
(画像はwikipediaより転載)
1990年に発売されたイスラエル製ハンドガンがジェリコ941である。アメリカでは「ベビーイーグル」とも呼ばれている銃で、現在でも販売が続けられているロングセラー商品である。ガスガンではKWCやハドソン産業が製造しており、アニメ『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊』でバトゥが使用する等、一部のファンには知られている銃である。
ジェリコ941(実銃)
性能
全長 207mm コンパクトモデルは184mm
重量 1092g(フルサイズ スチール)890g(フルサイズ ポリマー)
口径 9mmパラベラム、40S&W、41AE
使用弾薬 9mmパラベラム弾, .40S&W弾, .41AE弾, .45ACP弾(一部モデル)
装弾数 16+1(フルサイズ)13+1(コンパクト)
特徴
ジェリコ941は、イスラエルの兵器製造コンツェルンであるイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社(IMI社:現イスラエル・ウェポン・インダストリーズ社(IWI社))によって開発、1990年に発売された自動拳銃で「ベビーイーグル」とも呼ばれている。
ジェリコ941は日本では1999年のアニメ『カウボーイビバップ』に登場したことで一部のファンの間では有名だが世間は誰も知らないそれなりにマニアックな銃と言える。ただ、一部のファンには好まれるようで、上記、『カウボーイビバップ』の他にも攻殻機動隊においてバトーが使用する銃として作品中に登場する。
デザインはデザートイーグルを意識したものとなっている。実際、外観はデザートイーグルに似ており、スライドを包み込むタイプのフレームは、CZ75の影響を受けていることが分かる。特徴は、9mm以外にもコンバージョンキットを利用して40S&W、41口径と使用弾薬を替えることができる。 名称で分かるようにジェリコ941は当時、40S&Wと競合していた41口径弾を使用できることが売りであったが、現在では41口径弾が市場からほぼ駆逐されてしまっている。
バリエーションは、スチールモデルとポリマーフレームモデルの2種類が存在し、それぞれにフルサイズ、セミコンパクト、コンパクトの3種類のモデルが存在する。口径は9mmと40S&Wのみで、スチールモデルのセミコンパクトのみ45口径モデルが存在する。45口径モデルはこれとは別にジェリコ945と呼ばれるモデルが存在する。
ジェリコ941(トイガン)
残念ながらモデルガンでは発売されていないが、エアガスガンではハドソンが随分前にガスブロを発売しているが、こちらは作動がイマイチでガス漏れもする。しかしモデルガンメーカーだけあって再現性に関しては評判が良い。最近では台湾のKWCがCO2モデルのガスガンを発売している。
ハドソン産業製ジェリコ941
性能
全長 208mm
重量 765g
口径 6mmBB弾
装弾数 6mm 24発
パワーソース フロンガス
2003年にモデルガンメーカーの老舗ハドソン産業が発売したガスブローバックガンである。1960年代からモデルガンを製作していたメーカーだけあって外観の完成度の高さは素晴らしく、トリガーガード内側のパーティングラインも丹念に処理されている。疑似的なショートリコイル機構を装備している上にバレル内のライフリングもポリゴナルを再現しているという意欲作である
ブローバックエンジンにはマルゼンのシステムを使用しており問題は少ないが、実射性能に関しては安全装置をしても引き金が引けてしまったりと問題も多い。最大の問題はバルブは独自快活のBVSというシステムを採用したために異常にガス漏れが多いことだ。2007年頃に改良型が発売されたが当時のエアガン業界の水準には遠く及ばなかった。
作動性能は完全にアウトではあるが、モデルガン的な見地で観れば後述KWC社製に比べるとブローバックをすることや外観の精度の高さから本モデルが最も完成度の高いジェリコ941トイガンと言えるだろう。
KWC製ジェリコ941
性能
全長 205mm
重量 800g
口径 4.5mm、6mmBB弾
装弾数 4.5mm 22発、6mm 15発
パワーソース CO2ガス
日本ではあまり知られていないが、台湾台南市に拠点を置くKWC社がジェリコ941のガスガンを発売している。固定スライド方式でCO2ガスで発射する。口径は4.5mmと6mmBB弾モデルが発売されている。
KWC社のジェリコは金属製スライド、プラスチック製フレームで構成され、ダブルアクションのみ、ハンマーはダミーであるためコッキングすることはできない。機構は80年代の日本の固定スライドガスガンに近い物だと考えると良いだろう。
命中精度は5mで4cm程度と比較的良好であるが、トリガーがダブルアクションのみでありさらに重いのが難点である。
まとめ
日本ではあまり有名でないジェリコ941であるが、現在も製造販売されている。アメリカでは主にベビーイーグルという名称が一般的なようだ。日本では上記有名なアニメの脇役として存在感を出しているが知名度はあまり高くない。しかし、現在では主流のポリマーフレームも採用しており、古さを感じさせないデザインは魅力的である。