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ドイツ

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP5とは、1960年代にドイツのH&K社が開発したサブマシンガンでローラーロッキング方式、クローズドボルト方式を採用しているため命中精度が高く、同時に価格も高いサブマシンガンである。高価格高性能であるが故、予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。イギリス軍特殊部隊SASが採用しており、日本でも警察特殊部隊等が採用している。

 

MP5(実銃)

 

 

性能

全長 550mm(ストック展開時700mm)
重量 3,080g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 30発
設計・開発 ティロ・メーラー / H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代に入ると西ドイツにおいて大量のサブマシンガンの需要が発生、これに対してH&K社は1964年よりサブマシンガンの開発を開始する。ベースとなったのはスペインセトメ社のセトメ自動小銃でこのセトメ自動小銃が改良された結果、G3自動小銃として西ドイツ連邦軍に制式採用された。この開発の過程でH&K社はG3のスケールダウンモデルを計画、9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガンを開発した。このサブマシンガンはHK54と命名され、西ドイツ軍の制式サブマシンガントライアルに出品したものの、政治的な理由からイスラエル製UZIサブマシンガンが制式採用された。これに対してH&K社は警察向け、輸出向けに販売すべく計画を変更、サイトやバレルに改良を加えた発展型モデルとしてMP5が完成した。

 作動方式はローラー遅延ブローバック方式である。この方式は通常のブローバックがボルトの質量でボルトの後退を遅らせるのに対して、ボルトに設置されたローラーが銃本体の溝に引っかかることにより、その抵抗によってブローバックを遅らせる方式である。この方式は薬室内の圧力が低下してからボルトが後退するため、命中精度が高くなり、さらにクローズドボルト方式を採用していることもありサブマシンガンとしては非常に高い命中精度を実現した反面、この方式は単純なブローバック、オープンボルト方式に比べ高性能な分、部品点数が多くなるため高価格となってしまうという問題点もあった。

 しかしMP5は完成すると、1966年には西ドイツ連邦国境警備隊に採用、1970年代後半にはイギリス陸軍特殊部隊SASも採用された他、比較的予算に余裕のある国の特殊部隊に多く採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 1960年代から続くベストセラーのためバリエーションは多い。オリジナルのMP5は固定ストック仕様のものでこれを伸縮式ストックに改良したのがA1、第一期改良型の固定式ストックモデルがA2、同改良型の伸縮式ストックモデルがA3、第二期改良型の固定ストックがA4、伸縮式ストックがA5となっている。

 これらとは別にコンパクトモデルとしてMP5Kシリーズがあり、固定リアサイト装備のA1、3点バースト機能を備えたA4、その両方を備えたA5、折りたたみ式ストックを装備したPDWモデルがある他、特殊部隊向けにサプレッサーを装備したSDシリーズがある。このSDシリーズは、ストック無しのSD1(3点バースト機能装備はSD4)、固定ストックのSD2(同SD5)、伸縮式ストックのSD3(同SD6)がある。そのほか民間向けにバレルが延長されセミオート仕様としたのHK94、珍しいモデルとしては10mm弾仕様のMP5/10、40S&W弾仕様のMP5/40、357SIG弾仕様のMP5/357がある。

 

MP5(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがコッキング式エアガンとしてMP5A3を発売、1987年にはファルコントーイがフルオートガスガンでMP5K、1988年には東京マルイがガスフルオート排莢式のA3、1989年にはMGCが電動ガスガンとしてMP5K、1990年にはファルコントーイがSD3、1991年にはMP5Kを発売、同年、JACがガスフルオートで3点バースト機能を装備したA5、SD5を発売している。電動ガンとしては1992年に東京マルイが電動第3弾としてA4、A5を発売したのを皮切りに2004年までほぼ毎年のようにバリエーション展開を行っていた他、2009年と2012年にはハイサイクルモデルも登場している。さらに2021年8月18日には東京マルイから次世代電動ガンで発売されている。他にも人気モデルのため、海外メーカーも数多く発売している。

 

東京マルイ MP5A5 次世代電動ガン

性能

全長 500mm(ストック展開時660mm)
重量 3,100g
装弾数 72発
初速 90m/s前後
定価 59,800円

 2021年に東京マルイが満を持して発売したMP5である。東京マルイの最新技術がふんだんに盛り込まれている2021年時点での電動ガンの最高傑作と言って良い。このモデルはこれまでの同社製MP5の外装が樹脂製であったのに対して亜鉛合金を採用、サイトや各パーツも金属を多用しているため剛性が高く、重量も実銃と同様の重さを再現している。

 フロント・リアサイトも正確に作り込まれており、エジェクションポートも金属製で射撃に際しては作動するようになっている他、「HKスラップ」と呼ばれるボルトハンドルを引いた状態からハンドルを手で下に叩きつけることでカートリッジの装填を行う機能が再現されている等、リアリティを追求したモデルとなっている。

 実射性能も高く、このモデルで新たに採用されたMシステムにより3点バースト射撃も可能となっている。このMシステムはトリガーコントロールにIC回路を組み込んだもので3点バースト以外にもレスポンスの向上やセミオートの「切れの良さ」をも向上させている。東京マルイ製であるので命中精度も非常に高いことからこれまでにモデルアップされたMP5の中でも最高のモデルであるだけでなく2021年時点での最高の電動ガンと言うことが出来る。

 

東京マルイ MP5A5 ハイサイクル電動ガン

性能

全長 535mm(ストック伸長時660)
重量 2,430g
装弾数 400発
初速 82m/s前後
定価 31,800円

 外装は樹脂製であるが強度の必要なパーツは金属製で出来ており再現性は高く、剛性もしっかりしている。ハイサイクルモデルのため高速モーターに合わせて内部パーツも通常の電動ガンに比べて耐久性の高いものに変更されている。弾倉はドラムマガジン仕様で装弾数は400発、重量は2.4kgとかなり軽量で実銃譲りの取り回し易さと相まって実用本位の電動ガンといえる。命中精度や直進性に関しては非常に良いというまさに究極のウェポンである。

 

まとめ

 

 MP5は通常のブローバック、オープンボルト式に比べ構造が複雑になっているため高価格ではあるが、同時に高性能でもあるので多くの国の法執行機関で制式採用されている銃である。1960年代の銃であるが、大きな改良をされることなく現在まで世界中で使用されている傑作中の傑作サブマシンガンである。

 

 


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HK45

 

 HK45は、USPピストルを基に改良された45口径拳銃である。元(現)デルタフォースの隊員の意見を参考に設計された特殊部隊用の銃で、射手の手の大きさに合わせてグリップのサイズを変更できるという特徴がある。45口径であるが、ダブルカラムマガジンを採用しており、装弾数は10発と多い。

 

HK45(実銃)

 

 

性能

口径 45口径
全長 194mm
銃身長 115mm
重量 785g
装弾数 10+1発
作動方式 ティルトバレル式ショートリコイル

 

概要

 1993年、H&K(ヘッケラー&コッホ)はUSPという40S&W口径のピストルを開発した。これはポリマーフレームを採用した拳銃でのちに45口径バージョンも登場する。このUSPはヒット作となり、ドイツ連邦軍や日本のSAT、自衛隊の特殊作戦群にも採用されている。

 しかしグリップが大型であり、小柄な体形の使用者、特に女性使用者から苦情が出た。2001年には、この問題に対応してUSPコンパクトをベースにH&KP2000が開発された。苦情のあった太すぎるグリップは、グリップバックストラップを交換することにより大きさを調整できるようにし、さらには左利き射手に対応するために操作系統も交換できるようになった。

 これを基に2006年に開発されたのがH&KP30で、P30はグリップパネルも交換することが可能でありマウントレールもピカティニー規格を採用することで汎用性を高めた。このP30を米軍のSOCOM(合衆国特殊戦統合軍)で行われたM9拳銃の後継トライアル用に45口径を使用できるように改良したのがHK45である。このSOCOMトライアル自体は2006年に無期限延期になってしまったが、HK45は2007年にショットショーで公開され、民間向けとして販売された。

 

特徴

 設計に当たっては元(現)デルタフォースの隊員の意見を参考にされた結果、トリガーガードは大きめに、全体としては角が落とされ滑らかな形状になっている。さらにUSPで採用されたポリマー製マガジンは金属製に戻された。設計に参加した元デルタフォースの隊員であるラリー・ヴィッカーズによるとトリガーストップを組み込むことを提案したが受け入れられなかったという。

 

バリエーション

 HK45を小型化したHK45C、さらに法執行機関向けにサプレッサー取付用のネジ山を切ったHK45Tモデル。それを小型化したHK45CTモデルが存在する。HK45CTモデルは米海軍特殊部隊SEALSに制式採用されているようである。

 

HK45(トイガン)

 

 トイガンでは東京マルイ、KSC、KWA、UMREXの4社から発売されている。東京マルイからはHK45、HK45タクティカル、HK45電動ガンが発売されている。電動ガンはフルオート可能である。KSCからはABS製HK45、スライドHWのモデルが発売されており、KWAからはメタルスライドモデル、UMAREXからはHK45CTのブラック、タンカラーモデルが発売されいる。

 

KSC HK45 スライドHW (18歳以上ガスブローバック)

全長 204mm
重量 900g
装弾数 29発

 旧MGCの流れを汲むモデルガンメーカーのKSC製HK45。モデルガンメーカーだけあって完成度は高い。命中精度も新型チャンバー採用以来、東京マルイ製に伍するほど高くなった。外観の完成度と実射性能を両立させた点においては最高レベルであるが、スライドストップノッチを採用していないため金属製スライドストップによってプラ製のスライドが削れてしまうという欠点がある。

 

 重量はHWスライドを採用したことにより900gと実銃にせまる重さ、装弾数29発、バックストラップが付属している。細部も正確に再現するKSCだけにコッキングインジケーターも赤色をちゃんと再現している。マガジンを挿入してもスライドを引かないとトリガーを引くことができないというリアルライブオペレーションや実銃同様にマガジン口から工具を使うことによってトリガーの作動を止めるロックアウトデバイス(作動凍結キー)も再現されている。15mmの大型シリンダーにエンジンはシステム7。初速80m/s 前後とちょっと高めである。トリガープルは、ダブル2.8kg、シングル1.1kgと平均的である。

 

東京マルイ HK45 18歳以上ガスブローバック

全長 204mm
重量 782g
装弾数 26発

 業界最大手のエアガンメーカー。外観の正確さとい命中精度の高さは他の追従を許さない。特に命中精度の高さに関しては驚異的。サバイバルゲーム等、射撃性能を求めるユーザーであれば東京マルイ一択であるといえる。重量782g、装弾数26発、ショートリコイル機能(もちろん擬似)、デコッキング機能もある。トリガープルはダブル2.4kg、シングル1.2kg、15mmの大型シリンダーを採用しており、初速は70m/s 弱。グリップアダプターが付属する。トータルクオリティは高い。

 

Umarex/VFC HK45 Compact Tactical ガスブローバック BK

 海外メーカーのUMAREX。生産しているのはVFCである。基本的な機構はKSCのものを参照しているようだ。メタルスライド装備であるが、トリガーの形状が異なったり、スライドが浮いている個体もあるようで日本製に比べるとやはり品質の低さは否めないようだ。ただ、メタルスライドは作動も重くなる上、法的にもグレーなので個人的にはおススメしない。

 

KWA HK45 メタルスライドver

 KWAはKSCの製品を生産しているメーカーなので内部機構は(恐らく)KSC製そのものだろう。KSCと異なりスライドはメタルなのでノッチによる削れの問題は起こらない。但し、刻印は印刷なのでリアリティの点では若干劣る。ただ、メタルスライドは作動も重くなる上、法的にもグレーなので個人的にはおススメしない。

 

まとめ

 

 特殊部隊用に開発されたHK45。設計には元デルタフォース隊員である、ラリー・ヴィッカーズが参画しているだけあって性能、操作性に関しては問題無さそうである。ポリマーフレームも登場当初は耐久性に不安があったが既に約40年経た現在、ポリマーフレームに関する問題はあまり無いようだ。45口径で12発の装弾数を誇るHK45。現在、最高の拳銃の一つかもしれない。

 

 


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(画像はwikipediaより転載)

 

 MPL(K)とは、1963年にワルサー社が開発したサブマシンガンである。レシーバー、グリップは薄いプレス板で形成されており、発射機構はブローバック式オープンボルトであった。近代的なサブマシンガンであったが、今ひとつ影の薄い存在であったといっていい。

 

MPL(K)(実銃)

 

 

性能(MPL)

全長 259mm
重量 2,830g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 32発
設計・開発 ワルサー社

 

開発

 1950年代後半にドイツのカール・ワルサー社は西ドイツ軍、警察の再軍備計画に沿って短機関銃の開発をスタートさせた。その結果、1963年にはMPの完成を見ることとなった。このサブマシンガンは、レシーバーやグリップは薄いスチール板のプレス加工で製造され、折り畳み式のショルダーストックはパイプを曲げて製作されている。発射機構はブローバック式、オープンボルトというシンプルな構造になっている。グリップ上方にはアンビタイプのセイフティ・セレクタースイッチがあり、これを切り替えることでセミ・フルオートでの発射が可能となる。

 完成するとすぐに西ドイツの情報機関、ドイツ駐留の米軍特殊部隊に採用された他、米海軍特殊部隊SEAL、デルタフォースでも装備がM3グリースガンからMP5に変更される過渡期に一時的に採用されている。1983年に売上が低迷したため生産中止となったが、それまでに27,000挺が製造されている。バリエーションは銃身長の違う2種類のみで、長銃身モデルがMPL、短銃身モデルがMPKである。

 

MPL(K)(トイガン)

 

概要

 トイガンでは1986年に東京マルイがエアコッキングガンとしてMPK、MPLを発売、翌年にはポンプ式が発売され、1988年には排莢式のMPLが発売された。東京マルイ以外では同じく1988年にヨネザワからガスモーター式MPLが発売されている。

 

まとめ

 

 ワルサーMPは1963年に開発されたブローバック、オープンボルトのサブマシンガンであった。近代的なサブマシンガンであったものの、数年後にはH&K社が高い命中精度を誇るクローズドボルト方式の傑作サブマシンガンMP5を発売したため影の薄い存在となってしまい1983年に製造中止となったというあまり目立たないサブマシンガンであった。

 

 


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01_mp7
(画像はwikipediaより転載)

 

 MP7とは、H&K社が開発したPDW(Personal Defense Weapon)である。カートリッジは4.6×30mm弾で、これは防弾ベストを貫通させることを目的として開発されたカートリッジであり、後方支援部隊の護身用の銃器として開発された。4.6mm弾の貫通力は凄まじく、200m先のクラス3Aの防弾ベストを貫通する能力を有する。弾丸が小型であるため装弾数も多く、ロングマガジンは40発を装填することができる。このため本来の目的以外にも特殊部隊等で使用される例が多い。

 

MP7(実銃)

 

 

性能

全長 415mm(ストック展開時638mm)
重量 1,900g
口径 4.6mm
使用弾薬 4.6×30mm弾
装弾数 20/40発
設計・開発 H&K社

 

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 MP7の特徴はイギリスで開発された4.6mm弾を使用することにある。この弾薬はP90で採用された5.7×28mm弾と同様の設計思想で開発された弾薬で高い貫通力が特徴であり、MP7もP90同様に後方支援部隊のPDW(Personal Difense Weapon)として軽量・コンパクトに設計されている。本体はプラスチックを多用、後方には伸縮式ストックを装備しており、作動方式はHK416等で使用されているショートストロークピストン式ガスオペレーション、クローズドボルト、閉鎖機構はロータリーロッキング方式を採用している。

 このロータリーロッキング方式とは、ボルトを回転させることで作動を遅くし連続射撃を可能にする機構で現在AK47、M16、M1ガーランド等、多くの銃に採用されている機構である。弾倉はイスラエル製サブマシンガンであるUZIのようにグリップ内に収納する形式になっており、グリップ内に収まる20連マガジンとグリップから突き出す40連マガジンがあり、銃上部には20mmレイルが装備され、そこにアイアンサイト、光学照準器等を装着することができる。

 貫通力はNIJ規格の44マグナムや357SIG弾を防ぐ能力を持つクラス3A防弾ベストを200m先から貫通する性能を持つ。1999年にドイツ連邦軍に制式採用、2001年より生産に入った。P90と同様に多くの特殊部隊において採用されている。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 オリジナルのMP7の他、照準器やグリップやストックの形状の一部が変更され銃身のサイドにピカテニー規格の20mmレイルを装着したA1、銃身下部のフォアグリップを廃止、代わりに20mmレイルを装着したA2モデル、セミオートのみのMP7SFモデル等がある。

 

MP7(トイガン)

 

概要

 トイガンでは頑住吉がガスガンとしてプロトタイプモデルPDWを発売、アカデミー科学が電動ガンとして発売してる。2006年2月8日には東京マルイが電動ガンを発売、2012年10月29日にガスブローバックモデルを発売している他、2009年7月28日にはKSCもガスブローバックモデルを発売している。これらはどちらも実物のデータが入手出来なかったためと言われるが実物よりもサイズが小さい。1/1スケールのトイガンでは2019年6月11日にVFCが発売したものが唯一である。

 

東京マルイ MP7 電動エアガン

性能

全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 1,480g
装弾数 50発
初速 77m/s前後
定価 28,800円

 東京マルイが2006年に発売した電動ガン仕様のMP7である。全長が実銃に比べて4cm程短いほか、重量も実銃に比べて400gほど軽い。そう考えるとおもちゃ感があるが、そこは東京マルイ。外観の完成度は非常に高く、命中精度やその他実射性能も安定している。日本メーカーなのでパーツの供給も問題が無い。サイズにこだわりが無ければ本銃も選考の対象となる。

 

東京マルイ MP7 ガスブローバック

性能

全長 381mm(ストック伸縮時586mm)
重量 2,200g
装弾数 40発
初速 75m/s前後
定価 32,800円

 サイズは同社製電動ガンと同じで実銃よりも小さいが、重量は実銃の1.96kgに比べて2.2kgと実銃よりも重く作られている。無論実銃はカートリッジを装填していない状態なので装填後は実銃の方が重くなる。電動ガンに比べて命中精度やパワー、作動の安定性は劣るものの迫力のあるブローバックを楽しみたいユーザーにはガスブローバックが良い。

 

KSC MP7 ガスブローバック

性能

全長 380mm(ストック伸縮時590mm)
重量 2,120g
装弾数 40発
初速 74m/s前後
定価 34,800円

 KSC製のMP7は東京マルイと同様に全長が4cm程短いがそれ以外の再現性は高い。ガスブローバックなので電動程の命中精度は期待できないものの、ガスブローバックでは平均以上の命中精度を発揮している。KSC製は初期モデルMP7A1とバージョンアップモデルのMP7A1-2、さらにはタクティカルモデルの3種類がある。2が最新型でマグネシウムボルトにスペアマガジンが2本付属する。価格は一緒なので購入する際は間違えないようにしたい。タクティカルモデルは限定品でこれも2と同様にマグネシウムボルト仕様である。

 

VFC MP7 電動ガン

性能

全長 418mm(ストック伸縮時640mm)
重量 1,665g
装弾数 120発
初速 91m/s前後
定価 53,600円

 このVFC製の電動MP7の最大の特徴は、他のエアガンメーカーの製品と異なり、実物大で製作されていることであろう。東京マルイ、KSC製のトイガンに比べると全長が4cm程長い。これは結構な差であろう。命中精度やその他性能においても他のメーカーに引けは取らないため、リアリティ志向のユーザーはこちらの製品が良いかもしれない。しかし総合的な性能や保証に関しては日本メーカーに一日の長がある。

 

まとめ

 

 MP7は後方支援部隊用の個人防御兵器として開発された銃器であり、ほぼ同様の目的で開発された銃にベルギーのFN社P90がある。P90に同カートリッジを使用するFive-SeveNがあるようにMP7にも同カートリッジを使用するP46があったが性能が今ひとつであったため2009年に開発が中止されている。しかしMP7の性能は高く、現在でも日本を始め、多くの特殊部隊で使用されている。

 

 


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01_HK33
(画像はwikipediaより転載)

 

 HK33とは、H&K社が1963年に発表した自動小銃で、当時の最新自動小銃であるM16自動小銃で採用された小口径弾5.56mm弾を使用できるようにG3自動小銃を小口径化したモデルである。内部機構はG3と同様で自動小銃としては珍しいブローバック式の発射機構を有する。1968年から生産が開始され、タイ軍やトルコ軍で制式採用された他、軍や警察の特殊部隊で使用されている。

 

HK33(実銃)

 

 

性能

全長 920mm
重量 3,900g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_HK33
(画像はwikipediaより転載)

 

 1962年、米空軍が5.56×45mm弾を使用するM16自動小銃を制式採用すると、H&K社はすぐに反応し、自社のG3自動小銃を5.56×45mm弾仕様に改良して1963年にはHK33自動小銃を完成させた。HK33はG3で5.56mm弾を発射出来るように改良した結果、全長は約10cm短くなり、重量も600gほど軽減されている。軽量化はしているものの使用弾薬が7.62弾から5.56mm弾に代わったため反動は軽くなっている。

 発射機構はG3と同様のディレイトブローバック方式で閉鎖機構はローラーロッキング方式を採用している。使用弾薬は初期にNATOに制式採用された5.56弾であるM193であるが、マガジンは独自規格のためM16系のSTANAGマガジンは使用できない。1980年代に改良されたHK33EではベルギーのFN社が開発した新規格のNATO弾SS109を使用することが出来る。

 ストックやハンドガードはポリマー製で、モジュラーシステムを採用しており、トリガーグループはMP5と共用でフラッシュハイダー部には銃剣や二脚、グレネードランチャーを装着することができる。採用例は少ないもののタイ軍やトルコ軍で制式採用されている他、HK33やそのバリエーションモデルが警察や軍の特殊部隊でしばしば使用されている。1968年から2001年まで製造された。

 

バリエーション

03_HK33
(画像はwikipediaより転載)

 

 固定ストック装備のA2、金属製伸縮式ストックを持つA3、カービン仕様のHK33K、スコープと専用トリガーグループを搭載した狙撃銃モデルであるSG/1、分隊支援火器仕様のHK13、HK13をベルト給弾式に変更したHK23、サブマシンガンサイズのHK53、7.62×39mm弾(AK47用の弾薬)仕様のHK32、民間向けのセミオート仕様のHK93等がある。

 

HK33(トイガン)

 

概要

 2005年にKSCがエアーコッキング&電動ガンというユニークな製品を発売している他、海外メーカーではLCTがLK33という名称で発売している。

 

まとめ

 

 HK33の開発は意外に古く1963年である。当時の小銃の小口径化にH&K社が素早く対応して完成させたモデルである。生産は2001年まで続いたが現在では生産はされていない。機構は自動小銃では珍しいブローバックで、当時の競合であるM16自動小銃と比べると若干重い。一部の国では制式採用されたものの今ひとつ注目されることのなかった自動小銃である。

 


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01_HK416
(画像はwikipediaより転載)

 

 HK416(417)とは、H&K社が2004年に発表したM4をベースに大幅に改良を施したモデルで、M16の発射機構で指摘されていたガス直接利用方式による汚損に対応するために、ショートストロークピストン式を採用した。このため外観上はM4と酷似しているが、発射機構は全く異なるものの、ロアレシーバーはM16系の銃と互換性がある。M4に比べ信頼性が高く、数か国の軍の制式採用小銃となった他、特殊部隊等で多く用いられている。

 

HK416(417)(実銃)

 

 

性能(HK416)

全長 560mm
重量 3,100g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 H&K社

 

背景から開発まで

 1960年代に米軍が手に入れた傑作小銃M16はその後、幾度も改良が加えられ現在に至っている。しかしガス直接利用方式のためボルトキャリアー内に発射時の煤等が付着しやすいため丹念なクリーニングが必要になる等の欠点があった。HK416はこの欠点を克服、同口径のカートリッジであればガス圧に関係なく使用できるようにすることを目的に開発された。

開発

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(画像はwikipediaより転載)

 

 外観上からも分かるようにHK416はM16と酷似している。これはM16系の小銃との部品の互換性を最大化した結果であが、発射機構は全く別物であると言って良い。前述のようにM16が発射時に発生したガスをボルトキャリアー内部に直接噴き付け、これによってボルトを後退させるというガス直接利用方式からショートストロークピストン式に変更されている。

 これは発射時のガスの圧力によってバレル上部にあるピストンが後退、ビリアードの玉を突くようにピストンがボルトを突き、その勢いでボルトが後退、ピストンはスプリングによって戻るがボルトは慣性によって後退、戻る時に次弾を装填するという構造である。この方式だとガスが通る部分が少なく、M16系小銃の欠点であった内部の汚損を最小限にするというメリットがある。同時にこの方式はカートリッジのガス圧に作動が左右されることがないためより多くのカートリッジを使用することができる。

 ユニークなのは、この発射機構の変更はアッパーレシーバー部のみであるため、旧来のM16系小銃のロアレシーバーを流用することが可能である。つまりは旧M16系小銃のロアレシーバーにHK416のアッパーレシーバーを装着することで「HK416」とすることも出来るわけである。H&K社は2004年にHK416の原型をHKM4として発表、しかし名称を巡ってコルト社から商標権の侵害として告訴されたため2005年にはHK416と名称を変更した。

 2007年には米軍の一部部隊(デルタ分遣隊)に制式採用、2010年にはノルウェー軍、2014年にはドイツ軍がG38として制式採用している。さらにフランス軍も現用のFA-MASをHK416に入れ替えていく予定である。

 

バリエーション

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(画像はwikipediaより転載)

 

 フロントヘビーであるという指摘に対して銃身部を軽量化したモデルであるA1、水際での仕様を想定、数か所に水抜き穴があるA2、A2を基にノルウェー軍の要求によってコッキングしていない状態でもセレクターの位置を変更できるように変更したA3、さらにそのA3のトリガーシステムを変更したA4モデル、ガスブロック先端にレギュレター(規整子)を装備、ボルトキャッチやトリガーガードを大型化する等、より使いやすく改良したA5等、数多くの改良型、派生型がある。

 

HK417

 HK416を7.62×51mmNATO弾仕様に改良したモデル。米軍が中東で作戦行動を行うことが多くなるにつれ、7.62×51mmNATO弾の遠距離性能の不足が痛感されてきた。このため米軍は7.62×51mmNATO弾仕様の遠距離モデルのトライアルを実施、このトライアルのためにHK416を7.62mm仕様に改良したのが本モデルである。トライアルには採用されなかったもののイギリス軍特殊部隊SAS、デルタフォース等多くの特殊部隊で採用されている。

 

HK416(417)(トイガン)

 

概要

 東京マルイが2012年12月27日にHK416Dを発売、2013年12月18日にDEVGRUカスタムを発売している。さらに2014年12月22日にはHK417アーリーバリアント、2016年3月24日にはHK416C、2017年3月9日にはHK416デルタカスタム(FDE)、2018年11月15日には同デルタカスタム(ブラック)を発売している他、2019年にはKSCがHK417A2を発売している。実銃が人気のあるモデルのため、他海外メーカーからも多くの製品が発売されている。

 

東京マルイ HK416D 次世代電動ガン

性能

全長 819mm
重量 3,540g
装弾数 82発
初速 93m/s前後
定価 64,800円

 東京マルイの次世代電動ガンであるのでスタンダード電動ガンでは味わえないリコイルショックを楽しむことができ、実物と同様にアンビセイフティやボルトストップ機能も搭載されている。「次世代電動ガン」ということだけで性能面では語ることもないであろう。敢えて書くならば性能はトップクラスである。

 

東京マルイ HK417 次世代電動ガン

性能

全長 921mm
重量 4,500g
装弾数 70発
初速 92m/s前後
定価 82,800円

 電動ガンとしては重量級である4.5kgと実銃と同じ重量を再現している。大型であるが、主要パーツが金属製であるために剛性は高い。次世代電動ガンなのでシュート&リコイルシステム、オートストップを搭載されている。最大特徴はサマリウムコバルトモーターを搭載していることで、これによりトリガーのレスポンスが非常に良くなっている。欠点としては、性能的には次世代電動ガンの中でもトップクラスの性能であるものの重量が4.5kgとあることであろう。

 

東京マルイ HK416C 次世代電動ガン

性能

全長 571mm
重量 3,100g
装弾数 30発
初速 91m/s前後
定価 62,800円

 次世代電動ガンであるが本モデルは元にしたモデルがストックがワイヤータイプであるために通常の電動ガンのようにバッテリーをストック内に置くことが出来ないため、他の電動ガンと異なりマガジン内に格納されている。これが原因なのかトリガーのレスポンスは早い。別売りされている照準補助デバイスを模したバッテリーケースを使用することで大型バッテリーの仕様も可能となっているが併用することは出来ない。欠点としては元にしたモデルが防弾チョッキ等を装備して使用することを前提としているためかストックが短く構えにくいこと、マガジンにバッテリーを内蔵しているためスペアマガジンの価格が高くなってしまうことであろう。

 

KSC HK417A2 ガスブローバック

性能

全長 902mm
重量 4,360g
装弾数 36発
初速 75m/s前後
定価 59,800円

 H&K社公式ライセンス製品。主要パーツは金属製でKSCらしく「かっちり」と作ってある。ガスレギュレターもダミーながら可動するのがさすがKSCといったところである。ハンドガードもアルミ製で接合部もしっかりとしており剛性も十分にある。実物と同様にマガジンキャッチ、セレクターレバー、ボルトストップ等はアンビ式となっている。システム7TWOを装備している上に大型のマガジンであるために撃ち味は重く迫力がある。同社製品はパーツが摩耗することがかつて不評であったが、本モデルは摩耗部分に焼結パーツを採用することで耐久性を確保している。命中精度はKSC製品なので非常に高いがガスブローバックなので安定性には欠ける。

 

まとめ

 

 HK416は一応、M4の改良型といってよい。しかし基本的な発射機構は全く異なる。H&K社の製品だけあって品質は非常に優れており、ショートストロークピストン式のため命中精度にも影響は少なく、弾薬の圧力にも左右されないため多くの弾薬を使用することができる。さらにロアレシーバーがM16系の銃と互換性があるためアッパーレシーバーを交換するだけでHK416の機能を発揮することができるという非常に合理的な小銃である。

 


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01_G3
(画像はwikipediaより転載)

 

 G3自動小銃とは、1959年に西ドイツ軍が制式採用した自動小銃でスペインのセトメ社製自動小銃セトメモデロBの使用弾薬を7.62mmNATO弾仕様に変更したモデルである。命中精度や信頼性が非常に高いがコッキングが重く、自動ホールドオープン機構が無い等問題点も多い。しかし全体としては高性能であるため現在でも一部の国で現役である。

 

G3自動小銃(実銃)

 

 

性能

全長 1,026mm
重量 4,410g
口径 7.62mm
使用弾薬 7.62×51mmNATO弾
装弾数 20/30/43/50発
設計・開発 H&K社

 

戦後西ドイツ軍制式採用小銃トライアル

 戦後、ドイツは東西に分割されてしまったため西ドイツは共産圏と隣接することとなってしまった。このため早急に再軍備をする必要性に迫られたものの軍隊も軍需産業も解体されてしまっていた。自国での生産が難しい状態で西ドイツ軍は外国製自動小銃のトライアルを実施、最終候補として、ベルギーのFN社製FALをG1、スイスSIG社製SG510をG2、スペインのセトメ社製セトメモデロBをG3、米国アーマライト社製AR10をG4として4機種が選定された。最終的にはFALが第一候補となったもののナチスに蹂躙された記憶が生々しいベルギーは輸出を拒否、G2、G4に関しても交渉は難航したため結局G3を制式採用することとなった。

 

開発

02_G3
(画像はwikipediaより転載)

 

 スペインのセトメ社製第一世代自動小銃セトメモデロBライフルをベースにH&K社が使用弾薬を7.62×51mmNATO弾に変更したモデルで、1959年に西ドイツ軍にG3として制式採用された。以降、1996年のG36採用まで実に40年近くにわたってドイツ軍主力小銃であり続けた銃である。作動方式はディレイトブローバックで閉鎖機構はボルトの左右に突き出したローラーを設けて摩擦によって一定時間ボルトが動かないようにするローラーロッキングシステムを採用している。

 レシーバーはプレス加工されたスチール製でストック、ハンドガードは木製であったが、後に強化プラスチック製に変更、最終型ではグリップフレームも強化ポリマー製となった。非常に命中精度の高い小銃であるが、欠点としてはボルトを前進させるスプリングが強力なためコッキングが重く、ボルトストップ機能がないことが挙げられる。さらにボルト閉鎖状態でのマガジンチェンジはボルトキャリアローラーに負担がかかるため薬室内に弾薬を残したままのマガジンチェンジは奨励されていない。

 このため撃ち終わり毎にボルトをコッキングレバーでホールドオープンした後、マガジンチェンジを行うこととなる。そしてマガジンチェンジがやりにくいというのも欠点である。しかし信頼性は高く、前述のように命中精度も高く扱いやすいため現在においても一部の国では現役である。

 

バリエーション

03_G3
(画像はwikipediaより転載)

 

 回転式フォールディングストックを装備したG3A1、ドラム式リアサイトモデルのG3A2、銃身をフリーフロート化した上でハンドガードとストックを強化プラスチック製にしたG3A3、伸縮式ストックを装備したG3A4、特別に精度の高い個体を選別してさらに命中精度を改良、二脚を装備した狙撃仕様モデルのG3SG/1等がある他、サブマシンガン仕様のMP5、使用弾薬を5.56×45mmNATO弾仕様に変更したHK33等、G3をベースに派生した多くのモデルがある。

 

G3自動小銃(トイガン)

 

概要

 東京マルイが1987年にエアーコッキング式でG3A3を発売、1994年には電動ガンで発売している。その後1995年にG3 SG/1、1996年にはG3ショーティ、2003年にはG3 SASを発売している。海外メーカーではUMAREX(VFC、WE)がガスブローバックガン、LCTが電動ガンを発売している。

 

東京マルイ G3SG/1 スタンダード電動ガン

性能

全長 1,040mm
重量 3,200g
装弾数 70発
初速 81m/s前後
定価 33,800円

 レシーバー等の主要パーツは樹脂製であるため強度的には若干不安があるもののセミ・フルオート共に命中精度は非常に高い。装弾数が若干気になるところではあるが、別売りの500連マガジンを使用すればスナイパー兼LSW(分隊支援火器)という無敵の自動小銃となる。

 

東京マルイ G3 SAS ハイサイクル電動ガン

性能

全長 535mm
重量 2,430g
装弾数 500発
初速 82m/s前後
定価 31,800円

 筐体は樹脂製であるためリアリティは今ひとつであるが、EG1000ハイトルクモーターを搭載、500連マガジンが標準装備されている上にハンドガード下部にはピカテニー規格のレイルが装備されている。性能も東京マルイ製なので命中精度その他は全く問題ない。軽量で取り回しやすいことから実用本位のサバイバルゲームユーザーにとっては非常に魅力的な製品である。

 

まとめ

 

 G3自動小銃の基になったセトメモデロBは戦後ドイツの軍需産業が解体されたため職を失ったマウザー(モーゼル)社の銃器設計者がスペインのセトメ社で設計した小銃である。このためスペイン製ではあるもののドイツ銃器の正統な流れを汲んでいる小銃といえる。一部操作性に難があるものの40年近くドイツ軍の主力小銃であり続けたことが本銃の優秀さを証明しているといえる。

 

 


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戦艦シャルンホルスト01
(画像はwikipediaより転載)

 

 戦艦シャルンホルスト級はポケット戦艦ドイッチュラント級の4番艦、5番艦として計画されたが大型艦に計画を変更されて完成した艦である。第二次世界大戦時にはドイツ海軍の主力として活躍、英空母撃沈の戦果もあげた殊勲艦である。

 

戦艦 シャルンホルスト級 〜概要〜

 

 

性能

 通常排水量 31850トン
 最大排水量 35540トン
 全長 229.8m
 全幅 30m
 吃水 9.91m
 機関出力 16万馬力
 最大速力 31ノット
 航続距離 10000海里/17ノット
 乗員 1669名
 武装 54.5口径28cm砲3連装3基
    15cm砲2連装6基
    10.5cm高角砲2連装7基
    37mm高角機関砲2連装8基
    20mm高角機関砲単装10基
    水偵4機
 装甲 舷側35cm
    甲板10.5cm
    主砲36cm
 同型艦 2隻

 

特徴

 シャルンホルスト級は当初はドイッチュラント級の4番艦、5番艦として建造される予定であったが、フランスがダンケルク級を起工したためより大型の戦艦として設計変更が行われた。主砲はドイッチュラント級と同様の28cm砲であったが、54.5口径の新型に変更された上に前部に3連装2基、後部に同1基を設置しており、さらには38cm連装砲への改修も計画されていた。さらにこの時代の戦艦にしては珍しく53.3cm水上魚雷発射管も装備している。

 主機もディーゼルから超高圧タービンに変更、31ノットの高速を発揮した。当初、シャルンホルスト級の艦首は旧来の垂直に近い形のものであったため、高速航行により波しぶきが艦橋にまで到達してしまい、漏水等の被害が発生したため艦首の形状をアトランティック・バウに改修されたが、凌波性の問題は根本的に解決することはなく、シャルンホルスト級の慢性的な欠点となった。装甲は、計画が度々変更されたためか意外に弱く舷側の大部分は4.5cmの装甲厚しかなかった。

 

建造

 1番艦シャルンホルストは1935年6月に起工、2番艦グナイゼナウは1935年5月に起工した。就役は、1番艦シャルンホルストが1939年1月、2番艦グナイゼナウが1938年5月である。

 

戦歴

 

戦艦シャルンホルスト
(画像はwikipediaより転載)

 

 1930年6月30日に起工されいているが一時建造中止となり、1935年6月15日に建造再開している。1939年1月に竣工したが、公試時に艦首が波をかぶるという不具合が発生、このため6月には艦首形状を変更したが、今度は錨鎖口から波が甲板に吹き上げたので、前部砲塔は浸水により電気系統が故障することがしばしばであった。

 1939年11月、改修作業の終了したシャルンホルストは同型艦のグナイゼナウ、軽巡洋艦ケルン、駆逐艦9隻と共にアイスランドとフェロー諸島のパトロールに出撃した。この出撃の目的は南大西洋で活躍していたポケット戦艦シュペー号を攻撃するための連合軍の戦力を分散することが目的であった。同月、イギリス仮装巡洋艦を捕捉、戦闘状態に入り同艦を撃沈し帰投した。1940年2月、ノルトマルク作戦に参加。4月にはノルウェー侵攻作戦、ヴェーゼル演習作戦の支援部隊として活躍した。

 4月8日には英戦艦レナウンと交戦、グナイゼナウは2発の命中弾を受けた。このためシャルンホルスト、グナイゼナウ共に要修理となりドッグ入りする。6月4日には修理を終え出撃、6月8日には2隻の駆逐艦に護衛されている英空母グローリアスと交戦状態に入った。この戦闘で戦艦シャルンホルストは24200mでグローリアスに砲弾を命中させるという海戦史上最長の砲撃命中記録を出す。グローリアスは撃沈したもののシャルンホルストも護衛駆逐艦の雷撃により被弾、大損害を受ける。その後も航空攻撃を受けつつも辛うじてキール軍港に入港し修理を受けた。

 1941年1月22日、大西洋での通商破壊作戦であるベルリン作戦に参加、合計49,000トンを撃沈するという戦果を挙げた。3月にはフランスのブレスト軍港に入港ここで修理を受ける。4月には、数度の航空攻撃を受け、戦艦グナイゼナウは大損害を受ける。7月には損害の無かったシャルンホルストは修理後の試験と訓練のためラ・パリスに移動するが、ここで英空軍による攻撃で損害を受けたのち、再びブレストに移動する。一方、グナイゼナウは修理と共に改装を受けている。

 1942年1月、修理の済んだシャルンホルストと修理及び改装が終了したグナイゼナウはケルベロス作戦により英仏海峡を強行突破、2月13日にはヴェルヘルムハーフェンに入港、その後キール軍港にて修理を受けたが、グナイゼナウは2月の空襲により大破してしまった。損害の無かったシャルンホルストは1943年3月にノルウェーへ展開、9月には連合軍施設の砲撃を実施、無事に帰還したが、12月、イギリス輸送船団攻撃のため出撃、護衛の英戦艦デューク・オブ・ヨーク以下の英艦隊と交戦、撃沈された。1968名中生存者は僅か36名であった。

 一方大損害を受けたグナイゼナウに対しては大改修が決定、戦艦ビスマルクと同口径の主砲の搭載も計画されていたが、1943年1月のヒトラーの大型艦廃棄命令により廃艦が決定。砲塔は陸揚げされ要塞砲として活用、艦は水上貯蔵庫、防空シェルターとして使用された。1945年3月、ソ連軍の接近によりゴーテンハーフェン湾口に曳航され閉塞船として沈められた。1951年9月、サルベージ会社により浮揚後、スクラップとして解体された。

 グナイゼナウから陸揚げされた副砲はその後もデンマーク軍の要塞砲として使用され続けた。1984年に予備役編入されたが、以降も毎年訓練で発射され続けた。2000年、最後の射撃ののち博物館となる。

 

まとめ

 

 シャルンホルスト級はドイツ海軍の主力艦として第二次世界大戦を戦い抜いた。シャルンホルストは海戦により撃沈されてしまうが、グナイゼナウはヒトラーの大型艦廃棄命令により自沈、閉塞船となる奇妙な最期を遂げた。確かにこの時期に大型艦の必要性は低下しており合理的な判断だったといえるかもしれない。

 

関連リンク

前級ドイッチュラント級戦艦

 

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01_G36
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&KG36とは、1996年にドイツ連邦軍に制式採用された自動小銃で近未来的な外観はしているものの構造は保守的な設計となっている。同時に外装にはプラスチックを多用、マガジンも半透明にする等、最新の技術も取り込んでいる。

 

H&KG36(実銃)

 

 

性能

全長 999mm
重量 3,630g
口径 5.56mm
使用弾薬 5.56×45mmNATO弾
装弾数 30発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_G36
(画像はwikipediaより転載)

 

 ドイツ軍制式採用自動小銃G3の後継機として開発がスタート、H&K社は口径を5.56×45mmNATO弾としてHK50を開発、1996年にG36として制式採用された。作動方式はガスオペレーション方式でターン・ボルト・メカニズムが組み込まれている。特徴的なのはストック、ハンドガード、グリップを始めレシーバーや多くの内部パーツに強化プラスチックを採用したことであろう。これにより生産性や耐久性の向上に貢献している。

 マガジンも半透明のポリマー製で残弾の確認が容易になっているが、同じ半透明マガジンを採用しているステアーAUGと異なり外側から薬室の付近まで見えるようになっている。照準器は1.5倍の光学照準器及び光学照準器上部に等倍のドットサイトが標準装備されていたが、寒冷地では曇ってしまうためのちにピカテニー規格の20mmレイルに変更されている。

 欠点としては、高温地域、または連続射撃により銃身が過熱、命中精度が低下することが指摘されている。

 

バリエーション

03_G36
(画像はwikipediaより転載)

 

 銃身を短縮化したカービンモデルのG36K、さらに銃身を短縮化したG36C、輸出用モデルのG36V/G36KV、標準装備のダットサイトをピカテニー規格のレイルに置き換えたモデルであるG36A2/KA2、民間型にセミオートのみとしたHK243(293)、7.62×35mmの300 BLK弾仕様であるHK237、サムホールタイプの固定ストックを装備したSL8等がある。

 

H&KG36(トイガン)

 

概要

 2002年12月12日に東京マルイからG36Cがスタンダード電動ガンとして発売、2009年12月16日には東京マルイからG36Kが次世代電動ガンとして発売されている。2011年9月15日には同じく東京マルイからG36Cカスタムが同じく次世代電動ガンとして発売されている他、電動ガンboysからスケールダウンしたG36C、同じくライトプロとしてフルスケールで対象年齢10歳以上用に低パワーモデルを発売している。海外メーカーからはダブルイーグルから電動ガンが発売されている。

 

東京マルイ H&KG36Cカスタム 次世代電動ガン

性能

全長 745mm
重量 2,930g
装弾数 50発
初速 87m/s前後
定価 49,800円

 次世代電動ガンなので外観の再現度は問題なく、トップのピカテニー規格のレイルも削り出しとリアリティに花を添えている。Cモデルなので光学照準器は装備されていないが、拡張性を考えるとむしろこちらの方がよい。マガジンは半透明で内部には実弾が装填されている状態を再現したダミーカートリッジが内蔵されている。ストックも折り畳み式でチークピース(頬当て)も取り外し可能と使い勝手も良い。次世代電動ガンなので反動もあり、命中精度も高い。G36を求めているユーザーであれば本製品一択と言っても過言ではない。

 

まとめ

 

 銃は弾丸が銃身を通過する際に強烈な摩擦により銃身が高温となる。特に高温地帯での連続射撃というのは銃にとってかなりの負担であることは間違いない。G36で指摘された高温地帯での命中精度の低下の問題はHK社は存在しないと主張しているもののプラスチックを多用した構造が原因である可能性は高い。

 


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渡辺洋二 著
潮書房光人新社; 新装版 (2012/8/1)

 

 日本の航空戦史研究の第一人者である渡辺洋二氏のドイツ航空史に関する著作だ。渡辺氏は日本の航空史研究で有名だがドイツ航空史に関しても多くの著作を執筆している。本書は大戦末期に生産されたドイツのジェット戦闘機Me262について書かれた本だ。著者の本は文献や当事者へのインタビューを元に書かれており信頼性はかなり高い。その渡辺氏が書いたものなので信頼性は高いと思う。

 ドイツ航空史の正しい知識を得られる貴重な本だ。Me262はジェット戦闘機として開発されたが、ヒトラーが爆撃機型を望んだために戦闘機型の生産が遅れてしまった。Me262は速度が最大の特徴であるが、爆撃機として重い爆弾を搭載した場合、速度は大幅に落ち、撃墜される確率も高まる。

 さらに速度が速くなりすぎ命中精度が落ちるために急降下爆撃は不利であり、緩降下爆撃しかできず、それも命中精度は低くなってしまう。Me262は爆撃機には向かないのだ。しかし、最後にエースとしても有名なガランド中将がエースパイロットを集めて第44戦闘団を編成しドイツ空軍の最後を飾ることとなる。

 おおまかにMe262のストーリーを書くと上記のような感じになるが、それ以外にもプロペラ機の速度の限界についての話などは面白い。プロペラとピストンエンジンの組み合わせはプロペラの回転速度が速くなれば速度は増すが空気の圧縮性のために推進効率は落ちていく。プロペラ機の速度の限界は800/h前後であるという。こういう情報は意外と戦記物や航空機関係の本にはあまり書かれていないので勉強になった。

 さらにドイツにも「エルベ特別隊」という空対空特攻隊があったという。これはBf109の携行弾数を半分にし、敵重爆に機銃を撃ちながらそのまま体当たりするというものだ。さらにドイツのトップエース、エーリッヒ・ハルトマンもMe262への転換訓練を受けたがハルトマンの希望により元の第52戦闘航空団に戻ったなど興味深いエピソードが書かれている。

 私が一番驚いたのは渡辺氏は二度、ガランド中将に手紙を出して直接疑問点を訊いていることだ。ガランド中将は見知らぬ質問者の手紙に対して折り目正しい返書がきたという。古い本だが戦記物は新しい本がいい本とは限らない。何せ対象にしている時代はもっと古いのだ。逆に昔の本の方が同時代人が多く存命であり、良質の情報で書かれている場合もある。ドイツ航空戦史に興味のある方は必読だろう。

 

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H&KMk23
(画像はwikipediaより転載)

 

 SOCOMMk.23とは、1996年に米国特殊作戦軍に制式採用された45口径ピストルである。サプレッサーが装着可能で拡張性の高いレールシステムを装備しており、命中精度、信頼性も非常に高い銃である。しかしこのために全長245mm、重量1,576gの巨大な銃となってしまった。

 

SOCOMMk.23(実銃)

 

 

性能

全長 245mm
重量 1,210g
口径 45口径
使用弾薬 45ACP弾
装弾数 12発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_Mk23
(画像はwikipediaより転載)

 

 SOCOMとは1987年に成立したアメリカ特殊作戦軍の略称で、陸海空海兵隊の特殊部隊を統合した部隊である。総司令官には大将が充てられているため発言権は結構強い。そのSOCOMであるが、実際に編成されてみると当然装備はバラバラで小火器だけで120種類にも達していた。これではさすがにマズいので武器の統一を検討し始めた。この検討の中で、ハンドガンは米軍制式採用のM9ピストルは威力が弱い上にスライドの耐久性が弱くブっ壊れるために却下、「やはり米軍伝統の45口径に限る!」と決定したものの、すでに設計から70年以上経っているM1911A1の改良はコスパが悪いため新たに45口径ピストルを採用することにした。

 新制式ハンドガンのトライアルは1991年から始まり、コルト社、H&K社等様々なメーカーが出品したが、落下テスト、精度テストはもちろん、30,000発耐久試験、水深20mでの水圧テスト、96時間の塩水噴霧テスト等、異常に過酷なテストをガチに実施した結果、H&K社がトライアルを勝ち抜き、1996年、Mk23 Mod0として制式採用された。因みにこの「Mk.○○ Mod○○」という表記は元々米海軍の兵器の呼称で、Mkはモデル名、Modは「Modification」の略で改良を意味する。陸軍のM16A1等の「M○○A○○」という呼称と同じである。

 このH&K社製Mk23は、1993年に発表した自慢のハンドガンUSPをベースに改良しまくったもので、セイフティ、マガジンキャッチはアンビとなっており、サプレッサー、フラッシュライトを装着するためのレールを装備している。45ACP弾+P弾を発射出来るように設計されており、命中精度も25mで3cmに集まるという非常に高いものである。15,000発を無事故で発射出来る信頼性を確保しただけでなく、改良したリコイルスプリングの効果で反動も少ない。

 しかしこれらの改良のためMk23は巨大化してしまい、全長は245mm、重量は1,576gとデザートイーグル並みの大きさと重量になってしまった。高性能ではあるが、さすがにMk23は大きすぎたためH&K社はUSPタクティカル、HK45等を開発することとなる。このMk23は、SOCOMだけでなく、民間市場においてもMARK23として発売されている。

 

SOCOMMk.23(トイガン)

 

概要

 モデルガンは発売されておらず、KSCがガスブローバックモデル、東京マルイが固定スライドガスガン、エアーコッキングガンとして発売している他、SS等若干のメーカーがモデルアップしている。KSCのSOCOMが最も完成度が高い。ガスブロ発展期の製品のためエンジンに初期の「ロングレンジ」、改良型の「ハードキック」、最新の「05ハードキック」とある。現在はカタログ落ちしてしまっているため中古品を漁る際は出来るだけ最新の05ハードキックを買うように注意したい。現在でも販売中のモデルは、東京マルイ製のモデルのみである。

 

東京マルイ SOCOMMk.23 固定スライドガスガン

性能

全長 245mm
重量 850g
装弾数 28+1発

 固定スライドガスガンではあるが、サイレンサー、フラッシュライト(単4電池3本使用)が標準装備されていて販売価格が15,800円とお手頃な値段なのが魅力。サムセイフティとスライドストップが安全装置になっている。固定スライドではあるが、スライドを引くことでシングルアクションとして射撃することが出来る。初速は70m/s前後で平均的、命中精度は非常に高い。サプレッサーがある上に固定スライドなので発射音が小さいのが特徴。

 

東京マルイ SOCOMMk.23 エアーホップガンHG

→ amazonで東京マルイSOCOMMk.23を探す
 

性能

全長 244mm
重量 364g
装弾数 26発

 東京マルイ定番のエアコキシリーズ。10歳以上モデルと若干威力の強い18歳以上モデルがある。エアコキなので外観はチープだが、フルサイズマガジン仕様で最低限のポイントは押さえている。パワーはタイプによって異なるが、命中精度はどちらも高い。サバゲで使用するのには無理があるが、室内プリンキング用にはうってつけである。特にパワーの弱い10歳以上モデルがおすすめ。

 

まとめ

 

 H&K社がサブマシンガンに代替し得る「攻撃型拳銃」として開発したMK23は、あらゆる自然環境下での使用が可能であり、命中精度も25mで3cmと非常に高性能であったが、あまりにも巨大な銃となり過ぎたため取り回しが不便になってしまった「全部乗せ」ハンドガンであった。しかし、コンパクトさには欠けるもののその高性能は多くの戦場で任務を遂行するのに貢献することになる。

 

 

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01_VP70
(画像はwikipediaより転載)

 

 VP70とは、H&K社が1970年に発表した自動拳銃で、シンプル、低価格を実現させようとした銃で、世界初のポリマーフレームを採用し、9mmパラベラム弾使用でありながらストレートブローバック機構とするなど挑戦的な銃であった。専用ストックを装着することで3点バーストができるという面白ギミックもある。

 

VP70(実銃)

 

 

性能

全長 204mm
重量 820g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 18+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_VP70
(画像はwikipediaより転載)

 

 VP70は、1970年にH&K社が開発した自動拳銃である。VPとは「Volkspistole(人民ピストル)」の略で、これは第二次世界大戦末期に即席で編成された国民突撃隊が装備する予定であったピストルの事で、このコンセプトを受け継いだVP70は特に貧乏な国の軍や警察向けに低価格で良く動くけど壊れないという銃を目指して設計された。

 1968年に設計が完了、1970年に発表されたVP70は、H&K社らしく非常にユニークな銃で、使用弾薬は9mmパラベラム弾でありながらストレートブローバック方式を採用した。このストレートブローバック方式というのはカートリッジの発射時の爆発力でスライドを後退させる自動拳銃では最もシンプルな機構であるが、高圧力のカートリッジだと質量の関係で弾丸が発射される前にスライドが後退してしまうので通常9mmパラベラム弾等の高圧力カートリッジを使用する銃では弾丸の発射とスライドを後退に時差をつけるために緩衝装置を使用する。

 但し、あくまでも弾丸とスライドの質量の問題なのでサブマシンガン等は質量のあるボルトを採用することで9mmパラベラム弾のストレートブローバックを採用しているモデルもある。VP70はこの方式を採用し、スライドの質量を増やすことで9mmパラベラム弾のストレートブローバックを可能にした。ただ、これだけだとスライドの質量がサブマシンガン並みになってしまうため、銃身内にあるライフリングを通常よりも深くしてカートリッジ発火時のガスを前方に逃がすという工夫をしている。

 撃発機構も元々シンプルなストライカー方式をさらに簡略化したもので、ストライカー方式の撃針をトリガーで引き切るというものであった。昔の「銀玉てっぽう」のようなものを想像すると分かりやすい。このようにこれでもかというくらい単純な構造を採用したことにより部品点数を減らすことに成功。同時にフレームをポリマーにするという思い切った設計を行った。このポリマーフレームは軽量で金属と異なり錆び等に強く、極寒地においても金属のように皮膚が付着しないという特徴がある。このポリマーフレームは現在では当たり前であるが、VP70で採用したのが世界初であった。

 シンプルな構造にポリマーフレームとユニークな銃であるが、さらにユニークなのがホルスターにもなる専用ストックで、このストックを装着すると3点バースト射撃が可能となる。これはサブマシンガンの代用として使用することを想定したものであり、このためVP70の装弾数も18発と多い。

 以上のように非常に革新的な銃であったが、問題が無かった訳ではない。いや、むしろ問題だらけだったと言って良い。ポリマーフレームの採用により重量の軽量化には成功したものの、銃は大型化し、トリガーフィーリングはリボルバーのダブルアクション並みに重くなってしまった。さらに上記のような構造のストレートブローバックを採用したことにより、ライフリングの溝から大量のガスが抜け出し、作動はするものの威力は380ACP並みに落ちてしまった。

 ストレートブローバックのため反動は非常に強く、質量のあるスライドは重く鋭いリコイルを作り出した。このため通常の9mmパラベラム弾使用のハンドガンに比べて威力は弱く、命中精度も酷い上に、通常のカートリッジよりも威力の強い「+P」や火薬の圧力が一定していないカートリッジを使用すると頻繁に装填不良を起こしてしまうという性能的にはいいところが一つもないと言ってもよいほどのものになってしまった。

 このような試作品のような銃であったが、H&K社は、ポリマーフレーム用の生産ラインを新規に作るためにした多額の投資を回収するためなのか、VP70の設計者が社長にでもなったのかは分からないが、生産は1989年まで何と20年間も行われた。さすがにバリエーションは少なく、グリップからフィンガーレストを廃したVP70M、これをさらに民間向けにセミオートのみとしたVP70Z、使用弾薬を9×21mmIMI弾としたVP70 9×21があるのみである。

 

VP70(トイガン)

 

概要

 1981年にMGCがモデルガンとしてモデルアップ。専用ストックも発売された。専用ストックを使用した3点バーストは作動が非常に不安定であり、一時期は「○○店のストックは性能がいい」等という都市伝説までささやかれた。1988年にはヨネザワがエアガンとして発売、近年ではタニオコバがガスブローバックとして発売している。

 

まとめ

 

 VP70は、商業的には失敗と言って良い製品であったが、この銃での技術的な挑戦はポリマーフレームを生み出した。保守的な設計であることも重要であるが、失敗を恐れずに新しく挑戦し続けることが技術を進歩させる。VP70の失敗はのちの世代に大きな成功をもたらしたといえる。

 

 

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01_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K P7とは、1976年にH&K社が発表した9mmオートマチックハンドガンである。あまりにも独特の形状で有名な銃である。ガス遅延ブローバック、スクイズコッカーを採用、携行性と安全性を両立させた。バレルが固定されているため命中精度は高いが、構造上拡張性がほとんどなくバリエーション展開、マイナーチェンジ等が行われることはほとんどなかった。

 

H&K P7(実銃)

 

 

性能

全長 171mm
重量 780g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 8+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_P7
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K社が開発した自動拳銃で、1976年に西ドイツ警察にP7として制式採用された。外観を見ても分かるようにかなり独特な構造を持ったハンドガンである。プレス加工を多用したストライカー方式のオートマチックハンドガンで初期のモデルはシングルカラムマガジンを採用している。最大の特徴はガス遅延式ブローバックとグリップ前部にあるスクイズコッカーである。

 

ガス遅延ブローバック

 オートマチックハンドガンは小型のものであれば反動を利用したストレートブローバックで作動させることが出来るが、9mmパラベラム弾等の高圧カートリッジになると何かしらの方法でブローバックを遅延させる必要がある。何故かというと、カートリッジ内の火薬が発火した際、弾丸が発射されるが、同じ圧力が銃自体にもかかる。小型のカートリッジの場合は、この力を使ってスライドを後退させ次弾を装填するのであるが、あまりにも高圧になるとスライドの質量では抑えきれず弾丸が銃口から出る前に薬莢が排出されてしまうことがある。

 要するにカートリッジが破裂してしまうのだが、それを防ぐためにはスライドの後退を一瞬だけ遅らせて、弾丸が発射されてからスライドを後退させる装置が必要となる。それがストレートブローバックに対してディレートブローバック(遅延ブローバック)と呼ばれる方法で、M1911のショートリコイルを筆頭に様々は方法が開発された。因みに9mmパラベラム弾を使用しても短機関銃等の大型の銃器であればボルトやスライドの質量が大きいのでストレートブローバックでも弾丸を発射することができる。

 P7で採用されたガス遅延ブローバックとは、弾丸が発射された際、ガスを一瞬だけ別室に逃がし、そのガスが薬室に戻る勢いでスライドを動かすという構造で、その起源は第二次世界大戦末期にドイツで開発された国民突撃銃であると言われている。この国民突撃銃とは、戦争末期になりとうとう正規軍だけでは足りず、一般国民をも武装させて「にわか軍隊」を編成した際に使用する「にわか兵器」のことである。米ドル換算で1挺5ドル以下という笑ってしまうような安価なコストで製造可能な銃であった。そうは言っても竹槍よりはマシである。

 ガス遅延ブローバック方式は、ショートリコイル等と比べると装置自体が小型であり、ハンドガンに利用した場合、銃身軸線を低くすることが可能である。射撃競技でいう「ハイグリップ」状態になる訳でより身体感覚に近い状態で射撃をすることができる。初期のモデルではガス遅延装置が引き金の前方上部にあったため射手の指が火傷をするという事故が起こったが、プラスチックの保護パーツを付けることで解決している。

 

スクイズコッカー

 スクイズコッカーは、P7の最大の特徴でこの機構を採用したハンドガンは後にも先にもP7のみである。これはグリップ前部に設置された大型のレバーで撃針を発射位置まで後退させる機能とホールドオープンしたスライドをリリースする機能を持つ。薬室にカートリッジが装填された状態でスクイズコッカーを強く握ると撃針が発射位置に移動(ハンマーがコックされた状態)、そのまま引き金を引くと弾丸を発射することが出来る。薬室にカートリッジを装填した状態で携行しても安全性が高い上にダブルアクションオートと異なりシングルアクション並みのトリガープルで引き金を引くことが可能という夢のハンドガンなのである。

 さらにP7は幅が薄く携行性が高く、構造上バレルが固定されているため命中精度は非常に高いという特徴もあるが、同時にスクイズコッカーを採用したためにグリップの前後幅が広くなってしまい手の小さな射手には扱い辛いという大きな問題がある。2007年に生産終了。

 

バリエーション

03_P7M13
(画像はwikipediaより転載)

 

 オリジナルはP7M8と呼ばれるモデルで装弾数8発、上述の火傷を防ぐためにトリガー上方に耐熱ポリマーパーツが設置されている。P7M13はただでさえグリップが太いのが問題のP7をダブルカラムマガジン化したモデル。装弾数こそは13発とグレードアップしたもののグリップの握りにくさもよりグレードアップしている。P7M10は1991年に発売されたモデルで、当時流行の40S&W弾を使用できるようにしたモデルであるが、スライドが大型化し重量は1.1kgを超えてしまうという全くコンセプト不明の銃となってしまった(装弾数10発)。

 

H&K P7(トイガン)

 

概要

 1985年にマルゼンがカート式P7M13を発売している。1992年にはMGCがガスブローバック式のP7M13を発売、さらにカスタムモデルとしてシューマッハカスタムを発売した。1994年には東京マルイがエアーコッキング式でP7M13を発売している。これが現在入手できる唯一のモデルであろう。因みに執筆者はMGCのP7M13を所有しているが、これはただの自慢である。

 

東京マルイ P7M13 エアーコッキングガン

性能

全長 173mm
重量 322g
装弾数 22発

 18歳以上モデルは初速60m/s前後。チャンバーはスライドと一体のためここはリアリティに欠けるものの、フルサイズマガジン、アンビマガジンキャッチ、スライド側面に薄くヘアラインを再現している等リアル。白眉はストライカー方式の撃針を再現していることであろう。実銃P7はスライドを引くとスライド後部に撃針が突出するが、東京マルイもエアコキでありながらこれを再現している。安全装置は右後方スライド下部のボタンとスクイズコッカーでスクイズコッカーを握ると安全装置が解除され引き金が引ける。BB弾の直進性、命中精度は非常に高いがM13モデルのためグリップが握りづらいのが難点。10歳以上モデルと18歳以上モデルのHGがあるので間違えないようにしたい。

 

まとめ

 

 P7は独特の機構を内蔵した挑戦的な銃で、装弾数の少なさとグリップの太さを除けば、ほとんど欠点の無い銃と言って良い銃であった。操作方法も独特であるため慣れが必要であるが、ユーザーは一回この銃に慣れてしまうと高い命中精度と携行性の高さから手放せなくなってしまう人も多い。しかし本銃が廃れてしまった最大の原因は、拡張性がほとんどなかったということに尽きるだろう。独特の構造ゆえにカートリッジの大型化や多弾数化に対応できず次第に第一線から消えていってしまったが、その外観と性能はファンを魅了して止まない。

 

 

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01_USP
(画像はwikipediaより転載)

 

 H&K USPピストルとは、毎回面白ギミックを搭載したハンドガンを開発していたH&K社が初めて開発した普通のハンドガンである。ポリマーフレームを採用したオーソドックスなスライドストップ、サムセイフティを搭載した結果、ほとんど欠点のない究極のハンドガンとなってしまった。使用弾薬は9mmパラベラム弾、40S&W弾、45ACP弾とコンパクトのみ357SIG弾モデルがある。

 

H&K USPピストル(実銃)

 

 

性能(USP9)

全長 195mm
重量 770g
口径 9mm
使用弾薬 9mmパラベラム弾
装弾数 15+1発
設計・開発 H&K社

 

開発

02_USPコンパクト
(画像はwikipediaより転載)

 

 これまでローラーロッキング式拳銃P9、スクイズコッカーを採用したP7、世界初のポリマーフレーム採用のVP70等、奇抜なアイデアで勝負してきたH&K社が初めて製作した普通のオートマチックハンドガンがUSPピストルである。USPは、米区の法執行機関からの受注を目的に製作されたハンドガンで、1989年9月から開発が始まり、1993年1月に完成した。

 普通とは言ってもどこかにオリジナリティを注入したいH&Kの技術者は、1990年に完成したばかりの40S&W弾の使用を前提として開発、この40S&W弾とは9mmパラベラム弾の貫通力と45ACP弾の破壊力の「いいとこどり」を狙った結果、357マグナム並みの威力になってしまった10mm弾を若干パワーダウンさせたカートリッジである。これは市場では結構ヒットし、現在でも定番のカートリッジとなている。USPはスライドとマガジンを交換することによって、この40S&W弾と9mmパラベラム弾のどちらも使用できるようにしている。他にもヨーロピアンオートとしては珍しくUSP45と呼ばれるアメリカ人が大好きな45ACP弾を発射出来るモデルも発売している。

 それまでのH&K社のハンドガンのようなお茶目さは無いものの、フレームはポリマー製でダブルアクション、シングルアクションでの射撃が可能であり、一般的なスライドストップにデコッキング機能が搭載された上にコック&ロックが可能なサムセイフティを持っている。コック&ロックとは、コンバットシューティングでいう「コンディション1」の状態で、薬室にカートリッジが装填された状態で尚且つハンマーが起きており、安全装置が掛かっている状態である。プロはこの状態で保持することが多いので結構便利な機能である。

 さらにグリップは人間工学を生かした形状になっており、大型のグリップの割には意外なほど持ちやすい。他にもポリマー製マガジンや銃身下部の20mmレイル、手袋をした状態でも射撃出来るように大型化したトリガーガード等、便利機能が満載である。この結果、USPピストルはお茶目さは全く無いが、同時に欠点も全くないという完全無欠なハンドガンとなってしまい、市場でも大好評、改良型が米国特殊作戦群に制式採用されるに至り、現在でもH&K社の基幹モデルとして好評発売中である。

 

バリエーション

02_USPエリート
(画像はwikipediaより転載)

 

 バリエーションとしてはタクティカルモデルがある。これはサプレッサーが使用可能なように銃身前部にネジ切り込みが入った他、調整可能なリアサイトやトリガー等、各部のパーツがより高性能になったモデルである。サプレッサーが使用できるということはつまり法執行機関向けのモデルである。他にはスライド、銃身とグリップを小型化したコンパクトモデルがある。小型化されたが装弾数は45ACP弾で8発、9mmパラベラム弾で13発という多弾数を実現している。これは24時間で何度も危機に見舞われることで有名な『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウワーが劇中で愛用している。このコンパクトにもオリジナル同様にタクティカルモデルが存在する。

 USP人気に気を良くしたH&K社は、1998年にUSPの競技用カスタムであるエキスパートモデルを発売。サプレッサー以外のタクティカルモデルの装備が全て搭載された上、銃身が5.19インチに延長、スライドのデザインが新しくなっている他、装弾数も若干増加している。同じく競技用でさらに銃身を6.2インチに延長したエリート、銃身下部にウエイトを装備したUSPマッチがある。

 

H&K USPピストル(トイガン)

 

概要

 トイガンは、タナカワークスがモデルガン、ガスガンでUSP9ピストルモデルアップしており、ガスガンではKSCがUSP45ピストル、同タクティカル、コンパクト、P10、USPマッチを発売している他、東京マルイがUSP9ピストル、同コンパクトを発売している。こちらはどちらもABS製である。東京マルイは他にもエアーコッキング式で18歳以上モデル、10歳以上モデルを発売している。

 

タナカワークス USPピストル モデルガン

性能

全長 198mm
重量 640g
装弾数 15+1発

 唯一のモデルガンである。外観はタナカワークス製なので問題はない。新旧モデルがあるので購入する際は注意が必要。旧モデルはHW製で新モデルはHP製でカートリッジがEVO2となっている。現在のモデルガンは非常に作動が良いが火薬を使うためガスブローバックのように100%の作動はしない。モデルガン初心者は注意したいところである。

 

KSC USPピストル ガスブローバック

性能

全長 201mm
重量 825g
装弾数 25+1発

 KSC はUSP45を再現している。外観の再現度は非常に高く、ダミーではあるがファイアリングピン(実銃とは形状が異なる)、実銃同様のグリップ内安全装置も再現しているだけでなく、内部構造も極力再現しようと試みている。初速は70〜80m/sと若干高め、命中精度は非常に高い。こちらも新旧モデルがあり、旧モデルにはシステム7が搭載されていないので注意が必要である。

 

東京マルイ USPピストル ガスブローバック

性能

全長 195mm
重量 720g
装弾数 25+1発

 グリップ内のキーロックが再現されていない等、外観の完成度はKSCに一歩譲るものの作動の良さではKSC以上である。重量も実銃の770gに近く、スライドのノッチ対策もされているのでガンガン撃ってもスライドが削れることはない。初速はKSCよりも若干低いが命中精度は非常に高い。

 

まとめ

 

 H&K社が初めて挑戦したポリマーフレームも初登場からすでに50年以上が経過、大きな事故もほとんど起こっておらず、すでにタイムプルーフされたといえる。このフレームを使用したUSPピストルは現在あるオートマチックハンドガンではトップクラスの性能を誇る1990年代の最高傑作ハンドガンの一つといっていいだろう。

 

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01_モーゼルHSc
(画像はwikipediaより転載)

 

 モーゼルHScとは、モーゼル社の技師アレックス・ザイデルが1938年に開発した中型オートである。ワルサー社のPP、PPKに次いでダブルアクション機構を搭載、ホルスターへの出し入れをスムーズにするための特徴的な三角形のトリガーガードや小型のハンマー等、独自の工夫を凝らした銃である。1940年から1945年まで生産され、戦後も再び生産されており、総生産数は33万4000挺に達する。

 

モーゼルHSc(実銃)

 

 

性能(7.65mm仕様)

全長 160mm
重量 596g
口径 32口径
使用弾薬 32ACP(7.65×17)弾
装弾数 8+1発
設計・開発 アレックス・ザイデル / マウザー社

 

背景から開発まで

 1930年代のドイツでは中型オートが多く発売され人気を博していた。特にワルサー社が1929年に発売したワルサーPP、PPKはオートでは初のダブルアクション機構を搭載して商業的に成功を収めていた。このワルサー社の中型オートに刺激されたモーゼル社は本格的に中型ダブルアクションオートの開発に取り組むことになる。

 

開発

 数年間の試行錯誤の末、モーゼル社はハーン・ゼルトスパン(「Hahn Selbstspanner」ダブルアクション式撃鉄)と名付けた新製品の試作「a」を開発、軍に試用品として使ってもらい改良を重ねた。その結果、試作「b」が完成、1938年(1937年とも)には、さらに改良された「c」が完成した。これはハーン・ゼルトスパンの3代目ということで頭文字を取り「HSc」と呼ばれた。生産は1940年から始まり1945年までモーゼル社で生産された。1940〜1945年までの総生産数は25万2000挺。

 第二次世界大戦後、モーゼル社の工場があるオベルンドルフ・アム・ネッカーが米軍に占領され、のちにフランスに委任されたことにより1945年から1946年までフランス軍用にHScが生産されている。モーゼル社は解体されてしまったが、1968年にモーゼル社の従業員が中心になって設立したH&K社の一部門が分離独立して再びモーゼル社を設立した。HScも1968年より再生産され、1977年まで生産が行われた。総生産数は約33万4000挺である。

 HScは、ダブルアクション機構に露出したハンマーが特徴で、生産性を考慮して直線を基準にしたデザインを採用している。特徴的な三角形のトリガーガードはホルスターへの挿入を容易にするためで引っかからないように工夫された小型のハンマー等、各所に工夫を凝らしている。発射方式はストレートブローバックで口径は基本は32ACPであるが、380ACPモデル、22口径モデルも生産されている。

 

モーゼルHSc(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは、1967年に国際ガンクラブ(のちのコクサイ)から発売されたタニオアクションモデル、1968年にはMGCがタニオアクション式のスタンダードモデルとリアル機構のデラックスモデルを発売している。さらに2016年6月にはHWSからダミーカート仕様のモーゼルHScを発売している。ガスガンでは1988年にマルシンがレプリカブランドで固定スライドガスガンのHScを発売、1991年にはサテンフィニッシュモデルを追加している。

 

ダミーカートリッジ式 HWモデルガン モーゼルHSc

性能

全長 160mm
重量 410g
装弾数 8発

  HWS製のHScが今まで発売されたHSCの中では最高の出来であることは間違いない。ダミーカートモデルなので発火を楽しむことは出来ないが再現性は非常に高い。HW素材を使用しているためブルーイングも可能である。

 

まとめ

 

 モーゼルHScはワルサーPP、PPKの影に隠れて今ひとつ知名度の低い中型オートであるが、銃器の名門モーゼル社の傑作オートである。初期のモデルは丹念にポリッシュされた上に美しい木目のグリップが装着されていた。ストレートブローバックなので反動はシャープであるが、戦後はフランス軍でも使用された名銃である。

 

 

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