
(画像はwikipediaより転載)
S&Wシグマ、SDシリーズ
性能
全長 197mm
重量 740g
口径 9mm、40S&W
使用弾薬 9mmパラベラム弾、40S&W弾
装弾数 17発、15発
完成 1994年
設計・開発 S&W社
ポリマーフレーム
19世紀中盤まで銃の材質は鉄であった。その後鋼鉄を安価で製造する技術が開発されたためハンドガンにも鋼鉄が使用できるようになった。さらに20世紀に入るとアルミ合金やステンレスも多用されるようになってくる。ハンドガンの素材の中で革命的だったのは1970年にVP70で初めて使用されたポリマーフレームである。残念ながらVP70は素材以前に9mm弾でのストレートブローバック、ダブルアクションオンリーという謎仕様のために商業的には成功はしなかったものの、ポリマーフレームの使用に先鞭をつけた。
商業的に成功したのは有名なグロック17である。グロック17は1980年にオーストリア軍に制式採用され、1985年には民間への販売も始まった。ストライカー方式でシングルアクション、サムセイフティを使用しない等、全てが斬新なハンドガンであった。それもそのはず、このグロック社とはそれまでハンドガンの製造経験が全くなかったのである。故に良く分からないけど、いい感じに作ったら大ヒットしてしまったのだ。
グロックをリスペクト!
これ以降、ポリマーフレームの銃は徐々に増えてシェアを伸ばしていく。これに危機感を感じた(多分)S&Wは自社でもポリマーフレーム、ストライカー方式のハンドガンの開発を開始、グロック17をあまりにもリスペクトして開発した結果、ほぼ同じ銃となってしまった。1994年に発売されたが、もちろん即座にグロック社に裁判を起こされている。1997年に和解するが、S&W社はグロック社に和解金を支払っている。ただ、製造を継続する権利は得たのだった。
それはともかく完成したシグマはS&W初のポリマー製フレームを採用したピストルで、スライドはZamakと呼ばれるアルミと亜鉛の合金製、ショートリコイルにストライカー方式、固定サイトで、全長197mm、重量740g、40S&W、9mm弾モデルがあり、装弾数は9mm弾モデルがグロック17と同じ17発、40S&Wが15発である。バレルは4.5インチである。
1999年にはグリップとトリガー等を一部改良、2011年にはシグマの名称を「セルフディフェンス(SD)」に変更した。以降、SDシリーズとして現在でもS&Wのカタログにラインナップされている。ただ、残念なことにグロックに比べて人気がなく、評判も芳しくない。大きな理由の一つにトリガープルが非常に重いということがある。これは警察からの要望だったようで意図的に重くしているようだ。恐らく引き金の重いリボルバーに慣れた警察官を配慮した結果なのだろう。
とにもかくにもS&W初のポリマーフレームピストルで、評判は今ひとつなのにバリエーションはやたらと多い。グロックを若干リスペクトし過ぎたきらいはあるが、この経験が大ヒット作M&Pにつながっていくのだ。完全に無駄であったとはいえないであろう。
トイガン
トイガンでは1997年にWAがガスブローバックでモデルアップ、その後、KWAがコッキング式エアガンでモデルアップしている。
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