
(画像はキ102 wikipediaより転載)
襲撃機キ93とは、第一陸軍航空技術研究所で開発された襲撃機で全幅19mという巨大な機体であった。1945年4月に試作機1機が初飛行を行ったのちに空襲によって大破、そのまま終戦となった。75mm砲を装備する計画もあった機体で完成していればタンクバスターとして活躍した可能性がある。
襲撃機 キ93 〜概要〜
性能
全幅 19.00m
全長 14.22m
全高 4.85m
自重 7,826kg
最大速度 624km/h(高度8,300m)
上昇力 4,000mまで4分18秒
上昇限度 12,050m
エンジン出力 2,400馬力(ハ214)2基
航続距離 2,350km
乗員 2名
武装 57mm機関砲(ホ402)1門、20mm機関砲(ホ3)2門、12.7mm機関砲(ホ103)1門
爆装 250kg爆弾2発
設計・開発 安藤成雄 / 第一陸軍航空技術研究所
開発
1943年2月、陸軍航空本部は、第一陸軍航空技術研究所(一技研)、陸軍航空工廠に対してキ93の名称で正式に開発の指示を出した。これに対して一技研では安藤成雄中佐を設計主務者として開発を開始した。陸軍自身が設計開発を行うのは1927年に完成した試製三座軽爆撃機以来、実に16年振りであった。
1943年5月から設計開始、1945年3月に試作1号機が完成した。初飛行は4月8日に20分間飛行したが、その際事故が発生、ほぼ修理が完了した4月30日に空襲によって完全に破壊されてしまった。試作2号機も製作されていたが、完成直前に終戦となった。
全幅19mという巨大な機体で、セミモノコック構造で乗員2名で前方に操縦員、後方に同乗者席という配置になっていた。エンジンはハ214M(2,400馬力)でプロペラは直径3.80mの定速6翅プロペラであった。武装は前方固定砲に57mm砲1門(ホ402。弾数20発)、20mm砲2門(ホ5。弾数各600発)、後上方旋回砲として12.7mm旋回機関砲1門(ホ103。弾数400発)で、爆弾搭載量は250〜800kgである。
防弾性能を非常に重視しており、操縦席前方には厚さ70mmの防弾ガラスと12mmの鋼板の防弾装置、搭乗員席の背部には厚さ15mmの防弾鋼板、燃料タンクはゴムで被覆されており、後方には厚さ10mmの防弾鋼板が設置されていた。
生産数
試作機1機のみ。
まとめ
キ93は戦争末期に試作機が完成、1回飛行したのみの機体であった。当時の最先端の技術を投入した機体で計画通りの性能を発揮することが出来れば全幅19mの大型機でありながら双発戦闘機並みの運動性能を発揮して活躍するはずであったが、当時の日本の航空機のエンジンの性能低下は目を覆うばかりであったため仮に量産されていたとしても計画通りの性能を発揮することはなかったであろう。
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