売しているタボール21である。ガスブローバック式で命中精度は高いが価格も高い。しかし既存の製品の中では最も完成度が高い。ブルパップ式ガスブローバックなので耳元でメカの作動音がするのがリアル志向のファンには魅力的。大きな欠点は報告されていないが品質相応の価格がネックとなるかもしれない。

 

S&T タボール21 電動ガン

性能

全長 686mm
重量 2,400g
装弾数 300発
初速 90m/s前後
定価 バージョンにより異なる

 海外メーカーS&T社製の電動ガン。電動ガンの中でも低価格の部類に属する製品で命中精度は高いものの全体的にチープ感が漂う。海外製品のため故障した場合国内メーカーのようにサポートは受けられないのでそれなりの知識が必要。価格が東京マルイ製の電動ガンの半分以下なので初心者用と割り切って使用するのもいいかもしれない。

 

まとめ

 

 タボール21は1994年に設計開始、1997年に完成したためそれまでの各国のアサルトライフルの長所を多く取り入れている。今では廃れつつあるがブルパップ式とした上でステアーAUGのプラスチック製ストック、AR-18の発射機構を採用した。さらにSTANAGマガジンを採用、その他ロジスティクスや運用上の利便性を考慮した上に独自の改良を加えている。自動小銃としての完成度は高いといえる。

 

 


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01_L85
(画像はwikipediaより転載)

 

 L85(SA80)とは、1985年にイギリス軍が制式採用したブルパップ式自動小銃である。80年代に採用された小銃だけあって使用弾薬はSS109を使用する。フリーフローティングバレルをいち早く採用する等革新的な部分もあるが、欠陥や不具合が多く実戦においては死傷者も発生している。現在は改良されたA2が採用されているが、根本的な欠陥が改善されておらずA3への改修が研究されている。

 

L85(SA80)(実銃)

 

 

性能

全長 785mm
重量 4,720kg
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 エンフィールド造兵廠

 

背景から開発まで

 第二次世界大戦でドイツ軍のアサルトライフルの洗礼を受けた英国は1945年頃よりブルパップ式で小口径のカートリッジを使用する自動小銃の開発を志向していたものの米国が7.62mm弾をNATO標準弾として採用させたため、1957年、英国も同カートリッジを使用するL1A1小銃を制式採用した。しかし1960年代後半になると第二次世界大戦、朝鮮戦争の戦訓を検討した結果、小口径のカートリッジの採用が最適という結論となり小口径ブルパップ式自動小銃の開発が開始された。

 当初は4.85mm弾の使用を想定していたものの、米国の5.56mm弾を改良したSS109がNATO標準弾となったため5.56mm弾に変更、エンフィールド造兵廠においてXL65という名称で開発が開始、1984年9月13日に制式採用に向けての合意が結ばれた。

 

開発

02_L85A2
(画像はwikipediaより転載)

 

 SA80は1985年にL85としてイギリス軍に制式採用された自動小銃で約350,000挺がイギリス軍に納入された。特徴はブルパップ式というストック内に機関部がある方式の銃でグリップ後方にマガジンがあるという独特のスタイルをしている。1980年代といえばM16自動小銃も新型のA2モデルとなっていた時代であったが驚いたことにこのL85は樹脂やアルミを使用せずにスチールプレスで製作されている。このため全長は短いものの重量は4,72kgとM16始め他のブルパップ小銃に比べても約1.5倍の重量がある。

 ベースとなったのは米国アーマライト社製のAR-18自動小銃でこの点においては日本の89式小銃と共にアーマライト社の血統を受け継いでいる小銃である。ブルパップ式は通常の小銃に比べ、左利きの射手には特に操作しにくいため諸外国のブルパップ小銃でチャージングハンドルを上部にもっていったり、排莢口が左右に変更できるようになっている等の工夫を凝らしているが、本銃に関しては一切そのような対策は行っていない。

 弾薬はNATO標準弾であるSS109を使用、弾倉はM16小銃と互換性のあるSTANAG弾倉を採用している。ブルパップ式の欠点である照準半径が短いという問題に対処するためステアーAUGと同様にスコープが標準装備されており、万が一スコープが使用不可能になった場合に備えてスコープ上部にアイアンサイトを装備している。本銃で画期的なのは現在のライフルで主流となりつつあるフリーフローティングバレルをいち早く搭載した点である。

 このフリーフローティングバレルとはバレルが機関部に直接装着されている以外にハンドガード等が銃身に接触していないバレルのことで、前方から見た場合、ハンドガードの中心にバレルが浮かんでいるような状態になる。このためハンドガード等がバレルに干渉することが無く命中精度の向上に貢献する。このバレルシステムと前制式採用小銃L1A1の重量に匹敵する本体重量で高い命中精度を発揮するはずであったが、実際には重量バランスの悪さや引き金の硬さから命中精度は悪かった。

 このL85が初めて実戦で使用されたのは1991年の湾岸戦争であったが、上記の不良が完全に解消されておらず現場では銃の不良による死傷者が発生している。この不具合の改良は1990年代中盤にはドイツのH&K社が担当、2001年10月18日には改良されたモデルがA2として制式採用された。しかしこの改良によっても不具合は完全には解決しなかったため、2016年9月に再び改修計画が発表された。この改修も前回同様にH&K社が担当、2025年以降の運用を目指している。

 

バリエーション

03_L85A2
(画像はwikipediaより転載)

 

 L85の銃身を延長して銃身下部にバイポット、ストック部にフォアグリップを装着した分隊支援火器仕様のL86、逆に銃身を極限まで短くして銃口下部にフォアグリップを装着したアサルトカービン仕様としたモデル、その他訓練用に改造された数種類のモデルが存在する。

 

L85(SA80)(トイガン)

 

概要

 1989年にLSがエアーコッキング式でモデルアップ、LSから独立したMMCがガス式でモデルアップしている。1991年にはLSがガス式で再モデルアップ、1992年にはKSKがMMCの金型を引き継いで発売している。近年ではWE-TECH、G&G、ICS社がモデルアップしている。

 

WE-TECH L85(SA80) ガスブローバック

性能

全長 795mm
重量 4,030g
装弾数 30発
初速 75m/s前後
定価 67,600円

 レシーバー、フラッシュハイダーはスチール製、アウターバレル、フロントサイト、キャリングハンドルはアルミ製で構成、通常分解は実物通りに分解が可能であり、非常にリアルで重量も実銃に近く、マガジンは同社製M4のマガジンが使用可能である。欠点としては多くのユーザーからマガジンが冷えに弱いことが指摘されている。これは海外の高圧ガスを使用sするガスガンを低圧ガスを使用する日本仕様にしたためだと考えられる。

 

G&G L85(SA80) 電動ガン

性能

全長 785mm
重量 3,250g
装弾数 450発
初速 81m/s前後
定価 72,000円

 重量は実銃に比べ2〜3割ほど軽いが機関部はスチールプレス製で主要箇所のほとんどが金属製である。ハンドガード、グリップ、チークパッドは樹脂製となっている。弾道は非常に良く、電動ブローバックであるためボルトが可動するのも面白い。しかしユーザーによって個体差がかなりあるようで新品でセミオートが作動しない等の根本的な欠陥が指摘されている。購入する際には覚悟が必要かもしれない。

 

まとめ

 

 先進的なブルパップ式自動小銃は70年代後半から80年代にかけていくつかの先進国で採用されたが、独特な構造のため問題点も多い。L85は80年代中盤に制式採用された自動小銃でありながらプレス加工を採用、重量は4.72kgと驚くような重量になっている。命中精度を追求したフリーフローティングバレルも重量バランスの悪さとトリガーの重さから命中精度の向上には貢献しておらず、各種の不具合対応に現在でも追われているのが現状である。しかし外観の無骨さや近未来的なデザインはファンの心をつかんで離さないのである。

 

 


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01_ステアーAUGA1
(画像はwikipediaより転載)

 

 ステア―AUGとは、1977年にオーストリア軍が制式採用したブルパップ式自動小銃でプラスチックを多用した本体にフォアグリップ、光学照準器が標準装備されている上にモジュール・パーツで構成されているためパーツの交換によってカービン、サブマシンガン、分隊支援火器として使用することも可能という非常にユニークな銃である。

 

ステア―AUG(実銃)

 

 

性能

全長 790mm
重量 3,600g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 ステアー社

 

開発

02_ステアーAUGA2
(画像はwikipediaより転載)

 

 ステア―AUGは1977年にオーストリア軍に制式採用されたブルパップ式自動小銃で、機関部がストック内部にあるブルパップ式で主要パーツにプラスチックを多用している非常に先進的な小銃であった。このブルパップ式は銃身長を短くすることなく銃の全長を短縮できる利点を持つ反面、フロントサイトとリアサイト間の照準半径が短くなってしまうという欠点もある。この照準半径の短さは近距離では問題がないものの中距離、遠距離では正確なサイティングが行いにくいためAUGではキャリングハンドルも兼ねた1.5倍の光学照準器、さらに光学照準器上にアイアンサイトを標準装備としている。

 また左利きの射手にも対応できるようにエジェクションポートのカバーを差替えるだけで空薬莢の排出方向を変えることが可能である。バレルの脱着が容易なのも特徴でバレルを組み替えることで簡単にカービンモデル、支援火器として使用することも可能となっている。さらにバレル、ボルト、ボルトキャリアーを交換しマガジンハウジングコンバーターを組み込むことで9mmパラベラム弾仕様のサブマシンガンとしても使用することができるという大変ユニークな銃である。

 セミオートとフルオート切替式であるが、セレクターは無く、トリガーを弱く引くとセミオート、強く引き切るとフルオートとなっている。弾倉は残弾の確認が容易な半透明のプラスチック製で銃のコントロールを容易にするためにフォアグリップが標準装備されている。1970年代後半にはブルパップ式自動小銃が多くの国で開発されたが本銃はこれらのブルパップ式自動小銃の中でも特にユニークなモデルである。

 

バリエーション

03_ステアーAUGA3
(画像はwikipediaより転載)

 

 初期型モデルはステア―AUGF1と呼ばれており、さらに本体と一体化した光学照準器を脱着可能としてピカテニー規格20mmレイルを装備したA2、暗視装置等のモジュールマウントを装着したA3、それをセミオート化したA3M1、特殊部隊用に光学照準器の位置にピカテニー規格レイルを搭載したA3SFを始め多くのバリエーションが存在する。

 

ステア―AUG(トイガン)

 

概要

 1988年にマルゼンがエアーコッキング式でモデルアップ、翌年にはガスガンで発売している。これらはフルサイズではなく全体を約12%縮小したモデルでガスガンは全体色をOD色からブラックに変更している。同年12月17日JACがガスフルオートでモデルアップ、1994年には伝説のモデルガンデザイナー小林太三氏の設計で電動化がされている。1996年には東京マルイがスタンダード電動ガンでステア―AUGスペシャルレシーバータイプをモデルアップ、1997にはF1モデル、2011年には同じく東京マルイがステア―HCを発売している。ガスブローバックでは海外メーカーのGHKが販売している。

 

東京マルイ ステア―AUG スタンダード電動ガン

性能

全長 805mm
重量 3,400g
装弾数 80発
初速 91m/s前後
定価 29,800円

 実銃から採寸したため外観の完成度は高い。レシーバー、アウターバレルは金属製であり、その他金属パーツを多用している。トリガーアクションも実銃と同様の方式でセミ・フルオート切替が可能、フィールドストリッピングも実銃同様の手順で行える等、凝った作りである。スタンダード電動ガンなので反動はないが、命中精度、初速も高く低価格なのが魅力である。

 

東京マルイ ステア―HC

性能

全長 610mm
重量 2,680g
装弾数 330発
初速 85m/s前後
定価 34,800円

 2011年に発売されたHCシリーズ第5弾。カービンモデルを再現しており、最大の特徴は25発/分の超高回転連射性能である。トリガーアクションも実銃と同じようにセミ・フルオート切替が可能でフィールドストリッピングも実銃同様の手順で分解が可能である。命中精度等の実射性能は東京マルイであるので最高レベルである。これはもはや書く必要もないであろう。欠点としてはモデルアップしている実銃はA3の9mm弾仕様であるが、本モデルは5.56mm弾仕様となっているためフィクションの銃であることであろう。OD色、ブラックの2種類が発売されている。

 

GHK ステア―AUG ガスブローバック

性能

全長 790mm
重量 3,400g
装弾数 32発
初速 80m/s前後
定価 71,280円

 台湾メーカーGHK製ガスブローバックモデル。電動ガンと異なり、グリップ内部にモーターが内蔵されていないためグリップサイズが実銃に近い他、実銃に近い構造を持っているためフィールドストリッピングも実銃と同様の手順で行えるのが魅力。マガジンがシースルーとなっていないのが残念である。

 

まとめ

 

 1977年の採用以来40年以上にわたってオーストリア軍に制式採用されている小銃である。プラスチックを多用した構造、半透明マガジンは現在でも古さを感じさせないもので拡張性は非常に高い。その他本当に70年代に製造された銃なのかと思うくらい革新的な構造であり、多くの構造が現在でも通用する機能であることにも驚かされる。オーストリア軍と共にオーストラリア軍も制式採用しているので間違えやすいが製造元はオーストリアのメーカーである。

 


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01_FA-MAS
(画像はFA-MASF1 wikipediaより転載)

 

 FA-MASとは、フランス軍が1977年に制式採用したブルパップ式自動小銃である。小型軽量であるにも関わらず長銃身であり、ブルパップ式の構造と相まって高い命中精度を誇るが、ブルパップ式にしたことによりサイト間の照準半径が短くなったことや機関部が射手の耳元にあることによる健康被害も多いが、40年以上にわたってフランス軍の制式小銃であり続けた。

 

FA-MAS(実銃)

 

 

性能

全長 757mm
重量 3,800g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 25発
設計・開発 サン・テチエンヌ造兵廠

 

開発

02_FA-MAS
(画像はFA-MASG1 wikipediaより転載)

 

 FA-MASは1977年に制式採用されたフランス軍の自動小銃である。1979年から納入が開始、28万挺がフランス軍に納入された。最大の特徴はショルダーストック内部に機関部を内蔵、グリップ後方に弾倉を設定したブルパップ型であることである。上部には大型のキャリングハンドルが設置され、ステア―AUGやイギリス軍が制式採用したL85のように光学照準器は採用されておらず、メタルサイトがキャリングハンドルの上部に設置されている。

 ブルパップ形式を採用した欠点としてフロントサイト、リアサイト間の照準半径(フロントサイト、リアサイト間の距離)が短くなってしまった対策として二脚が標準装備されている。作動方式は遅延式ブローバックでガス圧によるブローバックにタイムラグをつけるためにボルトの動きを阻止するレバーが設置されている。コンパクトであるが、それまでの自動小銃と同等の銃身長を持っており、ガスポートが無いこと、反動に対するデザインが優れていること、反動を抑制しやすいブルパップ形式であること等から命中精度は高い。

 欠点としては、銃本体の命中精度は高いものの、ブルパップ特有の照準半径が短いため長距離射撃の際には照準しにくいという点が挙げられる。このため他のブルパップ小銃の場合は光学照準器が標準装備されているが、このFA-MASの場合は二脚によってその不利を補っているが、立射や二脚が使用できないような低姿勢での射撃の場合には不利である。ブルパップ式は健康被害も重要な問題で機関部が射手の耳元であるため射撃時の破裂音が鼓膜を傷める問題や銃口が射手の顔に近いため硝煙を吸い込んでしまうという問題もある。

 他にも弾薬の問題も指摘されている。FA-MASが制式採用された1977年時点ではNATO軍に制式採用された5.56mmカートリッジはM193であったが、現在ではSS109という同寸法でありながら高圧力のカートリッジが採用されている。FA-MASはM193仕様で設計されているためSS109が使用できない。対策としてフランス軍は独自に鉄製の薬莢を製作しているが、SS109は使用できずNATO軍内部での弾薬の互換性が無い事は大きな問題である。

 

バリエーション

03_FA-MAS
(画像はwikipediaより転載)

 

 F1モデルの銃身を切り詰めたアサルトカービンモデル、キャリングハンドルをマウントレールに変更、光学照準器の使用を可能にしたF1スナイパーモデルがある。ただ、キャリングハンドルを撤去してもコッキングレバーが上部に位置しているためマウントレールの取付位置は高い。他にも基本的な構造は同じであるが、トリガーガードを大型化したG1モデル、このG1モデルをSS109カートリッジ仕様、NATO軍共通規格のSTANAG規格のマガジンを使用することができる。

 

FA-MAS(トイガン)

 

概要

 1991年4月26日に東京マルイがスタンダード電動ガン第1弾として発売している。さらに1993年7月1日にはG1モデルをスーパーバージョンとして発売している。これは東京マルイ製品で初めて可変ホップアップ機能を搭載したモデルでこのモデルによって東京マルイの電動ガンの構造は確立されたと言っても過言ではない。さらに1996年9月11日には可変ホップアップを搭載したF1モデルが発売されている。

 

東京マルイ FA-MAS スタンダード電動ガン

性能

全長 760mm
重量 2,800g
装弾数 60発
初速 87m/s前後
定価 24,800円

 東京マルイ初の電動ガンであったFA-MASの最新版である。命中精度は非常に高く弾道はフラットである。発売当初は不評であったものの高性能故にフィールドからガスフルオート銃を駆逐していった名銃である。価格は東京マルイの電動ガンでは最も安い24,800円となっている。取り回しの良さや軽さも含め電動ガンの入門者にはおすすめの一挺である。

 

まとめ

 

 FA-MASは70年代後半に制式採用された自動小銃である。当時珍しいブルパップ式を採用しており、取り回しやすい上に長銃身であるため命中精度が高いというメリットがあるものの、サイト間の照準半径が短いことや弾倉の交換に手間取る等の問題点も指摘されている。フランス軍も2017年に次期制式採用小銃をドイツH&K社のHK416を採用、2027年までに更新することを発表している。しかし40年にわたってフランスの権益を守り続けてきたFA-MAS、名銃といえる。

 

 


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