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アサルトライフル

01_M14
(画像はwikipediaより転載)

 

 M14自動小銃とは、1957年に米軍が制式採用した自動小銃である。当時米軍の主力小銃であったM1ガーランド、軽機関銃のBAR、M1918、カービン銃M1、M2等の銃器を統合する目的で設計されたものの近距離で弾幕を張るというアサルトライフルの本質を理解していなかったため長期間不遇をかこっていた。しかし近年、米軍の戦場が交戦距離の長い地域に移動したため再び脚光を浴びることとなった。

 

M14自動小銃(実銃)

 

 

性能

全長 1,118mm
重量 4,500g
口径 7.62mm
使用弾薬 7.62×51mmNATO弾
装弾数 20発
設計・開発 スプリングフィールド造兵廠

 

背景から開発まで

 1936年に制式採用されたM1ガーランド小銃は当時としては画期的なセミオートマチック小銃であった。しかし重量が大きいこと、装弾数が少ないこと、クリップを使用する装填方式が独特であること等の不満が上がっていた。これに対して米軍はM1ガーランドの設計者であるジョン・ガーランドに対してM1ガーランドの改良を指示した。

 この時、ジョン・ガーランドに示した改良点は重量が4.1kg(9ポンド)以下であること、セミ・フルオート切替式であること、20連弾倉を使用できること、ライフルグレネードを発射出来ること等であった。この結果、誕生したのがT20は以降のM1ガーランド改良型の基本形として機能していく。これと同時にM1ガーランドの使用弾薬である30-06弾の火薬を変更することによって、性能はそのままでありながらカートリッジの全長を短縮することに成功した新カートリッジT65が開発された。これが改良された結果、NATO軍の弾薬として制式採用された7.62×51mmNATO弾になっていく。

 

開発

02_M14
(画像はwikipediaより転載)

 

 M1ガーランド改良型T20は、T65仕様となりさらに多くの改良を加えられT44となり、1957年にはM14として制式採用された。この7.62mmNATO弾はカートリッジの全長こそ30-06弾の63mmに比べて12mm短いが、前述のように発射薬の改良により同等の性能を発揮する。大戦末期にドイツで生まれたアサルトライフルの元祖StG44、そしてその影響を受けたAK47は、この7.62mmNATO弾よりも遥かに軽量の弾薬を使用して遠距離よりも近接戦闘で威力を発揮するものであった。

 これに対してM14は同じ自動小銃ではあるが、近接戦闘という思想には基づいておらず、M1ガーランドをフルオート可能にしたに過ぎなかった。このため連射では第2発目以降はコントロールすることは困難であり、エリアウェポンという目的は果たし得なかった。M14の設計思想とはM1ガーランド、軽機関銃、さらにはM1カービン、M2カービン等を統一することが目的であり、本質的にドイツやソビエトのアサルトライフルとは異なる設計思想であった。

 1957年に実戦配備されたM14自動小銃であったが、直後に始まったベトナム戦争でアサルトライフルとしての欠点を露呈、早くも1964年には製造中止となってしまった。その後、ドイツ由来のアサルトライフルの設計思想の本質を理解したユージン・ストーナーによってM16自動小銃が開発されることとなる。

 M16自動小銃の登場により第一線から去ったM14であったが、一部は狙撃銃や儀仗兵用として使用され続けた。その他のM14の多くは処分、または倉庫で保管されていた。このM14に再び脚光があたったのが2001年に勃発したアフガニスタン戦争で密林が多かったベトナムに比べアフガニスタンは見晴らしがよく、当然ながら交戦距離も長くなっていった。このためM16系の5.56mm弾では射程外、または威力不足であったため倉庫に眠っていた「ロートルM14」に再び脚光が当たることになった。しかし木製ストックはあまりにも重いためアルミ製ボディ、ピカテニー規格の20mmレイル、伸縮式ストックなどの近代化改修された個体も多い。

 

バリエーション

03_M39EMR
(画像はwikipediaより転載)

 

M21狙撃銃

 M14の狙撃銃バージョンである。外観上はスコープの有無の違いでしかないが、M21はM14と異なり銃身にストックが干渉しないように改良されている。フリーフロート化と呼ばれるこの方法は近年ではダニエルディフェンス社製M4用ハンドガード等にみられる構造で銃身は機関部に直接固定されており、ストックとは接触していない。このためストックから銃身が浮いているような状態になり銃身にストックによる圧がかからないため命中精度が高くなる。他にもサイトを精密射撃用に変更されており通常のM14に比べて精度は非常に高くなっている。これは民生用としても販売されている。M21のバリエーションとしてはストックをマクミラン製に変更したM25がある。

 

Mk14EBR、M39EMR

 米軍特殊部隊用に設計されたモデル。2000年にSEALの要求で開発がスタート、アルミ製ボディに折りたたみ式ストックを装着、専用のスコープを装着する。2003年には銃身を4インチ短縮した18インチモデルが登場した。主に米陸軍、海軍特殊部隊SEAL、沿岸警備隊が使用している。M39EMRは類似の改良を施した海兵隊バージョンでEBRより早い1992年に開発がスタート、2008年に配備を開始した。同様のコンセプトで設計されているが仕様は異なる。

 

その他バリエーション

 M15は分隊支援火器として改良されたモデルでM14を軽機関銃型に改良したが、M14にバイポットを装着したモデルがほぼ同等の性能を発揮したため短期間使用されたのみである。M14E1は折りたたみ式ストック試験モデル、M14A1はM15同様分隊支援火器としてストレート型ストックにグリップ仕様としたが銃が軽く反動が大きいため分隊支援火器としては有用ではなかったが、1966年に制式採用された。他にも2001年より2010年まで米海兵隊で採用されていたM21の発展形とも呼べるM14DMR、特殊部隊向けに銃身を高精度のものに改良したM14SEクレイジーホース等も存在する。

 

M14自動小銃(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは1990年にホビーフィックスが金属製、木製ストックでM14をモデルアップ、翌年の1991年にはハドソン産業がM14をモデルアップしている。電動ガンでは東京マルイが2005年にM14を発売、2006年にはSOCOMモデルを発売している。2010年には海外メーカーWE-TECHがガスブローバックで発売、エアーコッキング式ではAGMが発売している。他にもG&G、CYMAがEBRを発売している。

 

東京マルイ M14自動小銃 スタンダード電動ガン

性能

全長 1,127mm
重量 3,850g
装弾数 70発
初速 90m/s前後
定価 45,800円

 機関部始め主要パーツは金属製であるがストックは樹脂製である。スタンダード電動ガンのため反動は少ないが命中精度は非常に高い。東京マルイ製品はサードパーティーのカスタムパーツが多いのが特徴、リアリティに拘りたいのであればストックを木製にするとよいだろう。次世代電動ガンのように無駄な機能がないため実用本位のユーザーには良いかもしれない。

 

WE-TECH M14自動小銃 ガスブローバック

性能

全長 1,118mm
重量 4,980g
装弾数 20発
初速 70m/s前後
定価 79,800円

 台湾のWE-TECH社製ガスブローバックライフル。機関部やバレル他主要パーツは金属製、特にアウターバレルはスチール製であるだけにストックが樹脂製なのは残念である。作動は非常に良く反動は強いものの、初速が非常に低い個体や初速が不安定な個体も報告されている。しかし総重量は実銃のフルロードした状態に匹敵する5kg弱とリアリティの点においては現在入手できる最高のM14であることは間違いない。

 

まとめ

 

 M14の悲劇は米軍がアサルトライフルの本質を理解していなかったことにある。そして制式採用直後に起こったベトナム戦争は密林での戦闘が多く、交戦距離の短い戦闘が多かった。故にこの長射程で強力なカートリッジを発射するというM14の性能は生かすことが出来なかったものの、2000年代になると中東での戦闘が多く発生したことによりM14の性能に再び注目が集まることとなった。有用な能力とは時代と環境により異なるのである。

 

 


ミリタリーランキング

01_AK47
(画像はwikipediaより転載)

 

 AK47とは、1949年にソビエト軍に制式採用されたアサルトライフルである。反動が強く命中精度が低いものの堅牢な上に作動不良が非常に少ない信頼性の高い銃である。現在では生産されていないものの大量に製造されたため世界中の特に第三世界では未だに現役のアサルトライフルである。

 

AK47(実銃)

 

 

性能

全長 898mm
重量 3,290g
口径 7.62mm
使用弾薬 7.62mm×39
装弾数 30発
設計・開発 ミハイル・カラシニコフ / イジェフスク造兵廠他

 

背景から開発まで

 第二次世界大戦以前の小銃は大口径で遠距離から射撃するアウトレンジ戦法を基に設計されていたが、第二次世界大戦での戦訓からほとんどの戦闘は300m前後で行われていたことが判明した。このため小銃も遠距離での射撃能力よりも300m前後での射撃精度が求められるようになっていった。同時に第一次世界大戦以降、威力を発揮していた機関銃の利点を取り入れたライフルと機関銃の中間の兵器の開発を模索していくことになった。

 この数百メートルというライフルとしては近距離での戦闘に適した小銃というコンセプトを最初に具体化したのはドイツであった。当時のドイツ軍の正式小銃であったKar98Kの弾薬である7.92×57mm弾をベースに弾頭を軽量化、カートリッジの全長も33mmと短縮化した専用カートリッジを開発、30連発のバナナ型大型弾倉とフルオート機能を持つStG44を開発、実戦に配備した。

 

開発

02_AK47
(画像はwikipediaより転載)

 

 この後にアサルトライフルと呼ばれるコンセプトをソビエトで受け継いだのがソビエト軍戦車兵でありながら銃器設計者を目指していたミハイル・カラシニコフである。カラシニコフは1946年にStG44を徹底的に調査し、そのコンセプトを継承した上で独自の設計によりAK46を製作、さらに改良を重ね1947年にAK47を完成させた。そしてAK47は1949年にソビエト軍に制式採用されている。AK47のロアレシーバーは初期の量産型である1947〜1951年までは生産効率を考慮してプレス加工であったが、溶接に問題があり1952年以降は削り出しに変更されている。

 発射機構はガスオペレーションであるが、一般的な小銃と異なりボルトとガスピストンが一体化しており、ガスの圧力でボルト、ガスピストンを動かすため反動が強い反面、その質量によって内部に侵入した異物を吹き飛ばす機能を果たしている。さらに銃身やピストン、シリンダー内部にはクロームメッキが施されているため耐腐食性が高く、撃発機構始めパーツが全体的に隙間を広くとっているため多少の異物が侵入しても作動に影響はない。このため信頼性は非常に高い。

 

欠点

 欠点としてはボルトの構造的な問題により反動が非常に強いこと、安全装置がレシーバー右側面にある大型のレバーを下げると全自動、さらに下げると半自動となる構造であるために一度右手をグリップから離さなければならないこと、リアサイトが微調整が出来ない旧型のタンジェントサイトであり、照準半径(フロントサイトとリアサイトの距離)が短いこと等が挙げられる。このため命中精度は西側諸国の小銃に比べ決して高くはないが、構造が単純で堅牢であるため分解・組み立ての操作も含め十分な訓練を受けていない兵士にも取り扱いが可能である。

 

バリエーション

03_AKM
(画像はwikipediaより転載)

 

AKS47

 ストックを木製から金属製の折り畳み式のメタルストックに変更したモデルであるAKS47

 

AKM

 1957年にはレシーバーのプレス加工が実用可能なレベルにまで向上したことにより、プレス加工での製造を再開、同時に現場から意見により反動を抑制するために銃身先端部に斜めに切落された形状のマズルブレーキを採用、連射性能も安定化させるためレートリデューサーも装備された。AKMでは着剣用のラグも装備され、銃剣以外にもグレネードランチャー等も取付可能となっている。さらにこのAKMのストックをメタルストックに変更したAKMSモデルも存在する。

 

AK47(トイガン)

 

概要

 モデルガンでは1980年にハドソン産業がセミオートのみとしてモデルアップしている。メタルストック版も発売しており、2004年にはフルオートシアーを始め細部を改良した最終生産品スペシャルエディションを発売している。エアーガンでは1987年にLSがコッキング式エアーガンAKM、AKMSを発売、1991年にはファルコントーイが中国製AK47である56式小銃を発売、1994年6月8日には東京マルイが電動ガンとして発売している。海外メーカーでは2009年にLCTが電動ガンとして発売している他、GHKがAKMガスブローバックモデルを発売している。近年では2017年12月7日に次世代電動ガンが東京マルイから発売されている他、2021年3月にガスブローバックモデルの発売を予定している。

 

東京マルイ AK47 スタンダード電動ガン

性能

全長 870mm
重量 3,030g
装弾数 70発
初速 90m/s前後
定価 31,800円

 初期の電動ガンでハンドガード、ストック、ロアレシーバーは樹脂製であるが、アッパーレシーバー、アウターバレル始め主要パーツは金属製になっている。現在主流の全金属製ではないものの強度は十分に確保している。バッテリーはストック内に格納、大型のバッテリーを使用するために威力、連射速度共に比較的高めである。命中精度は東京マルイであるので十分にある。次世代電動ガンではないため反動はないが、実用本位のユーザーであればむしろこちらの方が良いかもしれない。発売から30年近く経っているモデルのため中古品を購入するのは上級者以外は危険かもしれない。

 

東京マルイ AK47 次世代電動ガン

性能

全長 875mm
重量 3,115g
装弾数 90発
初速 91m/s前後
定価 49,800円

 スタンダード電動ガンと異なりロアレシーバーはダイキャスト製で再現されているため質感、剛性が向上している。ピン類は別パーツで再現されている他、デフリックコートと呼ばれる塗装を施していることでより実銃に近い質感を出すことに成功している。バッテリーはハンドガード内にミニSバッテリーを格納しているためハンドガードが太めとなっている。ハンドガード、ストックは樹脂製のためリアル志向のファンには物足りないかもしれない。命中精度は最高レベルである。

 

東京マルイ AK47 ガスブローバック

性能

全長 ●●mm
重量 ●●g
装弾数 ●●発
初速 ●●m/s前後
定価 ●●円

 東京マルイが2021年3月に発売を予定しているガスブローバックモデル。詳細は不明であるが、M4で培われた技術を惜しみなく発揮するだろうことは想像に難くない。東京マルイは長物ガスブローバックモデルは複数発売しており、技術の蓄積が十分にあるので完成度の高いモデルとなるであろう。東京マルイ製品のメリットとしてはサードパーティーからのカスタムパーツが豊富であるという点もある。カスタムパーツは新発売と同時に市場に流通するがすぐに消えてしまう場合があるので注意が必要である。

 

LCT AK47 電動エアーガン

性能

全長 913mm
重量 3,450g
装弾数 600発
初速 94m/s前後
定価 35,800円前後(オープン価格)

 台湾メーカーであるLCT製電動ガンである。レシーバーはロア、アッパー共にスチールプレス製でハンドガード、ストックは合板ではあるが木製でしっかりとニスを塗りこんだ美しい仕上げが特徴である。内部エンジンは東京マルイのエンジンを非常に「リスペクト」したもののため東京マルイ製パーツと互換性があるかもしれない。あくまで「リスペクト」である。しかし実銃同様のプレス製で木製ストックが装備されている等、外観の完成度の高さは究極と言ってもよい。観賞用としても申し分ないモデルである。残念な点としては電動ガンの欠点であるグリップの太さが挙げられるが、これは仕方ないのかもしれない。

 

GHK AKM ガスブローバック

性能

全長 900mm
重量 3,122g
装弾数 40発
初速 65m/s前後
定価 70,000円前後

 外装はLCT同様ロア、アッパー共にスチール製でハンドガード、ストックは木製である。発射機構がガスブローバックであるため再現性の高さはLCT製を上回っている。発射機構以外でLCT製電動ガンとの最大の違いはグリップであろう。モーターを収納する必要がないため実銃同様の細身で尚且つベークライト製で再現されている。ガスブローバックのため命中精度は電動ガンには及ばないものの反動も強く射撃の安定性も良い。海外製ではあっても究極のAKMであるといえる。欠点としては高価格であることであろう。

 

まとめ

 

 多くの兵器が信頼性を向上させるために異物が機関部に侵入しないように密閉するのに対してカラシニコフは各部の隙間を作ることで入っても作動に影響が出ないように設計した。いわば逆転の発想である。このためあらゆる場所で高い信頼性を確保したのと同時に教育水準の低い兵士でも扱えるため多くの国で制式採用または主要アサルトライフルとして使用されている。

 

 


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