m1858
(画像はwikipediaより転載)

 

レミントン M1858ビールスリボルバー

 

下の動画はピエッタ社製のレプリカ

 

性能

全長 337mm
重量 1,270g
口径 44口径
使用弾薬 44口径パーカッション
装弾数 6発
完成 1858年
設計・開発 レミントン社

 

開発経緯

 コルト社は1836年にコルトパターソンでリボルバーの特許を取得してその画期的なリボルバーのメカニズムを独占していた。しかし1856年に特許が失効、これに合わせてS&W社が金属カートリッジ式のリボルバーS&W No1を発売した。1816年創業の米国の老舗銃器メーカーレミントン社もこのリボルバーのメカニズムを利用したリボルバーを発売した。これがM1858である。

 

ビールスリボルバー

 ビールスアーミーと呼ばれる本銃は、全長は337mm、重量は1,27kg、銃身長は8インチの44口径リボルバーであった。同時にビールスネービーモデルも発売、こちらは銃身長7.5インチで36口径とわずかに小型であった。コルト社のリボルバーがシリンダー上部が空いているオープントップ方式でS&Wが中折れ式であったのに対してレミントンはソリッドフレームを採用したため十分な強度を備えたリボルバーとなった。

 同時に安全性にも配慮されており、携行時にハンマーが雷管を叩いてしまう事故を防ぐために携行時にはシリンダーのチャンバーの間にハンマーの撃針が当たるように固定されていた。他のメーカーの銃器にはこのような配慮はなかったため一般にリボルバーの携行時には撃針があたる位置には火薬や弾丸を詰めないようにするのが一般的であった。S&Wやコルトがリボルバーに暴発防止の安全装置を装備するのはM1858の登場から数十年もあとのことであった。

 そしてもう一つM1858の特徴というのはシリンダーの交換が容易であったことが挙げれる。当時はパーカッション式でシリンダーに火薬と弾丸を詰めグリスを塗って防水処置をして発射準備完了となるが、再装填するのは非常に手間のかかる作業であった。これに対してレミントンのリボルバーはシリンダーの交換が容易なため、現代のスピードローダーのようにシリンダーを素早く交換して連続射撃が可能であった。しかしこれは理論上の話で実際にはあまり行われなかったらしい。

 以上のようにレミントンのリボルバーはソリッドフレームを採用したこと、安全装置が装備されていること、シリンダーの交換が容易であることがメリットであるが、デメリットとしてはフレームとバレルが一体であることが挙げられる。これはメンテナンスには不向きであった。

 

他人の不幸は蜜の味

 「他人の不幸は蜜の味」という訳ではないが1860年代前半にコルト社は大火災に見舞われてしまう。南北戦争のさ中であったこともありコルト社には大打撃であった。しかしコルト社の不幸はレミントンの幸運。コルト社からの納入が途絶えたため米国政府からレミントン社にM1858の大量注文が舞い込むこととなった。

 この頃になると銃はそれまでのパーカッション式から金属カートリッジ式へと移行しつつあり、M1858も1868年には46口径リムファイア式金属カートリッジモデルを発売した。この金属カートリッジ・・・というよりも貫通シリンダーの特許は当時、ローリン・ホワイトという元コルト社の技師が持っておりS&Wに独占契約を与えていた。このためコルト社は特許が切れるまで金属カートリッジの銃を製造することは出来なかったのだが、レミントン社はS&Wに特許料を支払い金属カートリッジの銃を製造販売した。

 

 

バリエーション

 最初に生産されたビールスアーミー、ネービーは1861年から生産開始、1862年まで製造された。44口径アーミーが1,900丁、36口径ネービーが14,500挺生産された。1861年になると1861アーミー(オールドモデルアーミー)、1861ネービーが登場、ビールスと同じく8インチ銃身、44口径であった。総生産数はアーミーが6,000挺、ネービーが7,000挺である。

 1863年には44口径ニューモデルアーミー、ニューモデルネービーが発売、1863年から1875年まで製造されたが、特にアーミーは132,000挺が生産された大ヒット作となった。ネービーもアーミーほどではないがそれでも28,000挺が生産されている。同年ニューモデルシングルアクションベルトリボルバーも発売、これは36口径パーカッション式と38口径リムファイア式で発売された。6.5インチ銃身のオクタゴンバレル(六角形銃身)で4,500挺が生産された。

 また同年にはライダーダブルアクションニュービールスリボルバーも発売、1873年の製造中止まで5,500挺が生産された。1865年には36口径ニューモデルポリスリボルバー、ニューポケットリボルバーが発売、ポリスリボルバーはそれぞれ25,000挺が生産された。

 

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