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(画像はwikipediaより転載)

 

スターム・ルガーシングルシックス

 

 

性能

全長 279mm
重量 936g
口径 22口径
使用弾薬 22LR
装弾数 6発
発売 1953年
設計・開発 スターム・ルガー社

 

コストダウンの鬼

 米国では、1950年代にテレビが普及すると人気を博したのは西部劇であった。主人公は当然、シングルアクション(射撃するごとにハンマーをコッキングする方式)の銃であったが、西部劇で有名なコルト社のSAA(シングルアクションアーミー)は生産を終了していた。そこに目を付けたのがスターム・ルガー社であった。スターム・ルガー社は戦後、22口径の自動拳銃ルガーマーク気離劵奪箸砲茲蠱輒椶気貉呂瓩薪時はまだ新興の銃器メーカーであった。

 社長であり、銃器設計者であったビル・ルガーはルガーマーク気覇世人益を使ってシングルアクションリボルバーを開発・販売した。これがルガーシングルシックスである。外観はコルトSAAにそっくりであったが、内部構造には様々なコストダウンの工夫が凝らされていた。製造法も削り出し等はせずにロストワックス製法で製造した。この製法は精密な部品が作れるのと同時に削り出し等に比べてコストダウンに貢献した。さらにスプリングもリーフスプリングを使わず、コイルスプリングを使用することでさらにコストダウンを行った。リーフスプリングは専用のものを作らなければならないが、コイルスプリングは長い1本のコイルを必要な長さに切るだけなのだ。

 この結果、57.5ドルで販売することが可能となった。1956年に再生産されたSAAの販売価格が125ドルであったことを考えるとお手頃な価格設定であった。

 

 

順調にセールスを伸ばす

 しかしコストダウンの結果、性能面で何か問題が起こったのかといえばそうではない。性能や耐久性はきちんと担保しているのだ。そこがビル・ルガーの天才的なところだ。さらにこの信頼性の高さがのちにスターム・ルガー社を一流企業に押し上げる原動力となるのだ。1953年に発売されたシングルシックスはシングルアクションでバレルは5.5インチ、口径はカートリッジがもっとも流通しており安価な22口径であった。ローディングゲートは当初は平板であったが、1958年にはコルトと同様のふくらみのある半月形のローディンゲートに変更されている。

 リアリティとしては改良型の方が高いのだが、ここはマニアのお約束で1957年まで販売されていた平板タイプのモデルにプレミアが付いている。発売当初はほとんど売れなかったが、徐々に人気が出て、翌年には10,000挺、1955年には20,000挺が出荷された。

 コルトSAAもそうなのだが、この時期のリボルバーには安全上の欠陥があった。リボルバーはハンマーが直接雷管を叩く構造であるが、これが何らかの手違いで(落としてしまったり)ハンマーに圧力が加わるとハンマーが雷管を叩き暴発してしまうのだ。それがのちに問題となり、1973年にはハンマーと撃針の間にトランスファーバーが装備された。これはリボルバーの安全装置で、普段はハンマーと撃針の間に隙間が空いていてハンマーに強い衝撃がありハンマーが前進してしまっても撃針まで届かないようになっているのだが、射撃の瞬間にトランスファーバーという板がハンマーと撃針の間に入りその空間を埋めるという機構だ。この機構によりシングルシックスの安全性は高められ、常時シリンダーに全弾装填した状態で携行できるようになった。

 

当初から頑丈、安全な銃

 様々なバリエーションと派生型を生み出し、シングルシックスは現在でも生産されている。1973年までの九モデルだけでも70万挺、新型以降は100万挺以上が製造されている大ヒット商品である。とにかくビル・ルガーが賢かったのは、西部劇ブームにうまく乗れたことと同時に22口径を選んだことかもしれない。私見ではあるが、このシングルシックスはモデルガン的な性格が強い実銃なのではないかと思う。西部劇を観て、そのヒーローに自分が成りきるための小道具としてユーザーは購入したのではないだろうか。

 そうであるならばコルトSAAのような強力な45口径ロングコルト弾は不要で、弾代も安い22口径がちょうどよい。さらに製造面からしても22口径カートリッジは威力が低く技術的なハードルも低かっただろう。製造だけでなく設計にもコストがかからないカートリッジであったのではないかと思う。それは私の全くの想像であるが、初期の製品からのちのスターム・ルガー社が評価される頑丈さ、安全性等が備わっていたのはさすがといえる。そして、このシングルシックスの成功によりスターム・ルガー社は徐々に一流企業への道を歩み始める。

 

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